| Character | 1話【9-1 帝国への道1】 |
| カーリャ | お帰りなさい、ミリーナさま。ロイドさまはお元気でしたか ? |
| カーリャ | もう長いことケリュケイオンに行きっぱなしでカーリャ心配です。 |
| ミリーナ | 明るく振る舞っていたけれど、内心は不安だと思うわ。でもコレットも傍にいるし、ケリュケイオンにはゼロスくんもいるから、きっと大丈夫よ。 |
| ミリーナ | コーキスの方は ? もうすっかり元気になったとは思うけれど、毒が抜けるまで時間がかかったから……。 |
| コーキス | 俺なら大丈夫です。ただ、むやみに眼帯を外さないようにって――。 |
| イクス | ……まだゲフィオンからその力のことを詳しく聞けてないんだ。だから眼帯は絶対外しちゃ駄目だぞ。 |
| コーキス | ……主にマスターから、今も言われてます。 |
| ミリーナ | イクス……。そう、イクスらしいわね。自分も大変なのに、人の心配ばっかりしちゃって……。 |
| ミリーナ | でも、イクスはあの時どうして私たちを呼び寄せたのかしら。 |
| イクス | その説明はもう少し待ってくれ。ちゃんと成功したら報告するから。 |
| コーキス | 何か、理由はあるみたいですけど成功するまで待ってくれって言ってます。 |
| ミリーナ | そう……。無理はしないでね、イクス……。 |
| コーキス | それで……クラトス様の治療はまだできないんですか ? |
| ミリーナ | 今、フィルがソーマを使って安定的にソーマ使い以外もスピルリンクできる魔鏡を造っているの。私も確認してきたけれど、あと少しで完成すると思うわ。 |
| コーキス | そうすれば今は眠らせておくしかないクラトス様を治療できるようになるんですね。 |
| コーキス | ……でもどうしてクラトス様は死のうとしてるんだろう。そんな感じの人には見えなかったけどな。 |
| ユーリ | そうか ? オレにはいかにもらしいと思ったけどな。 |
| コーキス | え ? 何で ? |
| ユーリ | 何でって……まぁ、逃げてるからじゃねぇの ? |
| コーキス | 何から ? |
| ユーリ | 何で何でってガキじゃあるまいし……。実際のとこはミトスかリフィルにでも聞いてくれ。同じ世界から来たヤツの方がわかってるだろうよ。 |
| ユーリ | それよりミリーナカロルが例の準備終わったって言ってたぜ。 |
| ミリーナ | ありがとう。じゃあ早速みんなを集めましょう。 |
| コーキス | 例の準備って何ですか、ミリーナ様。 |
| ミリーナ | みんなを集めたら説明するわね。 |
| ミリーナ | みんな、忙しいところ集まってくれてありがとう。今日集まってもらったのは鏡映点候補のリストを確認してもらうためなの。 |
| ルカ | 鏡映点候補って、カロルが聞き込みに来た僕たちの元の世界での仲間のこと ? |
| ミリーナ | ええ、そうよ。カロル調査室とキール研究室で鏡映点として具現化された可能性のありそうな人たちを聞き込みしてリストにしたの。 |
| ミリーナ | さっき渡したリストには名前と特徴と写真を並べてあるわ。 |
| ルドガー | 写真って言っても、かなりぼやけてるな。これだと本人を知ってる人間じゃないとわからないかも……。 |
| キール | これが精一杯なんだよ。 |
| キール | それぞれが心に思い浮かべた鏡映点候補の顔を、魔鏡を通じてミリーナのカメラに転写する装置を作ったんだが人の心はあやふやでどうしても像がぶれてしまうんだ。 |
| パスカル | もっと焦点をシュンってできればパキッとなるんだけどね。 |
| リタ | それでも、ないよりは全然マシよ。 |
| コーキス | それにしても随分たくさん候補がいるんだな。この資料の厚さ、武器になりそうだよ。 |
| ミリーナ | 念のため、敵対していた人たちもリストに加えてもらったから……。ちょっと大変だと思うけど目を通しておいて欲しいの。 |
| ミリーナ | ファントムは死ぬ前にかなりの数の鏡映点を具現化していたようだし、帝国も具現化を続けているみたいだから、こちらでも鏡映点を捜して助けたいわ。 |
| カロル | 敵対してる相手が、ボクたちの誰かの仲間の体だってこともあり得るもんね。 |
| ユーリ | …………。 |
| エル | ……ねぇ、ルドガー。これってエルのことユーカイしようとした人に似てる。 |
| ルドガー | え ? このリチャードって人か ? あ、そういえばセシリィがリチャードって言っていたような……。 |
| 一同 | ! ? |
| ソフィ | リチャードもこの世界にいるの ? |
| エル | わかんないけど、似てるよね ? |
| カイウス | リチャードって、あのリチャードのことか ? |
| アスベル | カイウス ! リチャードのことを知ってるのか ! ? |
| カイウス | リチャード……って、金髪のちょっと……えっと、変わってる人だよな ? |
| アスベル | 変わってる……かな ?ええっと、その人は鏡映点なのか ? |
| カイウス | どうだろう……。シングが倒れていたリチャードを助けたのは知ってるけど、オレも詳しくはないんだ。多分セシリィなら知ってるんじゃないかな。 |
| ルカ | セシリィもまだケリュケイオンだよね……。 |
| カーリャ | あ、エミルさまとマルタさまとロゼさまが戻られましたよ。 |
| カイウス | え……。ロゼはともかく、残りの名前は初めて聞くな。まだ他にも仲間がいたのか。 |
| コーキス | そういえば、エミル様たちはしばらく闘技場の方に詰めてたんだったな。 |
| ミリーナ | 随分大所帯になったから顔と名前を一致させるのが大変よね。 |
| ロゼ | ただいまー。はー疲れたー。 |
| エミル | 闘技場の方、何とか上手くいってるみたいだったよ。 |
| カイウス | ――えっ ! ? |
| エミル | ……な、何 ! ? 僕の顔に何か付いてる ? |
| カイウス | あ、いや、ごめん。知り合いにそっくりで……。いや、アステルがこっちにいる訳ないよな……。あれ、もしかして、あんたはアステルの双子の兄弟か ? |
| エミル | アス……テル…… ! ? |
| カロル | え ? エミルって双子だったの ? あ、もしかしてボクが帝都に行ったとき見かけたエミルってそのアステルって人だったのかな ? |
| エミル | ア、アステル……さんが具現化されてるの ? |
| マルタ | 嘘……。だってアステルさんって、確か……。 |
| エミル | えっと……。詳細は置いておくけど、その……僕は精霊で、人間の姿になるときに参考にしたのがアステルさんなんだ。 |
| コーキス | ……この調子だと、まだまだ他にも気付いていない鏡映点がいるかも知れないな。 |
| ミリーナ | ええ、そうね……。 |
| ミリーナ | それじゃあ、みんなリストを読んでもらって鏡映点として具現化された仲間がいる可能性のある人たちは残ってちょうだい。 |
| ミリーナ | 残ったのは―― |
| エミル | アステルさんは仲間だった訳じゃないけど……でも、もし会えるなら話したいことがあるんだ。 |
| ソフィ | リチャード……。 |
| アスベル | まずはリチャード本人か確認する必要がありそうだな。 |
| ヴェイグ | カイウスやユーリたちの話を聞く限り、アスターの下にいたヒルダというのは、オレの仲間のヒルダ・ランブリングで間違いないと思う。 |
| ルカ | 特異鏡映点亜種03っていうのは僕の仲間のスパーダのことじゃないかなって……。 |
| カイウス | オレはリストとは関係ないけど、帝国に長くいたから何か役に立てるかも知れないからさ。 |
| ユーリ | まずはこんなところか。 |
| ミリーナ | それじゃあ、このメンバーでアスターさんに会いに行きましょう。ヒルダさんがそこにいるそうだしアステルさんもよく出入りしているんでしょう ? |
| カロル | ボクも行くよ。室長だからね。 |
| コーキス | さすがに帝都の警備が厳重になってる可能性があるな。慎重に行こうぜ。 |
| Character | 2話【9-3 アスガルド帝国】 |
| ルカ | うわ……。街の入り口に兵士がたくさんいる。やっぱり警戒されてるのかな。 |
| ユーリ | いや、警備にしちゃ数が多すぎる。何かあったのか ? |
| アスベル | もしかしたら、どこかに進軍する予定があるのかもしれない。 |
| ヴェイグ | 進軍といってもこの世界に帝国と敵対する国はない筈だ。 |
| ヴェイグ | となると救世軍か ?全員がケリュケイオンにいる訳じゃないだろう。 |
| イリア | ねぇ、どっかから侵入できないの ? |
| ユーリ | さすがに地下はもう使えねぇだろうしな。 |
| イクス | あ、フィルがこっちに気付いた。 |
| コーキス | え ? フィル様がこっちに気付いた ?マスター、どういうことですか ? |
| カイウス | あ、ホントだ。ジュニアが街から出て、こっちに走ってくる。 |
| エミル | え ! ? ちゃんと隠れてたのに……。 |
| ジュニア | ……ミリーナ ? いるんでしょ ? |
| ミリーナ | ………………。 |
| ジュニア | 誰にも言わないよ。ミリーナが近くにいるって僕の持ってる守護魔鏡の欠片が教えてくれたからそれでここに来たんだ。 |
| ミリーナ | ……フィル。 |
| ジュニア | ……その名前で呼ばれるのは久しぶり。今はみんなジュニアって呼ぶから。 |
| ミリーナ | フィル、どうして帝国にいるの ? |
| ジュニア | ……その話をする前にミリーナに会わせたい人がいるんだ。よければ仲間の人たちも一緒に。 |
| ミリーナ | それは誰 ? |
| ジュニア | バルドだよ。フレンさんって鏡映点の体を使ってリビングドールとして復活したビフレストの騎士なんだ。 |
| ユーリ | ……案内してもらおうじゃねーか。 |
| ジュニア | 確か、ユーリさん、ですよね。バルドから聞いています。フレンさんの親友だって。 |
| ジュニア | 大切な人をリビングドールにされて腹が立つのはわかります。でも、まずはバルドの話を聞いてあげて下さい。 |
| コーキス | なぁ、ユーリ様、話を聞いてみないか? |
| ユーリ | こいつが罠じゃないって保証があるならな。 |
| ジュニア | 罠にはめるより、ここで兵士たちを呼んだ方が簡単じゃありませんか。 |
| ユーリ | ――だろうな。まぁ、念のため確認しただけだ。 |
| ジュニア | はい。そういう性分だろうなと思いました。 |
| ユーリ | ナリは子供でも、おっさんのフィリップと同じだな。いい性格してるぜ。まぁ、とりあえず、話ぐらいは聞いてやるよ。 |
| ミリーナ | ………………。 |
| カロル | ……ユーリはいつもそうだよね。 |
| カロル | 本当はすごく悔しい筈なのに、それでもフレンの尊厳を奪った奴と手を組むってことを平気な顔して飲み込もうとするんだ。 |
| カロル | ボクにはわかるよ。だからボクも今回のこと飲み込んでみせる。 |
| ミリーナ | ……二人ともありがとう。それじゃあ、バルドさんに会いましょう。他の鏡映点の情報も聞き出せるかも知れないわ。 |
| バルド | ご足労頂き、ありがとうございます。 |
| ユーリ | …………。 |
| コーキス | ミリーナ様に会ってどうするつもりだ。 |
| バルド | ……鏡精、ですね。ビフレストでは、鏡精は悪しきモノとして伝えられてきました。あなたを見ていると、とても信じられませんが。 |
| コーキス | 悪しきモノ…… ? 俺が…… ? |
| イクス | 悪しきモノ…… ? そんなの聞いたことがないな。 |
| ミリーナ | どうして鏡精が悪しきモノなの ? |
| バルド | 世界を滅ぼすのは鏡精だと、ビフレストでは伝えられていたんですよ。あなたはご存じかと思いましたが……。 |
| ミリーナ | 私 ? いいえ……。ゲフィオンから受け継いだ記憶が不完全みたいで……。 |
| バルド | そうでしたか。――失礼、話がそれましたね。本題に入りましょう。 |
| バルド | 私が信頼する人物が、次々帝国からあなた方の下へ降っています。そしてあなた方はリビングドールという存在を否定している。 |
| ルカ | だって、体を奪っているってことですよね。元の持ち主の存在を無視して……。 |
| バルド | ええ。体を奪われた側からすれば尊厳を奪われるも同然です。 |
| バルド | そして……リビングドールとして生き返らされた側からしても、また同じなのです。 |
| ミリーナ | 生き返ったことが嬉しくはないんですか ? |
| バルド | それが自分の体と共にであれば……喜ばしいことだったでしょうね。 |
| バルド | 勿論リビングドールとして復活して喜んでいる者もいます。ですが、私は……今のこの状態に疑問を抱いている。 |
| バルド | だから、皆さんに協力をお願いしたいんです。メルクリア様のリビングドール計画を止めるために。 |
| ソフィ | バルドもわたしたちの仲間になるの ? |
| バルド | そちらの陣営には行けません。どちらかというとカイウスたちの代わりに、私が帝国側の情報を流す役割を受け持つという感じになりますね。 |
| ユーリ | 都合のいい話だな……。 |
| ミリーナ | それを信じると思う ? |
| バルド | ジュニアから聞いていた通りだ。あなたは簡単にはこちらを信じてくれないだろうと。 |
| バルド | ですから私を信じてもらえるようある情報を持ってきました。 |
| エミル | 情報って ?帝国への侵入方法だと助かるんだけど……。 |
| バルド | 特異鏡映点亜種03――スパーダという鏡映点の居場所です。 |
| 二人 | ! ? |
| Character | 3話【9-5 アジトへの道2】 |
| ミクリオ | 遅いな、ライラ。 |
| スレイ | きっとまた誰かと話こんでるんだよ。この前なんか、クレスと盛り上がってたし。内容はよく聞こえなかったけどさ。 |
| ミクリオ | そう言えば僕も見たよ。その時は、二人の間に火花が散ってるようにも見えたけど……。 |
| スレイ | え、ケンカしてたのか ! ? |
| ミクリオ | いや、クレスもライラもすごく楽しそうだった。 |
| スレイ | なら良かった ! ライラは、オレたちと合流するまでこの世界では人と会うことがなかったみたいだし。馴染めるか、ちょっと心配だったんだ。 |
| ミクリオ | あの時、かめにんを追いかけてなかったら、会うのはもっと先、いや、出会えていなかったかもしれないね。 |
| スレイ | 本当、かめにんには感謝だよ。ライラみたいに、誰にも知られていない鏡映点がまだ世界にはたくさんいるんだろうな……。 |
| ミクリオ | そうだね。そんな鏡映点を帝国はリビングドールとして利用している。 |
| スレイ | ……力を取り戻さなくちゃ。みんなを救うためにも。 |
| ベルベット | それじゃ、頼んだわよ。 |
| ライラ | ええ、おまかせ下さい。 |
| ライラ | ――お待たせしてすみません。スレイさん、ミクリオさん。 |
| スレイ | ライラ、もしかしてベルベットと用事でもあった ?だったらオレたちの方は後でもいいけど。 |
| ライラ | 大丈夫ですよ。今すぐというわけではありませんから。後で焼き菓子のコツを教えて欲しいといわれたんです。……ふふふ。 |
| ミクリオ | 何がおかしいんだ ? |
| ライラ | だって、災禍の顕主と一緒に料理だなんて、思いもしませんでしたもの。しかもあんなに上手なんですよ ? |
| スレイ | うん、ベルベットの料理って美味いよな !なんだっけ、あのシチュー。えっと…… |
| ライラ | ウリボアの肉たっぷり、なのにさっぱりシチュー。ですよね ? お姉さんの直伝だそうですよ。 |
| スレイ | そうそう ! あれを食べた後に、ミクリオのバニラソフトクリームがまた最高なんだ。 |
| ミクリオ | 言っとくけど今日は作らないぞ。 |
| スレイ | じゃあ、明日ならいいってことだよな ? |
| ミクリオ | ……まったくもう。 |
| ライラ | ふふっ。スレイさんもミクリオさんもどこにいてもお二人は変わりませんね。 |
| スレイ | ライラもね。このアジトにも馴染んだみたいで良かったよ。 |
| ライラ | ええ、おかげさまで。最初は、私たち天族の姿が普通の方々にも見えるということに、少し戸惑いましたけれど、それもだいぶ慣れました。 |
| ライラ | 今はライバルもできて、日々充実しています ! |
| 二人 | ライバル ? |
| ライラ | い、いえ、こちらの話ですわ。それよりも本題に戻りましょう。 |
| ミクリオ | そうだな。他のみんなもそれぞれ出来ることを探って動いている。僕たちもやらないと。 |
| スレイ | ああ !――それじゃライラ、行くよ ! |
| ライラ | はい ! |
| スレイ | フォエス=メイマ ! ! |
| スレイ | ――くっ……、やっぱり何度やっても駄目か。 |
| ミクリオ | 陪神の僕はともかく、主神のライラだったら神依も可能かと思ったけど……。 |
| ライラ | 私の力が足りないのでしょうか……。 |
| スレイ | オレの方に原因があるのかも。 |
| ミクリオ | いや、これだけ試してもできないんだ。やっぱりエンコードの影響なんじゃないかな。 |
| ライラ | エンコード、ですか。そのおかげで、私たち天族が皆さんに見えるようになったのは良いことのようにも思えていましたが…… |
| ライラ | こんな形で妨げになるなんて……。 |
| スレイ | 帝国には強力な光魔を呼び出す奴もいるっていうし、神依ができれば対抗手段も増えると思ったんだけどな。 |
| セシリィ | ――ただいま帰りました !……あら、スレイさんたち、随分疲れた顔をしているけど大丈夫 ? |
| スレイ | セシリィか。神依ができるか試してたんだよ。だけど……。 |
| セシリィ | ……駄目だった ? |
| ライラ | はい……。セシリィさん、この浄玻璃鏡をもってしてもやはり神依は難しいのでしょうか。 |
| セシリィ | 以前、スレイさんたちの世界のことを聞いたとき浄玻璃鏡の力があっても、神依がこの世界で成功する確率はゼロに近いと思ったの。 |
| セシリィ | それは、この世界に主神であるライラさんがいないことが大きかった。 |
| セシリィ | 今なら浄玻璃鏡がスレイさんだけでなく、ミクリオさんやライラさんの現在過去未来、あらゆる可能性を映すことで神依が使えるようになるかも知れない。 |
| セシリィ | ただ、それにはきっかけが必要なの。ユーリさんやルドガーさんのように、何か皆さんの心を動かすものがあればきっと……。 |
| スレイ | きっかけかあ。それって何なんだろうな。 |
| ミクリオ | どっちにしろ、諦めるのはまだ早いってことだろ。 |
| スレイ | だよな。もっと色々試してみるか ! |
| ミクリオ | そうだ、スレイ。また息でも止めてみるかい ?アリーシャに初めて僕たちの声を聞かせた時みたいに。 |
| ライラ | いいですね ! まずは初心に戻って、感覚を研ぎ澄ませましょう。それではスレイさん、今から息をしちゃ駄目ですよ ? 目も閉じて下さいね。 |
| スレイ | ええ ! ? 待って待って ! |
| ルーティ | あ、いたいた !ちょっとあんたたち、一緒に来てくんない ? |
| スレイ | ルーティ、どうしたの ? |
| ルーティ | さっきエミルたちが戻って来たんだけど、なんか妙な話になってるみたいでさ。すぐに動けそうな奴らに集まってもらってんの。 |
| ルーティ | 他にも声かけてくるから、先にミリーナたちの所に行っててもらえる ? |
| スレイ | わかった、すぐに行くよ ! |
| Character | 4話【9-6 アジトへの道3】 |
| スレイ | 話は聞いたよ。ルカの仲間の居場所がわかったんだって ? |
| ミリーナ | ええ。まだ信じていいのかわからないけれど……。 |
| セシリィ | バルドさんなら……信頼できるわ。 |
| ルカ | セシリィはバルドのこと詳しいの ? |
| セシリィ | ……生前、お世話になったから。 |
| イリア | そっか、セシリィは確か本当はシドニーっていう名前の鏡士なんだっけ。 |
| セシリィ | ええ。私……ガロウズと親しかったからセールンドとの戦争が始まったとき内通を疑われてしまったの。 |
| セシリィ | でもその時、私の言葉を信じて庇ってくれたのがバルドさんだった。 |
| セシリィ | 結局は、陛下の命令で前線に送られてしまったけれどバルドさんもナーザ将軍――ウォーデン殿下も私を気遣ってくれたわ。 |
| ソフィ | ナーザもいい人なの ? |
| セシリィ | 厳しい方だったけれど、ビフレストのことを思う素晴らしい皇太子殿下だったわ。 |
| セシリィ | あの方が、今リビングドールとして、何をしようとしているのかはわからないけれど、メルクリア様のリビングドール計画には乗り気ではない筈よ。 |
| スレイ | だったら協力し合えるといいよね。戦わなくてすむなら、それが一番だよ。 |
| ミリーナ | ええ。私たちも協力できるならそうしたい。その方がフレンさんを助ける道にも繋がるんじゃないかと思うの……。 |
| ミリーナ | だからまずはバルドさんのくれた情報が本当かどうか確認しないとね。 |
| コーキス | ヴェイグ様はユーリ様やエミル様たちとヒルダ様に会いに行ったから、スレイ様たちが一緒に来てくれると助かるよ。 |
| スレイ | オレたちもライラと会えたときすごく嬉しかったからルカのためにも是非協力させてよ。 |
| ルカ | ありがとう、スレイ…… ! |
| ルーティ | ちょっと、ルカ。あたしたちのこと忘れてない ? |
| ミラ=マクスウェル | わざわざ主張しなくても構わないと思うのだが。 |
| クレス | うん。それに僕らの気持ちはスレイと同じだからね。僕も仲間と再会できたときは嬉しかった。 |
| ミント | ええ。私も合流できて安心しました。スパーダさんにも安心してもらいたいです。 |
| イリア | まぁ、スパーダがそう簡単に弱るってことはないと思うけど、酷い扱い受けてるなら助けないとね。 |
| ミリーナ | それじゃあ、急ぎましょう。どうやらスパーダさんは精霊研究所から、別の施設へ運ばれるそうなの。 |
| ミリーナ | 輸送の時はどうしても隙ができるわ。イリアの時と同じように助けられる筈よ。 |
| セシリィ | あ、待って。私ミリーナを呼びに来たの。魔鏡通信でもよかったんだけど私も荷物を取りに来る必要があったから……。 |
| ミリーナ | え ? 私 ? |
| セシリィ | フィリップさんがスピルリンクに共鳴する魔鏡を完成させたの。 |
| セシリィ | クラトスさんの治療のためにミリーナとできれば治癒術を使える人たちに来て欲しいって。 |
| ミリーナ | あ、でもスパーダさんを連れた輸送隊がもうすぐ出発するって……。 |
| コーキス | ミリーナ様。こっちは俺たちに任せて下さい。ルカ様にイリア様、アスベル様とソフィ様それにスレイ様やクレス様たちもいます。 |
| イクス | 俺もコーキスのサポートをするよ。 |
| コーキス | マスターもサポートしてくれるって。 |
| アスベル | 俺たちもさっきヒューバートに声をかけたんだ。ミリーナはクラトスさんの方へ行ってくれ。 |
| ルーティ | 確か回復役が必要なのよね。あたしとミントもミリーナと一緒に行きましょう。 |
| ミント | ええ、そうですね。 |
| クレス | その方がいいね。こちらは十分戦力が整ってる。 |
| アスベル | 確かシェリアも残ってる筈だ。声をかければ同じような治癒術を使えるメンバーを集めてくれると思う。 |
| ミリーナ | ……そうね。そうさせてもらうわ。 |
| ライラ | あちらも大変だと思います。頑張って下さい。 |
| ミリーナ | ありがとう、ライラ。それとスパーダさんはかなり特殊な存在として、帝国でも厳重な警備をされているらしいの。だから、ライラも気をつけてね。 |
| ライラ | 承知しました。しっかり役目を果たしますわ。 |
| コーキス | よし、俺たちはスパーダ様を取り戻そう。 |
| ミリーナ | 私たちはクラトスさんの命をつなぎ止めましょう。 |
| Character | 5話【9-7 スピルメイズ 入口】 |
| フィリップ | ミリーナ。それにミントさん、ルーティさんシェリアさん、リフィルさん。ご協力感謝します。 |
| ルーティ | 勿論、お礼の方はもらえるのよね ? |
| フィリップ | お金……ですか ? |
| ミント | ルーティさん ! ? |
| ルーティ | ウソウソ、ジョーダンよ。こっちの世界でそこまで必死にお金集めたところでね……。 |
| ルーティ | それにみんな深刻そうな顔してるからちょっと和ませようと思っただけ。硬くなってちゃ上手くいくものもしくじるわよ。 |
| シェリア | ルーティらしいわね。で、私たちは何をすればいいの ? |
| マーテル | 皆さんには私と一緒にクラトスの治療をお願いしたいんです。 |
| リフィル | マーテル……。 |
| マーテル | クラトスは今、生命維持装置の中にいます。ここから出すと、死へのカウントダウンが始まる。これを遅らせるために、ミトスがマナを分け与えます。 |
| マーテル | その間、治癒術を施すことで肉体の崩壊を食い止めるのが私たちの役目です。 |
| ミトス | クラトスはボクのマナを受け付けない。それはもう自分は役目を終えて死ぬとクラトスが心の奥底で決めてしまっているからだ。 |
| ミトス | クラトスはずっと死に場所を探していた。姉さまを助けたことで、クラトスはもう自分の役目は終わったと思ってるんだ。 |
| ミトス | そうじゃないってことを教えられるのは……ロイドだけだ。ロイドがクラトスを説得する間ボクらでクラトスの命を繋ぎ止める。 |
| ロイド | ………………。 |
| フィリップ | ミトスと皆さんがクラトスさんの命を繋ぐ間シングとロイドとミリーナにクラトスさんのスピルメイズに入ってもらいます。 |
| フィリップ | ミトスの言う通り、クラトスさんの心に呼びかけて生きる気持ちを取り戻してもらう。 |
| ミリーナ | 私も ? |
| フィリップ | 僕が作ったスピルリンク魔鏡は、これが最初の稼働になるからね。何か起きたときのための安全弁として鏡士の同行は不可欠だ。 |
| フィリップ | シングはソーマがあるから問題ないけれどロイドの存在はスピルリンク魔鏡でしか保てない。 |
| ミリーナ | 何かあったときに、ロイドの存在をクラトスさんの心の中で具現化させ続けるのが私の役目なのね。 |
| フィリップ | スピルリンク魔鏡を使っても、ソーマのない人間が心――いや、スピリアと呼ぼうか。 |
| フィリップ | ソーマの無い人間がスピリアの中に入れるのは三人まで。あと一人の人選はロイドに任せるよ。 |
| ロイド | ……でも、クラトスを説得するのに誰がいいかなんてよくわからないよ。 |
| ゼロス | クラトスを説得する為のメンバーじゃなくてロイドくんの心を支える仲間を選べばいいんでねーの。コレットちゃんとか。 |
| ロイド | コレットか……。そういえば……コレットも、あの時見てたもんな。 |
| コレット | あの時 ? 何のこと ? |
| ロイド | 元の世界にいた頃、クラトスが親父だってわかったとき、あいつ俺を庇っただろ。コレットが「ロイドはロイドだ」って言ってくれた。 |
| ミトス | ………………。 |
| コレット | ……うん。だってロイドがいつも言ってくれたでしょ。神子だろうと天使だろうとコレットはコレットだって。同じだよ。 |
| ロイド | うん。もしまた俺が取り乱したら、ガツンと言ってくれよな。 |
| コレット | まかせて ! |
| ミトス | ロイド・アーヴィング。 |
| ロイド | え ? な、何だよ、急に……。 |
| ミトス | クラトスをお願い。古代大戦の英雄や天使なんかじゃなくて一人の人間として生きていいんだって教えてあげて。 |
| ロイド | ――わかった。けど、それはお前も同じだと思うぜ、ミトス。 |
| ミトス | ……ボクはいいんだ。ボクは許されなくていい。とにかくクラトスを助けて。 |
| ロイド | 助けるさ、必ず ! |
| フィリップ | それじゃあ、シング、ロイド、コレット、ミリーナでクラトスさんのスピルメイズへ向かってもらおう。 |
| マーテル | ただし、私たちの治癒術には限界があります。時間は余り多くない。魔鏡通信用の鏡が光ったら限界が来たと思って下さい。 |
| シング | その時はスピルメイズから出るんだよな。 |
| フィリップ | ええ、その通りです。――ローエンさん、準備は ? |
| ローエン | 万全です。 |
| シング | よし、始めよう。 |
| Character | 6話【9-12 スピルメイズ 第5層】 |
| ロイド | ここがクラトスの心の中か……。 |
| コレット | 何か不思議な場所だね。綺麗で……清らかな感じ。聖域って感じがする。 |
| シング | うーん……。確かに、何だかちょっと普通のスピルメイズとは違うな。なんでこんな雰囲気なんだろう。 |
| ミリーナ | 気のせいかしら。上手く言えないけどミラやエミルや天族のみんなから感じる感覚に近いような気がするわ。 |
| コレット | あ、確かにそうかも……。 |
| ロイド | ……もしかしてオリジン ? 確か元の世界でクラトスはオリジンの封印に関係してたよな。その影響なのかも。 |
| シング | 待った ! 誰かいるぞ。きっと……。 |
| クラトス | 何故お前たちがここにいる。ここは私の心の中だ。今すぐ出ていけ。どうせこの場所も朽ち果てる。私という存在と共にな。 |
| ロイド | どうしてだ。ミトスのマナを分けてもらえばまだ生きられるんだぞ。 |
| クラトス | ……何故、これ以上私に生きろと望むのだ。私はもう四千年以上生き存えてきた。もう十分だ。 |
| シング | 四千年…… ! ?クラトスさんってそんなに長く生きてきたの ! ? |
| ミリーナ | この場所に精霊や天族と同じものを感じたのはクラトスさんが彼らと同じくらい長く生きてきた人だからなのかしら……。 |
| ロイド | 何で……。何でそんな風に言えるんだよ。 |
| ロイド | 俺はたった17年しか生きてないからわかんねぇけどでも誰かが生きていて欲しいって思ってくれるなら何としても生き続けたいよ。 |
| クラトス | ……ロイド。お前は若い。私もかつては若かった。マーテルとミトスを救う――それが私が旅に出た最初の動機であり願いだった。 |
| クラトス | 元の世界では決して叶うことのなかった願いが果たされたのだ。影の存在であってもな。 |
| ロイド | 願いが叶ったならミトスたちのその後を見届けてやれよ ! |
| クラトス | しかし元の世界では、私はマーテルもミトスも最愛の妻すらも救えなかった。 |
| クラトス | どのような形であれ、世界が救われるならそれを見届け、朽ちる――それが私の死ぬときだとそう思っていたのだ。 |
| クラトス | しかし異世界に具現化された身では元の世界を救うことも見届けることも叶わぬ。 |
| クラトス | それでも若かりし頃の大願は成就した。もう私にやるべきことはない。 |
| ロイド | あんたにはなくても俺にはある。 |
| ロイド | 俺は……俺はまだ何も知らない。父親がどんな人間だったか母さんがどんな人だったのか。 |
| ロイド | あんた……父さんがどうして元の世界でミトスの千年王国計画に荷担したのか ! |
| ロイド | 俺は、父さんから何も聞いてない !目の前にいるのに、話す機会もあったのに父さんは何も言わないで死ぬのか ! ? |
| クラトス | ………… ! |
| ロイド | あんたは確かに願いを叶えたのかも知れない。 |
| ロイド | でも、本当にミトスやマーテルを救いたいなら自分たちが生きてることに負い目を感じさせるような死に方はするなよ ! |
| ロイド | 死にたいなら、自分のやったことに始末をつけてからにしろ ! |
| シング | ロイドの言う通りだ。本当に誰かを救おうと思ったら命だけじゃなくてスピリアも守らなきゃ。 |
| ミリーナ | …………。 |
| クラトス | ……死に場所を得たいと思うことは、罪なのか。 |
| コレット | 違います。そうじゃない。ロイドはただクラトスさんに生きていて欲しいんです。だってお父様だもん。 |
| ロイド | あんたはどうして生きることが苦しいと思うんだ ?長く生きてきたからか ? だったら―― |
| ミリーナ | ロイド ! ? どうして武器を構えるの ! ? |
| ロイド | 戦うんだ。過去の英雄クラトスを倒す。これは息子である俺の役目だ。 |
| クラトス | ……よかろう。これが最期の戦いだ。お前がどれほどの腕前になったのか見せてもらおう。 |
| Character | 7話【9-12 スピルメイズ 第5層】 |
| クラトス | ……強く、なったな。さあ、とどめを刺せ。 |
| ロイド | ……とどめなら刺したよ。今、あんたの心に。スピリアにさ。 |
| ロイド | あんたはクラトスの心だろ。俺はクラトスの心を――いや、過去の英雄クラトスの心を倒した。 |
| ロイド | だから、いまスピリアに残っているのは俺たちの旅を導いてくれた傭兵クラトスの心だけだ。 |
| クラトス | 何……。 |
| ロイド | 屁理屈だなんて言うなよ。屁理屈だって理屈のうちだ。 |
| ロイド | 後悔して苦しんできた英雄クラトスには、生きる希望が見つからなかったのかも知れない。だから生きることが苦しかったのかも知れない。 |
| ロイド | でも、本当は希望なんてどこにでも転がってるんだと俺は思う。 |
| クラトス | ……その希望が見つからないから苦しいのだと思わないか ? |
| ロイド | 希望が見つかれば苦しくないんだろ ? |
| ロイド | それって要するに希望が見つからないから苦しくて死にたいって思うだけで要するに苦しいことから逃げたいんだろ。 |
| ロイド | 苦しくなければ逃げないんだから結局死にたくないんじゃないのか ? |
| クラトス | お前は……本当に……。 |
| ロイド | 馬鹿だって言うんだろ。みんなそう言うし、それでいいよ。あんたが生きる気になるのなら。 |
| ロイド | 大体難しく考えすぎなんだよ、クラトスは。生きるって単純なんだぜ。息を吸って吐いてればいいんだ。 |
| ロイド | 後は笑って何とかなると思ってればそれでいい。もしどうしてもそんな風に思えないならあんたの苦しさを俺も背負うよ。 |
| ロイド | 一人で背負うよりはマシだぜ、きっと。 |
| ミリーナ | ……クラトスさん。私はかつて世界を滅ぼしました。生きている時間こそ、クラトスさんとは違うけれど大切な人を亡くした記憶もあります。 |
| ミリーナ | それでも私は何とかやり直そうとしている。クラトスさんにだってきっとできると思います。だって大切な息子さんが一緒にいるんですもの。 |
| クラトス | ……四千年生きてきても私は何も知らないのだと思い知らされる。 |
| シング | 知らないなら、これから知ればいいですよね。 |
| クラトス | そうだな。……私ももう一度向き合わねばならぬのかもしれぬな。スピリアに。 |
| ミトス | クラトスが……マナを受け入れた ! |
| ファントム | それじゃあ、ロイドたちは成功したんだね。 |
| ミトス | ……うん。だから後は……お願い……。 |
| ルーティ | ちょ、ちょっと ! ? ミトスが倒れちゃったけど ! ? |
| マーテル | 大丈夫。マナを分け与えて衰弱していますがこの子は無事です。 |
| マーテル | マナを人に譲るという行為は命を削り取るようなもの。この子は二度目ですから負担も大きいのでしょう。 |
| ミント | それでも……クラトスさんを助けたかったんですね。 |
| マーテル | ……しばらくは安静が必要ですが、大丈夫。あとはクラトスが目を覚ませば―― |
| リフィル | みんな ! お帰りなさい。クラトスがマナを受け入れたわよ。 |
| シング | やったね、ロイド ! |
| コレット | クラトスさんもう一回生きるって決めてくれたんだね。 |
| ゼロス | はぁ……。手の掛かる天使様だぜ。 |
| ミリーナ | あら、もうクラトスさんは天使じゃないのよ、ゼロスくん。 |
| ゼロス | は ? どういうことよ。 |
| ファントム | クラトスさんが目を覚ましたようだ。 |
| ロイド | クラトス ! |
| クラトス | ……ロイド。それに神子にミリーナに……シングだったな。世話をかけたようだ。すまない。 |
| ロイド | 俺たちだけじゃないぜ。マーテルさんもミトスもルーティもミントもシェリアも、救世軍のみんなももう、あんた色んな人に迷惑かけたんだからな ! |
| クラトス | そのようだ。すまなかった。 |
| マーテル | クラトス。気にしないで。むしろ私が謝らなければ。四千年前、私があなたを言葉の呪いで縛ってしまった。 |
| マーテル | ミトスを守って欲しいという私の願いを、あなたはこんなにも長い間守ろうとしてくれた。ごめんなさい。そして……ありがとう。 |
| マーテル | あなたはもう私たち姉弟の呪縛から解き放たれるべきだわ。ロイドのためにも。 |
| クラトス | ……そうだな。だが、あれは呪縛ではない。騎士としての契約だ。それぐらいの矜持は残っている。強がらせて欲しい。 |
| マーテル | ありがとう、クラトス。あなたは昔から優しいままね。 |
| クラトス | ロイド……。改めて私に時間をくれ。私には……まだお前に伝えねばならないことがたくさんある。 |
| クラトス | 父親としてはすでに失格しているがそれでもまだ間に合うこともあるだろう。 |
| ロイド | 誰が失格だなんて決めたんだよ。そんなの誰にも決められないし俺は失格だなんて思ったことはないぜ。 |
| クラトス | そうか……。 |
| ロイド | そうだよ。だから……生きててくれてありがとう……。父さん。 |
| Character | 8話【9-14 静かな平原2】 |
| コーキス | バルドの話だと、スパーダ様の輸送隊はこの辺りを通る予定なんだよな。 |
| ソフィ | リチャードも輸送隊の中にいるのかな ? |
| アスベル | もしリチャード本人だとしてリビングドールにされているんだとしたら……ラムダはどうなってるんだろう。 |
| スレイ | ラムダって ? |
| アスベル | ラムダは俺たちの住んでいた星とは違う星から来た生命体、っていうのかな。リチャードの中に取り憑くような形で融合していた。 |
| ミクリオ | ……取り憑く、か。リビングドールに通じるものがあるね。偶然なのかな。 |
| スレイ | 帝国は鏡映点の世界の技術を学んで応用しているところがあるみたいだからもしかしたらヒントになっているのかも知れない……。 |
| コーキス | その辺りはバルドが教えてくれるんじゃないか ? |
| ヒューバート | ……ところで布陣はどうしますか ? |
| ヒューバート | この辺りの地形を考えると、左の丘側から側面を突く形で輸送隊を襲うのが適切のようですが。街道を通ってくる輸送隊側からは死角になります。 |
| クレス | そうだね。もしかしたらバルドもその辺りを考慮してこのポイントを知らせてきたのかも知れない。 |
| ヒューバート | ……それはどうでしょう。バルドを信じすぎるのは危険です。 |
| ヒューバート | ミリーナさんもユーリも気にしていたようにぼくたちを罠にかけるには襲撃ポイントを指定する方が簡単ですから。 |
| コーキス | 一応、周辺を見て回ったけど伏兵とかはいなかったよな。 |
| ヒューバート | こちらに知られないように伏せているのかもしれません。ここは慎重になりすぎて困ることはないと思います。 |
| ルカ | でも、バルドも言ってた通り今更罠にはめるぐらいなら、ジュニアに見つかった時に僕たちを捕まえるなり倒すなりできたと思うんだけど。 |
| イリア | 前から思ってたけど、ヒューバートって慎重通り越して石橋を壊すタイプってことない ? |
| イリア | スパーダを助け出せるかどうかって瀬戸際なんだしガチガチに疑ってかかって救出のタイミングを無くすなんてのは勘弁してよね。 |
| ヒューバート | 敵対していた相手と手を組むかも知れないんですよ。今慎重にならないで、いつなるのか教えて頂きたいぐらいです。 |
| スレイ | まぁまぁ。どっちの言い分もわかるよ、オレ。 |
| スレイ | 相手の言うことを全て鵜呑みにすることと信じるってことは違うんだろうし相手を信じることで始まる関係もあるんじゃないかな。 |
| スレイ | それに今回の作戦は、オレたちがバルドを見極めるだけじゃなくて、バルドもオレたちを見極めようとしてるような気がするんだ。 |
| ヒューバート | ……それは、確かにそうかも知れませんね。全ての出来事には当事者の数だけ視点がある。 |
| ミラ=マクスウェル | バルドがこちらを見極めようとしているのならこちらが罠の可能性を考慮して、周辺の調査を入念に済ませたことは好意的に取られるのではないか ? |
| ミラ=マクスウェル | 手を取り合う相手に、相応の技量と知性を求めるのはおかしなことではない。 |
| アスベル | なら、俺たち全員が、スパーダを助けるためにそれぞれ正しい方向を見ていたってことだな。 |
| ミクリオ | それぞれ違う個性が集まっていいチームになっているってことか。 |
| コーキス | そりゃ、最高のチームだって !みんな自分の世界のことじゃないのに命がけでマスターたちを助けてくれるんだからさ。 |
| イクス | ああ、そうだよ。みんな本当にありがとう。 |
| イクス | それに俺も魔鏡結晶を通じて敵のおかしな動きは見張れると思う。 |
| イクス | だからみんなはバルドの思惑にあまり囚われずにそれぞれが出来ることを真摯にやっていけばきっと大丈夫だよ。 |
| イクス | 心配性なのは俺だけでいいからさ。 |
| コーキス | えっと……。マスターが長々色々言ってたけど要するに、みんなありがとうだって。 |
| コーキス | あと、敵のことはマスターも見張るからあんまバルドが何考えてるかとか気にしないでやってくれって。 |
| イクス | お、大雑把になってる……。 |
| ライラ | そうですわね。仮にバルドという人が何か害を成すようなことをしたらしばるといいと思います♪ |
| クレス | ! 『バルド』だけに ! |
| ソフィ | ? ? ? |
| イリア | うわぁぁ……サッッムイ……。 |
| ミラ=マクスウェル | ――待て。四大が教えてくれた。輸送隊が近くまで来ているようだ。ソフィたちが気にしていたリチャードもいるようだな。 |
| 三人 | ! ! |
| イクス | 俺も輸送隊を確認した。 |
| コーキス | マスターも輸送隊が来るって ! |
| クレス | よし。ヒューバートの作戦通り、あの丘から攻め込むぞ ! |
| クレス | 可能ならリチャードは捕虜という形で連れて帰ろう。それでいいかな ? |
| ソフィ | ……わかった。 |
| 帝国軍兵士 | チーグル様 ! 敵襲です !数は多くありませんがとてつもなく強い連中でしかも【マクスウェル】が向こうについています ! |
| チーグル | 何 ! ? 急いでケージを確認しろ ! |
| ソフィ | いた…… ! リチャード ! |
| チーグル | ――この体の知り合いか。 |
| ソフィ | ラムダを、感じない……。 |
| ソフィ | あなたは誰なの ?リチャードを返して ! ! |
| チーグル | お前たちの相手は僕がするまでもない。光魔と戯れていろ ! |
| Character | 9話【9-15 静かな平原3】 |
| クレス | ……くっ ! 倒しても倒しても光魔が現れる。 |
| イクス | 急げ ! リチャードが馬車に乗り込んだ !きっとスパーダを連れて離脱するつもりだ ! |
| コーキス | リチャードがスパーダ様を連れて逃げようとしてるって ! |
| ルカ | スパーダが―― |
| コーキス | ルカ様、イリア様、アスベル様もソフィ様もヒューバート様も、一緒にリチャードを追いかけて下さい。 |
| コーキス | ここは俺が引き受けます ! |
| イクス | コーキス ! 魔眼は駄目だぞ !またコーキスの体に負担が―― |
| コーキス | ここで使わないでいつ使うんだ !俺だってマスターがさらわれたら全力で取り返しに行く ! みんなだってそうだろ ! |
| アスベル | ――行こう。ここで二人を取り逃がしたらバルドの情報も無駄になる。 |
| ルカ | うん。コーキス、後はお願い。 |
| ミラ=マクスウェル | コーキス。魔眼の解放はぎりぎりまで待て。まだ私もクレスもスレイもミクリオも十分戦える。 |
| クレス | ああ。焦らずに行こう ! |
| スレイ | ……ミクリオ。 |
| ミクリオ | わかってる。コーキスの言葉じゃないがここで使わないで、いつ使うんだ。 |
| ライラ | お二人とも ! 浄玻璃鏡が ! |
| スレイ | 光り出した…… ! |
| ミクリオ | スレイ、今だ ! |
| コーキス | な、何だ ! ? スレイ様とミクリオ様が合体した ! ? |
| スレイ | ――ぐっ…… ! ? |
| ライラ | いけない…… ! |
| 二人 | うわぁぁぁぁぁぁぁ ! ? |
| ライラ | 神依が強制的に解除された ! ? そんなことが…… ! ? |
| ? ? ? | え ! ? 今のって……精霊装…… ! ? |
| クレス | ……光魔はスレイとミクリオが殲滅してくれたけど一体何が起こったんだろう。 |
| ライラ | あれは【神依】ですわ。天族と導師が融合して戦う術です。エンコードの影響で使えなくなっていたのですが……。 |
| ミクリオ | ……いや、今のはいつもの神依じゃなかった。 |
| スレイ | ああ。途中で神依を保てなくなって強引に解除されちゃったんだよ。 |
| ? ? ? | ……それって、多分天族の存在が、元の世界とは少し違うものとして定義されたからだと思うよ。 |
| コーキス | 誰だ――って、エミル様 ! ?アスターのところに行ったんじゃないのか ! ? |
| ミラ=マクスウェル | ……いや、待て。あれはエミルではない。姿形は同じだが、少なくとも精霊ではない。 |
| ? ? ? | 精霊 ? あはは、僕は精霊を研究する側の人間だよ。アステル・レイカーです。よろしく。 |
| コーキス | アステルって、確かエミル様たちが捜していた鏡映点の名前じゃ……。 |
| アステル | え ? そっちに僕を捜している人がいるとは思わなかったな。 |
| ライラ | そっちとおっしゃいましたわね。私たちが何者でどこに属しているのかご存じなのですか ? |
| アステル | そりゃ、精霊マクスウェルを抱えてるのは黒衣の鏡士の人たちでしょ ? |
| アステル | あ、気にしないで。僕、帝国の側にいるけど君たちのことをどうこうしようとか思ってないから。 |
| アステル | さっきの輸送隊の馬車に乗ってたんだけど戦闘のどさくさで馬車から落ちちゃって……あははは。 |
| コーキス | 軽…… ! ? |
| スレイ | ねぇ、さっき天族の定義がどうとか言ってなかった ? |
| アステル | あ、そうそう。その話だった。エンコードは外部の情報をこの世界の法則に馴染ませることが目的の機構だからね。 |
| アステル | 天族の存在は限りなく精霊に近しいものとして定義されているんじゃないかな。 |
| ミクリオ | どうして君が天族の定義が変わったと言えるんだ。それが言えるのは天族の存在を理解している人間だけだが、君はエミルの世界の人間なんだろう ? |
| アステル | それは僕にもわからないよ。天族のデータは帝国から提供されたんだ。だから知っているってだけ。 |
| アステル | で、話を戻すけど、天族が疑似的精霊――もしくは精霊亜種のように定義された結果、その神依という融合術の仕組みにそぐわなくなっているんだ。 |
| アステル | そのままだと神依を制御するのは難しいと思うよ。 |
| スレイ | そんな……。この力があれば、みんなを守れると思ったのに……。 |
| アステル | ……んー、バレなきゃ怒られないよね。 |
| アステル | えっと、この指輪をはめて、もう一度神依してみて。浄玻璃鏡があるから、神依をオーバーレイ能力と定義しなおして、浄玻璃鏡に記録できると思う。 |
| コーキス | え ?何か難しいこと言っててよくわかんねーんだけど……。 |
| アステル | つまり、本来の神依は難しいけれど魔鏡に神依化能力をコピーすれば、その魔鏡を使うことで神依できるようになるよってこと。 |
| アステル | ただ、魔鏡に神依化能力をコピーするためには完全な神依を実行して魔鏡に映さないといけないんだ。 |
| アステル | だから完璧な神依を実行するためにこの指輪をつけてみてって言ってるんだよ。 |
| クレス | どうしてその指輪をはめると神依ができるようになるんだ ? |
| クレス | 天族が精霊と同じような存在と定義されている事実は変わらない筈だけど。 |
| アステル | これは……簡単に言うと、精霊と神依するための指輪なんだ。精霊輪具っていうんだけどね。 |
| アステル | 天族の定義が精霊と近しいものとして定義されているなら、これが役に立つと思うんだ。 |
| イクス | それは危険な物じゃないのか ? |
| コーキス | それ、危ねーんじゃねぇの ? |
| アステル | 長時間身につけると危険だけど神依を魔鏡に映す間だけなら大丈夫だよ。まぁ、無理にとは言わないけど。 |
| スレイ | ……ミクリオ、やってみないか。 |
| ミラ=マクスウェル | いいのか ? アステルは帝国の人間だぞ。 |
| スレイ | でも、オレたちを陥れるのが目的ならこんなやり方はしないと思うんだ。 |
| スレイ | それに、これからの戦いで神依が必要になる局面がきっと出てくると思う。 |
| ミクリオ | そうだな……。何も出来ないまま手をこまねくのはもうごめんだ。 |
| コーキス | でも浄玻璃鏡が光らないと駄目なんじゃないか ? |
| ライラ | ……それには心当たりがあります。 |
| ライラ | スレイさんとミクリオさんが神依で戦うという意思を固めるのが条件として重要なのだと思います。 |
| ライラ | ですから、必要なのは神依したお二人と戦ってくれる存在ですわ。 |
| アステル | あ、僕は無理。運動オンチなんだ。 |
| ミラ=マクスウェル | そういうことなら、ここでクレス道場を開けばいいのではないか。私も協力するぞ。 |
| クレス | そうだね。僕も構わないよ。 |
| コーキス | あ、俺も、俺も ! |
| アステル | えー。同士討ちさせて弱らせてから伏兵どーんみたいな展開があるかも知れないでしょ。こういう時は、戦力を残しておくのが重要だと思うよ。 |
| コーキス | ちぇ……。つまんねーの。俺もスレイ様とミクリオ様の神依と手合わせしたかったなー。 |
| スレイ | 神依をちゃんと取り戻せたらいつでも手合わせするよ。 |
| ミラ=マクスウェル | では、本気で行くぞ ! |
| スレイ | こっちこそ ! |
| ライラ | また浄玻璃鏡が輝き出しましたわ。今です ! |
| ミクリオ | スレイ ! |
| スレイ | ああ ! 今度こそ成功させる ! |
| 二人 | 『ルズローシヴ=レレイ』 ! |
| Character | 10話【9-15 静かな平原3】 |
| コーキス | 上手くいった……のか ? |
| ライラ | ええ ! |
| スレイ | やったな、ミクリオ ! |
| ミクリオ | ああ……。でも、何だかいつもより疲れた……。 |
| アステル | あ、精霊輪具の影響だと思う。急いで外して ! |
| ミクリオ | わ、わかった……。 |
| アステル | うん。上手くいったみたいでよかった。精霊輪具は返してもらうね。これを無くすと怒られちゃうからさ。 |
| クレス | 神依……。すさまじい力だったよ。僕ももっと修行しないとな。 |
| ミラ=マクスウェル | ああ、スレイとミクリオが頼もしい力を得て私も嬉しいよ。 |
| バルド | 皆さん ! よかった……ご無事でしたか。 |
| アステル | あれ、バルドさん ? |
| バルド | レイカー博士 ! |
| コーキス | 博士 ! ? |
| アステル | やだなー。アステルでいいって言ってるのに。 |
| バルド | は、はい。アステルさん。まさかあなたがこちらにいらっしゃるとは思わなかったものですから……。 |
| アステル | 急に【空のマクスウェル】を運べって言われて輸送隊に混ぜられちゃったんだよ。 |
| バルド | …… ?あの輸送隊は特異鏡映点亜種03の物ではなかったのですか ? |
| ミラ=マクスウェル | 待て。空のマクスウェルとは何だ ? |
| スレイ | それに、今の話だと、あの輸送隊の馬車にはスパーダがいなかったってことになるけど……。 |
| アステル | スパーダの輸送なら後回しになったんだ。……って、ああ、そうか。マクスウェルじゃなくてスパーダが狙いだったんだ。 |
| ミラ=マクスウェル | マクスウェル ?この世界の精霊マクスウェルのことか ? |
| アステル | ……バルドさん、話していいの ? |
| バルド | アステルさんは関わらない方がいい。リヒターの立場もあるでしょう。 |
| クレス | リヒターって、たしか四幻将の……。 |
| アステル | 四幻将 ! それ ! ダサいよねー。リヒターに会う度に『焔獄さん』って指さして笑っちゃう。 |
| コーキス | うーわー……。いい性格してるぜ。エミル様とえらい違いだな。 |
| ミラ=マクスウェル | 話をそらすな。空のマクスウェルとはなんだ ? |
| バルド | 帝国は限りなくあなたに似たマクスウェルを異世界からサーチして具現化したのです。 |
| ミクリオ | 何のために、そんなことを。 |
| バルド | ……この世界の精霊マクスウェルを殺したからです。 |
| ミラ=マクスウェル | ! ? |
| アステル | ……デミトリアス陛下は、ダーナの巫女と精霊の力を利用しようとしているみたいなんだ。 |
| アステル | 詳しい事情はわからないけれど僕もその為の研究を命じられてる。だから忠告しておくよ、精霊マクスウェル。 |
| アステル | クルスニクの鍵だけじゃなくてあなたも帝国には近づかない方がいい。きっと精霊装の道具にされる。 |
| バルド | 特異鏡映点亜種03の行方はこちらで再度確認しておきます。これは私の不手際だ。次は必ず彼を――スパーダを皆さんの下に戻します。 |
| クレス | あ、仲間が輸送隊を追いかけていってるんです。僕らもこの後追いかけるつもりですがもしできるなら、そちらからも助けてもらえませんか。 |
| バルド | 承知しました。手配します。 |
| アステル | けど、バルドさんも気をつけた方がいいよ。 |
| アステル | 空のマクスウェルの輸送はあまりに急過ぎた。きっとサレ辺りの横やりだと思う。バルドさんの動きを知られているのかもしれない。 |
| コーキス | バルドが裏切ろうとしてるってことアステルも知ってるのか ! ? |
| アステル | うん、知ってるよ。僕はややバルドよりの中立。秘密は守るから安心して。 |
| バルド | アステルさん、お送りします。あなたがはぐれたことをリヒターが知ったら……。 |
| アステル | なーんか、こっちの世界に来てからリヒターが妙に過保護なんだよね。まぁ、仕方ないのかな。 |
| アステル | それじゃあ、僕はこれで。スレイ、ミクリオ、おめでとう。これからも頑張ってね。 |
| アステル | あ、あとマクスウェル、頼みがあるんだけど。 |
| ミラ=マクスウェル | 何だ ? |
| アステル | 握手してもらえるかな。 |
| ミラ=マクスウェル | 構わないぞ。 |
| アステル | やったー !しばらくこの手を洗わないでおきたい…… ! |
| バルド | では、改めてご連絡致します。 |
| コーキス | よし、ミクリオ様が元気になったら俺たちもアスベル様たちを追いかけよう ! |
| ミクリオ | 見くびるなよ。もうすっかり大丈夫だ。 |
| スレイ | また強がってる。 |
| ミクリオ | 強がりなんかじゃない ! |
| イクス | アスベルたちはここから北の方角にいるみたいだ。 |
| コーキス | マスターがアスベル様たちを見つけてくれたぞ。行こう ! |
| | to be continued |