| Character | 1話 【オーデンセ】 |
 | ミリーナ | イクス ! このチラシを見て ! |
 | イクス | これは…セールンド大サーカス公演決定… ? |
 | カーリャ | ルークさまが見つけたんですよ。 |
 | ルーク | 俺、サーカスとか観たことなくてさ。今からみんなで観に行かないか ! |
 | ミリーナ | 私たちも子どもの頃に一度観たきりでしょ ?人の言葉を喋る猛獣って凄くない ! ? |
 | ジェイド | 人の言葉を喋る猛獣……ですか。それは興味深い。 |
 | ルーク | だろ ! ? だろ ! ? |
 | ジェイド | 大抵の魔物や動物は声帯が未発達だったり、言葉を喋るような構造ではないんです。 |
 | ジェイド | この世界の動物も、構造は私たちの世界と変わらないようですし、それが喋るのなら何か仕掛けがあるのでしょう。 |
 | ジェイド | 音響設備を使った錯覚かあるいは魔術的なものと考えられます。 |
 | ミリーナ | ジェイドさん……そんなのみんなわかってます。そこをあえて楽しむのが大人の粋だと思いますけど。 |
 | ジェイド | これは失礼。確かにミリーナの言う通りです。 |
 | ルーク | なんだよ。行きたくないならジェイドは来なくたっていいんだぜ。 |
 | ジェイド | 老人はいつものけ者扱いですね…。 |
 | ルーク | ――始まった。放っておこうぜ。 |
 | ミリーナ | そうですね。 |
 | イクス | でもサーカスなんて…大丈夫かな。 |
 | ルーク | あ…やっぱ、大地を具現化させることを急がなきゃまずいか。 |
 | イクス | いや…、猛獣だろ ? いくら訓練したとはいえ野生が残っている動物だ。万が一にも客席を襲うかもしれない。 |
 | イクス | 空中ブランコだって、手が滑って演者が客席に落ちてくるかもしれないし…。 |
 | カーリャ | あー、またそれですか。イクスさまって想像力たくましすぎません ? |
 | ミリーナ | イクスったら。大丈夫よ。いざとなったら私が守ってあげるわ。 |
 | イクス | べ、別にミリーナに守って貰わなくても自分で何とかできるよ。 |
 | ミリーナ | 自分で何とかできるならいいじゃない !ね ? たまには息抜きも大事だと思うな。 |
 | イクス | …うん。まぁ、それはそうかな。 |
 | ガロウズ | ――すまん。それは後回しにしてくれ。 |
 | ルーク | 何かあったのか ? |
 | ガロウズ | ゲフィオン様から、俺たちに依頼が来てるんだ。チョウロウの森の魔物退治をして欲しいって。 |
 | イクス | え ! ? どうして俺たちが…。 |
 | ガロウズ | 城に陳情があったらしいんだ。最近チョウロウの森に見たこともない魔物が現れて旅行者が被害に遭ってるんだとよ。 |
 | イクス | 見たこともない魔物って…まさか光魔 ! ? |
 | ガロウズ | ――の可能性もあるから俺たちに話が回ってきたんだよ。 |
 | イクス | よし、急いでチョウロウの森に向かおう。サーカスはその後だ。 |
 | ジェイド | ご苦労様です。 |
 | イクス | ジェイドさんはやっぱり…。 |
 | ジェイド | はい、行きません。色々調査中ですし少し気になることもできたので。 |
 | ルーク | 気になることって何だよ。 |
 | ジェイド | 聞いたら後悔して、自分で自分を罵倒したくなるような話ですが――聞きたいですか ? |
 | ルーク | …いい、聞きたくない。 |
 | ガロウズ | やれやれ…。困ったおっさんだね、あの人も。 |
 | ミリーナ | あの綺麗なジェイドさんが懐かしい…。 |
 | カーリャ | 今からでもトレードできませんかね。 |
 | イクス | そうだな…。 |
| Character | 2話 【大冒険1 謎の文字】 |
 | ミリーナ | 陳情通り、魔物の数が多いような気がするわね。 |
 | イクス | うん。それに、みんな気が立ってるっていうかイライラしてるっていうか…。 |
 | ルーク | 光魔が出て、魔物たちの縄張りを荒らしてるから…とか ? |
 | ルーク | そう言えば、ここに光魔がいるなら近くに光魔の鏡があるってことか ? |
 | カーリャ | うーん。特に光魔の反応とかはないみたいですけど。 |
 | イクス | 考えてみれば、光魔と光魔の鏡のこともよくわからないよな。 |
 | イクス | 鏡映点を狙うって事はわかってるけど光魔の鏡が何故できるのかとかそもそも光魔の生態って何なのか…とか。 |
 | ミリーナ | …ジェイドさんが調査しているのって多分それなんじゃないかしら。 |
 | ルーク | え ! ? あいつちゃんと調査してたのか ? |
 | ミリーナ | …確証があるわけじゃないけど何度か光魔について聞かれたわ。それにカレイドスコープや鏡士のことも。 |
 | ルーク | 何だよ、ジェイドの奴。ちゃんと仕事してるならそう言えばいいのに。 |
 | ミリーナ | ふふ…。ジェイドさんってああいう人ですものね。 |
 | イクス | でもミリーナはジェイドさんの扱いに手慣れてきてるよな。 |
 | ミリーナ | 私はルークさんの真似をしてるだけよ。あとは…何となくだけど、私に似てるなって思うところがあるって言うか…。 |
 | ルーク | それは駄目だ。ジェイド、駄目。絶対。 |
 | イクス | ジェイドさんみたいなミリーナって…怖いよ…。 |
 | カーリャ | おわわわわ ! ?皆さん、足下を見て下さい ! |
 | イクス | …ん ? 何だ ? 地面がえぐれて畝みたいになってるぞ ? |
 | ミリーナ | …うーん ? これ、もしかしたら何かの文字か記号じゃない ? |
 | カーリャ | うむむむむ。私たちが使っている文字ではないみたいですよ ? |
 | ルーク | …あれ ?これ…俺たちの世界の言葉じゃないか ? |
 | イクス | ルーク、読めるのか ! ? |
 | ルーク | 汚い字だけど、なんとか。えっと――。矢印があって…こっちに…てぃ…あ…さ…。え ! ? こっちにティアさん ! ? |
 | イクス | ティアさん ? それは人の名前 ? |
 | ルーク | 俺の仲間だ。え、どうしてティアが… ? |
 | ミリーナ | 異世界の人がこの世界にいるなら2つ考えられるわ。1つはルークさんたちと同じく鏡映点として召喚された。 |
 | ミリーナ | もう1つは鏡映点にとって特別な存在だったために、大地の具現化で心の中の大切な人が具現化されて…。 |
 | ルーク | ちが…違うぞ ! そりゃティアは仲間だから大事だけど、そういうアレじゃなくて俺はいつか消える存在だし…。 |
 | ルーク | あ…ここの世界の俺は消えないのか ?いや、色々解決したら消えるのか。でもどっちにしても、だから違うぞ ! |
 | カーリャ | ぐしし。ルークさんの反応が面白い。 |
 | イクス | 何にしても、ルークの仲間がこの森にいるかもしれないんだな。鏡映点だとしたらやっぱり魔物は光魔の可能性が高い。 |
 | イクス | 早く見つけないと ! |
 | ルーク | そうか、ティアは鏡映点か。よかった。俺の心が生みだしたとかじゃなくて。 |
 | ミリーナ | …鏡映点か、まだわかりませんよ ? |
 | ルーク | やめろ、ミリーナ !その言い方、マジでジェイドっぽいぞ ! |
 | ミリーナ | うふふ。ごめんなさい ! |
 | イクス | とりあえず矢印の方向へ行ってみよう。そうすればティアさんって人に会えるかもしれないし。 |
 | イクス | …あれ、でもこの文字を書いた人は誰なんだろう ? |
 | ルーク | ティアをさん付けする汚い字…。まさかブタザル… ? |
 | イクス | ブタザル ! ? |
 | ルーク | い、いや、何でもない !それより行こうぜ ! |
| Character | 3話 【大冒険4 巨大なケモノ?現る】 |
 | カーリャ | ミリーナさま ! 見て下さい !綺麗なキノコがいっぱいですよ ! |
 | ミリーナ | 本当。でも…あれどう見ても毒キノコよね。 |
 | イクス | カーリャ。絶対食べたら駄目だぞ。どうしても食べたいときは俺に言うんだ。 |
 | ルーク | イクスってキノコに詳しいのか ? |
 | イクス | 詳しいというか…子どもの頃から図鑑を読んでたせいか、大体見分けがつくんだ。 |
 | ミリーナ | 子どもの頃はイクスとフィルってもう1人の幼なじみと3人でキノコ狩りをしたのよ。 |
 | ミリーナ | イクスがちゃんと毒のないものをより分けてくれて。 |
 | ルーク | で、自分でより分けたのに実は毒キノコなんじゃ…って疑ったりして ? |
 | ミリーナ | そうそう ! |
 | イクス | だって、間違ってるかもしれないだろ ! |
 | カーリャ | ぶるぶるぶるぶるぶる…。 |
 | ミリーナ | カーリャ ? どうしたの ? 震えてるわよ ? |
 | イクス | まさか、勝手にキノコを食べたんじゃ……。 |
 | ? ? ? | みゅ――――――うっ ! ! ! |
 | イクス | な、なんだ ! ? 今の声は ! ? |
 | ルーク | ……まさか、ミュウ ! ? |
 | mst_npcs|name|1010 | みゅ――――――うっ ! ! ! |
 | ミリーナ | きゃあっ ! ? |
 | イクス | な、なんだぁ ! ? この魔物 ! ? |
 | ミュウ | みゅう、みゅうみゅうみゅう~ ! |
 | ルーク | おもっ ! お前、本当にミュウか ! ?なんだよこの大きさは ! ?でかすぎだろ ! ?ってか離れろ ! 潰れるっての ! |
 | ルーク | …ごめん、みんな。あらためて、俺の仲間のミュウだ。 |
 | ミュウ | みゅみゅみゅっ ! みゅううう ! |
 | ミリーナ | え、何て言ってるの ?ルークさんならわかるの ? |
 | ルーク | 俺だって知りたいよ。いつもは言葉を話すんだけど、翻訳機代わりのソーサラーリングを無くしちまったみたいで…。 |
 | ルーク | 大きさだってこんなじゃなかったんだけどな。 |
 | イクス | でもこのサイズなら、地面の文字が畝みたいになっていたのもわかるよ。…それ以前に文字を書けるのが凄いけど。 |
 | カーリャ | ぶるぶるぶる。よくわからないですけどそのケモノも鏡映点みたいですよぅ。 |
 | ルーク | えぇっ ! ? こいつも ! ?鏡映点はティアじゃなかったのかよ ! |
 | ミュウ | みゅうぅぅぅぅ ! みゅうみゅ。みゅうぅ。 |
 | ルーク | え ? もうわかんねぇよ。文字を書けよ ! |
 | ミュウ | みゅ ! |
 | ルーク | どうやらこの奥にティアがいるらしい。一緒に森へ来たみたいだけど…。 |
 | ミリーナ | …ってことは、この森には鏡映点が2人いるのね。光魔の鏡も2つあるのかな ? |
 | カーリャ | まだ光魔の鏡の気配はないです。 |
 | イクス | まずはティアさんを捜そう。ミュウは…。 |
 | ルーク | 一緒に連れていってやってくれよ。迷惑かもしれないけど。 |
 | イクス | そうだな……。ミュウが何かに躓いて倒れて俺たちが下敷きになるって事も考えられるけど…。 |
 | カーリャ | でた。イクスさまの具体的すぎる不安。 |
 | イクス | 悪かったな。性分なんだ。 |
 | イクス | でも、ルークの仲間だろ。だったら俺たちにとっては世界を再生するための先輩だよ。よろしくな、ミュウ |
 | ミュウ | みゅううううう ! |
 | イクス | うわぁぁぁぁ ! ? |
| Character | 5話 【大冒険7 狙われたミュウ】 |
 | カーリャ | さっきから、魔物も動物も、みんなこのケモノめがけて襲ってきますよね ? |
 | カーリャ | もしかして森の魔物が暴れて、旅人を襲ってるのも、このケモノのせいでみんな気が立ってるとか。 |
 | ルーク | ミュウ…。お前、なんでこんな大きさになっちまったんだ ? |
 | ? ? ? | それは『オーデンセベニテングタケ』のせいですの。 |
 | ルーク | おわっ ! ? ジェイド ! ?どうしてここに ! ?てか、ですのってキモッ ! ? |
 | ジェイド | あのキノコを食べると一時的に体が大きくなってしまうようです。 |
 | ジェイド | もっとも巨大化毒素の含有量が低いので小さな動物でなければ効き目はないかと思いますが。 |
 | イクス | そういえば図鑑にも書いてあったな。それが原因なら、オーデンセアオテングダケの成分で中和できるはずです。 |
 | ルーク | そのキノコを食べさせればミュウが元の大きさに戻るんだな ! |
 | ミリーナ | だったら先にミュウを戻してあげましょう。その方が森の動物たちも安心するでしょうし。 |
 | カーリャ | でもどこら辺に生えてるんですかその変な名前のキノコは。 |
 | イクス | 一般的なキノコと変わらないからこの辺りを探せばあると思うよ。少し奥に行ってみよう。 |
 | ジェイド | なるほど。では参りましょうか。 |
 | ルーク | えっ ! ? ジェイドも来るのか ! ?…もしかして、今がジェイドが戦いに参加するべき時って事か ? |
 | ジェイド | …まぁ、調査には目処がついてきましたし。後は皆さんのお手伝いをしながらでも大丈夫だと判断しました。 |
 | ミリーナ | それじゃあ、光魔や光魔の鏡のこともジェイドさんはわかったんですか ? |
 | ジェイド | ………………。 |
 | イクス | え ? なんで黙るんですか。 |
 | ジェイド | …いえ。私は単なるお手伝いですから。後々、わかったことなどは皆さんと共有していくつもりです。 |
 | ジェイド | まぁ、でも今はミュウとティアを助けることに集中しましょう。 |
 | イクス | でも―― ! |
 | ルーク | イクス。ジェイドは…本当に必要なことはきっと話してくれる。 |
 | ルーク | 今話したがらないのは、話すべき時じゃない…って思ってるからだ。そうだよな、ジェイド。 |
 | ジェイド | まぁ、私も語るべき時を読み間違えて大勢の人を苦しめてしまいましたからね。今は…わきまえているつもりですよ。信じてくれとは言いませんが。 |
 | ミリーナ | イクス、ジェイドさんの言う通りまずはミュウとティアさんって人を助けましょう。 |
 | ミリーナ | ジェイドさんはいい人じゃないかもしれないけれど、私たちに悪いことをする人じゃないでしょう ? |
 | イクス | …うん、そうだよな。一言多いだけで、分類的にはいい人だよな。 |
 | ジェイド | お褒めにあずかり光栄です ! |
 | ルーク | イクス…。ミリーナ…。俺もジェイドに対するその強さが欲しい…。 |
 | イクス | それじゃあ、ジェイドさん。あらためて、これからもよろしくお願いします。 |
 | ジェイド | …こういうのはどうも慣れませんねぇ。まぁ、何とかやっていきましょう。 |
 | ジェイド | 光魔に関してはまた追々お話ししていきます。 |
 | イクス | わかりました。それじゃあ、オーデンセアオテングダケを探しに行こう。 |
| Character | 6話 【大冒険10 ジェイドの考察】 |
 | イクス | それにしても鏡映点が一気に4人か…。どうしてルーク達の世界からこんなに鏡映点が召喚されたんだろう。 |
 | ジェイド | 私たちの世界から……だけではないかもしれません。 |
 | ジェイド | これはカレイドスコープの構造的問題だと考えます。 |
 | ミリーナ | カレイドスコープに欠陥があるということですか ? |
 | ジェイド | 欠陥と言っていいのかはわかりません。カレイドスコープの目的は、この世界に新たな大陸を具現化させることですから。その意味では欠陥はないのかもしれません。 |
 | ジェイド | ただカレイドスコープは照準を合わせる機構が少々甘いようです。 |
 | ジェイド | 元々広範囲を攻撃する兵器だったそうなので狭い範囲にまで精度を求める必要はなかったのかもしれませんね。 |
 | ミリーナ | 照準が甘い…ということは、鏡映点を通じて異世界のアニマをトレースする時に想定外の動きをしているということですか ? |
 | ジェイド | そういうことになりますかね。 |
 | ジェイド | 鏡映点の近くに、他にも鏡映点となりうる存在がいた場合、照準がぶれて、複数の鏡映点をトレースしてしまうのです。 |
 | ジェイド | だからこの世界で具現化された我々の大地は元の世界の大地とは似ているようでまったく違うものになってしまう。 |
 | ジェイド | それは鏡映点それぞれの心の中にある”故郷”を全て取り入れて具現化させるためです。 |
 | ルーク | …うん。まったくわからない。 |
 | ルーク | カレイドスコープで異世界から大地を具現化させるときは、窓口になる鏡映点が必要で、照準が甘いから鏡映点が複数発生する… |
 | ルーク | ――ってことでいいのか ? |
 | ジェイド | まぁ、そういうことですね。 |
 | イクス | それじゃあ、鏡映点が何人ぐらいいるのか見当もつかないってことですか。それは今後の具現化に影響が出そうだな。 |
 | ジェイド | まぁ当面は、具現化の際、カレイドスコープで確認できた鏡映点だけを追うしかないでしょう。 |
 | ジェイド | 後はデミトリアス王に願い出て人海戦術ではぐれ鏡映点を捜し出すしかないでしょうね。 |
 | ミュウ | みゅううう ? みゅうみゅう……。 |
 | ルーク | え ? ミュウ、何が言いたいんだ ? |
 | カーリャ | なんか地面に書いてますよ ? |
 | ルーク | どれどれ… ? みなさ…んに…会いたい ?あー、ガイたちかぁ。どうかなぁ。あいつらがいればこっちも助かるけどな。 |
 | ミリーナ | はぐれ鏡映点の人たちも光魔に狙われるんですよね。 |
 | ジェイド | 光魔の性質上、そういうことになりますね。 |
 | イクス | 性質上 ? 鏡映点を狙う行動に何か意味があるんですか ? |
 | ジェイド | …恐らく、彼らは鏡映点のアニマに引き寄せられるのでしょう。 |
 | ミリーナ | でもアニマはあらゆる生命体が持つ物です。その中でどうして鏡映点を狙うんでしょう。 |
 | ジェイド | 鏡映点のアニマが、この世界にとって異質な物だからです。目立つからと言い換えてもいいかもしれません。 |
 | ジェイド | ――お喋りが過ぎましたね。この辺りにもオーデンセアオテングダケはないようですし奥へ行ってみましょう。 |
 | イクス | もう少し詳しい話を聞きたかったけどまぁ仕方ないか。 |
 | ミリーナ | そうね。それに早くミュウを助けてあげないと。 |
 | ミュウ | みゅううううう! |
 | ミリーナ | きゃ、きゃあ ! ? 息が…くるし… ! ? |
| Character | 7話 【大冒険13 オーデンセアオ(略)の効能】 |
 | ルーク | ここなら、あの――オンセンデアオ…なんだっけ ? |
 | イクス | オーデンセアオテングダケだよ。 |
 | ルーク | それそれ。そのキノコがあるんじゃないか ? |
 | ジェイド | あの奥のキノコがオーデンセアオテングダケではありませんか ? |
 | カーリャ | ふぇ ? どれがどれだかさっぱり見分けがつかないです。 |
 | イクス | うん。間違いない。これがオーデンセアオテングダケだ。 |
 | ルーク | ミュウ、食べてみろ。 |
 | ミュウ | みゅ ! ? みゅみゅみゅみゅ~う ! ? |
 | ミリーナ | わぁ… ! 本当は随分小さかったのね。元に戻れて良かったね、ミュウ。 |
 | ミュウ | みゅう ! |
 | ルーク | 元のサイズに戻ったのはいいけどソーサラーリングはどうしたんだよ。 |
 | ジェイド | ソーサラーリングでしたらここに。 |
 | ルーク | えっ ! ? どうしてジェイドがソーサラーリングを持ってるんだ ! ? |
 | ジェイド | まぁ、細かいことは後回しにしましょう。ミュウ、ソーサラーリングをどうぞ。 |
 | ミュウ | ありがとうございますですの !ありがとうございますですの ! |
 | イクス | しゃ…喋った ! ? |
 | カーリャ | そのリング凄くないですか ! ? |
 | ミリーナ | 可愛い ! |
 | ルーク | ミュウ ! どうしてこんな事になったんだ。 |
 | ミュウ | それがよくわからないんですの。気がついたら、ボク、どこか知らないところにいたんですの。 |
 | ミュウ | それで変な格好の人たちに捕まったんですの。 |
 | カーリャ | 状況がまったくわからないんですの…。 |
 | ルーク | …おい、ジェイド。お前、何か知ってるんだろ。説明してくれよ。 |
 | ジェイド | そうですか ? このまま当事者のミュウに説明してもらうのも中々…。 |
 | ルーク | ジェイド ! |
 | ジェイド | …言っておきますが、私の説明も推測に過ぎませんよ。 |
 | ジェイド | 私やルークがこの世界に召喚されたとき、ミュウも巻き込まれる形で召喚され、サーカスの人間に捕まったのだと思います。 |
 | ジェイド | 人間の言葉を喋る魔物ですからね。金儲けに利用できると考えたのでしょう。 |
 | ミュウ | そうですの ! ジェイドさん凄いですの ! |
 | ルーク | サーカス… ? サーカスってもしかしてあのセールンド大サーカス ? |
 | ミリーナ | そういえばサーカスのチラシに人間の言葉を喋る猛獣って…。 |
 | イクス | 猛獣… ? ミュウが ? |
 | ジェイド | 違いますよ。ミュウからソーサラーリングを取り上げて、猛獣に装備させたんです。 |
 | ジェイド | この世界には魔物が言葉を話すといった類の譜業や譜術、魔術の類もないようでしたからもしや…と思いましてね。サーカスを覗いてみたら案の定でした。 |
 | イクス | たったそれだけで ! ? ミュウがこの世界に来ているかもわからなかったのに ! ? |
 | ジェイド | ミュウはいつもルークの傍にいましたからね。私がこの世界にいて、ミュウがいないのはおかしいと思っていました。 |
 | ジェイド | それに鏡映点が複数出現する理屈については目星がついていましたし。 |
 | カーリャ | 凄い…。ただのメガネじゃなかったんですねぇ…。 |
 | ジェイド | 話を続けましょうか。その後サーカスにミュウがいると知ったティアが、サーカスに乗り込んでミュウを助け出したようです。 |
 | ジェイド | その時にソーサラーリングを取り上げられてしまった――そうですね、ミュウ。 |
 | ミュウ | そうですの。それでこの森まで逃げてきたら魔物に襲われてティアさんともはぐれてしまったんですの。 |
 | ミュウ | ティアさん、ボクを庇って魔物のおとりになって森の奥へ行ったんですの。 |
 | ミュウ | ボク、ティアさんを助けたくて…何とか戦う方法がないか探していたんですの。そうしたら、野ウサギさんがキノコを食べて体を大きくしたんですの。 |
 | ミュウ | ボクも大きくなれば戦えるかもしれないと思って、キノコを食べたんですの。 |
 | ジェイド | …ということのようです。 |
 | ルーク | そうか…。ミュウ、頑張ったんだな。 |
 | ミュウ | みゅう~ ! ご主人様に褒められたですの ! |
 | イクス | でもティアさんって人は大丈夫なのかな ?魔物に追われていたって…まさか光魔だったんじゃ…。 |
 | ジェイド | 可能性は高いと思いますよ。 |
 | ルーク | ミュウ。ティアはどこにいるんだ ? |
 | ミュウ | ボク、案内するですの ! |
 | イクス | よし、行こう ! |
| Character | 9話 【大冒険16 ライガの母子】 |
 | イクス | よし、倒れたぞ ! |
 | ティア | 待って ! とどめを刺さないで ! |
 | イクス | え… ? |
 | ティア | …ここの奥に魔物の子どもたちがいるの。この魔物が襲いかかってきたのは、私が不用意にここへ踏み込んでしまったから。 |
 | イクス | 子どもが…。だから気が立っていたのか。 |
 | ティア | 全ての魔物を手に掛けずに…というのが無理なのはわかっているわ。でも…今回は私たちがこのまま立ち去ればあの魔物は追ってこないと思うの。 |
 | ティア | もしも追ってきたときは私も心を決めるわ。 |
 | ミリーナ | あの魔物が母親ならきっとティアさんの言う通りだわ。相手が目を覚まさないうちにひとまずここを離れましょう。 |
 | ティア | …ありがとう。あの魔物を見逃してくれて。 |
 | ルーク | 当然だろ。ちょっと意外ではあったけど。 |
 | ティア | そうね。私も自分らしくないって思う。それにあの魔物を助けたのはルークなのよ。 |
 | ルーク | え ? 俺は何も…。 |
 | ティア | 以前ライガクィーンと戦ったとき、あなた『後味が悪い』って漏らしたでしょう。私…そんな風に思えることが羨ましかった。 |
 | ティア | だからもし次に同じようなことがあったら、ルークの優しさを見習いたいって思ったの。あなたが…私に優しさをくれたのよ。 |
 | ルーク | …そ、そんなことねーよ! 俺も変わった。ティアも変わった。ジェイドだって…。だから…。 |
 | ミュウ | ティアさんもご主人様もジェイドさんもみんな優しいと言うことですの ! |
 | ジェイド | みんながみんなに何かを与え、何かを奪っていると言うことですね。いやぁ、実に麗しいことです。 |
 | イクス | ま、まとめた…。 |
 | ティア | ――そう。事情はわかったわ。あなたたちが『光魔』と呼ぶ敵は何とか倒すことができたの。 |
 | ティア | ただそこで無理をしてしまって、さっきの魔物とにらみ合いになってしまったのよ。だから本当に助かったわ。ありがとう。 |
 | ティア | 私も軍人の端くれ。お礼というのはおこがましいけれどあなたたちの手伝いをさせてくれないかしら。 |
 | イクス | 助かります ! ティアさん ! |
 | ティア | ティアと呼んで。イクス、ミリーナ、それにカーリャ。これからよろしく。 |
 | カーリャ | はーい。 |
 | ミリーナ | よろしくお願いします。 |
 | ティア | ミュウも…無事で良かったわ。 |
 | ミュウ | ティアさんもですの ! |
 | ティア | それから大佐と…ルーク。捜してくれて…ありがとう。 |
 | ルーク | お、おう。うん。会えて…よかった。 |
 | ジェイド | やれやれ。腐れ縁という奴ですかねぇ。これはこれで良しとしましょうか。 |
| Character | 1話 【オーデンセ】 |
 | ティア | 確か…この辺りにセールンド大サーカスがあった筈なんだけど…。 |
 | イクス | 場所を変えちゃったのかな ? |
 | ルーク | ミュウをさらって好き勝手したことをちゃんと謝らせようと思ったのに…。 |
 | ? ? ? | サーカスの連中ならここにはいないぜ。 |
 | イクス | マーク ! ? どうしてここに ! |
 | マーク | セールンドの住人から救世軍に嘆願書が届いたんだよ。 |
 | マーク | サーカスが突然解散して、連中が管理しきれなくなった猛獣をチョウロウの森に放ったってな。 |
 | マーク | おかげで森の魔物は暴れるわ猛獣が人を襲うわでみんな困ってるんだよ。 |
 | イクス | 酷い…。無責任過ぎる ! |
 | マーク | 誰のせいだと思ってる ! ? |
 | イクス | ! ? |
 | マーク | どこかの軍服を着たメガネ野郎がサーカスの連中を締め上げて再起不能にしたって話じゃねぇか ! |
 | ティア | 軍服…。 |
 | ルーク | メガネ…。 |
 | ミュウ | ジェイドさんですの ! |
 | ミリーナ | あ、あの、マーク…さん。わ、私たちも協力します。させて下さい ! |
 | マーク | お前らの手を借りる気はない――と言いたい所だが、救世軍だけじゃ手が回らなくてな。正直助かるぜ。しゃくだが今は一時休戦だ。 |
 | イクス | 俺たちは何をすればいい ? |
 | マーク | 俺たち救世軍は、チョウロウの森付近の街を守ってる。その間に森に逃げ込んだ猛獣を捕まえて欲しい。猛獣は2匹いる。グザファンとベヒモスだ。 |
 | カーリャ | カーリャたちが危険な方の任務ですかー ? |
 | マーク | 嫌ならお前らの仲間のメガネ野郎にやらせるんだな。ったく…。よくあんな事をできるぜ。お前らの仲間は悪魔か ! ? |
 | イクス | …え ? ジェイドさん、一体何を…。 |
 | ティア | 仕方ないわね。大佐を呼び出して一緒にチョウロウの森へ向かいましょう。 |
 | ルーク | …だな。まったく、ジェイドは異世界でもジェイドだぜ。 |
 | マーク | それじゃあ、森の方は頼んだぞ。 |
| Character | 5話 【続・大冒険10 解決! 2匹目?の猛獣】 |
 | マーク | …思ったより早かったな。おかげで助かった。森の方もこれで静けさを取り戻すだろうよ。 |
 | ミリーナ | よかった…。 |
 | ティア | 捕まえた猛獣たちはどうするの ? |
 | マーク | サーカス団に返す。 |
 | イクス | 大丈夫なのか ?また捨てたりするんじゃ…。 |
 | マーク | そんなことはさせねぇよ。サーカスの公演ができるように救世軍でバックアップしてやるつもりだ。 |
 | ジェイド | おや、随分面倒見がいいんですね。 |
 | マーク | …奴らがしたことはよくないことだが十分報いは受けただろうよ。あんたのおかげでな。 |
 | ジェイド | それはよかった。これも人徳ですかね。 |
 | イクス | マーク。この人には皮肉は通じないと思うよ…。 |
 | マーク | …みたいだな。しれっとした顔しやがって。――とにかくサーカスの連中も反省したようだからな。せいぜい復活までサポートしてやるさ。 |
 | イクス | …そうか。頑張って。 |
 | マーク | そうそう。サーカスの連中がミュウって奴に謝ってたぜ。 |
 | ミュウ | ありがとうですの。もう大丈夫ですの ! |
 | マーク | こいつは…確かにサーカスに連れていきたくなる魔物だな。今後は悪い奴に捕まらないようせいぜい気をつけろよ。 |
 | ルーク | ティア…。あのさ、サーカスが復活したら一緒に観に行こうぜ。 |
 | ティア | ええ、そうね。 |
 | イクス | …で、結局ジェイドさんがサーカスで何をしたのかはわからないままなのか。 |
 | カーリャ | ルークさんたちが詳しい話を聞こうとしないのも変ですねぇ。 |
 | ミリーナ | きっと慣れているのね…。 |
 | イクス | 俺たちも慣れるのかな…。 |
 | カーリャ | 怖いですぅ…。 |