| Character | 1話 【捜査1 消えたウィスカード】 |
| キール | まさかこのような事態になっているとはな。 |
| イクス | ああ…目も当てられない状況だ……。 |
| 街の青年 | うっうっ……ウィス……。どこにいっちまったんだ……。 |
| 街の少女 | うわぁ~ん……ウィスやりたいよぉ~。 |
| 街のお爺さん | ワシのかわいいウィスや……。戻ってきておくれ……。 |
| ミリーナ | なんてことなの…。小さな子からお年寄り、男性女性問わず街中の人が嘆いているわ…。 |
| カーリャ | いったい何があったんですか ? |
| メルディ | ウィス、消えちゃったよ。 |
| ミリーナ | ウィス ? |
| メルディ | ウィスはセレスティアがカードゲーム ! |
| キール | 交易によりティル・ナ・ノーグ全土に普及され今や世界的にも大人気なんだぞ。そんなことも知らなかったのか ? |
| キール | \"世界が感動\"、\"連日品切れ\"、\"老若男女問わず大人気\"のカードゲーム… |
| メルディ | それがウィス ! すごいよ~ ! |
| イクス | そういえばルークやジュードたちがブリッジでカードゲームをしてたけどもしかしてあれがウィスだったのか… ? |
| ミリーナ | とっても楽しそうにしてたわよね。 |
| メルディ | ウィス面白いよ !メルディ、ウィス大好き ! |
| キール | 奥深いところがあるのは認める。だがぼくはそれほど面白いとは思わないな。あと、体力的に消耗するのが欠点だ。 |
| メルディ | それはキールが負けるたび、悔しくて叫んでるからだよー。あと勝ったとき ! 嬉しくて叫んでる。 |
| キール | さ、叫んでなんていない !このぼくがただのゲームに熱中し勝ち負けで一喜一憂する奴みたいに言うな。 |
| イクス | なるほど…キールでも熱中するほど面白いのか。 |
| ミリーナ | 私たちもやってみたくなってきたわね。 |
| キール | お前たちも人の話を聞け ! |
| メルディ | メルディも二人とウィスやりたいよ。けどな、ウィスいまどこにもない。消えちゃった。 |
| イクス | そういえば…消えたってどういう意味だ ? |
| キール | 言葉通りの意味さ。聞いた限りだと世界中から一夜にしてウィスが消えてしまったらしい。 |
| カーリャ | 世界中から ! ? いったいどうしてです ! ? |
| キール | 原因は……いま考え中だ。 |
| メルディ | わからないか ? |
| キール | 違う。考え中なだけだ。 |
| イクス | ひとまず聞き込みをした方がよさそうだな。 |
| メルディ | はいな ! 原因わかればウィス戻ってくるかもしれないよ ! |
| ミリーナ | 街の人もウィスが消えちゃってとても悲しんでいるみたいだし、絶対にウィスを取り戻さなくちゃね。 |
| キール | ここは二手に分かれたほうがいいだろう。 |
| イクス | ああ。そうだな。 |
| キール | では、イクス。行くぞ。少し魔鏡について聞きたいこともあったんだ。 |
| メルディ | ミリーナ ! メルディたちはあっちね !とっても怖い話、聞かせてよ ! |
| イクス | えっ…あっ、あぁ。わかったけど……。 |
| ミリーナ | ちょ、ちょっと待ってね……。 |
| イクス | ミリーナ…。 |
| ミリーナ | ええ、わかってるわ。 |
| キール | 二人とも、何を話している ? |
| イクス | ご、ごめん。ちょっと俺とミリーナは用事があって…。 |
| ミリーナ | そ、そうなの。あれとかこれとか……。本当よ ? |
| カーリャ | 二人とも…そういうのヘタですか……。 |
| メルディ | うーん、そうなのか。それじゃメルディはキールと行くよ。 |
| キール | 仕方がないな。質問はあとでするとしよう。 |
| ミリーナ | キールさん……ちょっと。 |
| キール | ん ? どうした ? |
| ミリーナ | キールさん……ううん、これからはキールって呼ばせてもらうわ。 |
| キール | な、なんだいきなり。ずいぶんと馴れ馴れしいな。 |
| ミリーナ | そうよね。ごめんなさい。でもどうしても放っておけなくて…。だから一つだけ言わせて…。 |
| ミリーナ | ここはチャンスよ !私、応援してるから ! |
| キール | はぁ ! ? どういう意味だ ! ? |
| ミリーナ | キール……頑張って。それじゃ。 |
| キール | ちょ、ちょっと待て !だからそれはどういう意味だ ! ? |
| ミリーナ | メルディ、楽しんできてね ! |
| メルディ | はいな ! |
| キール | いや、ただ調査に向かうだけだろ。いったい何を楽しめと――うわっ ! |
| メルディ | ほらほら、キール行くよ。トキはカネなり~♪ |
| キール | あっ、ちょっ !袖を引っ張るな~~っ ! |
| イクス | よし、それじゃあ俺たちも行こうか。 |
| ミリーナ | ええ。何故ウィスが消えたのか聞き込み開始ね ! |
| Character | 3話 【捜査2 狙われたイクスたち】 |
| イクス | クッ…なんて強さだ !ソフィやジュードとも違う格闘術か ! ? |
| ミリーナ | 一撃一撃が重いわね…… !ただの女の子じゃなさそう… ! |
| ファラ | そっちもやるじゃない… !ただの泥棒だと思って甘く見てた… !けど、これで終わりよ ! |
| ファラ | ハァァァッ ! 殺劇舞荒拳―― |
| ? ? ? | 待て待て !そんなのぶっ放したら――グハッ ! ! |
| ファラ | あっ ! リッド !ごめん ! 大丈夫 ! ? |
| リッド | い、いってぇ…… ! !ファラ ! お前、何すんだ ! ! |
| イクス | うそだろ…。あの人の一撃を受けて普通に立ってる ! ? |
| ミリーナ | だ、大丈夫かしら ! ? |
| リッド | ああ、気にすんな。こういうのには慣れてる。 |
| カーリャ | 慣れてるんですか ! ?ってゆーか、慣れるんですかそれ ! ? |
| リッド | おい、ファラ。どうして戦ってたんだよ。いったい何があった ? |
| ファラ | リッド、聞いて !あの人たちがウィス泥棒だよ ! ! |
| リッド | ウィス泥棒だぁ ! ? |
| ファラ | 間違いないよ !ほら、あの人ウィス持ってるでしょ ! |
| イクス | これは違うんだ !そこに落ちてたのを拾っただけで―― |
| ファラ | またそうやってしらを切るつもりね ! |
| リッド | えっと…ファラ。ちょっといいか。 |
| ファラ | どうしたの ? |
| リッド | お前もウィスのカード、持ってるじゃねぇか。 |
| ファラ | うん。落ちてたから拾ったの。 |
| リッド | じゃあ、お前はウィス泥棒なのか ? |
| ファラ | ううん。そんなわけ――あっ ! |
| リッド | はぁ……そういうことか……。 |
| リッド | お二人さん。ちょっとばかし落ち着いて話をさせてもらってもいいか ? |
| ミリーナ | え、えぇ。もちろんよ。 |
| イクス | そうだな。まずは事情を説明させてくれ。 |
| イクス | ……というわけなんだ。 |
| ファラ | そうだったんだ……。 |
| リッド | 納得したぜ……。 |
| リッド&ファラ | …………。 |
| リッド&ファラ | すみませんでしたっ ! |
| イクス | えっ、あの…そんな……。 |
| ファラ | ごめんなさい ! ごめんなさい !わたし、てっきりウィス泥棒だと思って ! |
| リッド | ホント、こいつ昔からそそっかしい奴なんだ !こればっかりはもう直らなくて ! |
| リッド | いきなり疑っちまって、本当に悪かった… ! ! |
| イクス | いやいや…そんな気にしてないから。 |
| ミリーナ | そうよ。勘違いは誰にだってあることだわ。 |
| キール | イクス ! ミリーナ !いったい何があった―― |
| キール | って、二人とも ! |
| メルディ | リッド ! ファラ !久しぶりね ! |
| リッド | キールにメルディじゃねぇか ! |
| ファラ | 二人もこの街にいたんだ ! |
| キール | まったく。騒ぎを聞いて駆けつけてみれば。なんとなく事情を察したぞ。 |
| イクス | キールとメルディ、知り合いなのか ? |
| メルディ | リッドとファラ !メルディたちが仲間よ ! |
| キール | 前に少し話しただろ。ぼくの幼馴染みの二人さ。 |
| ミリーナ | そうだったのね ! |
| イクス | ということは…。この二人、はぐれ鏡映点か。 |
| カーリャ | どうりであんなに強いわけですね。 |
| ファラ | はぐれ鏡映点 ? なに、それは ? |
| リッド | お前たち、ここがどこかももしかしたら知ってんのか ? |
| ファラ | インフェリアに似てるけどなんだか違うなーって……。 |
| ミリーナ | 二人にも具現化について説明した方がよさそうね。 |
| イクス | ああ。じゃあ簡単に―― |
| キール | こっほん。まぁ、待て。ここはぼくが説明してやろう。 |
| イクス | わ、わかった…。キール、頼んだよ。 |
| ミリーナ | そんな生き生きした瞳で言われたらとめられないわね…。 |
| リッド | ったく、相変わらず偉そうに。手短に頼むぜ。 |
| ファラ | キールの説明かぁ…。長くなるかなぁ…… ? |
| メルディ | リッド、ファラ。おやつ買ってこようか ? |
| キール | おやつは後にして、黙って聞いていろ。お前たちにもちゃんとわかるように具現化について説明してやる。 |
| キール | まず具現化の原理についてだがわかりやすく晶霊学で説明するとレオノア百科全書の第4巻から考えるに―― |
| Character | 4話 【捜査3 奇怪な現象】 |
| イクス | ……と、キールの話をまとめるとこういうことなんだ。 |
| リッド | なるほどなぁ。やっと事態が飲み込めてきたぜ。 |
| ファラ | うん、わたしも ! |
| キール | ようやくか。まったく時間をかけさせるな。 |
| リッド | いや、お前の説明がなかったらもっとはやく終わってたぞ。 |
| ミリーナ | というわけで、キールとメルディは私たちの旅に協力してくれてるの。 |
| メルディ | イクスとミリーナ、世界救うため頑張ってる !メルディたちが同じよ ! |
| ファラ | そうだね !それに困ってるなら放っておけない !わたしも手伝うよ ! |
| リッド | まーた、お前はそうやって…。 |
| ファラ | ダメかな ? |
| ファラ | これはちゃんとわたしの意思……、わたしの気持ちでしたいって思ったことだよ。 |
| リッド | …そっか。なら、オレはいいと思うぜ。 |
| リッド | イクスとミリーナっていったな。オレとファラも協力させてもらうぜ。 |
| イクス | リッドもいいのか ! ? |
| リッド | 当たり前だろ。なんかまた途方もねぇことに巻き込まれちまった気がするが知っちまった以上、やるしかないだろ ? |
| リッド | それに、ファラがなんかヘマしたときお前たちに尻ぬぐいさせるわけにはいかねぇよ。 |
| リッド | そばでちゃんとオレが見張っとかねぇと。 |
| ファラ | ちょっとリッド。それどういう意味 ? |
| リッド | バーカ。そのまんまだ。 |
| メルディ | ワイール ! メルディ嬉しいよ !またみんな一緒だな ! |
| キール | ふっ…お前たちとの腐れ縁はどんな世界に行こうと断ち切れそうにないな。 |
| リッド | ああ、ちげぇねーや。 |
| ファラ | イクス、ミリーナ !二人ともこれからよろしくね ! |
| リッド | さっきは面倒かけちまったがよろしく頼むぜ。 |
| イクス | リッド、ファラ。こちらこそよろしく ! |
| ミリーナ | 仲間が増えて心強いわ ! |
| カーリャ | それとカーリャもお忘れなく ! |
| クィッキー | クィッキー ! |
| イクス | それじゃあひとまず、ウィスが消えた原因の調査を再開しようか。 |
| リッド | ああ。オレとファラも調べてたとこだし。 |
| ミリーナ | 何かわかったことはある ? |
| ファラ | それが全然。落ちてたカードをたまたま見つけただけ。あとは何の情報も手に入らなかったし。 |
| リッド | まぁ、強いて言えばイクスたちがウィス泥棒ではなかったのはわかったけどな。 |
| ファラ | もう !リッドってば……なんで引っ張るかなあ ! |
| ミリーナ | ふふっ。ちゃんと誤解が解けてよかった。 |
| イクス | 俺たちにとってはありがたい収穫だよ。 |
| ファラ | …イクス、ミリーナ。ありがと。 |
| イクス | キールとメルディはどうだった ? |
| キール | 収穫はまったくなしだな。 |
| メルディ | ちょっとキール !メルディ見たこと忘れたか ! |
| キール | いや…それは……。 |
| ファラ | メルディ、どうかしたの ? |
| メルディ | メルディな、ウィスのカードが歩いているとこ見たよ ! |
| イクス | ウィスのカードが歩いてたのか ! ? |
| リッド | おいおい。メルディ、それ本当か ? |
| メルディ | ホントよ !メルディ、ウソ言わない ! |
| キール | だがウィスのカードが歩いてるわけがない。どう考えても見間違いだ。 |
| メルディ | ホントだってば !メルディがこと信じてよ ! |
| キール | 別にお前の言葉を信じていないわけじゃ…しかしどう考えても非論理的で見間違いと判断するのが妥当というだけだ。 |
| メルディ | 見間違いじゃないのにー。 |
| イクス | ちょっと待て……。もしメルディの見たものが本当だったとしたら……。 |
| イクス | 俺たちが拾ったカード…動き出したりしないよな…… ? |
| ミリーナ | ど、どうかしら……。 |
| カーリャ | いやいや。イクス様。さすがにそれは心配しすぎ―― |
| リッド | な、なんだこいつら ! |
| カーリャ | 本当に動き出した ! ? |
| メルディ | ほら、メルディが言ってたことホント。キール、わかったか ? |
| キール | いやっ…わ、わかったが……。こ、これは、どういうことだ ! ?ありえないぞ ! ! |
| イクス | わからないが…動き回られるとやっかいだ ! |
| ファラ | そうだね ! 街の人に被害がでないようここで倒しちゃおう ! |
| Character | 6話 【捜査6 行き止まりの先には】 |
| リッド | ったく、ウィスカードってのは意外とすばしっこいな。 |
| ファラ | どこにもいないね。もう奥に行っちゃったのかな。 |
| キール | だが洞窟はここで行き止まりだぞ。 |
| イクス | みんな、ちょっと待ってくれ。 |
| ミリーナ | イクス、そんなに地面を見つめてどうかしたの ? |
| イクス | よくみてくれ。うっすらだけど足跡が残ってる。 |
| ミリーナ | 本当だわ !それもこんなに ! |
| メルディ | 世界中がウィスカード消えたの、洞窟に集まってきてたからか ? |
| キール | その可能性が高いな。だが何故どこにもウィスカードが見当たらないんだ。 |
| ファラ | ここで足跡が途絶えてるみたいだけど…。 |
| | ――カチッ |
| ミリーナ | えっ ! ? いまの何の音 ! ? |
| カーリャ | カ、カーリャは何もしてませんよ ! ? |
| イクス | いまの音…どこかで聞いたことが……。 |
| キール | はやく思い出せ。何の手がかりになるかもしれない。 |
| イクス | …………あっ。 |
| リッド | 思い出したのか ? |
| イクス | スイートピア遺跡でトラップが作動したときの音だ。 |
| ミリーナ | あっ、そういえば ! |
| カーリャ | つまり……今回は ? |
| イクス | 俺たちが…落ちる番 ? |
| 全員 | うわぁぁ~~~~ ! ! |
| イクス | いててっ……。 |
| ミリーナ | イクス ! ? 大丈夫 ! ? |
| イクス | あぁ、平気だよ。スレイの言ってたとおりなんとかなるもんだな。 |
| ミリーナ | よかった……。 |
| イクス | ミリーナはなんともない ? |
| ミリーナ | うん。私も大丈夫よ。 |
| キール | メルディ、ケガしてないか ? |
| メルディ | はいな ! キールは大丈夫か ? |
| キール | 心配するな、ぼくはなんともない。 |
| ファラ | リッドも大丈夫 ? |
| リッド | ああ、どこも悪くねぇよ。お前も大丈夫だよな ?オレを下敷きにしてんだからよ。 |
| ファラ | ご、ごめん。いまどくね。 |
| カーリャ | ひとまず、みなさま無事なようでなによりですよ。 |
| クィッキー | クィキー、クィッキー! |
| イクス | だけど…気になることがある…。 |
| リッド | それはオレもだぜ…。 |
| キール | 同感だな……。 |
| 三人 | ここはどこなんだっ ! ! |
| メルディ | ファラ ! ミリーナ !かわいい飾りいっぱいあるよ ! |
| ファラ | よくわからないけどずいぶんと楽しそうな場所だね ! |
| ミリーナ | まるでオモチャ箱の中にいるみたい。 |
| ファラ | 先に進んだら楽しいものがいーっぱいあったりして ! |
| メルディ | メルディ気になるよ ! ! |
| リッド | ったくよぉ。なにお前たちはうかれてんだ。 |
| キール | そうだぞ。ぼくたちが置かれている状況を考えろ。 |
| イクス | ああ。何が起こるかわからない。気を引き締めて進まないと。 |
| カーリャ | まったく。イクスさまたちはもっと楽しもうという気はないんですか。 |
| カーリャ | ウィスカードたちもパレードで迎えてくれているっていうのに。 |
| ファラ | 本当 ! 一糸乱れぬ行進だね。 |
| キール | ……って、囲まれてるじゃないか ! ! |
| リッド | おいおい、これまたすごい数だな。 |
| ファラ | よーしっ ! 倒してカードを取り戻そう ! |
| リッド | ああ。獲物がウィスカードっていうなら遠慮する必要はなさそうだ。狩り尽くさせてもらうぜ ! |
| Character | #N/A |
| リッド | この辺りにウィスカードは…………よし、ほとんどいないみたいだな。奥に進むとするか。 |
| イクス | そんなことがわかるのか ? |
| リッド | 猟師の勘ってやつさ。 |
| イクス | キールから猟師の幼馴染みがいるって聞いてたけどリッドのことだったんだな。 |
| イクス | 俺は海の方の漁師だから\"リョウ師\"違いだなって思ってたんだ。 |
| リッド | おっ、漁師ってことは魚か。肉も好きだけど魚もいいよな。刺身とか焼き魚とか煮付けとかよ。 |
| イクス | 寿司なら少し自信はあるけど…リッドは好きか ? |
| リッド | 寿司 ! ? ああ、もちろんだぜ ! |
| キール | 腹に入れば何でもいいくせに。 |
| リッド | うるせぇな。本の虫は活字でも食ってろ。 |
| キール | 活字の良さを理解できないとは嘆かわしいな。 |
| イクス | 寿司もいいけど活字もいいよな。 |
| キール | その通りだ。読書は頭脳の食事だからな。 |
| キール | ちなみにだが、ぼくは寿司が嫌いというわけではないからな。 |
| キール | 魚には一般的に頭を良くすると言われている成分が含まれていることもあり寿司はぼくの中で割と評価に値する食事だ。 |
| リッド | なんだよ。結局お前も寿司が食いたいんじゃねえか。 |
| イクス | それならよかったよ。そろそろいい魚が市場にならぶ頃のはずだし諸々片付いたら振る舞うよ。 |
| イクス | ちなみに、これは漁師の勘だ。 |
| リッド | おっ。イクスもやるじゃねぇか。寿司のためにもまずはウィスを集めないとな。 |
| ミリーナ | ふふっ。二人がいればきっとウィスも\"大リョウ\"ね。 |
| ファラ | ミリーナ、うまい ! |
| メルディ | ザブトン一枚~ ! |
| キール | 待て、みんな。こっちも行き止まりだ。 |
| リッド | 行き止まり ? そんなわけねぇだろ。まだまだウィスカードがここにいるはずなんだ。 |
| イクス | あれ……壁に何か書いてあるな。 |
| キール | メルニクス語か……。メルディ、読んでくれ。 |
| メルディ | はいな。えーっとな……。 |
| メルディ | 『試練に打ち勝ちし者の前に道は開ける。』 |
| リッド | 試練……か。 |
| キール | まさかセイファートの試練のようなものが待ち構えているのか ? |
| ファラ | どうしよう…。そんな危ない試練だったら…。 |
| リッド | この先にウィスカードがいるんだ。パパッとこなして先に進むしかねぇだろ。 |
| リッド | どんな試練だって乗り越えてやる。大丈夫だって、心配すんなよ。 |
| ファラ | ……リッド。 |
| メルディ | 第一の試練……。 |
| 一同 | …………。 |
| メルディ | じゃんけん ! |
| 一同 | ………じゃんけん ! ? |
| リッド | なんだよ !試練っていうか遊びじゃねぇか !無駄に意気込んじまって損したぜ ! ! |
| ミリーナ | 第一ってことは他にも試練があるはずよね。それもこういう遊びなのかしら ? |
| ファラ | それならわたしたちにかかれば楽勝だね ! |
| イクス | ファラたちはこういう遊びに慣れてるのか ? |
| ファラ | 旅の途中、キャンプの時にみんなで色々してたの ! |
| メルディ | いっぱい遊んだもんな ! |
| ファラ | うん ! イケる、イケる ! ! |
| リッド | こんなとこで役にたってくるとはな。 |
| ファラ | いまこそ、わたしたちの力をみせるとき ! |
| キール | まったく……。少なくともじゃんけんに手腕は関係しない。ただの確率さ。 |
| ファラ | そんなことないよ。意外と気合いも大切なんだから。 |
| キール | 非論理的だね。 |
| リッド | おーい、みんな。キールがクールにじゃんけんの試練をこなしてくれるみたいだぜ。 |
| キール | ちょ、ちょっと待て。ぼくは一言もやるとはいってないぞ。 |
| メルディ | キール ! 頑張ってな ! |
| キール | いや、だからぼくは―― |
| ミリーナ | キール……頑張って ! ! |
| イクス | 俺たち、応援してるから ! |
| キール | どうしてこんな事に……。仕方ない…こうしてるのも時間の無駄だからな。 |
| キール | よし、いくぞ……じゃんけん―― |
| キール | ぽんっ ! |
| リッド | なんだよ。負けてんじゃねぇか。 |
| キール | う、うるさい。確率的には当然予測し得た事象だ。 |
| ミリーナ | キール、もう1回よ ! |
| キール | わかっている ! |
| キール | じゃんけんぽんっ ! |
| ファラ | 二連敗、だね。 |
| キール | い、言われなくてもわかってる !何回も挑戦できるんだ。そのうち勝てるさ。 |
| キール | じゃんけんぽんっ ! |
| キール | むっ……。 |
| キール | じゃんけん―― |
| キール | はぁ…はぁ……じゃんけん……。 |
| キール | ぽん……。 |
| キール | 何故だ ! ? ありえないっ !いや、確率的にはありえるが… ! |
| リッド | まさか百連敗とはな…。 |
| メルディ | キール、よく頑張ったよ。今日はたまたま運がないだけ。 |
| ファラ | そうそう。だから落ち着いて……。 |
| キール | くっ……。運など非論理的な……。 |
| カーリャ | けど、あと頼れそうなのは本当に運ぐらいですよね…。 |
| イクス | そうだ。ミリーナ、占いできたよな ?この中で一番運がいい人とかって占えたりできる ? |
| ミリーナ | できるけど…いま占いの道具はケリュケイオンなのよ…。 |
| ファラ | 大丈夫 !ここに最高の占い師がいるから ! |
| イクス | そうなのか ! ? いったい誰が ! ? |
| クィッキー | ククク、クィック…… |
| クィッキー | クィッキー ! ! |
| メルディ | クィッキー占い !はじまり、はじまり~ ! ! |
| イクス | えっ、どうしたんだ ! ? |
| ミリーナ | クィッキーが占うの ! ? |
| メルディ | はいな ! こんなんでました~。 |
| メルディ | 常識にとらわれてはなりません。そうすれば道は開かれます。幸運の鍵は…そそっかしい女の子 ! |
| イクス | そそっかしい女の子 ? |
| ファラ | いったい誰かなぁ…。 |
| リッド | いや、お前しかいねぇだろ。はやくじゃんけんしてこい。 |
| ファラ | あっ、ちょっと !リッド、おさないでってば ! |
| リッド | ほら、いくぞ。じゃーんけーん―― |
| ファラ | えっ、ど、どれ出そう ! ?グー、チョキ、パー ! ?あーっ、もうわかんないけど―― |
| ファラ | ぽんっ ! ! |
| リッド | おいっ ! なんだよそれ ! |
| キール | ルール違反だぞ ! |
| ファラ | 迷ったから全部出しちゃった。 |
| ミリーナ | あっ、道が開いたみたいね ! |
| リッド | いまので勝ちなのか ! ? |
| キール | ぼくの苦労はなんだったんだ ! ! |
| ミリーナ | ファラ、すごいわね !一発で勝っちゃうなんて ! |
| ファラ | ふふ、ありがと。 |
| メルディ | これで先に進めるな ! |
| ファラ | そうだね !次はどういう試練なんだろうっ ! |
| ミリーナ | 楽しみだわ ! |
| メルディ | はよはよぅ ! 先に進もー ! |
| イクス | 待て…何か足音が聞こえる。 |
| リッド | ウィスカードどもか !やっぱり奥に潜んでたな ! |
| キール | 倒しながら進むしかないな。 |
| カーリャ | ここのカード拾いはカーリャとクィッキーにお任せを ! |
| クィッキー | クィッキー ! |
| イクス | 二人ともありがとう。よし、行くぞ ! |
| Character | 8話 【捜査9 楽しい試練?】 |
| リッド | ウィスカード、けっこう集まってきたな。 |
| キール | だがウィスの普及率から考えるにまだまだ全然足りていないぞ。 |
| イクス | もうこのあたりにウィスカードはほぼいないみたいだから試練をクリアして先に進まないといけないか。 |
| キール | その前に概算でいいから残りの枚数、それらを確保するのに必要な時間を計算しておくべきだ。 |
| イクス | それもそうだな。えーっと……単位枚数あたりの確保時間から考えると―― |
| メルディ | ワイール ! ダンスの試練、クリアしたよ ! |
| ファラ | さっすがメルディ ! |
| ミリーナ | メルディは本当にダンスが上手ね。それに、とっても可愛い ! |
| メルディ | メルディはミリーナの歌にあわせただけ。 |
| メルディ | すごくいい歌で、ミリーナも上手 !自然と身体が動いた。 |
| ファラ | ホント !わたしも踊りたくなっちゃったもん ! |
| ミリーナ | ふふっ。ありがと。それじゃあもう1回やろっか ? |
| ファラ | やった ! 賛成 ! ! |
| リッド | なぁ。あいつら完全に楽しんでるよな。なんでわざわざもう1回やるんだよ。 |
| キール | ぼくには理解出来ないな。あんな遊びより哲学的思考にふけっていた方がよほど有意義だ。 |
| イクス | まぁ…試練をクリアしてくれるのは助かるけど……。 |
| リッド | そりゃそうかもしれないけどよ。ファラのやつ夢中になりすぎだぜ。 |
| キール | メルディも踊りが楽しいのはわかるがもっと時間を有効に使うべきだ。試練があといくつあるか分からないんだぞ。 |
| イクス | ミリーナ、ノリノリで歌ってるけどウィスカードが襲いかかってくるかもしれないこと、わかってるのか…。 |
| 三人 | はぁ……。 |
| ファラ | ねぇ、リッドはやらないの ?あっちにあるしりとりの試練、とっても面白いよ ! |
| リッド | それもさっきクリアした試練じゃねぇか。わざわざやる必要ないだろ。 |
| メルディ | キール ! なぞなぞの試練あるよ !あれならキールも楽しめるか ? |
| キール | なぞなぞなんて興味ない。なんでぼくがそんなことしなくちゃいけないんだ。 |
| ミリーナ | イクスは興味のある試練はないの ? |
| イクス | いや…俺はクリアできるかわからないしおとなしく今後について考えながら見張りをしてるよ。 |
| 三人 | そう……。 |
| ファラ | それじゃあ、先に進もっか…。 |
| メルディ | そだね…。 |
| リッド | ど、どうしたんだよ ?やりたい試練があるんじゃなかったのか ? |
| キール | そうだ。誰もやるなとは言っていない。 |
| イクス | 俺たちに遠慮することはないぞ。 |
| ファラ | けど…リッドたちはやらないんでしょ ? |
| メルディ | みんなで楽しいがいいよ……。 |
| リッド | いや……別にそういうわけじゃ……。 |
| キール | あぁ……試練をやることに嫌悪感があるわけではないからな……。 |
| イクス | 俺も…興味がないわけでは……。 |
| ファラ | それなら…一緒にやらない ? |
| リッド | ……。 |
| リッド | …なぁ、イクス。ちょっとばかしウィス集めから逸れちまうが……大丈夫そうか ? |
| イクス | 俺は全然構わないよ。キールはどうだ ? |
| キール | しょうがないな……。 |
| リッド | ……それじゃあ。 |
| 三人 | やってやる ! |
| ファラ | えっ ! ? ホント ! ? |
| リッド | 何度も言わせんなよ。しりとりの試練だったな。ほら、とっとと行くぞ。 |
| キール | なぞなぞに興味はないが多少頭の体操にはなるさ。メルディ、どこにあるんだ ? |
| メルディ | こっちこっち~ ! |
| イクス | いまウィスカードの気配はないから俺もやってみるよ。何がいいかなぁ。 |
| ミリーナ | 一緒に見て回りましょ。きっとイクスがやってみたいのも見つかるわよ。 |
| イクス | ああ。そうしよう。 |
| リッド | おっ ! しりとりの試練ってクリアすると飴もらえるのかよ ! |
| ファラ | そうなの。色んな種類があってどれもすごく美味しいんだよ。 |
| リッド | こりゃ全種類揃えるしかねぇな ! |
| キール | えっと…次の問題は……『座ってるのに空にあるものは何でしょうか』か……。 |
| メルディ | うーん…何だろな。 |
| キール | ふんっ。やはりなぞなぞなどたいしたことはないな。ただの言葉遊びだ。 |
| メルディ | キール ! もうわかったか ! ? |
| キール | 簡単すぎるな。座るという行為の中にはあぐら、とんぼ座り、そして正座などがある。 |
| キール | そこから空にある天体、太陽、月、星などと紐付けられるものを考えれば答えは―― |
| メルディ | わかった ! 星座 ! !答えは星座 ! ! |
| キール | あっ ! お、おい ! ズルいぞ ! !ぼくが先に思いついたんだからな ! ! |
| メルディ | メルディ先に答えたよ !メルディが正解っ ! ! |
| キール | くっ…次だ ! 次 ! ! |
| ミリーナ | イクスはやってみたい試練は見つかった ? |
| イクス | そうだなぁ。クイズとかなら俺でもできるかも。 |
| ミリーナ | 色んなこと知ってるからイクスにぴったりだと思うわ。 |
| イクス | それじゃあ、俺たちもやろうか。 |
| ミリーナ | ええ ! |
| Character | 10話 【捜査10 ウィスカードの顛末】 |
| イクス | よし。これで一段落か。 |
| ファラ | ウィスカードも元に戻ったね ! |
| メルディ | ファラ、何かでてきたよ !あれ…お化けか ? |
| ミリーナ | お化け ! ? 本物なの ! ? |
| リッド | ぎゃーーっ ! !やめろっ ! ! こっち来るな~~~っ ! ! |
| ミリーナ | あれ ? リッドさん、お化け苦手なの ? |
| ファラ | リッドはちょっと怖い話をしただけでも叫んで逃げ出すくらいだから…。 |
| リッド | お化けみて冷静なお前らの方がおかしいだろっ ! ! |
| キール | 落ち着け。あれは密林に住まう亡霊だ。ウィスカードに取り憑いていたみたいだな。 |
| イクス | ぼ、亡霊が ? いったいどうして ? |
| キール | たまたま密林に具現化されたウィスカードがあったのだろう。おそらく亡霊はそれに目をつけた。 |
| キール | そして取り憑いたウィスカードをハブとし他のウィスカードも操っていたのだろうな。事件の原因がわかってスッキリしたよ。 |
| イクス | ちょっと待ってくれ…。取り憑いていた亡霊を退治したってことは他のウィスカードたちも…。 |
| キール | 亡霊の力は次第に弱まり自然と元のカードに戻るだろう。 |
| カーリャ | よかったです ! これで事件解決ですね ! |
| キール | ただウィスカードが持ち主の元に戻ってくるわけではない。 |
| メルディ | この後もメルディたちで、ウィス集めて街の人たちに届けた方がいいな。 |
| ファラ | それならまだまだ頑張らなくっちゃね ! |
| イクス | けど結構な数のウィスカードが集まったし一度街に戻ろうか。 |
| ミリーナ | そうね。街の人たちにも早くウィスカードを届けたいもの。 |
| リッド | あ、あの亡霊は…どうするんだ… ?さっきから飛んだり回ったりただでさえ不気味なのによ……。 |
| ファラ | あっ。消えちゃった。 |
| キール | ぼくたちを戸惑わせたことに満足し、密林に帰ったんだろうな。 |
| リッド | あ、あいつ楽しんでやがったのか。人騒がせな亡霊だぜ…。 |
| ファラ | リッドの反応にも満足したのかもね。 |
| リッド | おい、どういう意味だよ。 |
| イクス | とりあえず俺たちも帰ろうか。 |
| ミリーナ | ええ。行きましょう。 |
| Character | 12話 【捜索・収集11 街の異変】 |
| イクス | ウィスカードの整理をしてたらそれを街の人に見られてしまったのか…。 |
| キール | その噂を聞いて集まってきた人たちでちょっとしたウィスの奪い合いになったと。 |
| ファラ | うん…小競り合いはもう落ち着いたんだけど少しだけ…街の雰囲気が……。 |
| メルディ | ファラ、無事でよかったよぅ。 |
| ミリーナ | そうよ。それにファラは悪くないじゃない。だから落ち込む必要なんてないわ。 |
| ファラ | だけど…わたしが街でウィスの整理をしてなかったら……。 |
| イクス | それは早く街の人たちにウィスカードを届けたかったからだろ ? |
| イクス | 俺だってそこまで気が回らずきっとそうしてたさ。 |
| キール | わかっただろ。ファラが責任を感じる必要はない。 |
| ファラ | 仮にだよ……責任はなかったとしてもきっかけは……わたしだよ……。 |
| リッド | ……ファラ。 |
| ファラ | ごめん…。やっぱりわたしって……変わらないね。 |
| リッド | 変わらなくていいんだよ。 |
| ファラ | えっ……。 |
| リッド | ファラが思ったこと、感じたこと…みんなの為に頑張ろうって、その想いを信じた結果だろ ? |
| リッド | みんなにもそれがちゃんと伝わってる。心配すんな。何かあってもオレがいるだろ。 |
| ファラ | ……リッド。 |
| キール | リッドだけじゃない。ぼくもいる。ずっとそうだっただろ ? |
| メルディ | メルディも ! |
| ミリーナ | 私もついてるわ。 |
| イクス | 俺も。 |
| カーリャ | カーリャも。 |
| クィッキー | クィッキー ! |
| ファラ | ……みんな。 |
| リッド | ちょっとばかし街の雰囲気が悪くなっただけじゃねぇか。 |
| イクス | みんなで力を合わせればなんとかなるよ。 |
| キール | そして次、どうすればいいか答えは単純明快だ。 |
| メルディ | 街の人たちみーんな !笑顔にすればいいよ ! |
| ミリーナ | いっそのこと大陸中、世界中を巻き込んでしまいましょ ! |
| リッド | どうだ ? 面白そうだろ ? |
| ファラ | けど、どうやって ? |
| リッド | さっきの試練でのこと忘れたのかよ。オレたちはお前がやろうって誘ってくれたから楽しめた。 |
| リッド | だから、それと同じでいいんだよ。 |
| キール | ファラは遊びを考えるのが昔から得意じゃないか。閃かないとは言わせないぞ。 |
| ファラ | ……世界中の人を。 |
| ファラ | …あっ ! |
| イクス | 思いついたみたいだな。 |
| ファラ | うん ! 閃いた ! ! |
| メルディ | ファラ ! 教えてよ ! |
| イクス | いったいどういう遊びなんだ ? |
| ミリーナ | 聞かせて ! |
| ファラ | …………。 |
| ファラ | それはね―― ! ! |
| Character | 13話 【捜索・収集15 みんなの笑顔のために】 |
| ファラ | ウィスの世界大会にようこそ ! !みんな、楽しんでいってね ! ! |
| ルーク | くっそー ! 何度やっても勝てない。やっぱジュードはすげぇな !今回もウィスのスコアぶっちぎりじゃん ! |
| ジュード | そ、そうかな。そんなことないと思うけど。たまたま運がよかっただけじゃないかな。 |
| ミュウ | ご主人様もうなったり頭を掻いたり頑張ってたですの ! |
| ジェイド | そうですねぇ、ウィス百面相大会なら間違いなく優勝だったんですが。いやぁ、残念でしたねぇ ! |
| ルーク | 何だよ ! 偉そうに ! だったらジェイドも一緒にウィスやってみろよ !ジュードはマジ強いんだぞ。 |
| ジェイド | まぁ、それなりに力があることは認めます。ただ、さっきの対戦はルークが火のカードを出していれば勝っていたはずですけどねぇ。 |
| ジュード | あっ。確かにそれを出されてたらルークに逆転されてたよ。 |
| ルーク | えっ、そうだったのか ! ?ってか、ジェイド。気づいてたなら言ってくれよ ! |
| ジェイド | ギャラリーに助けを求めてどうするんです。どうせあるだけ無駄な脳みそなんですから、たまにはきちんと動かした方がいいですよ。 |
| ジェイド | 脳みそが錆びているかも知れませんし。 |
| ルーク | はぁ ! ? 何だと ! ? |
| ジュード | ル、ルークもジェイドさんも落ち着いて ! |
| ルーク | くっそ ! おい、ジュード ! もう一回だ !俺の頭が錆びてねぇところを見せてやるっ ! |
| ジュード | あはは…。うん、もう一回、勝負 ! |
| ミラ=マクスウェル | 四大をモチーフとしたカード…。精霊に関する儀式でも行っているのか ? |
| エリーゼ | 違うんです、ミラ。これはウィスっていうカードゲームでそれをみんなで遊んでるんですよ。 |
| ミラ=マクスウェル | ゲーム…人間の遊びか。それは興味がある。私も混ぜてもらっていいか ? |
| エリーゼ | わたしもやってみたいんですけど…ルールというのがあって、まずはそれを覚えないとなんです。 |
| ソフィ | ミラ、エリーゼ。ルールならわたしが教えるよ。 |
| ミラ=マクスウェル | おぉ、ソフィ。それは助かる。手間をかけさせてすまないな。 |
| ソフィ | ううん。二人にはお花たくさん見せてもらったから。 |
| エリーゼ | プリンセシアの花ですね。 |
| ソフィ | うん。ピンク色でとっても綺麗だった。 |
| エリーゼ | ソフィもピンキストなんですね。 |
| ティポ | それをいうならミラもだよねー。ノームの力でケリュケイオンをプリンセシアでいっぱいにしてたし― |
| ミラ=マクスウェル | あのときはジュードに厳重注意をされてしまったな。 |
| ソフィ | けど、とっても綺麗だった。 |
| ミラ=マクスウェル | ふふっ…ソフィの笑顔を見られて四大も喜んでいるよ。 |
| エドナ | はい…これでこの手札残り1枚ね。チョロ甘過ぎてあくびがでるわ。 |
| ティア | (かわいい……) |
| エドナ | なにジロジロ見てるのかしら。そんなにワタシを拝みたいならまずエドナ教団に入ってからにしてくれる ? |
| ティア | エ、エドナ教団 ?エドナ様が主神の宗教組織か何か ? |
| エドナ | だいたいそんなところね。可憐なワタシを神と崇め奉ることを教義とした組織よ。 |
| ティア | エドナ教団 ! …い、いえ。ダメよ。入信はできないわ…。 |
| ティア | 確かにエドナ様はその…可愛いし…。でも、可愛いからって信仰を変えるのは…。それにローレライ教団はミュウも可愛いし…。 |
| ルーティ | チッ…さっきからうるさいわね。ちょっと調子が良いからって何よ…。こっちは手札が15枚で後がないってのに。 |
| エドナ | あら。無様な負け犬の遠吠えが聞こえるわ。 |
| ルーティ | 何ですって ! ? |
| ティア | ル、ルーティ、落ち着いて。 |
| スタン | そうだよ。たかがゲームだろ ? |
| ルーティ | たかがゲーム ! ?こっちは優勝賞品狙ってるのよ ! |
| ルーティ | それにスタン !あんたがボロ負けしてるからあたしがここまで苦労してるんでしょ ! |
| スタン | いや、それはごめん。ルール覚えるので精一杯でさ。 |
| ルーティ | もうっ…次はどれを出せば……。 |
| エドナ | ……ねぇ。負け犬。 |
| ルーティ | チッ…いま集中してるんだけど。話しかけないでくれる ? |
| エドナ | そう。またガルド拾ったから恵んでやろうと思ったのに。 |
| ルーティ | ウソウソ ! 冗談よ !ホントにありがとね~っ ! !いつも助かるわっ ! ! |
| ティア | あっ…これで私も最後の1枚。 |
| ルーティ | ティアも ! ? いつのまに ! ? |
| エドナ | お金で目がくらんでいたようね。 |
| スレイ | ミクリオ…。風のカードの紋様なんだけどこれって神殿ギネヴィアの柱に刻まれていた装飾と少しだけ似ていないか ? |
| ミクリオ | ああ。僕も同じことを考えていた。世界を越えてこんな発見があるとはね。 |
| ユーリ | 二人とも。そうやって勝負と別のとこで盛り上がってていいのか ?この勝負、オレがこのまま頂いちまうぜ ? |
| ラピード | ワン ! |
| ミクリオ | …… ! |
| スレイ | あっと、そうだった。うーん…どれを出そうか… |
| ユーリ | じっくり考えていいぜ。お互い秘蔵のケーキレシピを賭けた真剣勝負だからな。 |
| ミクリオ | 賭けにしなくても、僕のレシピでよければ普通に教えるのに。 |
| ユーリ | 何言ってんだ。あのアイスクリームケーキ、苦労して作り上げたんだろ。大事にしないと、レシピが悲しむぜ ? |
| ミクリオ | 賭けの対象にするのはいいんだ…。 |
| ユーリ | それはそれ。この方がファラたちが催してくれたこの大会が、より盛り上がるってもんだ。 |
| ミクリオ | ふふっ。わかったよ。そういうことならいざ尋常に勝負だ。 |
| ユーリ | いいぜ ! 来な ! |
| スレイ | ユーリさん、もしかしてただ勝負事が好きなだけなんじゃ…。 |
| ラピード | ワフン |
| メルディ | キール…すごいよ !みんな、ウィス…楽しそうにやってる ! |
| キール | メルディ、嬉しそうだな。 |
| メルディ | ウィスはセレスティアがゲーム。それがインフェリアン…ううん…色んな人、楽しそうだから。 |
| キール | そうだな。 |
| メルディ | なぁ、キール。いつかこんなふうに…セレスティアンとインフェリアンも……。 |
| キール | ああ。ぼくもメルディと同じことを考えている。そしてそれは決して非現実的じゃない。 |
| キール | ぼくとお前がいまこうしてここにいること。それが一点の曇りもない論拠だ。 |
| メルディ | …そうだな ! |
| イクス | キールとメルディ、ここはいいからいまのうちに休んでおいてくれ。 |
| ミリーナ | このあともまだまだたくさんやることがあるからね。 |
| キール | そうか…。つまりいま、ぼくたちはここを離れても問題ないんだな ? |
| イクス | ああ。大丈夫だよ。 |
| ミリーナ | 大勢の街の人たちも協力してくれてるもの。 |
| キール | それじゃあ…久しぶりにウィスでもやるか。メルディ、おまえも付き合えよ。 |
| メルディ | もちろんだよ !メルディもウィス楽しみ ! |
| ミリーナ | メルディ、楽しんできてね。 |
| メルディ | はいな ! |
| ミリーナ | キール……ちょっと。 |
| キール | な、なんだよ。お前、日に日に馴れ馴れしくなってるぞ。 |
| ミリーナ | 何かあったら相談してね。私は……いい仕事するわよ ? |
| キール | だからお前は何の話をしてるんだ !意味がわからない ! ! |
| キール | メルディ、行くぞ ! |
| メルディ | あっ。キール、待ってよ~。 |
| イクス | よし。あとはリッドとファラだな。 |
| ミリーナ | そうだね。 |
| ファラ | 二人とも、戻ったよ。次の仕事はなんだっけ ? |
| リッド | バカ。司会進行だろうが。 |
| イクス | あっ、ちょうどいいところに。二人に話があったんだよ。 |
| ファラ | なにかあったの ? |
| イクス | 会場が少し落ち着いたんだ。だからいまのうちに二人も参加して来なよ。 |
| ミリーナ | そうそう。ここは私たちに任せて。 |
| リッド | いやいや。お前たちこそ行ってこいよ。 |
| イクス | 俺たちは後で参加するって。 |
| ファラ | けど…悪いよ、やっぱり。これはわたしが言い出したんだから少なくともわたしはきっちり仕事しないと。 |
| リッド | ……ファラ。 |
| イクス | リッド、俺たちは本当に大丈夫だからさ。 |
| ミリーナ | キールとメルディも一足先に向かったわよ ?だからリッドさんもファラと。 |
| リッド | な、なに言ってんだよ。あいつらは別に関係ねぇだろ…。 |
| リッド | けど……ファラ。オレたちも行こうぜ ? |
| ファラ | ……いいのかな ? |
| リッド | 言い出しっぺはお前だろ。そのお前が楽しまなきゃどうするんだよ。 |
| イクス | ファラ、行ってきなよ。 |
| ミリーナ | 遠慮しちゃいけないわよ。 |
| ファラ | ……二人とも。 |
| ファラ | ありがとう ! ウィス、楽しんでくるね ! ! |
| リッド | とっとと行くぞ !時間がもったいねぇ ! ! |
| ファラ | ちょっ、ちょっと ! リッド !待ってってばー ! |
| ミリーナ | ふふっ。よかった。これでファラの想いが叶ったわね。 |
| イクス | ああ。ちゃんと全員が笑顔になった。 |