Character1話【プロローグ】
ディストジェイド ! ジェイドはどこですか ! ?親友のよしみで救世軍クリスマス会の招待状を持ってきてあげましたよ !
イクスディストさん、お願いです。お願いですから帰ってください。招待状は俺から渡しておきますから。
リオン何を企んでいるのか知らんがさっさとケリュケイオンから出て行け。
アスベルみんな ! ジェイドさんを連れてきたぞ !
ジェイドまったく。騒々しいですねぇ。
ディストジェイド ! やっときてくれましたね !これはクリスマス会の招待状です。私と遠き日の思い出を語り合い――
コーキス――あ、ジェイドさま、招待状を……
カーリャ破った…。ビリビリに…。
ディストな、何をするんですか ! ?三日間も徹夜して作ったのに ! !
イクスな、なんだ ! ?
謎の声――見つけた。
イクス…な、何が起きたんだ ?
ジェイド位置情報を示す計器が狂ってる…。いや、不条理なほどに整っている ?まさか――
ディスト――なるほど。これは面白い !すぐに調べましょう、ジェイド !
ミリーナあ、ディストさんが――
ジェイド放っておきなさい。おそらく私と同じ結論に達したのでしょう。
イクス同じ結論 ? それはどういうことですか ?
謎の声それは私から説明しましょう。ここは安全です。どうぞ外においで下さい。
ワイズマンようこそ。余剰次元アークに。私はここの長でワイズマンと申します。
コーキスまぶしくて何だかよくわからないよ !
ワイズマンすみません。これでも皆様の次元に姿を届けられるよう調整しているのですが私の次元が遠すぎてこれが限界なのです。
カーリャえっと…どういうことですかね ?カーリャにはさっぱりです。
ワイズマンまずはこの世界について説明しましょう。ここはあらゆる世界の全ての記録を保管するアカシアの樹に守られた次元図書館。
ワイズマンそちら風にいえば図書館を中心とした学園都市です。よろしければ今後はこの場所を学園都市アークと呼んで下さい。
ワイズマン私やここに住む他の者は、あらゆる宇宙を超越した高次元の魂――アーキタイプ。この場所を護る司書のような存在です。
ジェイド…なるほど。6次元――いやそれ以上の次元の生命体ですか。
ジェイド闇雲に信じるのもどうかとは思いますがケリュケイオンの計器の状態を見た限りではでたらめという訳でもなさそうです。
リオン…信じがたいが確認する術はなさそうだな。それで ?どうして僕たちをここへ連れてきたんだ。
ワイズマンあらゆる宇宙では争いが絶えず、その影響でこのアークも危険にさらされています。その為アークを護る我らも疲弊している。
ワイズマンそんな我らアーキタイプにとって疲れを回復する効果があるのがレクリエーション――祭りです。
ワイズマン特に近々開催される学園祭は重要で毎年様々な次元からゲストを招いています。
アスベルまさか、俺たちがゲストってことか ! ?
リオン馬鹿な ! ? そんなことのために僕たちは連れてこられたのか ! ?
イクスけど、俺は…責められないな。俺たちも異世界に助けを求めてみんなを具現化してしまったんだし…。
ミリーナそれなら今回はいつもとは逆に私たちがワイズマンさんを助けましょうよ。
イクス…ああ、そうだな。俺たちでも役に立てることがあるなら。
ワイズマンありがとうございます。学園祭が無事終わりましたら、皆さんを元の世界にお戻しします。
イクスその時、ここの世界の記憶は――
ワイズマンもちろんそのままです。ご安心下さい。
三人………………。
アスベルしばらくここにいることになりそうだな。それなら何か手伝うよ。学校なら俺も通っていたことがあるし。
イクスアスベルは騎士学校にいたんだったよな。学園生活にも詳しそうだし心強いよ。
アスベル学園生活、って感じではなかったけどな。何も分からないよりは良いと思う。
アスベルリオン、ジェイドさんもせっかくだしどうですか ?
リオン断る。
ジェイドお断りします。
アスベル即答されてしまった…。仕方がないな。
アスベルイクス、ミリーナ。ひとまず俺たち三人で学園祭を盛り上げるため頑張ろう。
イクスそうだな。でも、俺たちだけで何とかなるのかなぁ…。
ワイズマン実はティル・ナ・ノーグの他にもう1つ別の世界からもゲストを招いています。
ワイズマンこちらがリアフィースの住人。
ワイズマンそしてこちらがティル・ナ・ノーグの住人です。
サラはじめまして。私はサラって言います。よろしくね。
アレン僕はアレン。気軽にアレンって呼んでくれたら嬉しいな。
イクスあ、あぁ。よろしく、アレン。俺はイクス・ネーヴェ。
ミリーナ私はミリーナ・ヴァイスよ。歳が近いみたいでよかったわ。サラ、よろしくね。
サラそしてこっちが――
カナアスベル ! ?アスベルもこっちに来てたの ?
アスベル…俺たち、どこかで会ったか ?
カナあっ、私たちとは別の世界の人なのよね。ごめん。事情は聞いていたんだけど本当にそっくりだったから驚いちゃって――
ゼファー――おい、まずは自己紹介だろ。こいつはカナ。俺はゼファーだ。よろしく頼むぜ。
カナぐわっ、ゼファー !フード引っ張らないでよ !
リッピ私はリッピと申します。お食事の用意から大道具まで何でもお任せください !
カーリャカーリャはカーリャですよ。で、こっちが後輩のコーキスです。
サラそれじゃあ挨拶も済んだことだしさっそく学園祭について考えましょうか。
イクスそうだな。うーん…俺たちも何か出し物をすればいいのかな。
サラそうですね。だったらどんな出し物をするかアイディアを出しませんか ?
ミリーナふふ♪サラって可愛いだけじゃなくてリーダーシップがあってしっかり者なのね♪
サラミ、ミリーナさん ! ?…そんな、照れちゃいます…。でも、ありがとうございます。

Character2話【学園祭1 はじまり】
アレンアーキタイプってみんなワイズマンみたいに光ってるのかと思ったけど見た目は普通の人なんだね。
アスベルジェイドさんがいればワイズマンとの違いを説明してくれそうだけど…。
ミリーナうーん…。面白がって適当なことを言うかも知れないわよ ?
カナあんなに眩しいとお話ししてるだけで目がくらんじゃうわ。他のアーキタイプの人たちは平気なのかしら ?
ゼファーそんなことより、出し物どうするんだ ?
イクス学園祭の出し物か…。俺は学園生活自体が初めてだしどういうのがいいのかよくわからないや…。
ミリーナサラ。何かアイディアある ?
サラうーん…喫茶店はどうですか ?
サラ自分たちで料理やお菓子を作ってメイド服や執事の格好をして給仕をするんです。
ミリーナなんだか楽しそうね。それなら私たちでもできそうだし。
ゼファー演劇なんかもいいんじゃないか ?アレンとイクスのダブル主人公の熱血ヒーローものの舞台とかよ。
カナわあ、それ面白そう !ヒーローになったアレンとイクスが悪者を成敗するのね。
カナでも喫茶店も楽しそうだし…どっちもやれたらいいのに。
アレンさすがに二つは無茶だよ。というより僕…主人公役は確定なんだね。
イクスアレンならきっと大丈夫だよ。俺の方こそ主役なんて務まるかどうか…。アスベルも向いてそうだよな。
アスベルお、俺か ?別にかまわないが…王子様役だけは遠慮したい。
ゼファー王子様 ? 何かあったのか ?
アスベルちょっと色々、な…。
ミリーナ他には何かあるかしら。アスベルさん、騎士学校ではどうだったの ?
アスベル騎士学校には学園祭がまずなかったんだ。剣を学んで、皆を守る騎士になる。その為に毎日励んでいたからな。
アスベルでも、騎士学校の中にはバンドを作ってライブを披露してくれた先輩がいたな。他には――
サラな、なに ! ?
アスベルこの爆発音…奥の方からだ !
イクスこれって…ディストさんのロボットじゃないか !さっきの爆発音はこれが原因だったのか !
アスベルどうして街中でロボットが暴れ回っているんだ。
ミリーナよくわからないけど…いまはとにかくロボットを破壊しないと !
サラ爆発に巻き込まれた人もいるみたい。早く街の人たち避難させないと… !
リッピナビはお任せください !スマホで安全なルートを割り出します !
アスベルありがとう !俺たちは目の前のこいつらを倒すぞ !

Character3話【学園祭1 はじまり】
ワイズマン――そうでしたか。あのディストという人物はイクスさんたちのお仲間ではなかったのですね。
カーリャ今の話、ジェイドさまが聞いたら嫌な顔をするでしょうね。
サラあはは…何でディストさんはあの変なロボットで暴れてたんだろう ?
ワイズマンどうやら次元図書館の記録に触れようとして失敗した腹いせのようです。
ワイズマンこの世界の記録にはアーキタイプしか触れることができませんから。
イクスも、申し訳ありません。俺たちのせい――じゃないけど、うちのディストさんが迷惑を…って、いや、うちのじゃないけど…。
ワイズマンいえ、私の手違いです。お気になさらず。こちらで彼を探して捕獲してみます。それより困ったことがあるのです。
ワイズマン学園祭の「対バンライブ」に出場予定だったバンド二組が爆発に巻き込まれ怪我をしてしまいました。
ワイズマンこのままでは毎年学園祭の目玉となっている「対バンライブ」を中止せざるを得ません。
イクスそ、それなら…責任もありますし俺が出場します。できるかわからないけど今から練習しますから !
ミリーナ学園祭の目玉なら外せないわよね。もちろん私も手伝うわ。イクス、一緒に頑張りましょう !
カナむぅ…二組ってことはもう1グループ必要なのよね…
リッピカナ様、いかがされました ?
ゼファーおい…この感じ。間違いなく嫌な予感がするぞ。
カナねぇ、みんな、私たちも「対バンライブ」に参加しない ?
二人ええっ ! ?
ゼファーまたお前は… ! あのなぁ、簡単に言うけどお前楽器なんか弾けんのかよ ?
カナ大丈夫よ、練習するもの !学園のみんなが楽しみにしてるライブがなくなっちゃうなんて悲しいわ。
カナ私で力になれるなら手伝いたいの。ねぇ、サラ…ダメかしら ?
サラもぅ、そんな風に言われたら断れないよ。でも、カナの意見には私も賛成 !困ってる人たちを見過ごせないよね。
リッピいやはや、実にお二人らしい考え方ですね。もちろん私も協力いたします !
アレンうん、僕もそう思うよ。…というわけで、決まりだね。ゼファー。
ゼファー結局こうなるのか…。わかったよ、やるよ、やりゃあいいんだろ。
イクスみんな。ありがとう。
アレンさっそく練習開始だね。
ミリーナ私たちはまずメンバーを集めなくちゃ。
アスベル俺も二人を手伝うよ。断られるかも知れないけど、後でリオンとジェイドさんにも声をかけてみよう。
カナそれじゃあ、お互いにしばらく別行動して本番に向けて準備しましょう !
ミリーナわかったわ。お互い頑張りましょうね !
サラうん。一緒に学園祭を盛り上げよう !

Character4話【学園祭2 バンド結成?】
イクスリオンとジェイドさん…どこに行ったんだ。面倒ごとに巻き込まれていないといいんだけど。
ミリーナあの二人だからきっと大丈夫よ。ディストさんのことも気になるけどいまはバンドに集中しましょう。
イクスそうだな…。この世界の人たちのためにも対バンライブ、絶対に成功させなくちゃ。
アスベル二人とも。学園祭実行委員会に相談したら空き教室を貸してもらえることになったぞ。これでバンドの練習場所は無事確保だ。
アスベルあと、楽器も貸してもらえたぞ。ギター、ベース、ドラムの3つ。アンプとかの機材も用意してくれるらしい。
イクスアスベル、ありがとう。俺たちだけじゃこんな手際よくいかなかったよ。
ミリーナさっそく学園生活にも馴染んでるみたいだし本当に頼りになるわ。ありがとう、アスベルさん。
アスベル俺、そんなに馴染んでるかな ?少しだけ懐かしい気持ちにはなったが…。
アスベルいや、それよりも。楽器、練習場所、機材はひとまず揃ったが問題はバンドメンバーだ。
イクス俺たちは楽器素人…。楽器とボーカルの兼任は難しいだろうからあと一人、欲しいところだよな…。
ミリーナ誰か一緒にバンドやってくれる人、いないかしらね……。
リオン貴様 ! 逃しはしないぞ !
イクス…この声、リオンか ?
ディストそこをどきなさい !私は研究で忙しいんですよ !
イクスディストさん、何してるんですか ! ?それに研究っていったい… ! ?
アスベルイクス、せっかくだ。ここで捕まえてしまおう。
ディスト誰が捕まるものですか。この研究によって私の次元干渉理論が確立できれば魔鏡の技術を…。
ディストさらばです !
ミリーナこほっ…こほっ…。逃げられたわね……。
イクスディストさん…何を考えているんだ。
アスベル厄介なことになるかもしれない。やっぱり俺たちもディスト捕獲に協力した方がよさそうだな。
リオンあいつが街で暴れ回るせいで僕たちも怪しまれているんだ。はやく捕らえて身の潔白を証明するぞ。
カーリャあ、あの…待ってください。なんだか街の人たちの視線が…。
コーキスこりゃ、俺たち完全にディストの仲間だと疑われてるな。
イクスど、どうしよう…。これじゃあ学園祭に参加どころかうかうか街も歩けないぞ…。
アスベルえっと…皆さん。聞いてください。俺たちはさっきの奴の仲間でもなければ怪しい者でもありません。
アスベル俺たちは学園祭に参加するためやってきた異世界のバンドなんです。ちゃんとここに証拠…出場用紙もあります。
街の人…そうだったのか。どうりで見慣れないわけだ。
アスベルはぁ…なんとかなった。
リオンふざけるな。僕はバンドなどしないぞ。
アスベルちょ、ちょっと待て。余計なことは言うな。
ミリーナリオンさん、ここは堪えて。いまだけでいいから。
リオン……ふんっ。
イクス…あれ。とりあえず誤解は解けたけどこれって俺たち、バンド活動してなかったらまた怪しまれるんじゃ……。
アスベル……あっ。
ミリーナけ、けど、バンドの練習はしなくちゃいけないんだし、大した問題じゃないわよ。だから気にすることないわ、アスベルさん。
イクスそ、そうだよな。日中はバンドの練習をして街に人が少ないときにでもディストさんを探せば――
リオンおい。僕はバンドなんてやるつもりは――
アスベルちょ、ちょっと待ってくれ、リオン !頼むからいまだけ…いや、あと少しだけバンド活動に付き合ってくれ !
リオンくそっ。どうして僕がこんなことに。

Character5話【学園祭3 役割分担】
アスベルまずはバンドの役割分担だが…俺はドラムでもいいか ?正直、おたまじゃくしは全然なんだ。
イクスアスベルなら体力ありそうだし向いてそうだよな。
ミリーナそれじゃあアスベルさん、ドラムよろしくね。
アスベルああ、任せてくれ。残るはギター、ベース、ボーカルだな。
イクスボーカルならミリーナを推薦したいな。歌上手いし、きっと向いてるよ。
ミリーナ私… ? 歌うのは好きだけどそんなに上手くはないわよ。
アスベルそんなことはない。ソフィがミリーナの子守歌、すごく上手だったって褒めてたぞ。
イクスというわけで、いいだろ ?
ミリーナ…わかったわ。ボーカルは任せて。
アスベルよし、決定だな。あとはギターとベースか。
リオンベースをよこせ。
アスベルリオンはベースか。なんだか似合ってるな。
ミリーナ落ち着いてる雰囲気もあって向いてそうよね。
リオン…うるさい音は好きじゃない。それだけだ。
イクスじゃあ俺はギターだな。よし、頑張るぞ。
アスベルイクス、嬉しそうだな。ギターやりたかったのか ?
イクス実はちょっと興味あったんだ。なんか格好いいしさ。俺につとまるかわからないけど頑張るよ。
ミリーナイクスなら絶対大丈夫よ。それにギター、すごく似合ってるわ。
イクスそ、そうかな。ありがとうミリーナ。
アスベル俺もドラムを頑張らないと。頼むぞ…ドラゴンフェスティバル。
イクスドラゴンフェスティバル ?
アスベルこのドラムの名前さ。これから一緒にやっていく相棒なんだし名前は必要だろ。
ミリーナ確かにそうよね !愛着も湧いていいと思うわ !
イクスドラゴンフェスティバルって強そうで格好いいな。俺のギター、なんて名前にしようかな。
リオン…ふん。くだらん。
アスベルえっと…リオン、すまない。付き合わせてしまって。
イクス今さらだけど…そんなに嫌なら無理することないぞ ?
リオン誰も嫌だとは言っていない。
アスベルそれじゃあバンドやってくれるのか ?
リオン…今回だけだ。
イクスえっ…本当にいいのか ?
リオンしつこいぞ。
イクスごめん…正直、意外だったから。
シャルティエ坊ちゃんにはバンドを楽しみにしてくれてる人がいるんですよ。
リオン――おい。シャル。余計なことは言うな。
ミリーナそういうことだったのね。それなら私たちも気を引き締めないと。
イクスとにかくバンドに加入してくれるんだな。ありがとう、リオン。
リオンだが、やるからには完璧を目指す。だから曲もオリジナルでいく。
イクスオリジナル ! ?俺たち、楽器だって初めてだし作詞も作曲も当然したことないぞ !
リオンお前たちに任せるつもりはない。作曲は僕がやる。
アスベルリオンが作曲を ! ?できるのか ! ?
リオンできるかできないかじゃない。言っただろう。やるからには完璧を目指す。
イクス…完璧か。確かに対バンライブは学園祭の目玉だし、下手なものは披露できないよな。
アスベル曲が完成するまで俺たちはとにかく練習だ。
ミリーナのんびりしてたらあっという間に本番当日だものね。特訓しましょう !
イクスああ ! みんな、頑張るぞ !

Character6話【学園祭3 役割分担】
イクスいたっ…。また指、切れちゃった。
ミリーナイクス、大丈夫 ? 治療するわよ。
イクスあはは…これくらい平気だよ。それにギタリストにとって指の傷は努力の証だしさ。
アスベルへぇ、なんだかイクス、格好いいこと言うようになったな。
イクス教則本に書いてあっただけなんだけどな。けど口だけじゃなくてけっこう弾けるようにもなってきたんだ。
アスベルさっき聞こえたぞ。ピック使わないで低音から高音に瞬時に移るって、難しいんだろう ?
イクスライトハンド奏法のことか。右手の感覚掴むまで大変だったけどようやく慣れてきたんだよ。
ミリーナアスベルさんもドラム、すごい上達したわよね。
アスベルやってみたら結構楽しいのもあってな。ドラム叩いてるとなんだかこうスカッとするんだ。
イクスミリーナもボイトレ順調みたいだしこれである程度の曲なら俺たちでも演奏できそうだよな。
アスベルあとはリオンがどんな曲を持ってくるかってところだが…。
リオン待たせた。
ミリーナリオンさん、曲が完成したのね。お疲れさま。
アスベルどんな曲なんだ ?
イクス楽しみだな。
リオンこれが楽譜だ。今からピアノで弾いてやる。聴いておけ。
リオン……以上だ。
アスベルす、すごい…たった数日。しかもこの曲……。
ミリーナすごく…いいわね。
イクスけ、けど…今の俺たちの技量だとこの曲は難しすぎないか ?
アスベル確かに…。成功したら確実に盛り上がる。けど、失敗したら目も当てられない。そんな曲だよな。
リオンできないというなら僕はバンドを辞退させてもらう。
アスベル辞退って…。そういうリオンは弾けるのか ?お前もベースは初心者だろう ?
リオン…ふん。
イクスう、上手い…。
リオンやるからには完璧を目指す。
イクス…わかった。この曲でいこう。
アスベルそうだな。まだ本番まで時間はある。頑張って練習しよう。
リオン今から指定するフレーズを後日、テストさせてもらう。もし演奏できなかった場合…。
アスベルわかってる。バンドに参加するつもりはないって言うんだろう。
イクス俺はリオンにベースをやって欲しい。だから…ちゃんとリオンに認められるよう頑張るよ。
ミリーナそれじゃあ曲はこれで決定ね。歌詞はあるの ?
リオン作詞はボーカルであるお前がやれ。
ミリーナ私が ?
リオンできないなら別にいい。
ミリーナいいえ。わかったわ作詞は私に任せて。
イクスミリーナも頑張って。困ったら相談のるよ。
ミリーナうん。ありがとう。
アスベルよしっ。なんだか燃えてきたな。さっそく練習再開だ !

Character7話【学園祭4 練習】
アスベルイクス、もう遅いしそろそろケリュケイオンに戻らないか ?
イクスごめん…俺はもう少し練習していくよ。
アスベル…そうか。けど、あまり無理するなよ。ミリーナはどうする ?
ミリーナごめんなさい。私も残るわ。作詞がなかなかうまくいかなくて。
イクス大丈夫か ? 俺でよければ、作詞一緒に考えるよ。
ミリーナありがとう。けど私は平気よ。もう少しでまとまる気がするし。それより、イクスの方こそ大丈夫なの ?
アスベルさっきからずっと同じフレーズでつかえているよな。
イクステストの箇所なんだ。暗譜はしてるし、頭の中で響かせたい音のイメージはある。だけど…指がまわらなくて。
アスベル最初はゆっくり正確に弾くことを意識して徐々にテンポをあげていくといい。時間はかかるけど一番確実に上達する。
イクス…ありがとう。やってみるよ。問題はやっぱり…時間だよな。
ミリーナイクス、焦ることないわよ。じっくりやっていきましょう。
イクスけど…明日がテストなのに俺、まだ一度も完璧に弾けてないから…。
リオンまだできていなかったのか。
イクスリオン…。
リオンギターは注目を集める。いわばバンドの花形だ。お前がしくじれば演奏は台無しだろうな。
アスベルわざわざプレッシャーをかけるようなことを言うなよ。
イクスいや…いいんだ。事実だから。明日までにできるようになってみせる。俺、もっと頑張るよ。
リオン何もわかっていないようだな。
イクスえっ…。
リオン付き合ってられん。僕は帰らせてもらう。
ミリーナリオンさん…。何が言いたかったのかしら。
イクス…俺、何か間違ってるのかな。
アスベル気にすることはない。いまは練習に集中しよう。俺も少し付き合うよ。
イクス…ありがとう。いまはとにかく練習だな。やれるだけやってみるよ。

Character8話【学園祭5 演奏テスト】
アスベルリオン、俺のドラムどうだった ?
リオン…まぁ、いいだろう。及第点と言ったところだ。
アスベルつまり合格ってことか ! ?
ミリーナおめでとう、アスベルさん !
リオンうぬぼれるな。アスベルは時々走り気味になる。ミリーナ、お前は早く作詞を完成させろ。
アスベルわかった。気をつける。もっと上手くなってみせるさ !
ミリーナ待たせてごめんなさい。急ぐわね。
イクス…次は俺か。
ミリーナイクス、自信を持って !きっとできるわ !
リオンチューニングは ?
イクス…大丈夫。完璧だ。
リオン手が震えているぞ。そんな状態で弾けるのか。
イクス…………。
リオン本番ではもっと大勢の観客がお前のことを観ている。それがわかっているのか ?
アスベルリオン。だからそういう言い方は――
イクスアスベル。待ってくれ。
アスベル…イクス ?
イクスリオンの言うとおりだ。だって、俺たちが練習してきたのはテストに受かるためじゃない。
イクス本番で完璧な演奏を披露するためだよな。俺、目先のことでいっぱいで肝心なこと忘れかけてたよ。
リオン……。
イクス聴いてくれ。俺のギターを。
イクス―― !
イクスはぁ…はぁ……。今度は…最後まで弾けた。
ミリーナイクス、凄いわ !ちゃんとできたじゃない !
イクスけど……。
リオン中盤部分のピッチがややズレていた。
イクスやっぱりリオンの耳は誤魔化せないよな。ああ…その通りだ…。
アスベルそうだったのか ?俺には全然わからなかったが。
リオンイクス。本番までに弾けるようになれるか ?
イクス……。
リオン不服ではあるが曲を調整することもいまならまだ間に合う。
イクスいいや。それだけはダメだ。この曲はこのままでいこう。
アスベルせっかくリオンが作ってくれたわけだしな。
イクスそれに…とってもいい曲だから。俺は今のこの曲をステージで思いっきり奏でたい。
リオン…できるんだな ?
イクス約束する。本番までに絶対に弾けるようにする。だから頼む…俺たちと一緒にバンドをやってくれ。
リオン口を開けば…。お前はそれしか言えないのか。
シャルティエ皆さん、何か誤解してますよ。坊ちゃんは言ったじゃないですか今回は付き合ってやるって。
ミリーナえっ…それじゃあこのテストって…。
リオン技量の確認する意味もあったがお前たちの曲に対する姿勢や演奏上の癖を把握するためのものだ。
イクスそうだったのか ?てっきりふるいにかけるためのものかと思ってたよ…。
リオンベースはドラムと共にリズムを刻みコードのルート音を構成する役割を担う。
リオンギターとドラムの中間にしてバンドの要となるのがベースだ。
リオンお前たちを理解しなくてはいい演奏はできないからな。
ミリーナリオンさん…。
イクスありがとう、リオン。そこまで考えててくれてたんだな。
リオンいい演奏をするためだ。だが本番までに完璧に演奏できなければステージに立つつもりはないからな。
アスベルそこは変わらないんだな。お陰でわかったよ。お前が何を目指しているのかが。
イクス絶対に…成功させよう !
リオン無駄話をしている時間はないぞ。合奏練習に入る。
アスベルああ ! それじゃあさっそく――
イクスな、なんだ… ! ?
カーリャ街の方で爆発みたいですね。――ん ? あの丸っこいシルエットってディストのロボットなんじゃ… !
ミリーナタルロウなんとかってロボットね !
リオンまったく…忌々しい。
アスベルみんな、街に向かうぞ !

Character9話【学園祭6 やるべきこと】
イクス……はぁ。なんで俺たちが街の人たちから後ろ指さされることになるんだ。
アスベル完全にディストの仲間だと勘違いされてしまったな…。
ミリーナ私たち…ディストさんをかくまったりなんてしていないのにね。
アスベルサラたちにディストの行方について何か情報を掴んでないか聞いてみよう。
ミリーナそうね…。ディストさんを捕まえないと私たちは怪しまれたままだもの。
イクス事実はどうあれ…ディストさんの仲間だと思われてる俺たちが対バンライブに出場しても雰囲気を悪くするだけだもんな。
イクスだけど…ディストさんを追っていたらバンドの練習時間を確保できないし……。
リオンなら、バンドはせずにあいつを追うべきだろう。
アスベルバンドはやめるっていうのか ?
リオンお前たちは学園祭を盛り上げるためにバンドをやることになったんだろう。今のままで目的を果たせるとは思えない。
イクス確かにそうかもしれないけど…。
ミリーナでもせっかくここまで練習してきたのに…。
リオンバンドは解散だ。
アスベル待ってくれ。俺はバンドを続けたい。
リオン馬鹿か。それでは本末転倒だ。
アスベルディストを捕まえて、またみんなで練習を頑張って、俺たちの演奏で学園祭を盛り上げればいい。それだけだろ。
リオン本当に間に合うと思っているのか。個々人の技量も足りなければバンドのサウンドもまとまりがない。
リオン作詞も完成していなかったな。
ミリーナ…そうね。ごめんなさい。
アスベルそれだってみんなで力を合わせれば何とかなる。
リオンふんっ…もう話すことはない。
アスベルあっ…おい、リオン ! 待て !
イクス…中途半端な状態で対バンライブに出場したら逆に迷惑かけることになるかもしれないってわけか。
ミリーナサラたちにも…。
アスベルリオンの言っていることは間違っていない。けど、お前たちはそれでいいのか ?
イクス…俺は諦めたくない。
ミリーナ私も。
アスベル俺もだ。ここにきてバンド解散なんて絶対に認めない。
アスベル二人とも、行くぞ。ディストは必ず捕まえてやる。

Character10話【学園祭7 すれ違う気持ち】
イクス……。
ミリーナイクス !ディストさんは見つかった ?私の方はだめだったわ…。
イクス…俺の方も見つからなかった。このままじゃ、誤解が解けなくてバンドなんて…。
イクス悔しいよ。…まだうまく弾けないけどでも自分の技術とは関係ない理由で出場できないなんて…。
ミリーナ…イクス。そうよね…。バンド…続けたいものね。
イクスはじめは学園祭を盛り上げるためにって思ってた。けど、俺…気づいたんだ。
イクスみんなとステージに立ちたい。この曲をステージの上で思いっきり奏でたい。
イクスこのままバンド解散になったら…。
ミリーナそうね…。みんなであの曲を演奏したいわね。
? ? ?ま、待て……。今度は絶対に…逃がさないぞ ! !
イクスえっ…この声は、アスベルか ! ?
ミリーナ街の方からよ !
ディストまったくしつこいですねぇ。どれだけ私のことを追い回せば気が済むんですか ! !
ディストまぁ、私に憧れて追いかけ回したくなる気持ちはわかりますが…。
アスベル…黙れ ! 俺たちはお前を捕まえて絶対にバンドを続けてやる !
ディスト…バンド ?何故あなたたちがそんなことをやっているんですか。
アスベル決まってる…。イクス、ミリーナ、リオンとみんなでステージに立つためだ !
イクスアスベル ! 大丈夫か ! ?
アスベルイクス ! ミリーナ !サラたちから聞いた情報を頼りにようやくディストをここまで追い込んだぞ !
ミリーナアスベルさん… ! ありがとう !
イクス…俺、心のどこかで諦めかけてた。ディストさんを捕まえるのはもう無理なんじゃないかって。
イクスごめん、アスベル !
アスベル何言ってるんだ !ここで逃したらもう後はないんだ。一緒にディストを捕まえるぞ。
ディストな、なんで私を悪者にしているんです ! ?よくわかりませんが研究の邪魔はさせませんよ !
ディスト覚悟なさい !

Character11話【学園祭8 それぞれの想い】
リオン…誰もいないか。
シャルティエ坊ちゃん、本当によかったんですか ?
リオンもう終わったことだ。それに半端なできの演奏を聞かせるわけにはいかないだろう。
シャルティエその気持ちはわかりますよ。けどマリアンが本当に楽しみに思ってくれているのは完璧な演奏ではないと思います。
シャルティエそれに…いま大切なことは坊ちゃんがどうしたいかじゃないですか。
リオン僕が…。
シャルティエ坊ちゃんがどれだけ頑張ってきたかずっと一緒にいた僕だけは知ってます。聴いて欲しくはないんですか ?
リオン…言っただろ。もうバンドは解散したも同然だ。いまの状態では――うん ?
シャルティエ坊ちゃん…どうかしました ?
リオンシャル…この机の上のノート……。
イクスリオン ! ここにいたのか !
リオン…何の用だ。
アスベルディストを捕まえられたんだ !街の人たちの誤解も解けたぞ !
ミリーナこれでもう対バンライブに胸を張って出場できるわ。
リオン……。
アスベル言いたいことはわかる。今から練習して間に合うかどうか…。確かにもう時間はないが――
イクスリオン。聴いて欲しい。
リオンなんだ。いきなりギターを持ち出して。
イクス黙って聴いていてくれ。
アスベルイクス ?
イクスこれが…俺のギターだっ ! !
リオン…… !
イクス……ふぅ。どうだった ?
リオンお前…。
イクス完璧だっただろ。
リオンディストを追っている間もずっと練習していたのか。
イクスだって約束したからな。必ず、弾けるようになってみせるって。
アスベルリオン。またバンドに戻ってきてくれ。いまの俺たちなら諦めなければ絶対に本番にも間に合う。
リオン…………。
ミリーナ……ごめんなさい。問題は…作詞よね。
イクスそれだってみんなで考えれば――
リオン待て。
ミリーナ…リオンさん ?
リオンどうして完成していないと嘘をついた。
イクスえっ…どういうことだ ?ミリーナ、作詞できあがってるのか ?
ミリーナ嘘をついたわけじゃないわ。あれは…バンドの詩じゃないの。
アスベルえっと…よければその詩俺たちにも見せてくれないか ?
ミリーナ机の上にあるのが作詞ノートよ。見てもらっても構わないけれど……。
アスベルこれか…。一番始めのページに書かれている…。
イクスつまり…ずっと前にできてたってことか ?どうして黙ってたんだよ。
ミリーナそれは私個人の気持ちを書いた詩だからよ。
ミリーナバンドは四人でやるものでしょ。ちゃんとこのバンドらしさのこもった詩がなかなか書けなくて…。
アスベルそうだったのか。だけど…この詩。
リオン自分の大切な人のためなら命を賭けてでも現実に立ち向かっていける。そんな力強い詩だ。
イクスどうしてこの詩を書こうと思ったんだ ?
ミリーナみんなを見て…急にこう思ったの。誰かのため。それが自分のためになるときもある。
アスベル…確かに。それは何となくわかる。
リオンああ。
イクスこのバンドだってそうだったよな。はじめは学園祭のためだった。けど、いまはそれだけじゃない。
アスベル俺はこの四人でステージに立ちたい。だからバンドをしたいって思っている。
イクスこの詩でいこう。
ミリーナみんな、これでいいの ?
アスベル当たり前だ。だってこの詩は、俺たちを…そしてこのバンドを象徴したこのバンドの詩なんだからな。
リオン悪くはない。
ミリーナ…リオンさん。
イクスミリーナ、いいだろ ?
ミリーナええ、もちろんよ !
アスベルよし ! これで決まりだ !
リオンふっ…。
ミリーナみんな、ありがとう。
ミリーナ私、全力で歌うわ !会場全体に私たちバンドの気持ちを届けてみせる ! !
イクスよし、バンド再結成だ !歌ありの初合奏、いくぞ ! !

Character12話【学園祭9 Mr. Right】
リオンもうすぐ開演時間だ。準備はできているな ?
イクスもちろん。まず俺たちはブルーステージで演奏するんだったな。
ミリーナサラたちのバンド「BEAT LINKS」はレッドステージで演奏するみたい。
ミリーナその後すぐにメインステージで合流。対バンライブ開催の予定よ。
イクスなんだかあっという間だったな。色々あって大変だったけど無事出場できてよかった。
アスベル練習キツかったけどそれ以上に、楽しかったな。
イクスこの学園祭が俺たちにとって初ライブでありラストライブなのがちょっと寂しいよ。
アスベルだからこそ悔いが残らないように全力で演奏しよう。
イクスそうだな…。このためにみんな、頑張って練習してきたんだから…。失敗は許されない…。
ミリーナイクス、大丈夫 ?
イクスあ、あぁ…平気だよ。けどちょっと緊張してきた。
アスベル確かに…。人前で演奏するのは俺たち初めてだしな…。雰囲気に飲まれないようにしないと。
イクスど、どうしよう…そういえばステージって照明があるから暑いって本に書いてあった。音程狂ったりしないかな…弦切れたりとか。
アスベルお、俺もスティック折れたときのために予備を持っていった方がいいのか…。けど取りに戻ってる時間ないな…。
ミリーナちょ、ちょっと。二人とも落ち着いて。
イクスご、ごめん。けど――
リオン…ふんっ。
イクスび、びっくりした…。どうしたんだ、いきなりベース弾いて。
アスベル…というより、ここは音出し禁止だぞ。何勝手に弾いてるんだ。
リオン知ったことか。僕は…いつどこで音楽を奏でるかを他人に委ねるつもりはない。
イクス……リオン。そうだよな…。ありがとう。なんだか目が覚めた気分だ。
アスベルいつでも、どこにいても。自分らしく…俺たちらしく演奏する。それだけでいいんだよな。
ミリーナ私たちは私たちの演奏を全力でする。そして会場を盛り上げましょう。
リオン当然だ。
サラそっちも準備ばっちりみたいですね !
ミリーナサラ ! それにみんな !来てくれてありがとう !
サラすぐレッドステージに戻らないといけないんですけど、本番前にどうしても顔を合わせておきたかったんです。
カナお互い頑張ろうね !
ゼファーま、楽しくやろうぜ。
イクスああ。もちろんだよ。
アレンそれじゃあ次はメインステージで。
アスベルあっちも気合いが入っているな。
イクスアレンもいつもより目がキリッとしてた気がする。なんだか俺もさらにやる気がでてきたよ。
リオンそれでは行くぞ。ステージへ。
ミリーナ皆さん。今日は私たちのバンド「EX-clipse」のライブに足を運んで下さってありがとうございます。
ミリーナいまから披露するのは私たち四人の想いや信念、そしてバンドのすべてが詰まった曲です。
ミリーナ…みんな。
イクスうん。
アスベルああ !
リオン……。
ミリーナぜひ、大切な人を想いながら聴いてください。
ミリーナ「EX-clipse」で曲は…「Mr. Right」 !
アスベルワン……ツー……ワン、ツー、スリー、フォー ! !
ミリーナ……はぁ…はぁ。
イクスやった…やりきった……。
アスベルよしっ。
リオン…完璧だ。
二人おおぉぉっ ! !
二人「EX-clipse」すごい… ! ! かっこいい… ! !
二人メインステージも頑張って ! !
ミリーナすごい ! すごいわよ !会場中から拍手が聞こえてくるわ !
イクスこれって……これって ! !
アスベルみんな、大成功だぞ ! !
リオン何を突っ立っている。メインステージに急ぐぞ。
イクスそうだな、行こう !「BEAT LINKS」と「EX-clipse」の対バンだ ! !
アスベルな、なんだ…この爆発は ! ?メインステージからだったよな ! ?
リオン…聞き覚えがあるな。
イクス嫌な予感がするな…。何かあったのかもしれない。急ごう。
ディストあーはっはっはっ !私を捕らえるなんて百年早いですよ !
イクスディストさん ! ?どうしてここに ! ?
ワイズマン申し訳ありません。牢に閉じ込めていたのですがいつの間にか抜け出していたようです。
ディストこのまま逃げて、図書館の情報を調べてもよかったのですがね。
ディストあなたたちの演奏を聴いて気が変わりました。
ディスト思い出しましたよ。我が友ジェイドとしもべたちと共に敬愛するネビリム先生に捧げた歌のことを !
ディストどちらのバンドも魂がこもっていません !私がこのメインステージで真の芸術というものを見せてあげましょう !
タルロウ○×◎$$%○×◎$$%
サラな、なに…この不協和音…… ! !み、耳が壊れそう…… ! !
アスベル対バンライブの邪魔はさせない !
リオンまた牢にぶち込んでやる。
サラ私たちも協力します !
ディスト真の芸術を理解する耳を持たないとは嘆かわしい ! 邪魔はさせませんよ !
イクス邪魔なのはディストさんです !みんな ! いくぞ ! !

Character13話【学園祭9 Mr. Right】
ワイズマン皆さん、ご迷惑をおかけしました。ディストは再び捕まえましたので今度こそ、ご心配なさらず。
イクスすいません…こちらこそうちのディストさんが迷惑を…。あ、いや…うちのではないんですけど…。
ジェイド言い間違いだとしても「うちの」とは聞き捨てなりませんねぇ…。虫酸が走ります。
イクスジェイドさん ! ?今までどこに行っていたんですか ! ?
ジェイドいえ、ちょっとアークのことを調べて回っていました。もちろんディストとは違って合法的に、ですが。
ジェイドそれにしてもアレを「うちの」だの「さん」付けで呼ぶだのあなたたちの見識を疑いますねぇ。
イクスいや、だって…。ちょっと可哀想だったからなんとなく…。以後気をつけます。
ミリーナいいじゃないですか、呼び方なんて。私もつい、さん付けで呼んじゃいましたし。
ミリーナそれにしても、対バンライブが成功してよかったわ。
ワイズマンアーキタイプも、皆とても喜んでいます。ありがとうございました。
イクスそんな…。ここまで会場を盛り上げられたのはサラたちが協力してくれたからです。
ミリーナサラたちも大変な旅をしているみたい。今回のように元の世界でも協力し合えたらいいのにって話をしたの。
ワイズマンサラさんはミリーナさんから話を聞いて自らも鏡映点となることができればと心の内で望んでおられました。
イクス…サラ、優しいな。もし本当にそれが可能ならお願いしたいところだけど。
ワイズマンではサラさんの\"シャドウ\"をティル・ナ・ノーグに具現化しましょう。
ミリーナ\"シャドウ\" ? それは何ですか ?
ワイズマン姿形と記憶をそのままに別次元へと投射した存在。それが\"シャドウ\"です。
イクスそれってつまり…鏡映点みたいな存在ってことですか ?
ワイズマンいまはその理解で差し支えありません。のちほどジェイドさんに詳細をお伝えいたします。
ジェイドやれやれ、便利に使われるのは私の役どころではないと思うのですがねぇ。
アスベルイクス、ミリーナ。ここにいたのか。
リオン何をしている。まだライブは終わってないぞ。
ミリーナえっ… ? どういうこと ?
サラよく聞いてみて。
観客アンコール ! アンコール !アンコール ! アンコール !
アレンみんなが「EX-clipse」を待ってるよ。
ゼファーファンになった奴らもいるみたいだぜ。すげぇじゃねぇか。
カナ私も「EX-clipse」のファンになっちゃった !「Mr. Right」ってすごく良い曲よね !
イクス「BEAT LINKS」だってすごい人気じゃないか。
ミリーナ「BEAT LINKS」の曲「未来キセキ」もすごく素敵だったわ !なんだか勇気が湧いてくるような感じ !
サラありがとう !そういう想いを込めて作ったんです。ちゃんと伝わったみたいで嬉しいです !
ワイズマンさあ。観客たちが皆さんのことを首を長くして待ってますよ。
イクスアンコールか…。俺たちは何を演奏しよう。
ミリーナせっかくだし「EX-clipse」と「BEAT LINKS」でセッションしたいわね !
カナそれなら私、「Mr. Right」やりたい !
アスベル一緒に演奏か ! 楽しそうだな !リオンもいいだろう ?
リオン…足を引っ張らなければな。
アレン初めての曲だから緊張するな…。頑張ってリオンさんについていきます。
ゼファー結局こうなんのか…しょうがねぇ。おい、イクスもギターだよな。入りの部分教えてくれるか ?
イクスああ。もちろんだよ !
カナやったー ! それじゃあ決まりだね !
ミリーナサラ。一緒に歌いたいんだけど大丈夫そう ?
サラええっ ! ?私も一緒に歌うんですか ?
ミリーナだって、せっかくのセッションだものダメかしら ?
サラわ、わかりました ! 頑張ります !…実は、素敵な曲だったから歌詞も覚えちゃったんです。
サラ緊張するけど、歌えてうれしいです !
アスベルそれじゃあまたステージに向かおう。
イクスアンコールがある限り俺たちのステージは終わらない。
サラ一緒にまだまだ盛り上げていきましょう !
一同おおーっ ! !