Character1話【友のために】
これは未来の物語。人の世を憂いながらも新たな\"世界\"を歩み始めた者が紡ぐ希望の光。
そのほんの一部を今ここに――
ユーリデューク。またあんたに命、救われるとはな。さっきは助かった、礼を言わせてくれ。
デューク私は友を救うため動いたまでだ。
ユーリやっぱりダチの……■■■■■の■■が目的だったか。
レイヴンつまりうちらと目的は同じ、と。
リタ帝国は■■■■■の■■から新たな■■を生み出そうとしている。あたしたちとしても帝国に■■を渡すわけにはいかない。
デューク世界の危機……か。
エステルそれだけじゃなく■■■■■■■■にされてしまったパティも今度こそ助けてあげないと……。
ジュディスもちろんよ。そのためにも私たちはここにいるのだから。
レイヴンカロル調査室の情報によるともう少ししたらパティちゃんは本陣と合流するためにこの先の森を抜ける。
レイヴンそこをうちらが抑えて、パティちゃんとパティちゃんが持ってる■■■■■の■■も回収っと。
リタけど、失敗すればどちらも失うことになる。それに■■■■■■■■にされたパティを連れ戻すには鏡士の力が必要不可欠なのよ。
ジュディス戦力はこちらに分がある。けど私たちだけでは目的を完遂できない。
レイヴン油断できないことに変わりはない、と。一石二鳥と簡単に片付きそうではなさそうね。
エステルイクスたちも大丈夫でしょうか。まだ時間があるとはいえもう到着してもいい頃だと思いますが……。
ユーリイクスたちだけじゃなくジュード、スレイたちとも魔鏡通信が繋がらねぇ。やっぱ何かあったんじゃ……。
デューク…………。
カロルみんな ! フレンと丘に登ってあたりの様子を見てきたよ !
フレンジュードとスレイたちがいる方へ帝国兵たちが進行していた。敵本陣の一部が差し向けられたみたいだ。
ユーリそれじゃあジュードとスレイたちが危ねぇぞ。
フレンあっちは少人数……。僕たちと戦うことになった際に足元をすくわれないよう先に倒しておくのが帝国の考えなんじゃないかな。
ユーリくそっ。ここは任せてくれって言葉に甘えてパティを追わせてもらったけどやっぱ何人か残るべきだったか。
レイヴン兵が向かってるってことはこりゃイクスくんたちも巻き込まれてるな。
エステル助けに行きましょう !まだパティが森を通るまで時間があります !
ジュディス気が合うわね。パパっと片付けてこっちに戻ってきましょう。
カロルうん。いまのボクたちならできるよ。もちろんちょっと頑張る必要はありそうだけど。
ラピードワオーン !
ユーリさすがラピード。イクスたちの場所までしっかり案内してくれるみたいだぜ。
リタちょっと待ちなさいよ。もし何かあって戻ってこられなかったらどうするの ?パティも■■も帝国に持っていかれることになるのよ。
デュークそれは起こりえない事象だ。
ユーリ……デューク。
デューク■■■■は、この私が必ず回収する。
レイヴンま、あんたはうちらがどう動こうが関係ない。ここに残ってそうするわな。
フレンですが今はとても心強い。
ユーリデューク、1つだけいいか ?
デューク聞こう。
ユーリオレたちは必ずここに戻ってくる。けど……もし遅れちまった場合あんたにパティのことを頼みたい。
フレン……ユーリ。
カロルボクからもお願い。少しでいいから戦いを引き伸ばして欲しいんだ。
エステル図々しいかもしれませんが……どうかわたしからもお願いします !
デューク…………。
ユーリ頼む。
デューク戦いになろうともあの娘の命を取るつもりはない。
デュークだが、私があの娘を救う道理もない。甘えるな。
エステルそれはわかります。ですが今、わたしたちと貴方は――
ユーリもういい、エステル。こいつの言ってることは筋が通ってる。
ジュディスそうね。それにいまはこの時間さえ惜しいわ。ここまでにしておきましょう。
ユーリデューク、悪かった。さっきの言葉は忘れてくれ。
フレンそれじゃあ僕たちは急ぎ出発を――
デュークまたそれも見過ごせん。
リタちょっと。どきなさいよ。あたしたちが行こうとそれこそあんたには関係ないじゃない。
ユーリさっきの話、聞こえてただろ。オレたちは仲間を助けに行かなくちゃならない。
デューク……もしそれでも間違ったら。
ユーリ
デュークやはり記憶にないか。
リタ何がいいたいのよ。言いたいことがあればハッキリ言ってくれる ?
デュークお前たちとどれだけ言葉を重ねようと螺旋のように交わらぬまま虚ろに時が過ぎてゆくのみ。
レイヴンおいおい、どういうつもり。まさかやるっていうんじゃないでしょうね。
ユーリ…………。
デューク…………。
ユーリわかった。あんたなりにオレたちに伝えたいことがあるわけだな。
フレンなら無下にはできないね。
ジュディスそうね。それに私こういう会話の仕方も好きよ。
リタまったく……あんたたち戦闘バカは。
エステルけどせっかくデュークが話しかけてくれたんです。
カロルちゃんと、分かり合いたいよね。
ワンワン !
レイヴン若人だけじゃ物足りないっしょ。人魔戦争のよしみでおっさんも混ぜてよ。
デュークひとりではなくひとつの強さ。それはひとつになる者たちによって変わりそして未来も変えてゆく……か。
デューク…………。
ユーリデューク。あんた…………。
ユーリいや。何でもねぇ。こいつで語り合うとしようぜ。
デュークいくぞ。
ユーリおう ! 受けて立つぜ、デューク !

Character2話【未来は創り出すもの】
ユーリまだ全然余裕みたいだな。さすがだぜ、デューク。
デューク…………。
カロルけどボクたちだってまだ大丈夫だよ。
ユーリああ、わかってるよ。
デューク……やはり、か。
デュークお前たちが見るべきは私ではない。
ユーリなに ?
デューク……未来は創り出すもの。
ユーリ
カロルえっと……どういう意味 ?
ジュディス自分で選び、歩んでいく。それが大切ということじゃないかしら。
デュークそれはお前たちに限った話だけではないはず。遥か彼方に双眸を向けねば暗闇を一人往くと同義だ。
エステル遥か彼方に……双眸を……。
レイヴンもっと遠くを見ろ。そうしないと周りも見えなくなる……と。ご尤もな意見だわ。
ユーリああ。こりゃ痛いとこ突かれたな。
エステル痛いとこ……です ?
ラピードワン !
ユーリ来たみたいだな。
ジュードよかった ! みんな、無事だったんだね !
カロルえっ ! ? みんな、どうしてここに ! ?
スレイもちろん、助けにきたんだよ。な、ミクリオ ?
ミクリオまさか帝国軍を強行突破するとジュードが言い出したときは驚いたけどね。
ミラ=マクスウェル敵は私たちが防戦にまわると考えていた。そこを逆に打って出ることで敵の不意を突く。私は見事な策だったと思っている。
ミクリオああ。敵は僕たちを逃さないように包囲してくる。だからこそ陣形が整う前に一点突破で切り抜ける。そんな咄嗟に出てくる策じゃない。
スレイミクリオが川の堰を切ってくれたから敵が追ってくる心配もないしな。ジュードのおかげで何とかなったよ。
ジュードそんな……僕は提案しただけだよ。みんながいてくれたから乗り越えられたんだ。
ミラ=マクスウェル謙遜することはないと思うがな。君らしいといえばそうではあるが。
フレンみんな……自分たちも大変だったのに僕たちのことを助けに来てくれてたんだね。本当に感謝するよ。
ジュード当然だよ。僕たちは仲間なんだから。
スレイそれに、先にパティを追ってくれって言ったのはオレたちなんだしさ。
ジュードイクスとミリーナももうじき到着するはずだよ。いまカーリャが助けに向かっているからね。
エステルカーリャが ! ?
ジュディスなら心配することもなさそうね。
カロル……ユーリ。
ユーリうん ?
カロルボクもわかったよ。ボクたちは互いのことをわかっているし信じ合える。けれどそれだけでは足りないんだ。
カロルこっちには新しくできた仲間が大勢いてボクたちはその仲間と未来に向かって歩んでいる。その仲間、みんなのことをちゃんと信じないとだよね。
エステルそのために遠くを見る。そうしたら視野も広がってみんなとも足並みを揃えることができますしね。
リタま、言いたいことはわかるわ。当然の理屈よね。
レイヴンそれが意外と難しいってことよ。
エステルですね。今回のわたしたちがいい例です。
ユーリデュークのおかげで頭冷やせたみたいだな。オレだけじゃなく、全員。
カロルうん ! ありがとう、デューク !またひとつ勉強になったよ !
エステルわたしもです !
デューク私は役目を果たしたまで。
ユーリ……未来は創り出すものってなかなかいい言葉だったな。
デュークふっ……私の言葉ではないがな。
スレイあれ ? そういえばその人は ?
ジュード鏡映点リストで見かけた気がする。確か元の世界ではユーリさんたちと――
ユーリこいつはデューク。オレたちの、新しい仲間だ。
デューク……・。
ジュード……うん、わかった。よろしくお願いします、デュークさん。
スレイよろしくね、デュークさん !
デューク構えろ。
ジュードえっ ! ?
ラピードワン ! ワンワン !
フレン来たみたいだね。
ユーリ予定時刻より早い……。やっぱ残って正解だったみたいだ。
パティ…………。
エステルパティ ! !
デューク……。
ユーリいくぞ。
これは未来の物語。新たな世界で共に生きることになった者たちはこれより同じ道を歩むことになる。
どうか、未来を創る者たちに祝福を――