Character1話【温泉の醍醐味】
ロイドあれがスパ・リゾート・ホテルか ! !すっげぇ豪華だな ! まるで城みたいだぞ !
ガイ何人もの職人たちが最先端技術を用いて作り上げたセレブのための楽園って呼ばれている場所だ。どんな設備があるのか楽しみだな。
エミルパンフレットによると露天風呂、ジャグジー風呂、薬湯それにサウナから砂風呂まで色々あるみたいだよ。これだけ多いと、どれから回るか迷っちゃうよね。
ロイドよし、決めた。俺は全部制覇してやるぞ。せっかくコレットがふくびき券で当ててくれたんだから満喫しないとな。
ガイそして風呂上がりには冷たい牛乳をグイッと……いやぁ、たまらないな。
エミル美味しい料理もあるみたいだしまさにいたれりつくせりだよね。
チェスターおいおい。わかってねぇな。
スパーダああ、情けねェ。一番のお楽しみを忘れてるぜ。
エミルチェスター、スパーダ !もう到着してたの ! ?
チェスターはやる気持ちを抑えられなくてな。日の出前についちまったぜ。
ガイどうりでアジトに姿が見えないと思ったら……。
ロイドそれで、一番のお楽しみって何だよ ?他にも面白そうなものがあるのか ?
スパーダお前ら……まさか知らないのか ?
チェスター今は特別期間中でな……なんと混浴なんだよ !
三人混浴 ! ?
チェスターあとは言わなくても……わかるよな ?
ロイドいや、全然わかんねぇけど女の人が一緒だと落ち着いて入れないよ……。
スパーダそうなんだけどそうじゃねェ !何で落ち着こうとするんだよ !もっとこうあるだろ……あれやそれやのロマンが ! !
ガイまあ、言わんとしていることはわかるしそれが嬉しくないと言われれば嘘になるが……。
エミル……なんだろう。すごく嫌な予感がするよね。具体的に言うと、すけべ大魔王って不名誉な称号を誤解にも関わらずつけられる目に遭いそうな予感。
ロイドうっ……頭が……。
チェスター不名誉な称号が何だって言うんだ。もっと自分の気持ちに素直になれよ。
三人だから誤解だ ! !
ユーリったく。まだ脱衣所にもついてねぇのにこいつらもうのぼせあがってるみてぇだな。
ゼロスいやぁ。これだからモテない野郎共は困るねぇ。想像力たくましいこと恐ろしいわ。
スパーダあぁ ? てめえら何が言いてェんだ ?混浴なめんじゃねェぞ、ゴラァ ?
ユーリ混浴にどんな期待を膨らませてるのかは知らねぇがあくまで水着着用のうえで、ってことよろしくな。
二人水着着用だと ! ?
エミルよ、よかったぁ……。それならまだ安心だよ。
ガイ……いや、接触事故に気をつける必要はあるがな。
チェスターくそっ……水着着用だと ! ? そんなの聞いてねぇぞ !というかそんなの混浴じゃねぇ !いったい何を楽しめって言うんだ !
ユーリいや。素直に温泉を楽しめよ。
スパーダチェスター……まだだ。ここは脱衣所という選択肢……いや、ホテルの支配人に直訴し水着不可にさせて――
ゼロスおっと。そうはさせるかよ。
ロイドゼロス ?
スパーダどういうつもりだ ?
ゼロスいつもならそっち側の俺さまだが今回はそういう訳には行かないんでね。
ゼロスこっちはせっかく久しぶりに女の子やロイドくんたちと楽しい一時を過ごせると思って来たんだ。無粋な野郎に邪魔されるのはごめんなんだよ。
ユーリま、オレは対おっさん用用心棒なんだがこれも乗りかかった船だ。加勢させてもらうぜ。
スパーダちっ。こいつは面倒なことになりやがった。
チェスターだが五対二だ。数ではこっちに分がある。そう簡単に、ロマン溢れる混浴を諦めてたまるかよ !
ガイ……俺たちをそっち側に含めるのはやめてくれないか ?
チェスターオレは諦めない !ロマン溢れる混浴は必ずオレたちが――
アーチェみーつけた。
チェスターげっ……アーチェ ! ?お前、どうしてここに ! ?
ベリルね、言ったとおりでしょ?用心しておいた方がいいって。
アンジュ……ルカくんからスパーダくんの様子がおかしいって聞いて泳がせてみれば案の定……。
コハクけど、ちょっとショックだな。まさかアジトにこんなに大勢ケダモノがいただなんて。
エミル……えっ ? 大勢って ?
ロイドまさか――
アーチェ言い逃れしようったって無駄よ !こんなに前科者たちが集まってるんだもの !よからぬことをしようとしていたに決まってるでしょ !
ユーリそう言いつつ、なんでオレとゼロスを見るんだよ。
アーチェしらばっくれようったってそうはいかないわよ !あんたたちだって混浴がなんだって話していたのは知ってるんだから。
ゼロスちょ、ちょっと、アーチェちゃん ! ?確かに混浴について話したけどそれはこいつらに説明をするためで――
アーチェ問答無用 ! 全員まとめて成敗してあげる !
二人ここでやられてたまるか !いくぜ、お前ら !
一同だから誤解だ ! !