Character1話【精霊片を求めて】
リチャード精霊片のスポットまで長時間歩くことになる。途中で引き返すことも難しいようだ。
シェリアアスベル、忘れ物はない ?ちゃんと精霊片吸引器はもったわよね ?
アスベル当たり前だろ。スポットに着いたら吸引器で精霊片を集めて、精霊装を扱えるようにする。それが俺たちの目的だからな。
リチャードちなみに、それぞれ相性のいい精霊が違うからそこも気をつけないとね。
アスベルわかってるさ。リチャードが風の精霊シルフシェリアが水の精霊ウンディーネそして俺が闇の精霊シャドウだろ。
ラムダシャドウの力、果たしてお前に扱いきれるか。
アスベルきっと大丈夫さ。『俺たち』ならな。
ラムダ相変わらず愚かだな。我は宿主に死なれては都合が悪い。ただそれだけだ。
シェリアアスベル ?
アスベルあ、すまない。ラムダと話していたんだ。
リチャードラムダと、か。二人がうまくやれているようでよかったよ。さすがはアスベルだね。
アスベル機嫌は損ねてしまったみたいだけどな。また眠ったようだ。
リチャードそれは残念だ。道中のピクニックにはラムダも同席して欲しかったよ。
アスベルははは、カレーの匂いにつられて起きるかもな。ラムダのことは気長に待つとしよう。
リチャードカレーだけじゃなく納豆トーストもあるからね。
シェリアどっちも二人の好物なだけよね……。好きなものばかり食べてたら栄養が偏るわよ。
アスベルシェリアも弁当は好物の焼き鳥丼だろ ?
シェリアそ、それはそうだけど……。
リチャードふふ。今から昼食が楽しみだね。
アスベルああ、それにこうして二人といるのも楽しいよ。精霊片を集めるという任務はあるけどこうして落ち着いて話すのも久しぶりだしな。
リチャードそう言われると、幼少の頃を思い出すね。ラントで過ごした日々が懐かしい。本当に、あの頃から色々と変わったな。
アスベルけど変わっていないものもあるだろ ?リチャード。
リチャードアスベル……ああ、そうだね。どれだけ時が経とうとたとえ世界が変わろうとも……。
アスベルさあ、行こう。困難な道みたいだが俺たちならきっと乗り越えられる。
シェリアずっとそうだったものね。
アスベルこれからもずっとな。リチャード、準備はいいか ?
リチャードもちろんだとも。さあ、出発しよう。
三人剣と風の導きを――