| Character | 1話【タッグバトル1 名コンビ出揃う】 |
| ジョニー | イエーイ ! 盛り上がってるかい ! 観客たち ! |
| 観客たち | ――ウオオオオオオオッッ ! ! ! ! |
| ジョニー | オーケイ、オーケイ !会場のボルテージは最高潮ってとこだな。それじゃあ、こっちも始めるとするか。 |
| ジョニー | 今回の闘技場タッグバトルの司会進行役もこの俺、ジョニー・シデンが務めさせて貰うぜ。 |
| イクス | 同じく、今回も司会進行役を務めさせて貰いますイクス・ネーヴェです。 |
| ジョニー | さて、俺たちの自己紹介はこれくらいにして次は、本選に勝ち上がってきた主役たちの紹介だ !宜しく頼むぜ、イクス ! |
| イクス | はいっ ! まずAブロックを勝ち上がってきたのはこのコンビ ! チーム『私の可愛いシスターズ』です ! |
| ミラ | ……ねえ。このふざけた名前今からでも変えられないの ? |
| ミラ=マクスウェル | 残念だが、一度エントリーしたチーム名は変更できないそうだ。だが、名前は何でも良いと言っていなかったか ? |
| ミラ | それでも限度ってものがあるでしょ ! ? |
| ミュゼ | きゃー ! ! ミラ~ ! ! 二人とも素敵よー ! ! |
| ミラ=マクスウェル | ふむ。しかし、チーム名を付けてくれたミュゼは喜んでいるみたいだ。 |
| ミラ | ……もういい。気にしないことにするわ。 |
| レイア | あーあ、わたしも大会に参加してみたかったな。 |
| ジュード | 仕方ないよ。今回、僕たちは医療スタッフとして配属されたんだから、そっちに集中しなきゃ。 |
| エル | エルたちも応援がんばるよ。ね、エリーゼ。 |
| エリーゼ | はい ! もちろんです ! |
| ティポ | 絶対に負けちゃ駄目だからねー ! |
| イクス | 続いて、Bブロックを勝ち上がってきたのはこの二人。チーム『フラワーガーデン』のソフィ & リトルクイーンです ! |
| ソフィ | 一緒に頑張ろうね。 |
| リトルクイーン | ええ。 |
| イクス | そして、最後のCブロックを勝ち上がってきたのはチーム『アーツオブハーツ』の二人 !シング & クリードです ! |
| クリード | 足を引っ張るなよ、シング・メテオライト。 |
| シング | ああ ! オレたちのスピリアは誰にも止められないさ ! |
| ジョニー | これで予選を勝ち上がってきたチームは全て出揃ったな。しかし、中には面白い組み合わせがいたもんだ。 |
| イクス | 俺も正直驚きました。ミラやソフィたちはともかくクリードさんがシングと一緒にエントリーしてたのは知らなかったですから。 |
| リチア | ふふっ。フローラ姉さまの依頼だったのです。今回の大会では優勝チームに賞金があると聞いたので、ぜひ参加したいと。 |
| ヒスイ | ……おい、もしかしてクリードの野郎金に困ってるとかじゃねえだろうな ? |
| リチア | それが、どうやらフルエーレたちが泉に戻ってくるよう色々と研究をしているみたいです。 |
| ベリル | ふーん、その為の研究資金が必要ってことか。ま、ボクはこうして熱いスピリアがぶつかり合う様を描ければ、何でもいいんだけどね。 |
| ガラド | だが、即席で組んだチームで勝つにはちょっとばかし厳しい相手じゃねえか ? |
| カルセドニー | そのあたりをどうカバーして戦うのか……。見せて貰おうじゃないか、シング。 |
| コハク | シングー ! わたしたちも応援してるからねー ! |
| シング | コハク…… ! うん、ありがとう !オレ、絶対優勝するからね ! |
| ミラ | ふん……。随分と舐められたものね。今回、賞金を頂くのは私たちのチームよ。 |
| ミラ=マクスウェル | ああ、私たちが賞金を獲得できればファラ生活向上委員会とエステル読書会に資金が割り当てられることになっているからな。 |
| ミラ | その資金があれば一通りの料理道具を新しいものに替えられるわ。この勝負、絶対に私たちが勝つわよ。 |
| ジョニー | 戦う理由は人それぞれってことか。互いの信念がぶつかり合う戦いとは痺れるぜ。 |
| イクス | それならソフィたちも賞金目当てなのかな ?けど、毎月お小遣いは渡してるって聞いてるけど……。 |
| マリク | 知りたいか、お前たち ! !ならば、このオレが教えてやろうッッ ! ! |
| リチャード | なにッ ! ? マリク ! ! 君はソフィたちが戦う理由を知っているというのかッッ ! ? |
| マリク | ああ、ソフィたちが戦う理由……。それは、賞金ではなく副賞のほうだッッ ! ! |
| アスベル | な、なんだってー ! ! ! !副賞 ! ? どういうことですか、教官ッ ! |
| マリク | よく聞け、アスベル ! ! この大会の優勝チームは別会場で同時開催している『ビストロ・コロセウム』の決勝に特別審査員として参加することができるのだ ! ! |
| パスカル | 『ビストロ・コロセウム』っていうのはね腕に自信のある料理人たちが集う大会のことだよ ! ! |
| パスカル | つまり ! ! ソフィは闘技場の大会に優勝して特別審査員になりたかったのだあ ! ! ! ! |
| ヒューバート | ……あの、何ですか皆さん。その茶番劇は。イクスたちの邪魔になりますから席に戻りますよ。 |
| パスカル | もう、弟くんも混ざってよ~。せっかく、いい感じに盛り上がってたのに~。 |
| ヒューバート | 盛り上がっていたのは、あなたたちだけでしょう……。 |
| ヒューバート | いいですか、ぼくたちは『ビストロ・コロセウム』の予選に参加していて、来られないシェリアの分もソフィを応援しないといけないんです。 |
| ヒューバート | 見てください、あのソフィの集中した表情を。もし、理由が教官たちの言う通りだったとしてもソフィは真剣にこの大会に臨んで―― |
| ソフィ | ロイヤルカニタマロイヤルカニタマロイヤルカニタマロイヤルカニタマロイヤルカニタマロイヤルカニタマ。 |
| ヒューバート | ……どうしたんですか、ソフィは ? |
| マリク | なに、オレがこっそり教えておいたんだ。『ビストロ・コロセウム』の特別審査員になれば伝説のロイヤルカニタマを食べることができるとな。 |
| ヒューバート | やっぱり、あなたの仕業ですか ! ? |
| マリク | ソフィとリトルクイーンも、これからは戦いの中で連携が必要になってくる。それを鍛え上げる為に本人たちをやる気にさせ、参加してもらうことにした。 |
| リチャード | 安心してくれ、ヒューバート。本選に勝ち上がればシェリアさんに高級食材を使ったカニタマを作ってもらえるようにお願いしてあるよ。 |
| アスベル | ああ、だから俺たちも信じよう。ソフィやシェリアたちが、必ず勝ち上がってくれると。 |
| パスカル | うん、うん ! そうだよね ! |
| ヒューバート | ……くっ、何故か最後はいい話っぽく締められている ! |
| リトルクイーン | ソフィをこれほどまでに魅了する食べ物……。ロイヤルなカニタマ……わたしも食べてみたい……。 |
| ジョニー | さあ、そろそろ開始の時間だな。 |
| ジョニー | ルールは至ってシンプル。最後まで立っていた人物のチームが優勝のバトルロワイヤルだ !イクス、ゴングの準備はいいか ? |
| イクス | はい ! それじゃあ、いきます ! |
| イクス | 闘技場タックバトル本選、いざ、開戦 ! ! |
| Character | 2話【タッグバトル3 戦いは続く】 |
| シング | ……くっ。やっぱり強いな、みんな。 |
| クリード | 無駄口をたたく暇があるなら足を動かせッ !役に立たぬなら隅でうずくまっていろ。 |
| シング | いや……まだまだ終わらないさ !クリード、援護を頼む ! |
| クリード | この私に指図とは…… !貴様こそ遅れを取るなよ ! |
| ソフィ | させない ! |
| クリード | ……ふっ、甘いわ ! |
| ソフィ | 避けられた…… ! でも…… ! |
| リトルクイーン | あとは任せて。 |
| ジョニー | おっと ! ここでソフィの攻撃に合わせてリトルクイーンが待ち構えていたぞ !クリード、万事休すか ! ? |
| クリード | くははッ ! 私を見くびるなよ、小娘。その程度の小細工が通用すると思ったか ! |
| リトルクイーン | ! ? |
| クリード | 終わりだ ! ブラックアウトッ ! ! |
| ジョニー | しかし ! クリードはこれを読んでいた !形勢は一気に逆転か……いや、あれは ! ? |
| リトルクイーン | 残念だったわね。 |
| クリード | なん、だと ! ? |
| イクス | リトルクイーン ! まさかの無傷 ! ?これは一体……。 |
| シング | クリード ! 上だ ! ? |
| クリード | なに ! ? |
| ? ? ? | ――はああああっ ! ! |
| クリード | ちっ ! ? |
| ジョニー | クリードもうまく回避したようだな !だが、あれは……。 |
| イクス | リ、リトルクイーンが二人 ! ? |
| ミラ | ちょっと ! ? あんなのアリなの ! ? |
| ジョニー | いや、ルールすれすれだが、これがリトルクイーンの能力ってことなら問題はない ! |
| ミラ | 冗談じゃないわ !これじゃあ人数ではこっちが圧倒的に不利じゃない ! ? |
| ミラ=マクスウェル | 成程。ならば「私たち」の力を使ってもルール上は問題ないというわけだな。 |
| ミラ | ちょっと、あなたまさか…… ! |
| ミラ=マクスウェル | 四大よ、来い ! |
| ジョニー | おっと、ミラも負けじと精霊を召喚 !こいつは盛り上がってきたぜ ! |
| ジョニー | さあ、その熱いビートを会場に響き渡らせるのは果たして、どのチームだ ! |
| ミリーナ | イクスー ! 大変よー ! |
| イクス | えっ、ミ、ミリーナ ! ?それにみんなも、どうしたんだ ?そっちは『ビストロ・コロシアム』の準備が……。 |
| イネス | それが、ちょっとした……ううん。かなーり深刻な問題が発生しちゃって……。 |
| イクス | 深刻な問題って……。 |
| ルドガー | いや……俺たちも『ビストロ・コロシアム』の予選を進行していたんだけど、予選チームの中に『××料理人ズ』というチームがいて……。 |
| イクス | ……ああ、うん。ごめん。それ以上は言わなくてもわかった気がする。 |
| ガイアス | ……すまない。審査員として任された以上その責務を果たそうとしたのだが……。 |
| クンツァイト | ……肯定。だが、機械人である自分ですら味覚機能が損傷し、採点は不可能と判断した。及び、他の機能にも甚大な被害が出ていると推測する。 |
| シェリア | 二人とも、今は無理に話さなくていいわよ。すぐにジュードやリチアに診てもらうようにお願いするから……。 |
| イクス | そっか、ガイアスさんとクンツァイトは審査員を担当してたから……。 |
| ユリウス | いや、被害を受けたのは彼らだけではない。残念ながら、予選は集まってくれた観客も試食して投票できるシステムになっていたんだ。 |
| イクス | えっ……ってことは…… ! |
| アルヴィン | 当然、観客の中からも被害に遭った奴が出てきたわけ。 |
| イクス | 大変じゃないか ! ?それで、その人たちは無事なのか ! ? |
| ミリーナ | ええ、幸いみんな無事に済んだわ。でも、ちょっと複雑な事情になってて……。 |
| イクス | えっ…… ? |
| イネス | 観客の中に、料理人に安物の食材を高く売りつける悪徳ブローカーのお偉いさんが混じってたのよ。その人、自分を狙った毒殺未遂と勘違いしちゃってね。 |
| アルヴィン | もちろん、誤解なんだが相手は聞く耳持たねえまま部下たちが大人数で会場に乗り込んで来やがった。まあ、なんとか事態を収めることはできたが……。 |
| ルドガー | 会場が大騒ぎになったこともあって、兄さんたちにこのまま大会を続けられるか話し合って貰ってたんだ。それで、結果はどうなった ? |
| ユリウス | ああ、運営側と協議した結果こんな状況で進行することはできないと大会は中止にすることになったよ。 |
| ユリウス | そのせいで、会場の当日キャンセル料の一部と備品の破損料金を合わせると……相当な額になってしまうそうだ。 |
| ルドガー | まさか、兄さん…… !それを俺たちが借金して肩代わりすることになったんじゃ……。 |
| ユリウス | 考えが飛躍しすぎだ、ルドガー。運営していた人たちも、これは不運な事故だったと言ってくれている。 |
| アルヴィン | むしろ、結果的には悪徳ブローカーたちを一斉検挙できたって感謝してたぜ。ここらの店も何件か被害に遭ってたらしいからな。 |
| ユリウス | だが、残念な報せをしなくてはいけないのは事実だ。 |
| イクス | あの、その残念な報せって……。 |
| ユリウス | 今回のことで発生する被害額を、闘技場タッグバトルの賞金で賄いたいらしい。勿論、副賞の特別審査員についても、大会がなくなった以上参加はできない。 |
| アルヴィン | その悪徳ブローカーの組織に被害額を請求できれば良かったんだが、残ってる組織の金だけじゃあ到底全額は払えないんだとさ。 |
| ジョニー | こいつは参ったな……。今までで一番酷なアナウンスになりそうだ。 |
| イクス | ……あの、ユリウスさん。こっちの大会は中止にしなくていいんですよね ? |
| ユリウス | ああ、進行すること自体は問題ないが……。 |
| イクス | だったら、最後までやらせてくれませんか ?戦っている皆もそうだけど、応援してくれている人もこの戦いを最後まで見届けたいと思うんです。 |
| イクス | あっ ! 勿論、皆の目的にはできる限り協力するつもりです。 |
| イクス | クリードさんの研究はキール研究室と共同研究にしたりソフィたちは、ファラ生活向上委員会に頼めばロイヤルカニタマも作ってくれるだろうし……。 |
| イクス | あと、ミラたちの備品強化も皆で節約して少しずつお金を貯めていけば……って全部皆に助けてもらうことになっちゃうけど……。 |
| ミリーナ | ううん ! 凄くいいアイデアだと思うわ、イクス !勿論、私も力になるからね。 |
| ジョニー | オーケイ、今後の方針も決まったみたいだな。なら、俺たちは引き続き実況を続けるぜ ! |
| 六人 | ――はあああああああっ ! ! |
| ジョニー | さぁ、バトルもいよいよ最終局面だ !果たして、勝つのはどのチームか !お前たちも、しっかり見届けてくれよ ! |