Character1話【精霊片を求めて】
セネルそろそろ出発するぞ。準備はいいか、コーキス ?
コーキスああ、精霊片吸引器は持ったし準備万端だぜ、セネル様 !
コーキス……カイウス様、精霊片集めに俺も呼んでくれてありがとう。
カイウスお前と相性がいい精霊片スポットが見つかったって聞いたから、メルクリアに連絡とってみたんだ。ちゃんと伝わってよかったよ。
コーキスマスターにも内緒にしてもらって、ごめんな。そうだ、メルクリアもカイウス様と会って今までのことちゃんと謝りたい、ってさ。
カイウスそういうのはいいって。あいつがちゃんと自分のやったことを反省できたなら、それでさ。
カイウスで、精霊片の属性は誰がどれなんだっけ ?
セネル俺が火の精霊イフリート、コーキスは風の精霊シルフ。お前は地の精霊ノームだ、カイウス。
コーキス精霊装……俺も精霊の力を使えるようになる。……絶対にやりとげなくちゃな。マスターのために、俺はもっと強くなって……。
カイウス……大丈夫か、コーキス ?なんか顔が暗いぞ。
コーキスあ、いや……つい色々考えちゃってさ。
セネルあんまり思いつめるなよ。肩に力が入りすぎても、空回りするだけだぞ。
コーキスそうだよな。ごめん、なんか変な空気にして。
カイウスそんなことで謝るなって。コーキスが力を借りるのは風の精霊なんだから心も風みたいに軽くしておくほうがいいんじゃないか ?
コーキスそ、そういうもんか ?
カイウスいや、オレの想像だけど……。あんまり重い空気出してると、どれだけ精霊片を集めても力を貸してくれなかったりして、なんて。
セネルさすがにそれはないだろ……。だったら、イフリートに力を借りる俺は燃えるような熱い男にならないといけなくなるぞ。
セネルでも、軽い気持ちでいた方がいいってのは同感だな。イクスと離れて、色々思うところがあるのはわかるが今日は一旦置いといて、気楽に行こうぜ。
コーキスああ、わかった。肩の力抜いて、リラックスだな !
カイウスそうだ ! じゃあ三人で競走してみないか ?誰が最初に精霊片のスポットに着くか。悩みを吹き飛ばすには、体を動かすのが一番だろ !
セネルいいんじゃないか。俺も軽く体を動かしたかったところだ。それに勝負するなら、賞品を用意しないとな。
コーキスえーっと……じゃあ、パンはどうだ ?セネル様が焼いてきてくれた弁当のパン。勝った奴は他の二人から一個ずつもらう !
カイウスそれで決まりだな !へへっ、パンはオレがもらうぜ。
セネル自分の焼いたパンが賞品かよ……。まあ、それでも負けるつもりはないけどな。準備はいいか ?
コーキスああ、いつでもいいぜ !セネル様にもカイウス様にも負けねえぞ !
カイウス遠慮はなしだぞ、コーキス !本気で走ればきっと、気持ちもすぐ軽くなるって。
コーキス(……なんか二人に気を使わせてばっかりだな。何やってんだ、俺。マスターのためにももっとしっかりしないと…… ! )
コーキスよーし、これ以上心配させないように俺の超元気なところを見せてや……あれ ?カイウス様 ? セネル様 ?
セネルおーい、コーキス !何ボーッとしてるんだ。もうスタートしてるぞ。早く追いついてこいよ !
コーキスえっ ! ? ちょっ……待ってくれよ二人とも !くっそー、こうなりゃ俺も全力で行くぜ !うぉぉぉーっ !