| Character | 1話【リゾート1 観光都市アルタミラ】 |
| カーリャ | アルタミラにとうちゃ~く !んー、やっぱりここは賑やかな場所ですね ! |
| マルタ | うんっ ! たくさん人がいるよね。こっちの世界のアルタミラにもカジノがあるんだっけ ? そのおかげなのかな。 |
| イクス | それもあるんだろうけど、今は更に観光都市として開発を続けてるらしいよ。 |
| イクス | 最近、ビーチリゾートとテーマパークが新しく開園したって、フィルさんから連絡があったんだ。 |
| リフィル | 救世軍が資金を稼ぐため、と言っていたわね。今は帝国の支配下にある土地で、こんな大胆なことをするなんて。色々誤魔化して国に申請しているのね。 |
| マーク | はは、蛇の道は蛇って言うだろ。 |
| ミリーナ | マーク ! 迎えに来てくれたのね。 |
| マーク | ああ。フィルに頼まれたんでね。こっちが招待した以上、きちんとおもてなしをしなけりゃいけないからってさ。 |
| ジーニアス | えへへ、わざわざありがとう ! |
| イクス | それで、フィルさんはどうしたんだ ?招待券を送ってくれたお礼を言いたかったんだけど。 |
| ロイド | ゼロスとクラトスも来てないのか ? |
| マーク | あー、それが三人とも、今日に限って面倒な仕事ができちまってな。まあ、惰眠をむさぼっていた俺にお鉢が回ってきたって訳だ。 |
| ミリーナ | そうだったの。フィルたちにも会えると思っていたのに残念だわ……。 |
| コレット | うん。ゼロスやクラトスさんも一緒に遊びたかっただろうから残念だね……。 |
| カーリャ | ゼロスさまはともかく、クラトスさまはあんまりはしゃいでる姿とか想像できませんけどね……。 |
| しいな | むしろゼロスはいなくて正解だよ。特にあいつがビーチリゾートに行くとろくなことにならないからね。 |
| マルタ | あー、大騒ぎしそう……。 |
| テネブラエ | 無用なトラブルを避ける意味でもいらっしゃらないのは正解かもしれませんね。 |
| エミル | あはは……。ゼロスには可哀想だけどね。 |
| カーリャ・N | マーク、リーガル様とプレセア様はどちらですか ?こちらにいらっしゃると聞いていますけど。 |
| マーク | ああ、二人ともテーマパークの方だぜ、パイセン。二人にはアルタミラの観光都市計画の中でも主にテーマパーク関連を担当してもらってるんだ。 |
| リフィル | リーガルは元々レザレノグループの会長ですもの。こういう仕事はお手の物でしょうね。 |
| マーク | ああ。こっちとしても大助かりだ。餅は餅屋……っつーか、まあ、そもそもうちは宗教には強いんだが、エンタメが得意な奴がいなくてな。 |
| テネブラエ | エルレインさんやシンクさんやクラトスさん辺りはそもそも元の世界のこともありますしその辺り、お得意でしょうからねえ。 |
| マーク | バランスが悪いんだよなあ。ま、そいつはともかくリーガルたちなら、今もテーマパークにいる筈だから向こうへ行けば会えると思うぜ。 |
| ロイド | 本当か ! ?よし、だったら早速テーマパークに行くか ! |
| コレット | そだね ! たくさん乗り物があるだろうしみんなと一緒ならきっと楽しいよね ! |
| ジーニアス | ここのテーマパークって、アルタミラにあった遊園地みたいなものだよね ?一日で回りきれるかなぁ ! |
| ロイド | わかんねーけど、とにかく乗れるだけ乗ってみようぜ ! |
| マルタ | ……う……乗り物かぁ……。 |
| カーリャ・N | マルタ様、どうかなさいましたか ? |
| マルタ | あ、ううん。何でもない。 |
| エミル | ……あ、あのさ。今日ってビーチの方も行けるの ? |
| マーク | ああ、もちろん行けるぜ。併設してるから、どっちでも好きな方を選んでくれ。 |
| エミル | 一日で両方回るのは大変そうな気もするから僕は、ビーチリゾートの方を見に行こうかなって思うんだけど……マルタも、どうかな ? |
| マルタ | ! う、うん !私も、ビーチリゾートの方に行きたい。 |
| テネブラエ | マルタ様は乗り物は苦手ですからね。 |
| マルタ | ちょっと ! せっかくエミルが気を遣ってくれたのにテネブラエってば、すぐそういう余計なこと言うんだから ! |
| しいな | あはは、なるほどそういうことかい。けど、ビーチの方も楽しそうだしそれぞれ興味のあるところへ行くでいいじゃないか。 |
| コレット | そうだね ! 帰ってきたらビーチがどんな感じだったか教えて。楽しそうだったら明日帰る前にちょっと遊びに行きたいな。 |
| マルタ | うん ! どんな感じの場所か、しっかり見てくるね ! |
| ロイド | じゃあ、エミルとマルタとテネブラエはビーチか。イクスたちはどうする ? |
| イクス | そうだな……。テーマパークも楽しそうだけどそっちは人数が多そうだし……。 |
| イクス | 俺はエミルたちと一緒にビーチリゾートの方へ行くことにしようかな。 |
| ミリーナ | そうね。一緒に行ってもいいかしら ? |
| マルタ | もちろん !ミリーナたちも来てくれるならますます楽しくなるし ! |
| カーリャ | カーリャももちろんいきますよ !ネヴァン先輩も行きますよね ? |
| カーリャ・N | ……いえ、私は、ロイドさんたちとテーマパークの方にご一緒しても構わないでしょうか ? |
| カーリャ | ええっ ! ? |
| ロイド | 俺たちはもちろん構わないけど……。 |
| カーリャ・N | 今日のビーチは日差しも強そうですし私はあまり暑いのが得意ではありませんので。 |
| ミリーナ | ………………。 |
| イクス | そうか。熱中症には気をつけないといけないな。ビーチに行く前に水分をちゃんと調達して塩分も取りつつ、日陰でこまめに休息して……。 |
| テネブラエ | 日陰 ! 闇の出番ですね。お任せ下さい。闇が皆さんを守りますよ。 |
| リフィル | ネヴァンがそうしたいのなら、一緒にいらっしゃい。 |
| リフィル | ミリーナ、大丈夫よ。あなたもビーチで楽しんでいらっしゃい。 |
| ミリーナ | そうですね……。今回は羽を伸ばすのが目的だし、それぞれが一番楽しめると思う場所に行くのが一番ですよね。 |
| ミリーナ | 楽しんできてね、ネヴァン。 |
| カーリャ・N | はい、ありがとうございます、小さいミリーナ様。 |
| カーリャ・N | …………。 |
| コレット | …………。 |
| ジーニアス | ミトスも一緒に来ればよかったのにな。ラタトスクもいるんだし。 |
| ラタトスク | ……ほっとけ。あいつなりに色々思うところもあるんだろうよ。 |
| ジーニアス | ……そりゃ、そうなんだろうけどさ。仕方ない、せめてお土産は買っていこっと。 |
| イクス | よし、それじゃあ、それぞれアルタミラ観光を思いきり楽しもう ! |
| 全員 | おー ! |
| Character | 2話【リゾート2 ビーチでの出会い】 |
| マルタ | うわぁ~ !綺麗な海~ ! |
| テネブラエ | 闇属性の私としては、この眩しい砂浜は少々明るすぎるように感じます。砂まで光を反射していますからね。 |
| エミル | テネブラエって、とことん闇属性だよね……。 |
| マルタ | あーあ、こんなに素敵なビーチがあるって知ってたら水着を持って来たのになぁ……。 |
| ミリーナ | あら、だったら私が水着を具現化して――いいえ、せっかくだからお店でエミルやラタトスクに選んでもらったらどうかしら ? |
| エミル | え、えええっ ! ? |
| マルタ | ナイスアイデアだよ、ミリーナ !エミル、お互い選びっこしよ ? |
| エミル | でも……僕、どんな水着を選んであげたらいいのかわからないよ……。 |
| ラタトスク | 俺は水着なんぞいらんし、選ぶ気もないぞ。大体マルタは買い物が長くて付き合いきれねえ。 |
| マルタ | えー ! 酷いよ、ラタトスク ! |
| ラタトスク | う……。……エ、エミルが代わりに全部付き合う筈だ。それでいいだろう ! |
| エミル | あ、ラタトスク、ズルいよ ! ? |
| マルタ | ――あ、待って待ってエミル !ほら、あそこを歩いてる人が着てる水着 !ああいうの、エミルに似合いそうじゃない ? |
| ミリーナ | 本当だわ ! 着ている人も背格好がエミルに似てるから、すごくイメージしやすいわね。 |
| イクス | ……ん ? あれ ? エミルに似てるっていうかあの人って……。 |
| アステル | ……あれ、イクスたちだ ! ? |
| エミル | リヒターさんに……アステルさん……。 |
| イクス | どうして二人がこんなところに…… ? |
| リヒター | この辺りに精霊の気配があるという情報を掴んで調査をしにきただけだ。 |
| アステル | もし精霊の力が活性化しているんだとしたら災害に繋がっちゃう可能性もあるからね。 |
| カーリャ | 災害…… ! ?それは穏やかじゃないですけど……なんで、水着なんですか ? |
| イクス | そうか ! 海の中の調査をしていたんですね ! |
| リヒター | いや、周辺の土地を調査していただけだ。 |
| マルタ | え ? じゃあ何でそんな格好してるの ? |
| アステル | それはもちろん、ビーチに来たからだよ !せっかく海に来たんだからちょっとぐらい遊んでいきたいじゃない。 |
| リヒター | ……俺は、この馬鹿に付き合わされているだけだ。 |
| テネブラエ | なんとも呑気な理由ですね。 |
| イクス | あ、けど、大丈夫だったんですか ?災害に繋がる異変が起きているんだとしたら……。 |
| アステル | ああ、それは大丈夫だったんだ。ウンディーネとシルフの力が活性化している気配はあったけど、天災が起こるほどじゃなかった。 |
| テネブラエ | ええ、そうでしょうね。そこまでの威力は感じられません。ラタトスク様もそうお感じになるのでは ? |
| ラタトスク | ……あ、ああ、まあな。この程度なら問題はない。 |
| アステル | ラタトスクのお墨付きなら間違いないね ! |
| 二人 | ………………。 |
| エミル | ――あ、ラタトスクが引っ込んじゃった。 |
| 二人 | ………………。 |
| アステル | え ! ? せっかく話ができそうだったのに。ラタトスクってばシャイだなあ。 |
| エミル | ………………。 |
| アステル | ところで、さっきの精霊の力の件だけどこのビーチにとっては有益になってるみたいなんだよ。ほら、あっちを見て。 |
| マルタ | あ、ウインドサーフィン ! |
| アステル | うん。波や風がほどよく起こるおかげで観光資源として活用できてるみたいなんだ。 |
| イクス | すごいなぁ、あんなにアクロバティックな波乗りができるなんて…… ! |
| エミル | う、うん……いくら波や風がいいからってそれだけじゃあんな動きは無理だよね。 |
| カーリャ | あの人すごいですよ !ビーチにいる人がみんな注目してます ! |
| ミリーナ | 本当だわ…… !もしかしてプロのサーファーなのかしら ? |
| リヒター | ――いや、あれは、まさか……。 |
| マルタ | ……ああああっ ! あれって、デクス ! ? |
| アリス | その通りよ、マルタちゃん。 |
| マルタ | あんた、アリス ! ?なんであんたたちがこんなところに…… ! ? |
| アリス | 仕方ないじゃない。マーくんに働かざる者食うべからずって言われてるんだもの。 |
| エミル | 遊んでるようにしか見えないけど……。 |
| アリス | それでいいのよ、ペットちゃん。デクスはあれで運動神経だけはいいから観光客の目を集めさせてるところなの。 |
| 女の子 | きゃー ! デクスさんが上がってきたわよ ! |
| デクス | アリスちゃーん ! どうだった ?オレの華麗なテクニックは ! ?これも全てアリスちゃんのために―― |
| デクス | ……って、お ? 何だ何だ、大勢集まって。さてはみんな、このデクス様のテクニックに見とれてたんだな ? |
| デクス | 駄目だ駄目だ、オレの全てはアリスちゃんのもの。頭の先から爪の先、吐き出す息も全てが、アリスちゃんのために捧げられた物なんだ。アリスちゃーん ! |
| リヒター | おい、アリス。何が目的だ。 |
| アリス | 何よ、人が何か良からぬことを企んでるみたいに。明日、ここで『ウインドサーフィンレース』を開催するから、その準備のために盛り上げてるだけよ。 |
| アステル | へえ ! 面白そうじゃない !リヒター、見ていこうよ ! |
| アリス | あら、あなたマルタちゃんのペットちゃんに殺されたのに、よく平気な顔で一緒にいられるわね ? |
| 二人 | ! ! |
| リヒター | アリス ! 貴様―― |
| アステル | ………………。 |
| アステル | ……あー、そういうことか。元の世界で死んだってことはわかってたけど、謎が解けたよ。なるほどね。だからエミルもラタトスクも、困った感じだったのか。 |
| エミル | あの……すみま……せん……。 |
| ラタトスク | おい、エミル ! 謝ってどうする ! |
| エミル | だけど―― |
| アステル | いいよいいよ。少なくとも、今ここにいる僕は誰にも殺されていないからね。 |
| アステル | これから殺されるとかだったら、目一杯抵抗するけど流石にそれはないでしょ ? |
| リヒター | アステル ! |
| アステル | リヒター、ちょっと黙ってて。 |
| アステル | エミル、それにラタトスクも聞いて。少なくとも僕は体験してないことで謝られても困るよ。元の世界の未来の話は、今の僕には関係ないからね。 |
| アステル | あと、僕、割と聖人だし、心が広いから ! |
| カーリャ | あわわわわ……ほ、本気でしたら本当に聖人なんですけど……。 |
| アリス | ですって。よかったわね、マルペちゃん♪ |
| エミル | …………え ? マル……ペ ? |
| アリス | だって、ペットちゃんが二人いるからわかりにくいんだもの。 |
| アリス | こっちがミリーナのペットちゃん。 |
| アリス | こっちがマルタちゃんのペットちゃん。だから、ミリペちゃんとマルペちゃん。 |
| イクス | へ、変な呼び方しないでくれ ! |
| ミリーナ | ミリペ……新しい概念だわ……。 |
| カーリャ | 何言ってるんです、ミリーナさま ! ? |
| マルタ | アリス、あんたって本当に変わらないよね。人のことペット扱いするなんて失礼じゃない ! |
| アリス | そうよねぇ。マルタちゃんなんか、鏡士一派のペットにすらなれない役立たずのお荷物なのにペットに失礼よね ? |
| エミル | アリス、今の言葉取り消して ! |
| アリス | イ・ヤ・よ♪ だって、本当のことだし。 |
| エミル | そんなことない。マルタはいつだって僕やラタトスクを助けてくれてる。マルタは役立たずなんかじゃない。マルタに謝ってよ。 |
| アリス | ……ふーん。相変わらず忠誠心の高いペットちゃんね。 |
| アリス | そうだ、マルタちゃん。お互い、ペットと下僕を勝負させましょうよ。 |
| マルタ | はあ ! ? |
| アリス | 明日のウインドサーフィンレースでペットちゃんとデクスに勝負させるの。 |
| アリス | もしもペットちゃんがデクスに勝ったらペットのしつけが行き届いてるってことで役立たずを撤回して謝ってあげてもいいわ。 |
| マルタ | ちょっと ! あんたのところのデクスと違ってエミルはペットなんかじゃない !私の大事な……大事な存在なの ! |
| マルタ | そんなくだらないことさせられないよ ! |
| エミル | いいよ、マルタ。 |
| エミル | その勝負――受けてやる ! |
| デクス | 面白い ! アリスちゃんの愛を一身に背負ったこのオレに、死角はない !少年、胸を借りるつもりで挑んでこい ! |
| ラタトスク | 人間風情が偉そうに ! この勝負俺とエミルが勝つ ! |
| マルタ | 二人とも……。 |
| 全員 | ……………………。 |
| Character | 3話【リゾート3 複雑な胸中】 |
| ロイド | はー、楽しかったな、ティーカップ ! |
| ジーニアス | ちょっと回転させすぎちゃってふらふらするけど。 |
| コレット | ぐるぐるだよ~……。 |
| カーリャ・N | 大丈夫ですか、コレット様 ? |
| コレット | うん。だいじょぶだいじょぶ。 |
| リフィル | しいな……。あなたもムキになってロイドに対抗して。ロイドたちと私たちのカップだけ悪目立ちしていたわよ。 |
| しいな | あはははは、もしかして酔っちまったかい ?まあ、あたしの本気はこんなもんじゃないけどね。 |
| ロイド | お、言ったな、しいな ! |
| マーク | はは、こんなに無邪気に楽しんでもらえるとは思わなかったぜ。さて、そろそろリーガルとプレセアも来ると思うんだが……。 |
| リーガル | ――皆、遅くなってすまなかった。 |
| プレセア | お待たせしました。 |
| マーク | 噂をすれば、なんとやらだな。 |
| リーガル | どうだろう。異世界のアルタミラを楽しんでもらえているだろうか ? |
| ジーニアス | うん、すっごくね ! |
| ロイド | 今、ティーカップに乗ってきたところなんだ ! |
| リフィル | こちらの世界でも、コーヒーカップではなくティーカップなのね。 |
| リーガル | ああ。やはり―― |
| 二人 | 紅茶のほうが好きだから ! |
| リーガル | フッ。その通りだ。 |
| しいな | そのこだわりは、やっぱり活かすんだね。 |
| リーガル | 救世軍がデザインまで私に一任してくれたからな。まだ長時間動けない私が役に立てるのはこういうことぐらいだ。納得いく仕事をしたい。 |
| プレセア | リーガルさんのこだわりは……ティーカップだけでなく様々な場所で発揮されています。 |
| プレセア | あちらのコースターもそうですし向こうにある観覧車も……です。 |
| コレット | 観覧車……。 |
| ロイド | うおお、すごいなあのコースター !めちゃくちゃ速いぞ ! |
| ジーニアス | あっちのシューティングゲームみたいのも楽しそうだよ ! |
| しいな | 色んな乗り物があって目移りしちまうね。 |
| リフィル | せっかく羽を伸ばしに来たのだし興味のあるものはすべて乗ってみたら ? |
| ロイド | ああ、そうだな ! |
| ジーニアス | だね ! ねえねえ、どこから回る ?右から行くか、左から行くか ! |
| リーガル | 乗ったら是非感想も聞かせて欲しい。今後の改善に向けての参考にさせてもらうつもりだ。 |
| マーク | パイセン。そんな離れたところで何してんだよ ? |
| カーリャ・N | ……マーク。いえ……何でもありません。 |
| マーク | ――意地っ張り。 |
| カーリャ・N | な、何ですか ! マークのくせに ! |
| マーク | ハハ、そうそう、その意気その意気。俺は……クールなフリしてるパイセンより昔みたいに暴れてる方がいいと思うぜ。 |
| カーリャ・N | 相変わらずマークは先輩に対して敬意が足りませんね。 |
| マーク | 言っとくけど、具現化された日数で言えば大して変わらないんだからな ? |
| カーリャ・N | ……私は、もう鏡精ではありませんけれどね。 |
| マーク | ……けど、俺にとってパイセンはパイセンだ。もう、一人でどこかに行かないでくれよ。パイセンは無鉄砲だから、心配になっちまう。 |
| カーリャ・N | 無鉄砲はお互い様です。マークだって、フィル様のためならどんな無茶でもするじゃないですか。 |
| マーク | まあ、お互い、困ったご主人持ちだからなあ……。 |
| コレット | ねえ、ネヴァン。今からみんな、ローラーコースターのほうに行くんだって。 |
| カーリャ・N | コレット様……。そうですか。では、私は―― |
| コレット | でもね、私は観覧車に行きたいなって思って。よかったら、ネヴァンも一緒に行こうよ。 |
| コレット | あ、マークも―― |
| マーク | いいや、俺はロイドたちの方をアテンドするわ。パイセン、コレットと二人で行ってこいよ。 |
| コレット | 観覧車、すっごく景色が綺麗なんだって !だから、ネヴァンと一緒に見たいなって。あ、でも、嫌だったら無理しないでね。 |
| カーリャ・N | ……私と……ですか ? わかりました。私でよろしければ……。 |
| マーク | じゃあ、コレット。パイセンを頼むわ。二人が別行動することは俺から伝えておく。気を付けてな。 |
| コレット | うん、ありがとう、マーク ! |
| マーク | (流石、神子様ってところか。ゼロスから聞いてた通りだな。パイセンのこと、頼むぜ……) |
| コレット | うわぁ……見てみて、ネヴァン !どんどん高く上がっていくよ~。 |
| カーリャ・N | ええ。綺麗ですね……。 |
| コレット | あ、ビーチリゾートってあそこかな ?ヨットみたいなのがたくさん浮いてる ! |
| カーリャ・N | あれは、ウインドサーフィンだと思います。先ほど見た案内の中に記述がありましたから。 |
| コレット | へぇ、そうなんだ !帆の部分が色とりどりで綺麗だね~。イクスやミリーナもあの中にいるかな ? |
| カーリャ・N | ……どうでしょうか。この高さでは、判別は難しいかと……。 |
| コレット | そっか……。ちょっと残念だね。 |
| コレット | 私、いつも自分の羽で飛んでるでしょ ?でも自分で飛ぶのと、乗り物から見る景色ってやっぱり違うように感じる。 |
| カーリャ・N | ああ……そうかもしれませんね。私も、昔は空を飛べましたから。 |
| コレット | あ、そうだよね。なんだか嬉しいな。空を飛んだことのあるお友達が増えて。 |
| カーリャ・N | そ、そんな……。私なんかが友達だなんて……。 |
| コレット | 友達だよ。お友達で大事な仲間。だから……やっぱり心配なんだ。 |
| カーリャ・N | ? |
| コレット | あのね、ネヴァン。もし言いたくなかったら、言わなくてもいいんだけど……。 |
| コレット | どうしてミリーナたちのところに行かなかったの ? |
| カーリャ・N | それは……。 |
| コレット | なんとなく、なんだけどね。ネヴァンは本当はミリーナたちと一緒にいたいけど我慢して離れたんじゃないかなって思ったの。 |
| カーリャ・N | …………。 |
| コレット | ……ごめんね、変なこと言って。 |
| カーリャ・N | いえ……少し、驚いただけなんです。気づかれるとは思わなかったので。 |
| コレット | あの……どうして ? 何か訳があるんだよね ? |
| カーリャ・N | ……我慢しているという訳ではないんです。ただ……怖くなってしまって……。 |
| コレット | 怖い ? |
| カーリャ・N | イクス様や小さいミリーナ様と一緒にいるのは楽しくてお二人が仲良くなさっている様子を見ているのも微笑ましく思います。 |
| カーリャ・N | ですが……もしかしたら私は、無意識のうちにオリジナルのイクス様やミリーナ様のことを今のお二人に重ねてしまっているのではないか、と。 |
| カーリャ・N | 自分の知っている過去の記憶に囚われて今のお二人に押しつけてしまうことになってしまうかもしれないのが、怖いんです。 |
| カーリャ・N | その不安を、お二人の前で隠せる気もしなくて……。 |
| コレット | そっか……だから二人から離れようって思ったんだね。 |
| カーリャ・N | はい……。今日はお二人にゆっくり楽しんでいただきたかったですから。 |
| コレット | ネヴァンは優しいんだね。 |
| カーリャ・N | そうでしょうか……。お二人が、最初のお二人に囚われず、前に進もうとしていらっしゃるのに私は……。 |
| コレット | ……ネヴァンがそんな風に思うのは、ネヴァン自身が今のミリーナたちとネヴァンの知ってるミリーナたちが別の存在だって、わかってるからじゃないかな ? |
| カーリャ・N | え…… ? |
| コレット | 二人が別の存在だってわかってるから押しつけないように、重ねてしまわないようにって苦しんでる。 |
| コレット | 苦しむぐらいなんだから、心配しなくてもネヴァンは二人が違うミリーナとイクスなんだってちゃんとわかってるんだと思うよ。 |
| コレット | わかってて、違う二人のことが好きなんだよ。きっと。 |
| カーリャ・N | ! |
| コレット | ネヴァンが今のミリーナたちのことを大事に思っても最初のミリーナたちのことを忘れちゃう訳じゃないよ。好きって気持ちが増えただけじゃないかな。 |
| コレット | だから、そんな風に自分の気持ちを我慢して押し込めなくていいと思う。 |
| カーリャ・N | コレット様……。 |
| コレット | 私もね、昔は色々我慢してたの……。だから、ネヴァンの気持ち、少しはわかる気がする。自分が我慢すれば、みんなが幸せになれるって……。 |
| コレット | でもね、そうじゃなかったんだ。仲間のみんながそうじゃないって教えてくれたの。 |
| コレット | ネヴァンも、思いきって正直になってみて。きっと、だいじょぶだから。本当は、どうしたいの ? |
| カーリャ・N | ……思い出を、作りたいです。今のイクス様や、小さいミリーナ様と。カーリャ……私は、今のお二人も大好きなんです。 |
| コレット | うん…… ! 作ろうよ、思い出 !ミリーナたちもきっとネヴァンと一緒に遊びたい筈だよ ! |
| カーリャ・N | ……はい。明日は、小さいミリーナ様たちと一緒にリゾートを回りたいと思います。 |
| コレット | うん、それがいいよ !でもせっかくだから、今は私との思い出を作らせてね ! |
| カーリャ・N | もちろんです…… ! |
| Character | 4話【リゾート4 練習開始!】 |
| マルタ | うわぁ、エミル !その水着似合ってる、カッコイイ…… ! |
| エミル | そ、そうかな ? |
| マルタ | うんっ ! エミルは何でも着こなしちゃうからきっとどんな水着でも似合うと思ったけど今回は一番似合う色を選べたかも ! |
| エミル | ちょっと恥ずかしいけど……その、選んでくれて、ありがとう。 |
| エミル | マルタはよかったの ? |
| マルタ | あ……うん ! 私の水着のことより今はエミルの特訓に集中しなきゃ。私のせいで……ごめんね。 |
| エミル | マルタのせいじゃないよ ! |
| マルタ | う、うん……。 |
| テネブラエ | ……お二人とも。ミリーナさんたちが戻ってこられましたよ。 |
| ミリーナ | ウインドサーフィンの道具を借りてきたわよ ! |
| イクス | 俺たちも協力するよ。一緒に頑張ろう ! |
| エミル | ありがとう…… !一応、簡単なやり方は教わったけど意外と難しそうで、心配だったんだ……。 |
| カーリャ | 言葉で聞くのと実際にやってみるのとじゃ全然違いますもんねぇ……。 |
| ミリーナ | イクス、サーフィンはやったことあるわよね ?ウインドサーフィンにも応用出来ないかしら ? |
| イクス | うーん、名前は似てるんだけど、サーフィンとウインドサーフィンだと結構コツが違うんだ。 |
| イクス | 特に風を読まないといけないウインドサーフィンはちょっと難しくて……バランスの取り方は共通してると思うけど、全部は教えられないかもな。 |
| エミル | そうなんだ……。 |
| カーリャ | できる範囲はイクスさまに教えてもらってあとは独学って感じなんですかねぇ ? |
| ラタトスク | ちっ、この世界にも風のセンチュリオンがいれば簡単な話だったんだけどな。いや……シルフの力の気配を探れば何とかなるか ? |
| マルタ | え ! ? ラタトスク、本当 ! ? |
| ラタトスク | やってみなけりゃわからねえな。そもそも俺もエミルもこんなスポーツは初めてだ。思った通りに体が反応できるかもわからねえ。 |
| エミル | ………………。 |
| アステル | それなら、リヒターが教えてあげれば ? |
| カーリャ | ひゃっ ! び、びっくりした……。アステルさまとリヒターさまじゃないですか ! |
| テネブラエ | おや、まだいらっしゃったんですね。 |
| リヒター | 俺は帰るつもりだったんだがな……。 |
| アステル | またそんなこと言って。リヒター、エミルのこと心配してたじゃない。 |
| リヒター | 別に心配など―― |
| エミル | ………………。 |
| リヒター | ……いや、アリスたちが迷惑を掛けてすまない。 |
| エミル | あ、いや、そんな !リヒターさんが悪いわけじゃないですよ ! |
| アステル | 大会にも興味あるし、どうせ観戦するならエミルとラタトスクを応援したいしね。 |
| ラタトスク | ………………おう。 |
| アステル | それに、リヒターはウインドサーフィン経験者だよ。 |
| イクス | え ! ? そうなんですか ! ? |
| リヒター | そんな大した物じゃない。調査の合間に無理矢理アステルにやらされただけだ。 |
| アステル | けど、めちゃくちゃ上手かったよ !リヒターって無駄に運動神経いいよね……。羨ましい……。 |
| エミル | 無駄って……。でも、流石リヒターさん ! |
| カーリャ | ちなみにアステルさまはどうなんですか ? |
| アステル | 僕は全然 ! 運動は全部苦手だからね ! |
| テネブラエ | 朗らかにおっしゃいますね……。 |
| マルタ | ――リヒター、お願い。エミルにウインドサーフィンを教えて。 |
| リヒター | それは………………。 |
| マルタ | お願い ! 私のせいでエミルは大会に出なきゃならなくなって……。悔しいけど、アリスの言う通り今の私は役立たずになっちゃってる。 |
| エミル | マルタ……。 |
| マルタ | リヒターの気持ちも知ってるし遺恨があることもわかってるけど……。 |
| マルタ | 今の私にできることはリヒターに頭を下げることぐらいだから……。――お願いします ! |
| エミル | あ、あの ! リヒターさん、僕からもお願いします !僕たちがしたことを思うと図々しいレベルを超えているのは承知してます。 |
| エミル | でも、どうしても、デクスに勝ちたいんです !アリスの言葉、取り消してもらわないと。 |
| アステル | リヒター ? |
| リヒター | ――……わかった。 |
| マルタ | リヒター…… ! ありがとう ! |
| エミル | よ、よろしくお願いします ! |
| ミリーナ | よかったわね、エミル、マルタ ! |
| アステル | エミル、頑張ってね ! |
| テネブラエ | ………………。 |
| リヒター | エミル、そこで思いきって身体を倒せ !帆が風を受けるからバランスがとれる ! |
| エミル | はい…… ! |
| イクス | 膝を柔らかく使って !その方が安定するはずだから ! |
| エミル | はい ! こ、こうかな…… ! |
| リヒター | 上手いぞ。そのまま波に逆らわず、ボードと一体化したつもりで滑るように進め ! |
| エミル | よし、慣れてきたぞ…… !波と風に乗って、どこまでも…… ! |
| イクス | すごい ! こんなに早く上達するなんてエミルはセンスがあるんだな ! |
| リヒター | ああ……正直、驚いた。ここまでとはな。 |
| イクス | あ、戻って来た ! |
| エミル | リヒターさん ! 上手く出来てましたか ! ? |
| リヒター | それは、お前が一番良くわかっているだろう ?風を捕らえた感覚を掴んだんじゃないのか ? |
| エミル | はい…… !波と風が身体の一部になったみたいな感じがしてスーッと滑りました ! |
| リヒター | ああ、それでいい。あとはその感覚を身体に覚え込ませれば自在に操れるようになるはずだ。 |
| イクス | エミル、センスがあるよ。こんな短時間で真っ直ぐに進めるようになるなんて。 |
| エミル | そ、そうかな…… ? |
| リヒター | だが、まだ覚えなければならないテクニックはたくさんある。それを身に付けなければレースに勝つことはできないぞ。 |
| リヒター | もっとも、連続でやっても疲れて効率が落ちるだけだ。一度休憩を挟もう。 |
| エミル | で、でも、時間がないし……。 |
| リヒター | 急いては事をし損じる、と言うだろう。適度に休憩することは重要だ。 |
| イクス | そうだな。ミリーナたちがお茶を用意して待ってるって言ってたから、少し身体を休めよう。 |
| エミル | そう……ですね。わかりました。 |
| マルタ | あ、エミルたちが帰ってきた !おかえりなさい、すごかったよエミル ! |
| マルタ | あんなにカッコ良く乗りこなしちゃうなんてやっぱりすごいね、エミルは。 |
| エミル | リヒターさんとイクスの教え方が上手いからだよ。僕だけだったらこんな風には……。 |
| マルタ | そんなことないよ。アドバイスがあっても、それが上手くできるかはエミルの頑張り次第だもん。 |
| ミリーナ | そうよ、エミル。自信を持って !はい、お茶を入れたからゆっくり休んでね。 |
| カーリャ | お菓子もありますよ~ !腹ごしらえして、体力回復してください ! |
| エミル | うん。みんな、ありがとう ! |
| アステル | あ、リヒター、お疲れ様。無理してない ? 大丈夫 ? |
| リヒター | たまには水中で身体を動かすのも悪くない。……俺も何か食べるか。 |
| アステル | やきそば美味しいよ ! |
| リヒター | お前、昨日も焼きそばだっただろう……。よく飽きないな。 |
| アステル | 美味しいものなら三食同じでも飽きないよ。あー、海の家って最高 ! ジャンクフード最高 !フィールドワークって楽しいよね。 |
| リヒター | ……フッ。 |
| アステル | ――あ、そうだ。 |
| アステル | 明日のレースに向けて、過去にデクスが参加したレースレコードを調べてたんだけど、見てくれる ? |
| リヒター | ……これは……相当速いな。 |
| アステル | ……うん、正直、厳しい戦いだね。デクスは僕たちが思っている以上に上手いよ。ファンがついているのもわかる。 |
| リヒター | そうか……。 |
| アステル | このこと、エミルには―― |
| リヒター | 言っても自信を失うだけだろう。負けると思ってしまった瞬間、身体は硬くなる。 |
| リヒター | 無事にレースを終えるためにも何も知らないほうがいい。 |
| アステル | そうだね。それに勝負は下駄を履くまでわからないよ。エミル……頑張って。 |
| Character | 5話【リゾート5 対決は明日】 |
| マーク | お、帰ってきた。 |
| カーリャ・N | お帰りなさい、皆さん。 |
| イクス | マーク ! それに、ネヴァンも。もしかして、待っててくれたのか ? |
| マーク | ああ、いつまで経っても帰って来ないから何かあったのかと思ってな。ずいぶん遅かったじゃねぇか。 |
| イクス | あー、うん。それが―― |
| マーク | なるほど、そういうことかよ。ったく、エンタメ関係なら、揉め事起こさずにやれるかと思ったんだが、甘すぎたな。悪い。 |
| カーリャ | ホントですよ。アリスさまは口が悪すぎます !まあ、デクスさまがイベントを盛り上げてたのは確かなんですけど。 |
| ミリーナ | ウインドサーフィンの腕は間違いなかったものね。でも、エミルだってとっても上手だったのよ ! |
| マルタ | うんっ ! 私も見せてもらったんだけどね初めてだったのにすごく上手に乗りこなしてたの !さすがはエミルだよね ! |
| テネブラエ | エミル様も見守るマルタ様も楽しそうでまさにウインドサーフィンでウィンウィンですね。 |
| カーリャ・N | なるほど……。ウインドとウィンを掛けているんですね。 |
| マーク | パイセンも、どうでもいいことに真顔で突っ込むなって……。 |
| エミル | リヒターさんも協力してくれたから……それなりに上達したと思うんだ。まだまだではあるんだけど……。 |
| マルタ | そんなことないよ !エミルだったら絶対にデクスに勝てると思う !あんなに上手なんだもん。 |
| リヒター | …………。 |
| マーク | まあ、あまり連中が悪ノリするようなら言ってくれ。こっちで引き取る。 |
| マルタ | そういえば、ロイドたちは ? |
| マーク | もうチェックインしてそれぞれ部屋に行ってるよ。エミルたちの部屋の鍵ももう受け取ってあるぜ。ほら。 |
| エミル | ありがとう、マーク。 |
| マーク | で、リヒターとアステルは―― |
| リヒター | これから手配するつもりだ。本来は今日帰る予定だったからな。 |
| マーク | おっと、そうか。だったら俺が引き受けるよ。うちのもんが迷惑かけたせめてもの詫びだ。ちょっと待っててくれ。 |
| リヒター | 助かる。 |
| アステル | あー、よかった ! もうくたくただったんだよ。早くシャワー浴びて寝たいなー。 |
| リヒター | ……お前は焼きそばを食ってただけだろう。 |
| マルタ | よーし、それじゃあ今日はゆっくり休んで明日のレースに備えて―― |
| アリス | ――負けた後に「アリス様の仰る通りでした」って額に砂をこすりつける練習をしとかなきゃね。マルタちゃん。 |
| マルタ | アリス ! |
| アリス | ふふっ、ペットちゃん、今日一日ずいぶん頑張って練習してたみたいじゃない ? |
| マルタ | そ、そうよ !エミル、すっごく上手になったんだから。いくら相手がデクスだからって―― |
| アリス | あら、ちゃんと教えてあげてないの ?リヒターってば、ちょっと冷たいんじゃない ♪ |
| マルタ | は ? 何の話よ ? |
| アリス | ペットちゃんの実力じゃ、デクスには勝てないって話に決まってるでしょ ? |
| マルタ | そっ、そんなのやってみないとわからないじゃない ! |
| カーリャ | そうですよ ! ?エミルさま、すっごく上手だったんですから ! |
| アリス | 確かに、初心者にしては頑張ってたってアリスちゃんの下僕たちからは聞いてるわよ。そこは褒めてあげる。 |
| アリス | でも、あんなんじゃ勝つなんてム・リ。リヒターはそのこと、知ってるでしょ ? |
| アリス | デクスのレースレコードをアステルに探らせてぜーんぶチェックしてるんだから。 |
| エミル | えっ ? |
| アステル | あ、バレてた……。まあ、リヒターに言われたんじゃなくて僕が趣味でやったんだけどね。 |
| エミル | ……リヒターさん。デクスはそんなに速いんですか ? |
| リヒター | ……そうだな。 |
| カーリャ | で、でもっ !だからってやっぱりやってみないとわからないこともあるじゃないですか ! |
| アリス | どうかしらね~ ?そんな希望が持てる実力差ならいいんだけど。 |
| デクス | 悪いな、少年 ! 俺に憧れて練習に明け暮れたその努力は評価しよう。だがオレにはアリスちゃんへの溢れる愛が―― |
| アリス | うるさいわよ、2Kデクス。それじゃ、せいぜい頑張ってね~。 |
| デクス | あ、待ってよ、アリスちゃん~ ! |
| エミル | そっか……デクス、確かに上手かったもんね……。 |
| カーリャ・N | 私には、エミル様とデクス様の実力差はわかりませんがカーリャも言っていた通り、勝負はやってみなければわかりませんよ。 |
| ミリーナ | そうよ、エミル。始まる前から負けた気になっていたら勝てるものも勝てないわ。 |
| イクス | うん。それにウインドサーフィンの敵は競争相手だけじゃない。自然そのものだ。それはデクスも同じだろ。冷静に行こう。 |
| エミル | ……そうだね。ありがとう。 |
| エミル | …………。 |
| マルタ | エミル……。 |
| Character | 6話【リゾート6 信頼】 |
| エミル | えっと……確か、道具はこっちにしまってあるはず……。 |
| リヒター | 何をしている、エミル。 |
| エミル | うわぁ !りっ、リヒターさん ! ? |
| リヒター | ……今から練習をするつもりだな ? |
| エミル | え、っと。そうです……。 |
| リヒター | やはり、そうか。だが夜の海は危険だ。それはお前も理解しているだろう。 |
| エミル | そ、それは……。 |
| リヒター | 夜中にウインドサーフィンをやるなど非常識だ。命を落とすぞ。 |
| リヒター | もしここで事故を起こせば救世軍にも迷惑を掛ける。 |
| エミル | ……確かにその通りです。それでも、今のままだと僕はデクスに勝てません。 |
| エミル | だから、少しでも可能性を上げるために練習をしたいんです。 |
| リヒター | 馬鹿が ! 無謀は勇気じゃない ! |
| ラタトスク | フン。精霊を人間風情と一緒にするなよ。海で溺れて死ぬとでも思うか ? |
| ラタトスク | それともエミルをただの人間だとでも思っていないと腹が立って面倒なんて見られねぇってか ? |
| リヒター | ラタトスクか。 |
| ラタトスク | てめえはエミルの保護者気取りか ?大方、こうなることを予測して、エミルがホテルを抜け出さないように見張ってたんだろう。 |
| ラタトスク | エミルに無茶させたくねえならさっさとこのままじゃ勝てねぇって教えてやればよかっただろうが。 |
| ラタトスク | 手遅れの状態になってから言うからギリギリまで粘るなんて言い出すんだ。こいつの諦めの悪さは知ってるだろう。 |
| エミル | ラタトスク、やめてよ。リヒターさんはきっと、僕がショックを受けないように黙っててくれたんだ。 |
| ラタトスク | ショックを受けないように、な。バカバカしい。 |
| ラタトスク | リヒター、お前はエミルを信じてなかっただけだ。昔と同じように、ちょっと萎えることがあればやる気をなくすと思い込んでたんだ。違うか ? |
| リヒター | …………。 |
| エミル | リヒターさん……。 |
| ラタトスク | 確かに昔のこいつは臆病だった。自分に自信がねぇって、ウジウジウジウジしてキツいことは全部俺に押しつけてる時期もあった。 |
| ラタトスク | けど今回は違う。一度も俺の力を使おうとしなかった。それだけ真剣にやろうとしてるってことだろ。お前はそれをバカにしてんじゃねぇか ! |
| エミル | や、やめてよ、ラタトスク ! |
| リヒター | そうか……。だから貴様は、昼間の練習の間一度も顔を出さなかったのか。 |
| エミル | え ? あ……ラタトスクのこと、ですか ? |
| リヒター | ああ。こいつだってアリスに腹を立てていた筈だ。だが練習の時は一切顔を出さなかった。 |
| リヒター | 何を考えているのかと思ったが貴様はエミルを信じて託すつもりだったのか。 |
| ラタトスク | はっ。何を言い出すかと思えば。エミルは俺だ。俺が俺を信じるのは当たり前だろうが。 |
| ラタトスク | それに昼間、こいつに言われたんだよ。 |
| ラタトスク | ちっ、この世界にも風のセンチュリオンがいれば簡単な話だったんだけどな。いや……シルフの力の気配を探れば何とかなるか ? |
| マルタ | え ! ? ラタトスク、本当 ! ? |
| ラタトスク | やってみなけりゃわからねえな。そもそも俺もエミルもこんなスポーツは初めてだ。思った通りに体が反応できるかもわからねえ。 |
| エミル | ………………。 |
| エミル | ねえ、ラタトスク。今回の勝負だけどなるべく精霊の力を使わないでやりたいんだ。どうかな ? |
| ラタトスク | は ? 何を言ってるんだ、お前は。 |
| エミル | ……なんとなく、自分の力だけで勝たなきゃいけない気がして。 |
| ラタトスク | 精霊なんだから、精霊の力は自分の力だろうが。 |
| エミル | それはそうなんだけど―― |
| ラタトスク | ――人間との競争に精霊の力を使うのはフェアじゃないってな。 |
| リヒター | ……すまなかった、エミル。 |
| エミル | え…… ? |
| リヒター | ラタトスクの言う通りだ。俺は、出会ったばかりの頃のお前のイメージに囚われてしまっていたんだろう。 |
| リヒター | お前を信用していない訳ではなかった。だが……結果的にそうなってしまった。 |
| リヒター | お前は……自分の力で勝とうと思うほど強くなっていたんだな。 |
| エミル | ……はい。それに、元々この勝負を受けるって言ったのは僕の方です。 |
| エミル | だから、勝ちたかったんです。僕の力で……マルタのために。 |
| リヒター | ……そうか。 |
| リヒター | だが、こんな時間から練習をするのが危険だという事実は変わらない。だからせめて朝まで待て。 |
| エミル | で、でも…… ! |
| リヒター | 上手くなりたいと思うならば、安全を確保すべきだ。それに、体力を回復させることも重要だというのはお前もわかっているだろう ? |
| エミル | そう……ですね。 |
| リヒター | その代わり、明日は早朝から練習に付き合ってやる。寝坊しないと約束出来るならな。 |
| エミル | リヒターさん…… !ありがとうございます ! |
| アステル | あはは、やっぱりリヒターって世話焼きだよね。 |
| テネブラエ | ええ、全くです。 |
| リヒター | ! お前たち……。 |
| エミル | アステルさん !それに、マルタとテネブラエも……。 |
| テネブラエ | エミル様がこっそり出て行くのを見かけたのでマルタ様と共に追いかけてきたんですよ。 |
| アステル | 僕は、リヒターが出て行ったのを見かけたから。きっとエミルのところに行ったんだろうなって思ってたんだけど。 |
| マルタ | やっぱり、予想通りだったね。もしもこのまま行っちゃうつもりだったら私も止めようかなって思ってたけど……。 |
| マルタ | ……ありがとう、エミル。 |
| エミル | え…… ? |
| マルタ | さっきの話、全部聞いちゃった。私のために、自分で頑張ろうって決めて一生懸命練習してくれて……。 |
| マルタ | でも……私のせいで無理させちゃってるね。ごめんね。 |
| エミル | 違うよ、マルタ。確かにきっかけはマルタだったかもしれないけど決めたのは僕なんだ。 |
| エミル | マルタが酷いことを言われるのはどうしても我慢できなくって……。 |
| エミル | 頼りないかも知れないけど、僕精一杯やるよ。デクスに勝てるように。 |
| マルタ | ……頼りなくなんかないよ !私、信じてる !エミルなら絶対に勝てるよ ! |
| アステル | 何だか、自分と同じ顔の子が女の子と仲良くしてるのってちょっと羨ましいな。 |
| アステル | ……リリーナ……元気にしてるといいんだけど。 |
| リヒター | ………………。 |
| テネブラエ | リヒター。一つ、付け加えておきます。ラタトスク様はあなたに譲歩したんです。アステルさんに免じて。 |
| リヒター | 譲歩、だと。 |
| テネブラエ | 癇に障ったら失礼。ラタトスク様がアステルさんにしたことは、あなたにとって許しがたいことでしょう。 |
| テネブラエ | ですが、魔物を統べる王であり大樹の精霊である誇り高いラタトスク様が、自らの行いを悔いてあなたを気遣ったのです。 |
| テネブラエ | 自分が顔を見せれば不愉快になる。だからあなたがエミル様に力を貸してくれる間はむやみに顔を出すまいと。 |
| テネブラエ | 許せとは言いません。ですが、知っておいて下さい。 |
| リヒター | ……知ったことか。 |
| リヒター | エミル。もう寝ろ。後は全て朝になってからだ。俺も確実にデクスに勝てるような作戦がないか考えておく。 |
| アステル | あ……そのことなんだけど。 |
| アステル | 一つ作戦があるんだ。さっき、今回の調査の結果を纏めていたときに気づいたことがあって。 |
| アステル | 少し難しいかもしれないけどそれが上手く行けばエミルに勝機が生まれると思うんだ。 |
| 二人 | ! ! |
| エミル | そ、それはなんですか ! ?教えてください…… ! |
| アステル | うん。あのね―― |
| Character | 7話【リゾート7 レース当日】 |
| イクス | いい天気だなー !絶好のレース日和だ ! |
| カーリャ | はいっ ! もう受付は始まってるみたいですよ。エミルさま、もうエントリーしてきました ? |
| エミル | ううん、これからだよ。ギリギリまで練習してたから。 |
| マルタ | 朝から練習して、完璧な状態にしてきたから !だから絶対に勝てるよ ! |
| ロイド | おー ! すげー自信だな !それに、すごくいい顔してるぜ。これは期待できそうだな ! |
| エミル | うん ! 出来ることは全部やったから。リヒターさんやアステルさんも手伝ってくれたしきっと大丈夫。 |
| マルタ | うん、エミルなら絶対大丈夫 ! |
| しいな | 覚悟を決めたって感じだね。頼もしいじゃないか。 |
| リフィル | 勝負に勝つためには、技術や経験はもちろんだけれど心を強く持つということが重要ですものね。 |
| コレット | 頑張ってね、エミル !私たちも精一杯応援するからね ! |
| リーガル | 平常心を忘れないことだ。熱くなりそうなときこそ、冷静にな。 |
| エミル | はい、リーガルさん ! |
| プレセア | これ、私が作ったお守りです……。トンガリマダラトビネズミのブローチ……。海の中には持って行けなくても、荷物に付けて下さい。 |
| エミル | ありがとう、プレセア ! |
| テネブラエ | エミル様、そろそろ受付に参りましょう。エントリーに間に合わなくなってしまいます。 |
| エミル | あ、そうだね。 |
| ジーニアス | あれ、マルタとテネブラエはこっちで応援するんじゃないの ? |
| マルタ | 私たちはエミルのチームのスタッフとして参加するんだ。リヒターとアステルも一緒に来てくれるって ! |
| イクス | それは心強いな !リヒターさんたちも、エミルのことをよろしくお願いします。 |
| リヒター | ああ、心配するな。 |
| アステル | ビーチのことは色々調べてきたしその知識を役立てるように頑張るよ。 |
| エミル | それじゃあ、行ってきます ! |
| リーガル | 私はエミルのことをまだよく知らないが……今日のエミルは、いつもより気合いが入っているように見えるな。 |
| プレセア | はい……。きっと、マルタさんのために強くなろうと……心に決めているんだと思います。 |
| カーリャ・N | ……誰かのために、強く……。 |
| カーリャ・N | ………………。 |
| カーリャ・N | あの……ミリーナ様。今日はミリーナ様たちとご一緒しても構わないでしょうか ? |
| ミリーナ | ええ ! もちろんよ !昨日はネヴァンがいなくて寂しかったわ。今日は一緒にエミルの応援をしましょう ! |
| カーリャ・N | は、はい…… ! |
| コレット | よかったね、ネヴァン ! |
| カーリャ・N | あ、ありがとうございます、コレット様。 |
| イクス | それじゃあ、俺たちは観客席に移動するか ! |
| ロイド | だな ! 早く行って一番いい席確保しねーと ! |
| マーク | あ、悪いけど俺はパスだ。行きたいのはやまやまなんだが、この後カジノの様子を見に行かなきゃならないんで。 |
| イクス | そうなのか ? 残念だな……。 |
| マーク | ま、俺の分の応援はお前らに任せるから思いっきりやっといてくれや。 |
| カーリャ | わかりました ! カーリャがマークのお面を作って席においておきますね ! |
| マーク | 被るんじゃないのかよ ! ? |
| イクス | あはは ! それじゃあマーク、仕事頑張って。 |
| マーク | ああ、それじゃあな。 |
| リーガル | ふむ、あちらの方にいい席が空いているようだ。 |
| ロイド | お、本当だ ! とられる前に行こうぜ ! |
| コレット | そだね ! |
| コレット | ……あれ ? |
| プレセア | コレットさん……どうしたんですか ? |
| コレット | あれ、あれ…… ?私の魔鏡通信機がない……。 |
| リフィル | え ? 荷物の中にもポケットの中にも見当たらないの ? |
| コレット | う、うん……。どうしよう、部屋に置いて来ちゃったのかな ? |
| しいな | あ、もしかしたら落としたんじゃないのかい ? |
| ジーニアス | そういえば、今朝部屋を出るときに廊下でつまずいてたよね。 |
| ミリーナ | もしそうなら、ホテルの受付で聞いてみたらどうかしら。落とし物なら届けられているかもしれないし。 |
| コレット | そだね。今からならレースに間に合うだろうし私、ちょっと行ってくる ! |
| ロイド | 俺も一緒に行こうか ? |
| コレット | ううん、大丈夫だよ。ホテルはすぐそこだし、みんなは先に行って席をとっておいて ! |
| ロイド | そうか ? |
| コレット | うん ! 一番いい席を見つけておいてね。 |
| ロイド | はは、そうだな !じゃあ、コレットには一番見やすいところを確保しとくから ! |
| コレット | 楽しみにしてるね。それじゃあ、行ってきます ! |
| イクス | でも、なんか珍しいな。コレットのドジが幸運に繋がらないなんて。 |
| カーリャ | いえいえ、まだわかりませんよ ?今までずっとそうでしたからね ! |
| リフィル | そんな非科学的な……と言いたいところだけれど確かにコレットはとても運がいいのよね。 |
| リフィル | これは……きちんと統計を取ってみたらもっとはっきりするかも知れないわ……。 |
| ジーニアス | 姉さん……まさかそんなことまで研究するつもりなの ? |
| カーリャ・N | ………………。 |
| コレット | はぁ、魔鏡通信機、ちゃんと届いててよかった~。どうもありがとうございました。 |
| カーリャ・N | コレット様 ! 大丈夫でしたか ? |
| コレット | ネヴァン ! もしかして心配してきてくれたの ? |
| カーリャ・N | はい。……その、友達ですので。 |
| コレット | うん…… ! ありがと、ネヴァン !ほら、見つかったよ。 |
| カーリャ・N | それはよかったです。では、お席まで案内します。もうすぐレースの時間ですし。 |
| コレット | あ、そうだよね。レースが始まる前に急いで会場に―― |
| 母親 | メアリー ! ジョー ! ベス ! ダイアナ !みんな、どこに行ったの ! |
| コレット | ! あれって……。 |
| カーリャ・N | もしかして、人捜しでしょうか…… ? |
| コレット | ネヴァン、ちょっと待っててもらえるかな。 |
| コレット | ――あの、どうかしたんですか ? |
| 母親 | 子供たちが迷子になったようですの。困りましたわ。 |
| コレット | やっぱり、迷子だったんだ……。ねえネヴァン、捜してあげてもいいかな ? |
| カーリャ・N | はい、もちろんです。アルタミラの街からは出ていないんでしょうか ? |
| 母親 | はい、それは間違いありませんわ。 |
| コレット | じゃあ、街中で迷子捜しだね !あれ ? こういうこと、昔もあったような……。 |
| バルド | コレットさんにカーリャ !まさかこんなところでお会いできるとは。 |
| 二人 | ! ! |
| カーリャ・N | バルド ! ?あなたこそどうしてここに……。 |
| バルド | ナーザ様に頼まれて、レイカー博士たちの様子を見に来たんです。 |
| バルド | ところで……何かお困りの様子ですがどうなさったのですか ? |
| コレット | あ、はい。それが―― |
| バルド | なるほど、そういうことでしたか。それでは微力ながらこのバルドにもお手伝いさせて下さい。 |
| カーリャ・N | それは……。 |
| コレット | わあ、ありがとうございます !助かります ! |
| バルド | 困っている時はお互い様です。 |
| バルド | それに、あなた方がそんな風に困った顔をしていると心が痛みます。早くお二人にも、あちらのご婦人にも笑顔を取り戻して頂きたいですから。 |
| カーリャ・N | ……バルド、あなたは相変わらずですね。 |
| バルド | お褒めにあずかり光栄です、カーリャ。 |
| カーリャ・N | 今はネヴァンです。それにあなたを褒めたわけではありません。 |
| カーリャ・N | では、コレット様、バルド。子供たちを捜しに行きましょう。 |
| Character | 8話【リゾート8 迷子を捜して】 |
| コレット | メアリー、ジョー、ベス……これで三人はお母さんのところに連れて行けたね ! |
| カーリャ・N | はい。残るはダイアナだけですが……。 |
| バルド | コレットさん、ネヴァン。 |
| コレット | バルドさん !そっちにダイアナはいましたか ? |
| バルド | いえ、見当たらないので一度戻ってきました。他の三人はこの付近で見つかったんですよね ? |
| コレット | はい。みんな、お母さんのところに帰して後はダイアナだけなんですけど……。 |
| カーリャ・N | 一体どこに行ってしまったんでしょうか……。 |
| バルド | 可能性のある場所は全て見たつもりでしたが子供は小さいですから、思いがけない場所に入り込んでしまった可能性もありますね。 |
| カーリャ・N | 確かにありえますね。では、もう一度手分けして捜しましょう。私は右から見て回ります。 |
| コレット | じゃあ、私は左の方から―― |
| コレット | きゃっ ! |
| カーリャ・N | コレット様 ! |
| いかつい男 | チッ、ぼさっとしてんじゃねえ、気をつけろ !こっちは急いでんだ ! |
| カーリャ・N | 待ちなさい ! そちらからぶつかっておいて謝りもしないとは ! |
| カーリャ・N | ――行ってしまいましたか。 |
| コレット | ネヴァン、だいじょぶだよ。私がもっと気を付けてればぶつからなかったんだし……。 |
| バルド | ……妙ですね。 |
| 二人 | ? |
| バルド | あちらから女性にぶつかってきておいて暴言まで吐くとは許しがたい所業、と思ったのですが―― |
| バルド | あの焦り方、何かありますね。 |
| カーリャ・N | どういうことですか ? |
| いかつい男の声 | …… ! ………… ! |
| コレット | あ……待って !何か聞こえる。さっきの人だと思うんだけど……。 |
| いかつい男の声 | おい、カジノ襲撃の準備は整ったんだろうな ? |
| ダミ声の男の声 | ああ、こっちはもう全員集まっている。お前で最後だ。行くぞ。 |
| コレット | ……カジノ襲撃…… ? |
| カーリャ・N | え ! ? |
| バルド | あの男が言っているのですか ? |
| コレット | はい。さっきの人と、もう一人別の人が話している声が聞こえました。あっちです ! |
| バルド | 行きましょう ! |
| カーリャ・N | ええ ! |
| コレット | 確かこの辺から聞こえてきたんだけど……。 |
| カーリャ・N | いませんね……。でも、ここは行き止まりですし、空でも飛ばない限りはいなくなるなんてことは……。 |
| バルド | ……いえ。どうやら空ではなく地下の方ではないでしょうか。そこに、地下通路への入り口があります。 |
| カーリャ・N | ……なるほど。下水道を利用して侵入するつもりですね。 |
| バルド | そうでしょうね。コレットさん、男たちはカジノを襲撃すると言っていたんですね ? |
| コレット | はい ! 襲撃の準備は整った、とかもう全員集まってる、とか……。 |
| バルド | つまり、襲撃まで秒読みということですね。であれば、放っておくわけにはいきません。 |
| コレット | はい、急いで追いかけましょう ! |
| コレット | うわ、真っ暗だね……。 |
| カーリャ・N | そうですね。今、魔鏡術で明かりを点けます。コレット様、足元に気をつけて―― |
| コレット | ――きゃっ ! ? |
| バルド | おっと、お怪我はありませんか ? |
| コレット | す、すみません ! つまずいちゃって……。支えてもらってすみません……。 |
| バルド | いえ、どういたしまして。――おや ? |
| カーリャ・N | どうしましたか ? |
| バルド | コレットさんの足元に、何かが落ちていますね……。 |
| カーリャ・N | ……これは、髪留めですね。そういえば、先ほどメアリーがこれと同じものをつけていました。 |
| コレット | あ、それ……ベスもつけてたよ。 |
| カーリャ・N | ……まさか、この近くに迷子のダイアナが―― |
| バルド | ……シッ。人の気配があります。 |
| コレット | ! |
| バルド | ……あちらですね。物音を立てずに行きましょう。 |
| いかつい男 | よし、揃ってるな !ん ? なんでこんなところにガキがいる ? |
| ダミ声の男 | ここに入るところを見てくっついて来ちまったんだよ。 |
| いかつい男 | ガキなんざほっときゃいいだろ。 |
| ダミ声の男 | いや、念のためだ。どっから情報が漏れるかわかんねぇからな。 |
| コレット | あ ! ねえ見て、あそこにいる女の子……。 |
| カーリャ・N | はい。恐らくあの子がダイアナです。 |
| コレット | どうしよう、捕まっちゃってる……。助けないと ! |
| バルド | 私が切り込んで、ダイアナを確保します。お二人にはフォローをお願いしたいのですがよろしいですか ? |
| カーリャ・N | あなたは昔から敵陣に切り込んでばかりですね。いいでしょう。 |
| コレット | 任せて下さい。 |
| バルド | ――では、行きます。 |
| バルド | 失礼。このお嬢さんは返していただきますよ。 |
| いかつい男 | な、なんだ ! ? てめえはっ ! ? |
| ダミ声の男 | つ、捕まえろ ! |
| コレット | レイシレーゼ ! |
| カーリャ・N | ミラージュピラー ! |
| ダミ声の男 | ぐあっ ! |
| コレット | やらせない ! |
| ダイアナ | わ、私……助かったの…… ? |
| バルド | お嬢さん、少しお待ち下さい。今、奴らを片付けてしまいます。 |
| いかつい男 | お前ら、さっき地上でぶつかった連中か ! ? |
| カーリャ・N | カジノを襲うなど、言語道断 ! |
| コレット | そうだよ ! 救世軍のみんなお金がなくて大変だって言ってるのに ! |
| バルド | あなた方は幸運ですよ。犯罪に手を染める前に捕まえてもらえるのですから。 |
| カーリャ・N | 覚悟なさい ! |
| Character | 9話【リゾート9 勝負の行方】 |
| マーク | いやー、まさかカジノの襲撃が計画されていたとはな。 |
| バルド | ええ。以前このカジノの経営側だった人間がカジノを奪われた復讐のために人を集めていたようですね。 |
| マーク | 確かにそういう動きがあるとは聞いていたがあのときの支配人はまだ自警団の牢の中にいるんで当分動かないと思っていたんだよな。 |
| マーク | 助かったぜ。 |
| コレット | あれ、バルドさんはいつそのことを知ったんですか ? |
| バルド | ああ、先ほど捕らえた襲撃者たちとちょっと『お話』をさせていただきました。 |
| マーク | あのゴロツキ共も可哀想に。まあ、後はこっちで処理するわ。手を煩わせて悪かったな。 |
| バルド | いえ、私はカーリャ――ネヴァンとコレットさんのお力になりたかっただけですから。 |
| マーク | ……パイセンの、ね。 |
| マーク | つーか、さすが俺のパイセンだぜ。白昼堂々カジノが襲われたりしたら救世軍にとっては大ダメージだ。 |
| マーク | 帝国の連中を上手いこと誤魔化しながら資金集めの拠点にしてたってのに全て無駄になっちまう。 |
| カーリャ・N | いえ、私は何もしていません。コレット様とバルドが―― |
| マーク | 俺のパイセンは、謙虚だなあ ! |
| バルド | ええ、ネヴァンはそういうところがとても好ましいです。 |
| マーク | ああ、まったくな。 |
| バルド | ええ、本当に。 |
| 二人 | ? ? ? |
| カーリャ・N | ……あの二人は何を睨み合っているのでしょう。 |
| コレット | うーん、お友達になろうとしてるんじゃないかな ? |
| カーリャ・N | そう、でしょうか ? |
| カーリャ・N | それにしても、ダイアナも無事見つかってホッとしました。今回の事件が無事解決できたのは全てコレット様のおかげです。 |
| コレット | そんなことないよ。みんなで頑張ったからだよ。 |
| カーリャ・N | ……コレット様。 |
| コレット | ――あ ! ? そうだ ! エミルの応援 ! |
| カーリャ・N | そ、そうでした !きっともう、レースが始まっていますね ! |
| コレット | うん、急ごう ! |
| コレット | マーク ! バルドさん !私たち、エミルの応援に行きます ! |
| カーリャ・N | バルド……ありがとうございました。マーク、後はよろしく頼みますよ ! |
| バルド | ――おや、行ってしまいました。エミルのレースというのは…… ? |
| マーク | ……ああウインドサーフィンの大会に出てるんだよ。 |
| マーク | ……つーか、よく平気な顔でミリーナやカーリャの前にいられるな。 |
| バルド | 平気……というのとは、ちょっと違いますね。ミリーナさんはゲフィオンとは違いますしカーリャのことは……以前から案じていましたから。 |
| バルド | それに戦争による個人の憎しみを抱き続けるのは不幸な結果を招くのではありませんか。 |
| バルド | 憎しみを優先するなら、私はあなたのマスターも殺さなければなりません。 |
| マーク | フィルやカーリャを傷つけるような真似をしたら俺はあんたを許さない。 |
| バルド | 誓って、そんなことはしません。あなた方が、ウォーデン様の敵にならない限りはね。 |
| コレット | よかった、まだレースやってるよ ! |
| ミリーナ | あ、コレット ! ネヴァン ! どうしたの ?ずいぶん遅かったけど……。 |
| カーリャ・N | 色々あったんですが……詳しい話は後ほど。今、レースはどのような状況ですか ? |
| カーリャ | 今のところは接戦ですよ !エミルさまはいいスタートを切って結構前の方をキープしてる感じです ! |
| イクス | でも、まだまだデクスには追いつけそうになくてこのままじゃ、ちょっと厳しそうなんだ。 |
| カーリャ・N | そんな、エミル様……。 |
| コレット | ううん、まだだよ、まだ終わってないから……きっとエミルは勝てるよ ! |
| コレット | 頑張って、エミル…… ! |
| デクス | ははははは ! オレは今一陣の風 ! !このままどこまでも駆け抜け、鮮やかに届けオレの愛よ、アリスちゃんの元へ…… ! |
| エミル | くっ…… ! |
| エミル | (やっぱり速いな、デクス。あともうちょっとなのに、差が全く縮まらなくなっちゃった……) |
| エミル | (でも、あとちょっと……アステルさんが言ってたポイントまでは、この差が開かないように耐えぬかなくっちゃ…… ! ) |
| デクス | はははははっ ! もうゴールが見えた !今回のレースも勝者はオレだ~ ! ! |
| エミル | ……あ。 |
| ラタトスク | (おい、そろそろだぞ。俺は力を貸さない。自分で風を掴め) |
| エミル | (うんっ ! ) |
| テネブラエ | そろそろ例のポイントです。……あと三、二、一 ! |
| マルタ | 風が―― |
| リヒター | ――来た。 |
| デクス | おわっ ! なんだこの風 ! ? |
| エミル | よし、この風に……乗るっ ! |
| デクス | なっ ! ?な、なんであいつだけ風を掴んで……うわぁ ! |
| アリス | もー ! ?デクスったら、何ひっくり返ってるのよ !ペットちゃんに抜かれちゃったじゃない ! |
| テネブラエ | エミル様、お見事です ! |
| マルタ | エミルー !その調子で頑張って ! |
| アステル | 読み通りだったね。 |
| リヒター | ああ。その風を捕まえて一気にゴールまで行け ! |
| エミル | はあああああっ ! |
| エミル | あと少し…… !絶対……絶対に―― |
| マルタ | エミル―― ! ! |
| エミル | ――勝つ ! |
| 実況者 | ゴーーーーーーーール ! ! |
| 実況者 | 突然の突風に選手が次々と落下する中見事に優勝を決めたのはエミル・キャスタニエ選手だーっ ! |
| 会場の人々 | うおおおおおおお ! |
| エミル | やった……やったあ !優勝だ…… ! |
| Character | 10話【リゾート10 楽しいひととき】 |
| マルタ | エミル~ ! |
| マルタ | エミル、お帰りなさい ! 優勝おめでとう !すっごく、すっごくカッコよかったよ ! |
| エミル | ありがとう、マルタ !ゴール直前、マルタの声が聞こえた気がしてすごく力になった ! |
| マルタ | 本当 ! ?私はエミルを応援することしかできないからもし本当に、その声が届いてたなら嬉しいな ! |
| テネブラエ | いやはや、作戦通りにいってよかったです。 |
| アリス | もぉ~、なんでなの ! ?なんであのペットちゃんに負けちゃったのよデクス ! ! |
| デクス | うっ、ご、ごめんよアリスちゃん……。俺にも読み切れない突風が吹いて……。 |
| アリス | 言い訳なんていらないわ。相手がどんなズルをしたって負けは負けじゃない ! |
| マルタ | はぁ ! ? 何でズルしてる前提なの ! ?言いがかりはやめてよね ! |
| マルタ | エミルは昨日からずーっと練習してちゃーんと作戦通りに勝ったんだから ! |
| デクス | 作戦 ? マルタ、教えてくれ。どうして少年はあの突風を耐えられたんだ ?不意打ちであんな風に吹かれて耐えられるなんて……。 |
| アステル | それは僕が説明するよ。元々、この作戦を思いついたのは僕だからね。 |
| アステル | 僕とリヒターは、この付近の土地の調査をしてたんだ。そのときに、決まった周期で海上に突風が吹くことに気づいたんだよ。 |
| デクス | そういえば、毎日風が強い時間帯があったな……。 |
| アステル | うん、多分それ。一日の中のどのタイミングになるかは日ごとに少しずつ違ってて、今日はちょうどレースの時間と重なることまではわかった。 |
| アステル | 精霊の力が影響して起きているものだから単なる自然現象とはちょっと違ってポイントを予測しやすかったんだ。 |
| アリス | つまり、精霊の力を使って勝ったってこと ? |
| アステル | ううん、その逆。エミルは、風の発生する可能性のあるポイントを、頭に叩き込んで自分で風のタイミングに合わせたんだよ。 |
| デクス | そうか……そういうことだったのか。少年……大きくなったな。憧れのデクス様を倒すとは……恐れ入ったぜ……。 |
| エミル | ……え ? いや、別に憧れた覚えは―― |
| デクス | だが、これはオレの負けであってアリスちゃんの負けじゃない ! |
| アリス | はあ ? しもべの不手際はご主人様の責任に決まってるでしょ。マルタちゃん、今回は私の負けよ。悪かったわね。 |
| マルタ | アリス…… ! |
| リヒター | お前が大人しく負けを認めるとはな。 |
| アリス | いいのよ。今回の勝負は単なる余興。 |
| アリス | アリスちゃん、今日の大会でしっかり要求以上の儲けを出して、お仕事を終わらせたからとっても機嫌がいいの ♪ さ、デクス、帰るわよ。 |
| デクス | ごめんよ、アリスちゃん !今度こそアリスちゃんに華麗な勝利を捧げる !オレはもう二度と負けたりしない ! |
| デクス | 愛してるよ、アリスちゃ~んっ ! |
| マルタ | アリスが謝るなんて……。これもエミルのおかげだよ、ありがとう ! |
| エミル | ううん、マルタやみんなの応援のおかげだよ。こっちこそ本当にありがとう。 |
| バルド | ――フフ、やはりここにいましたか。 |
| リヒター | バルド……。 |
| バルド | エミルさんがレースに出ていると聞いてお二人も観戦していると思っていました。ナーザ様が心配していますよ。 |
| アステル | あははは……。ごめん。 |
| バルド | それと、コレットさん、ネヴァン。先ほどの子供たちの母君からプレゼントを預かって来ました。 |
| カーリャ・N | これは……水着ですか…… ? |
| バルド | 子供たちを無事に見つけてくれたお礼だそうです。確かにお渡ししましたよ。 |
| コレット | あれ、バルドさんの分は……。 |
| バルド | ああ、確かに私も水着を頂きましたがナーザ様を置いてバカンスを楽しむ訳には行きませんので。 |
| バルド | ――さあ、リヒター。レイカー博士。行きましょうか。 |
| アステル | えええ、せっかくならコレットとネヴァンの水着姿を見ていきたいよ。 |
| バルド | そうですね。きっとお似合いでしょうから私も拝見したいところですが……。ナーザ様に叱られてしまいます。 |
| リヒター | アステル、わがままを言うな。行くぞ。 |
| アステル | はーい。 |
| エミル | あ、あの、リヒターさん ! アステルさん !ありがとうございました ! |
| リヒター | ……元気でな、エミル。 |
| エミル | は、はいっ ! |
| アステル | ……ねえ、リヒター。昨日はごめんね。 |
| リヒター | 何だ、急に。 |
| アステル | 僕が死んだ後のリヒターの怒りや悲しみを無視したこと。 |
| リヒター | ………………。 |
| アステル | ちゃんと、わかってるよ。一人にしてごめんね。 |
| リヒター | 馬鹿が……。 |
| マルタ | ……行っちゃったね。 |
| エミル | ……うん。 |
| マルタ | ねえ、私たちもまだ帰るまで時間があるでしょ ?私、エミルと観覧車に乗りたい !あれなら酔わないし、ロマンチックだし……。 |
| エミル | ええ ! ? |
| マルタ | 嫌なの ? |
| エミル | いや、そういうわけじゃ……。 |
| イクス | はは、行っておいでよ。エミルは練習練習でずっと海だったしマルタとゆっくり過ごすのもいいと思うよ。 |
| エミル | そうだね。……じゃあ、行こうか、マルタ。 |
| マルタ | うん ! |
| テネブラエ | 私はイクスさんたちと一緒にいますので、ごゆっくり。 |
| ジーニアス | プ、プ、プレ……プレセア !ぼ、ボクもプレセアと……か、か、観覧車に……。 |
| プレセア | 観覧車……ですか ? はい、かまいません。 |
| ジーニアス | ホント ! ?ロイド、ボク、プレセアと行ってくるね ! |
| ロイド | おう、気を付けて行けよ ! |
| リフィル | 私は海の家で休もうかしら。 |
| しいな | あたしも ! 日焼けするのは嫌だしね。 |
| リーガル | では私も同行させてもらおう。この海の家で出されるアイスティーは私のこだわりの逸品だ。 |
| リフィル | リーガル、今日こそあなたには本当に美味しいコーヒーについて知ってもらいたいわね。 |
| リーガル | ふむ……。まあ、リフィルがそう言うのであれば話だけは聞くとしようか。 |
| ミリーナ | それじゃあ、私たちは水着に着替えましょうか ! |
| コレット | みんな、着替えてきたよー ! |
| カーリャ・N | あ、あの……おかしくは、ないでしょうか…… ? |
| ロイド | うん、二人ともよく似合ってるぜ ! |
| ミリーナ | 本当…… ! なんて可愛いの…… !抱きしめたくなっちゃう ! |
| イクス | 何だか、水着のネヴァンって新鮮だな。でもすごく綺麗だよ。 |
| カーリャ・N | あ、ありがとうございます…… ! |
| カーリャ | いいですね、いいですね !それじゃあ早速浜辺ではしゃぎましょうネヴァン先輩 ! |
| カーリャ・N | 浜辺ではしゃぐ、って、どうやって…… ? |
| カーリャ | それは……こうです ! |
| カーリャ・N | きゃっ !もう、カーリャ、やめてください ! |
| カーリャ | あはは、やめませんよー !ビーチと言えば、水のかけっこって決まってます ! |
| カーリャ・N | やりましたね、カーリャ !私もただでやられる先輩ではありませんよっ ! |
| カーリャ | むむむ、サイズ的に不利ですね !ミリーナさまぁ、加勢してください~ ! |
| ミリーナ | ふふ、わかったわ。イクス、行きましょう ! |
| イクス | そうだな ! |
| コレット | よかった…… ! ネヴァン楽しそう。 |
| ロイド | ああ、初日は寂しそうにしてたから心配だったけど……。 |
| コレット | ロイドも気付いてたの ? |
| ロイド | まあな。けど、コレットがネヴァンを誘い出したから大丈夫だって思ってた。ありがとな、コレット。 |
| コレット | ……ううん、ネヴァンが元気になってくれてよかった。 |
| ロイド | それにしても綺麗な海だよな。ゼロスもクラトスも参加出来ればよかったのに。 |
| コレット | うん。今度はゼロスやクラトスさんも一緒がいいね。 |
| コレット | ――ねえ、ロイド。私たちも海に入ろうよ ! |
| ロイド | コレット……。ああ、そうだな。 |
| コレット | えへへ、今日はとっても楽しみにしてたんだ。早く行こ ? |
| ロイド | ああ !帰る時間まで目一杯遊ぶぞ ! |
| コレット | うん ! |