| Character | 1話【精霊片を求めて】 |
| アルフェン | 待ち合わせ場所はここだよな。リタは……まだ来ていないみたいだ。 |
| シオン | 私たちが早く着きすぎたのよ。誰かさんが精霊片集めに張り切っているせいで。 |
| アルフェン | はは、ユーリたちから話を聞いていつか行ってみたいと思っていたんだ。 |
| シオン | まあ、精霊片がある地点が見つかってよかったわね。これで戦術の幅が広がるといいのだけれど。 |
| アルフェン | ああ。帝国軍との戦いに備えて俺たちも強くならないといけないからな。 |
| リタ | 二人ともずいぶん早いのね。はい、これ。点検しといたわよ。 |
| アルフェン | リタ !ありがとう、これが噂の精霊片吸引器だな。へえ、こうなってるのか…… ! |
| リタ | 気難しい子だから大事に扱ってちょうだい。使い方はわかる ? |
| シオン | 『詳細・精霊片吸引器説明書』には目を通したわ。これを使って私たちと相性のいい精霊片を集めるのよね。 |
| リタ | ええそうよ。念のため確認しておくけど精霊片はただ集めるだけじゃ意味がないの。どうすればいいのかはわかってる ? |
| アルフェン | ああ。集めた精霊片を、人工精霊核っていうものに固着させるんだよな。そうして初めて、精霊装が使えるようになる。 |
| リタ | そ。厳密に言えば、精霊の力を疑似的に借りられるようになるってわけ。 |
| シオン | 精霊の力を、借りる……。改めて聞かされると突拍子もないことを考えたものね。 |
| アルフェン | でも、俺たちと相性のいい精霊なんてよくわかったな。 |
| リタ | そういうデータも、こっちで解析してんのよ。簡単なことじゃないからそれなりに時間はかかるけどね。 |
| シオン | 私が水の精霊ウンディーネ、リタが闇の精霊シャドウそしてアルフェンが火の精霊イフリート、だったわね ? |
| アルフェン | 火の精霊か……炎の剣といい俺は何かと火に縁があるみたいだな。 |
| シオン | それは自分から首を突っ込んだ結果でしょう ?私を助けなかったら、あなただって炎の剣を手にすることもなかったはずよ。 |
| アルフェン | そうかもしれない。けど、俺はシオンと出会えたからここにいる。そのことは、どれだけ感謝してもし足りないくらいだ。 |
| リタ | ……なるほどね。話は聞いてたけどあんたも相当なお人好しって訳ね。 |
| アルフェン | あんたも ? |
| リタ | こっちにもそういう子がいるってだけよ。 |
| シオン | そう……あなたも苦労しているんでしょうね。 |
| リタ | まあね。けど、言っても聞かないでしょ ?こういうタイプは。 |
| シオン | ええ、本当に困ったものね。 |
| アルフェン | 二人とも、何の話をしてるんだ ? |
| リタ | あんたは気にしなくていいことよ。さ、話はこれくらいにしてそろそろ行くわよ。 |
| シオン | ええ、精霊の力を借りるのは初めてだけどうまくやってみせるわ。 |
| アルフェン | 火の精霊イフリートの力を纏う……。一体どんなものになるのか、待ちきれないな。 |
| リタ | あたしもやっと精霊片吸引器を自分で使えるんだものめいっぱい輝かせてあげるわ !それじゃ、出発よ ! |