| Character | 1話【TOF1 テイフェス帰り】 |
| イクス | ……あれ ? ここはどこだ ? |
| イクス | 確かテイフェスが終わってから、新横浜を出発してティル・ナ・ノーグ行きの船に乗ったはず……だと思ったけど……。 |
| イクス | ミリーナ ! カーリャ ! ナーザ将軍 ! |
| イクス | ……返事がない。俺一人しかいないのか ? |
| ? ? ? | あれ ?そこにいるのは……もしかして三番目のイクス ? |
| イクス | 三番目って……え ?じゃあ、もしかしてあなたは最初のイクスさんですか ! ? |
| イクス1st | やっぱりイクスか。どうしてこんなところにいるんだ ?ここは『生きている人間』が来ていい場所じゃないよ。 |
| イクス | そ……それってどういう意味ですか…… ?ま……まさか……ここは死後の世界…… ? |
| イクス1st | あはは、死後の世界が存在するなんて思ってるのか ? |
| イクス | え、じゃあ違うんですか ? |
| イクス1st | うーん。わかりやすく言うならここは夢の世界……のようなものかな。根拠はないけど、そう感じるんだ。 |
| イクス | 夢の世界……。 |
| イクス1st | なあイクス、体の方はどうだ ?具合が悪かったり、いつもと違うところはないか ? |
| イクス | いえ……特には……。 |
| イクス1st | そうか。じゃあ、特に切羽詰まった状況って訳じゃなさそうだ。 |
| イクス1st | だったらこの状況を楽しもう ! |
| イクス | …………は ? |
| イクス1st | 楽しもうは言い過ぎだったかな ?けど、何が起きているのか調査する必要はあるだろ ? |
| イクス1st | せっかくだから調査がてら、色々話を聞かせてくれよ。確かテイフェスに参加したんだよな。どんなことがあったのか興味もあるし。 |
| イクス | わかりました。確かにテイフェスの帰りにこんなことになったんだからテイフェスでの出来事を共有する必要がありますよね。 |
| イクス1st | いや、純然たる好奇心から聞きたいだけだよ。 |
| イクス | ……は……はは……。わ、わかりました。 |
| イクス1st | ――……あれ ?他にも誰かいるのかな……。人の気配がするけど……。 |
| ナーザ | ど、どうなっているのだ ! ?何故イクス・ネーヴェが沢山いる ! ?皆、まやかしか ! ? |
| イクス ? | まやかしなんかじゃない !僕はイクス・ネーヴェだ ! |
| イクス ? | 何 ? 俺様こそイクス・ネーヴェ様よ ! |
| イクス ? | いいえ。私こそイクス・ネーヴェです ! |
| イクス | ええ ! ? 俺がいっぱいいる ! ? |
| イクス1st | あははははは ! すごい !まるで熱を出した時に見る悪夢みたいだ ! |
| イクス | 喜んでる場合ですかー ! ? |
| Character | 2話【TOF2 夢の具現化】 |
| イクスA | なんて強さだ、イクス。完敗だよ。またいつか『世界』が交わるところで手合わせしたいな。 |
| イクスB | 今回は後れを取ったが、次は負けないぜ。 |
| イクスC | なるほど。やはり皆、それぞれのティル・ナ・ノーグから集められていたのですね。 |
| イクスC | 何故こうなったのか……。推測は私たちに勝ったイクスに任せましょう。いずれまたお目にかかれれば幸いです。 |
| ナーザ | 今のは一体何だったのだ。説明しろ、イクス・ネーヴェ ! |
| イクス | ええっと、そう言われても……。 |
| イクス | さっきの俺……イクスたちの言葉を聞く限りだとティル・ナ・ノーグの分史世界のようなものがある……ということのような…… ? |
| ナーザ | つまり、並行世界のイクス・ネーヴェがこの場所に集ったというのか ? |
| イクス1st | 多分そうだと思うよ。今流行りのマルチバースってやつだね。 |
| イクス1st | きっとそれぞれの世界にいるイクス・ネーヴェがこの場所に集められたんだ。 |
| ナーザ | 何故そのようなことが……。いや、そもそもここは一体どこなのだ。 |
| ナーザ | それに、貴様は最初のイクス・ネーヴェではないか !相変わらずふてぶてしい顔をしおって。 |
| イクス1st | えー ? だったらウォーデンだってふてぶてしい顔をしてるってことになるよ。俺の体なんだから。 |
| ナーザ | な、何だ ? いきなり俺のことをウォーデンと呼んでくるとは……。 |
| イクス1st | …………あれ ? もしかして……。 |
| イクス | イクスさん ? どうかしたんですか ? |
| イクス1st | あー、うん。ちょっとね。それより二人とも色々確認をしたいことがあるからテイフェスの話を聞かせてもらってもいいかな ? |
| ナーザ | ――……まあ、色々あったが最終的には黒幕の思惑を阻止しこうして帰路につくことができたという訳だ。 |
| イクス1st | 聞けば聞くほど楽しそうだなあ。羨ましいよ。俺もテイフェスに参加したかったな。 |
| イクス | イクスさん……。そうですね。俺もイクスさんと参加したかったです。 |
| ナーザ | ……貴様は俺が手にかけてしまったからな。そんなことがなければ、もしかしたら参加することも可能だったのかも知れないが……。 |
| イクス | ……あれ ? でも、それぞれの世界での生死とテイフェスの参加条件はイコールじゃありませんよね ? |
| イクス | というか……イクスさんって、そもそも亡くなっている…… ?なんか、記憶がふわっとしていて……。 |
| イクス1st | ――なるほどね。やっぱり二人は『俺』に関する記憶があやふやになっているのか。 |
| イクス | イクスさんには心当たりがあるんですか ? |
| イクス1st | まあね。でも、いったん俺の話は置いておこうか。 |
| イクス1st | まずは、今の状況を紐解いていこう。今回の事件の鍵を握ってるのはずばり『テイフェス』だと思うんだ。 |
| ナーザ | どういうことだ ? |
| イクス1st | テイフェスって場所は『夢』が具現化した場所なんだよな。 |
| イクス1st | 敵対していた人も、違う世界の人も時間の流れが違う人もみんなが新横浜に集合できるという『夢』のさ。 |
| イクス1st | そんな場所に、具現化という力を持つ鏡士のイクスが参加した。 |
| ナーザ | ……ふむ。テイフェスという『夢』の具現化の力とイクスの具現化の力が共鳴し合ったと貴様は考えているのだな。 |
| イクス1st | ああ。多分、テイフェスの熱狂に当てられたイクスは疲れて帰りの船の中で眠ってしまったんだ。 |
| イクス1st | そして眠っている間に具現化の力が暴走して自分が見ている夢を具現化してしまったんだと思う。 |
| イクス | でも、それならどうしてナーザ将軍やマルチバースのイクス・ネーヴェがここにやって来たんだろう……。 |
| イクス1st | まあ、ナーザ将軍は俺の体を使っているからね。巻き込まれたんだと思うよ。 |
| ナーザ | では、まるちばーすのイクスたちはどうなのだ ?同じ存在だからといって、そう簡単に多次元宇宙の自分が現れてたまるものか。 |
| イクス1st | それはきっと、テイフェス空間からティル・ナ・ノーグに移動する時に使うBNEゲートの影響じゃないかな。 |
| イクス | BNEゲート……。Beyond the worldNavigation Encoderですか。 |
| イクス | 確か、あらゆる『テイルズ オブ』世界の存在を一時的に一つの世界へ集結させる為に使う転送用のゲートですよね。 |
| ナーザ | ああ。俺たちもそこを通って新横浜に行ったな。そういえば、あれは世界の壁を越える超次元的な力を持っているそうだが……。 |
| イクス1st | 多分眠っているイクスは、夢を具現化している状態で今まさに、BNEゲートを通っているんじゃないかな。 |
| イクス | だから具現化された夢の世界にBNEゲートを通じて、マルチバースのイクス・ネーヴェが召喚されている…… ? |
| イクス1st | おっと、また現れたな。彼らもどこかの世界のイクス・ネーヴェなんだろう。彼らを元の世界に帰してあげないと。 |
| ナーザ | あの者たちを気絶させて、ここに存在する力を弱めれば先程のイクスたち同様に自分の世界に帰っていくのではないか ? |
| イクス | わかりました。やってみましょう ! |
| Character | 3話【TOF2 夢の具現化】 |
| ナーザ | 皆、それぞれの世界へ戻っていったようだな。 |
| ナーザ | しかし、もし最初のイクス・ネーヴェの言う通りなのだとしても、マルチバースのイクス・ネーヴェが召喚されている理由がわからぬぞ。 |
| イクス | ………………。 |
| ナーザ | ん ? 心当たりでもあるのか ? |
| イクス | ……俺、テイフェスが凄く楽しかったんです。 |
| イクス | だから……俺だけじゃなくて、最初のイクスさんや二人目のイクスにも、あの楽しさを知って欲しいって思っていました。 |
| イクス | みんなそれぞれがティル・ナ・ノーグのイクスだから……。 |
| イクス1st | そうか。その気持ちとBNEゲートの力が結びついて具現化された夢の世界に、自分とは違うイクス・ネーヴェを呼び寄せてしまったんだな。 |
| ナーザ | なるほど……。まあ、そういうこともあるのだろう。 |
| ナーザ | ところで最初のイクス・ネーヴェよ。俺や三番目のイクスの貴様に関する記憶がぼやけている点はどうなのだ ? |
| イクス1st | あー、その話、覚えてたかー。失敗したな。 |
| イクス | え ? 何かあるんですか ? |
| イクス1st | まあ、大した話じゃないよ。テイフェスの参加者はどんな状態で集うのかってこと。 |
| ナーザ | BNEゲートを使うと、そこを通った『テイルズ オブ』世界の住人は、その場にふさわしい記憶だけを保持して新横浜に到着する……のではなかったか ? |
| イクス | そうでしたね。そう聞きました。それと、それぞれの世界に戻るときはテイフェスでの記憶をBNEゲートに預けて行くって。 |
| イクス1st | ああ。だから今のイクスとナーザ将軍も本来のティル・ナ・ノーグの時間軸とは違うテイフェスに『ふさわしい』記憶を保持しているんだ。 |
| イクス1st | だから俺がこの場にいることをおかしいとは思わない。本来の俺は――もう消えているのに。 |
| 二人 | ! ! |
| イクス1st | ありがとう、イクス。イクスがテイフェスに参加してくれて、『俺たち』にもテイフェスを体験させたいって思ってくれたから、俺は今ここにいるんだ。 |
| イクス | ……そうだ。そうだった。イクスさんは……もう……。 |
| ナーザ | ……そうであったな。イクス・ネーヴェ。 |
| ナーザ | 貴様と友になれたことは俺の人生の大きな財産となった。 |
| イクス1st | ありがとう、ウォーデン。 |
| イクス1st | イクス、これからも頑張ってくれよな。 |
| イクス | ――はい ! |
| ? ? ? | イクスさん、俺たちもそろそろ行きましょう。 |
| イクス1st | あ、なんだ。やっぱり来てたのか !声を掛けてくれればよかったのに。 |
| ? ? ? | いや……。もしも俺が割って入って何かこの世界に異変が起きたら大変だから余計なことはしない方がいいかなって……。 |
| イクス | きみは……。 |
| ? ? ? | 初めまして、イクス。やっぱり存在が近いから俺も呼ばれちゃったみたいだよ。BNEゲートのおかげだな。 |
| イクス | まさか、きみは―― |
| ? ? ? | ミリーナのこと、よろしく頼むよ。ずっと見守ってるからって。 |
| ? ? ? | あ、ここでの記憶はBNEゲートに持っていかれちゃうのか。でも……大事な幼なじみだからさ。 |
| イクス | ……わかった。任せてくれ。 |
| イクス1st | さあ、二人とも、そろそろ目覚める時間だよ。 |
| ? ? ? | さようなら、イクス。それにナーザさん。 |
| イクス1st | いつかまた、BNEゲートをくぐった先で再会できる日が来ることを祈ってるよ。 |
| イクス | ―――― ! |
| イクス | …………あ……あれ…… ?何だろう。何か、凄い夢を見ていたような……。 |
| イクス | ……何だかわからないけど、楽しかった気がする。 |
| イクス | それに……大事な人にも会えたような気が……。 |
| イクス | ……うん。きっと、素敵な夢を見ていたんだな。 |
| イクス | また夢の続きが見られるように今日も頑張っていこう。 |
| イクス | さてと――コーキス、起きろ ! 朝だぞ ! |