| Character | 1話【宿命1 ティルグランド再び】 |
| エル | わーい、ついたー !なんか、にぎやかなカンジする ! |
| ルル | ナァ~ ♪ |
| ルドガー | これは、ティルグランドか。前に呼び出されたときにやっていたお祭りだな。 |
| ユリウス | ルドガーとエルは来たことがあったのか。 |
| ルドガー | そうなんだ。まあ、あのときも色々あって大変だったんだけど……。 |
| エル | でも、みんなでがんばって、パレードしたよね ! |
| ルドガー | ああ。お客さんも俺たちも全力で楽しんだ最高の時間になったよ。 |
| ユリウス | そうか。いい思い出だな。 |
| オリエ | みなさーん ! |
| エル | あ、オリエだー ! |
| ワイズマン | お久しぶりです、皆さん。本日はお呼び立てしてしまい申し訳ありません。 |
| ユリウス | 構わないさ。ルドガーとエルに楽しい思い出がある場所なら俺も見てみたいしな。 |
| エル | エルも、ユリウスと来られてよかった !けど、なんでまた呼んでくれたの ? |
| ルドガー | 今度はこのティルグランドで何か新しいことをやるのか ? |
| ワイズマン | ええ、おっしゃる通りです。 |
| ワイズマン | 実はこのたび、ティルグランドに新しいエリアを開設することになりまして。 |
| オリエ | 私もまたお手伝いさせていただきます ! |
| エル | そうなんだ ! じゃあ、そのかわいいお洋服も ? |
| オリエ | ふふ、可愛いですよね !これは、新エリアのお披露目会のために作っていただいた衣装なんです。 |
| オリエ | 新エリアは、その名も『ティルグミュージアム』 ! |
| ルドガー & エル | おお…… ! |
| ワイズマン | そのアンバサダーに就任していただいたオリエさんの衣装合わせをしていたところだったのです。 |
| ユリウス | なるほど。それだけ力を入れているエリアなんだな。 |
| エル | へー、すごそー !でも、みゅーじあむって何 ? |
| ルドガー | そうだな……色々なテーマごとに資料の展示や解説なんかがあるところなんだけど。 |
| エル | うーん…… ? |
| ルドガー | まあ、言葉だけじゃわからないよな。 |
| オリエ | それでは、今から一緒に行きませんか ? |
| エル | いいの ! ? |
| オリエ | はい !お披露目会の前に、皆さんの意見をぜひ聞かせてください ! |
| ワイズマン | 今回お呼び立てしたのはそれが目的なのです。 |
| ワイズマン | 他の方々にもお声がけしてすでに入っていただいております。 |
| ルドガー | そうだったのか。じゃあ、さっそく行ってみようか。 |
| エル | うん ! |
| ルル | ナァン ! |
| ユリウス | 次元図書館のミュージアムか……。どんな展示がされているのか、楽しみだ。 |
| オリエ | よかったです !それではこちらへ―― |
| 園内放送 | 迷子のお知らせをいたします。ただいま、エル・メル・マータさんがお連れ様をお待ちです。 |
| 園内放送 | お心当たりのある方は、噴水広場までお越しください。繰り返します―― |
| ルドガー | エル・メル・マータ ! ? |
| エル | エル、迷子じゃないよ ! ! |
| ユリウス | ああ、その通りだが……どういうことだ ? |
| ワイズマン | 申し訳ありません、私にもなんとも……。 |
| ルドガー | まったく同じ名前の子がいるのか ?いや、でも……。 |
| ユリウス | ……行ってみるか ? |
| ルドガー | ああ……。エル、ミュージアムの前に噴水広場に行ってもいいか ? |
| エル | うん。おんなじ名前の人、気になるし ! |
| オリエ | では、まずは噴水広場にご案内しますね。行きましょう ! |
| Character | 2話【宿命2 もう一人のエル】 |
| オリエ | この先が噴水広場です。放送の通りなら、そこにエルさんと同じ名前の―― |
| ヴィクトル | エル ! |
| エル | パパ ! ! |
| ルドガー | ヴィクトルさんも来ていたんですね。 |
| ヴィクトル | ああ、ワイズマンに声をかけられていた。到着したところで園内放送を聞いたのだが……。 |
| エル | あのね、違うの !エルはずっとルドガーたちと一緒だったけどエルが迷子になってて、えーっと……。 |
| ? ? ? | よかった。ヴィクトル、やっぱりここにいたんだ ! |
| ルル | ナァ ? |
| ? ? ? | 突然、光に包まれて気づいたら一人で……周りの人に話を聞いてもなんか噛み合わないしどうしようかと思っちゃった。 |
| ルドガー | え、っと……。 |
| ? ? ? | あっ、ルドガーに小さいエルそれにユリウスも !よかったー、みんなここに来てたんだね ! |
| ? ? ? | 何がなんだかわからなかったからとにかく私を知ってる人がいないかと思って園内放送をお願いしたんだ ! |
| ? ? ? | やっぱり大正解だったね ! |
| ルドガー | ちょ、ちょっと待ってくれ !君は、エルという名前なのか ? |
| ? ? ? | もちろん、私はエル・メル・マータだよ。 |
| ヴィクトル | 菫色の瞳……。本当に、エル……なのか…… ? |
| ? ? ? | うん、そうだけど……みんな、どうしたの ? |
| ? ? ? | まさか、ここは分史世界…… ? |
| ワイズマン | いえ、分史世界ではありません。 |
| ? ? ? | うわぁ ! ? あ、あなたは…… ? |
| ワイズマン | 私はワイズマンと申します。あなたはここ、アークに別の世界から迷い込んでしまったのです。 |
| ? ? ? | アーク…… ? |
| ユリウス | ワイズマンが正式に呼んだわけではないということか。しかし、エルという名前で、俺たちのことも知っているとは……。 |
| ワイズマン | 彼女は、オリエさんと同じ世界の住人です。 |
| オリエ | なんと ! 私と同じ世界の方でしたか。 |
| ? ? ? | あ、うん。えっと、オリエも私のこと覚えてない…… ? |
| ワイズマン | こちらのオリエさんはあなたと出会う前の時点からアークにお越しいただいておりまして……。 |
| ? ? ? | ちょっと昔のオリエってこと ?な、なんかややこし~。 |
| ルドガー | そうか、オリエの世界にも別の俺たちが存在しているんだったな。 |
| エル | じゃあ、この人は別の世界のエルなの ! ?エル、こんなにおっきくないよ ! ? |
| ワイズマン | そのことも含め、ご説明いたします。今、一体何が起きているのかを―― |
| ユリウス | なるほど。なんらかの力の影響を受けて彼女はアークに迷い込んでしまったのか。 |
| ルドガー | オリエの世界でも、分史世界にいた十年後のエル、か……。元の世界には戻れるのか ? |
| ワイズマン | それはご安心ください。きちんと私の力でお帰しいたしますので。 |
| エル(アスタリア) | ふぅ、よかった。もしここが分史世界とかだったら帰れるかわかんないしね。 |
| ルドガー | …………。 |
| エル(アスタリア) | どうしたの、ルドガー ? |
| ルドガー | あ、いや……。本当に大人になったエルなんだなあ、と思って。 |
| エル(アスタリア) | だからそう言ってるじゃない。ま、あっちの世界のルドガーも最初は気付かなかったんだけどね。 |
| ルドガー | そ、そうだったのか……。けど、確かに面影はあるな。 |
| ユリウス | ああ。特に笑った顔はそっくりだ。 |
| 二人 | ホント ! ? |
| 二人 | あははっ、そろった ! |
| ルル | ナァ~ン ! |
| エル | でもエル、なんか嬉しい !こんなに背が伸びて、キレーになるんでしょ ? |
| エル(アスタリア) | えへへ。美容にも気を遣ってるからね。 |
| エル | うわ~、オットナー ! |
| ヴィクトル | …………。 |
| エル | ねえ、おっきいエルはもう帰っちゃうの ? |
| エル(アスタリア) | うーん、まだよくわかってないんだけど別の世界の人間が長くいたりしても大丈夫なのかな ? |
| ワイズマン | それは問題ございません。では、正式にエルさんをアークのゲストとして歓迎することにいたしましょう。 |
| ワイズマン | 出会いは事故でしたが、せっかくのご縁ですから。ぜひアークを楽しんでいってください。 |
| 二人 | やったー ! |
| ユリウス | よかったな、二人とも。 |
| ルドガー | それじゃあ、大人のエルも一緒にこのままティルグミュージアムに行こうか。 |
| エル(アスタリア) | うん ! みんな、よろしくね ! |
| ヴィクトル | …………。 |
| Character | 3話【宿命3 魅惑のミュージアム】 |
| エル | うわ~、ひろー ! ! |
| ルル | ナァ~ン ! |
| ルドガー | すごいな。展示物ごとに、解説も細かく書かれている。 |
| ユリウス | ここだけでも圧巻だがずいぶんと奥のほうまで続いているようだ。 |
| オリエ | はい !このミュージアムは六つのエリアに分かれています。 |
| オリエ | 『星のカケラ』、『光と闇の救世主』『結晶の大地と導きの光』『追憶の楽園(エデン)』―― |
| オリエ | それから『アヴァロンに眠る輝石』に『双星の宿命』という名前のエリアです。 |
| オリエ | それぞれ、私や大人のエルさんの世界で活躍した英雄たちについて触れられているとワイズマンさんが言っていました。 |
| オリエ | 私も、すべてを把握しているわけではないですが……。 |
| エル(アスタリア) | 私も知らないことは多いよ。こうやって見ると、本当に色んなことがあったんだね。 |
| ルドガー | 膨大な情報量だもんな……。展示物も、見たことないものばかりだ。この、不思議な機械はなんだ ? |
| エル(アスタリア) | これは、カタグラフィだね。アンマルチア族の道具なんだって。 |
| ユリウス | アンマルチア族というと、パスカルたちの一族か。 |
| エル(アスタリア) | あ、そこはそっちの世界も一緒なんだ ! |
| ルドガー | けど、解説を読んでみると人間関係はだいぶ違っているみたいだな……。ミクリオが貴族の息子、とか。 |
| オリエ | そのあたりは、複雑な事情があると聞きました。一度世界が作り替えられてしまった、と。 |
| ユリウス | 世界を作り替える、か……。 |
| ルドガー | 分史世界でもない、まったく別の世界にも自分がいるってのは、なんだか不思議な感じだな。 |
| ユリウス | ああ。分史世界の成り立ちとは根本的に違う独立した世界でも、似たような世界があるのだな。たしか、カノンノたちの世界もそうだったか。 |
| ルドガー | どこまでが同じで、どこからが違うのか……ちょっと気になるよな。 |
| エル | エル、むずかしい話はわかんないー ! |
| ユリウス | はは、すまない。せっかく見事な展示が並んでいるんだ。小難しいことはやめにしておくか。 |
| ルドガー | そうだな。エル、何か気になるものはあるか ? |
| エル | ある ! でも、その前におっきいエルに聞いていい ? |
| エル(アスタリア) | うん、どうしたの ? |
| エル | おっきいエル、ルドガーたちのこと知ってたしそっちの世界でもパパやルドガーやユリウスと一緒だったんだよね ? |
| エル(アスタリア) | ……うん、そうだよ。一緒だった。 |
| エル(アスタリア) | 私もね、ルドガーの相棒なんだよ。 |
| エル | ホント ! ?じゃあ、ルドガーといっぱいボーケンしたの ! ? |
| エル | エル、そのお話聞きたい ! |
| エル(アスタリア) | あはは、いいよ !でも、ちょっとだけ待ってくれる ? |
| エル(アスタリア) | 先に、あなたのパパと話をしたくって。 |
| エル | パパと ? 別にいいけど……。 |
| ヴィクトル | 私も構わない。エルたちは先に回っていてくれるかな ? |
| オリエ | では、お二人が話をされている間に皆さんをご案内しますね ! |
| ユリウス | わかった。では俺たちは先に行かせてもらうか。 |
| エル | うん。でも、すぐに来てよ ?エル、みんなと見たいし。 |
| エル(アスタリア) | 了解 !それじゃ、また後でね ! |
| エル | ばいばーい ! |
| ルル | ナァ~ン ! |
| ヴィクトル | ……では、いったんミュージアムを出よう。 |
| エル(アスタリア) | うん。行こ ! |
| Character | 4話【宿命4 別世界の物語】 |
| オリエ | 私の住んでいた世界で起こった歴史をまとめ展示しているこのミュージアムですが……。 |
| オリエ | こうして改めて見ると、世界は本当に色々な人の力で支えられてきたのだなと感じます。 |
| ルドガー | そうだな……。俺たちがいるティル・ナ・ノーグも、同じだ。 |
| ルドガー | イクスやミリーナ、別の世界の鏡映点たち……みんなが協力して守り抜いたから今がある。 |
| エル | エルも難しいことはわかんないけどみんなで守ったんだよ、っていうのはわかった ! |
| ルル | ナァー。 |
| エル | ルルもだって ! |
| オリエ | ふふ、よかったです。 |
| オリエ | あちらには、私の世界にあった道具や宝石を実際に触っていただけるコーナーもありますよ。模造品なので、動いたりはしませんが。 |
| ルドガー | それなら安心だな。エル、行ってみるか ? |
| エル | うん、行くー ! |
| ルル | ナァン ! |
| ユリウス | ……オリエ、少し聞いてもいいか。 |
| オリエ | はい、なんでしょう ? |
| ユリウス | 俺たちの元の世界と君の世界は独立して存在しているが共通している部分もあるんだよな ? |
| オリエ | はい、そうですね。 |
| ユリウス | それは、どこまで似ているものなんだ ? |
| オリエ | ええと、ユリウスさんに関することですと……たとえば、クルスニク一族の在り方についてはだいたい同じかと。 |
| オリエ | 分史世界が存在していますし、脱出の方法も同じみたいです。 |
| ユリウス | ならば『オリジンの審判』もあるんじゃないか ? |
| オリエ | はい、そのようです。 |
| ユリウス | そうか……。たとえ別の世界でもクルスニクである以上、俺たちはその運命から逃れられないのか……。 |
| オリエ | ユリウスさん……。 |
| ユリウス | ああ、すまない。あまり感傷に浸っていてはルドガーたちから心配されてしまうな。 |
| ユリウス | ただ、もう一つだけ聞いておきたい。あのエルの父親も『ヴィクトル』と名乗っていたのか ? |
| オリエ | ワイズマンさんのお話だと、そのようです。あちらのエルさんは、分史世界のルドガーさんと十年に渡り旅を続けて……。 |
| ユリウス | なるほど、そういうことか……。だからヴィクトルと話をしたかったんだな。 |
| オリエ | 恐らく……。 |
| ユリウス | つまり、ヴィクトルは父であり―― |
| ユリウス | ……いや、それは俺が知るべきことではないな。 |
| ユリウス | ありがとう、オリエ。 |
| オリエ | いえ、お役に立ててよかったです。 |
| エル | ユリウス、オリエ、おそーい ! |
| ユリウス | すまない。オリエに展示物の話を聞いていてな。 |
| エル | えー、それなら言ってくれればよかったのに ! |
| ユリウス | 悪かったよ。今度こそ一緒に見よう。 |
| エル | うん ! |
| エル | あ、あれ ?ルルは ? 今度はルルがいないよ ! |
| ルドガー | ええ ? まあ、ルルが勝手にどっか行くのはいつものことだけど……。 |
| ルドガー | 展示物を壊したりしたらマズいよな。俺が捜してくるから、みんなは先に行っててくれ。 |
| エル | えー ! エルはみんなと一緒に見たいの ! |
| オリエ | では、いったんみんなでルルさんを捜すのはいかがでしょう ? ヴィクトルさんたちのお話も終わっているかもしれませんし。 |
| ユリウス | ああ、そうしようか。 |
| ユリウス | それじゃあ、俺とルドガーはこのままルルを捜すからエルはオリエとヴィクトルたちを呼んできてくれるか ? |
| エル | うん、わかった !行こ、オリエ ! |
| ルドガー | オリエ、すまないがエルを頼む。 |
| オリエ | はい、お任せください ! |
| ルドガー | お~い、ルルー。どこだー ? |
| ユリウス | ルルー。ルールルルルー ♪ |
| ルル | ナァ~。 |
| ルドガー | ルル ! そこにいたか。 |
| ルドガー | あ ! 展示品を持ってきちゃったのか ?ダメだろ、べ、弁償なんてことになったら…… ! |
| ユリウス | これは、黒匣か ?模造品だろうが……。 |
| ユリウス | ! ? なんだ、この黒い……くっ…… ! |
| ルドガー | うわぁ……っ ! |
| Character | 5話【宿命5 別世界の自分】 |
| エル(アスタリア) | ――それじゃあ、ルドガーたちもヴィクトルの正体は知ってるんだね。 |
| ヴィクトル | ああ、だから君は特に気を遣わなくていい。 |
| エル(アスタリア) | そっか、よかった。迂闊なことを言ってヘンな空気にしちゃったらマズいなって思ってたからさ。 |
| エル(アスタリア) | 教えてくれてありがとう。それじゃあ、みんなのところに―― |
| ヴィクトル | 待ってくれ。私からも、君に確認しておきたいことがある。 |
| エル(アスタリア) | う、うん。なに ? |
| ヴィクトル | ……君の父親は生きているのか ? |
| エル(アスタリア) | ……私のパパは、死んだよ。 |
| エル(アスタリア) | ルドガーが、パパを……。 |
| ヴィクトル | ……。 |
| エル(アスタリア) | パパは、私を犠牲にして世界を守ろうとしたんだ。私も、それでみんなが助かるならいいと思ってた。 |
| エル(アスタリア) | だけど、ルドガーが私を守ってくれて……。 |
| ヴィクトル | そうか。……君は、『生き延びた』のだな。 |
| エル(アスタリア) | え ? |
| ヴィクトル | いや……それで、憎くはなかったのか ? |
| エル(アスタリア) | ルドガーのこと ?……ううん、憎んでなんかいないよ。 |
| エル(アスタリア) | もちろん、パパが死んだときは本当につらかった。けど、ルドガーが私を守ろうとしてくれたのは確かだし……。 |
| エル(アスタリア) | その後も、誰も犠牲にしないで世界を救う方法を探そうって、一緒に旅を続けたんだ。もうこんなこと、終わりにしなくちゃって。 |
| エル(アスタリア) | でも……結局、ルドガーも……。 |
| ヴィクトル | 分史世界の存在だった、か。……やはり、どのような世界でも分史世界の者が幸せに暮らせることはないのか。 |
| エル(アスタリア) | でも、でもね !ルドガーと小さいエルは―― |
| エル | あ、パパとおっきいエル、ここにいたー ! |
| エル | もうムズカシー話、終わった ? |
| ヴィクトル | ああ、終わったよ。待たせてしまったね。 |
| エル | うん。あのね、中でルルがいなくなっちゃったの ! |
| オリエ | それで、お二人にお声がけしに来たんです。今はルドガーさんとユリウスさんが捜してくださっています。 |
| エル(アスタリア) | それは大変 !わかった、私たちも手伝うよ ! |
| エル | うん ! それで、ルルを見つけたらみんなで一緒に見て回るの ! |
| ヴィクトル | ああ。では中に―― |
| エル(アスタリア) | …… ?ねえ、なんか悲鳴みたいな声、聞こえない ? |
| オリエ | ! ワイズマンさんから通信です ! |
| ワイズマン | オリエさん、皆さん !現在、ティルグランド内に突如魔物が発生し混乱が起きています。 |
| ワイズマン | 他にお呼びしている鏡映点の方々が対処にあたってくれていますが広範囲に及ぶため追い付かない状況です…… ! |
| ワイズマン | 大変申し訳ありませんが、皆さんには噴水広場の魔物に対応いただけないでしょうか ? |
| エル(アスタリア) | もちろんだよ ! ね、ヴィクトル ! |
| ヴィクトル | ああ。しかし、エルは―― |
| エル | 大丈夫 !隠れるの得意だし ! |
| エル(アスタリア) | そういうこと !エルを信じて ! |
| ヴィクトル | ……そうだったな。 |
| オリエ | 私もエルさんをお守りします !みなさん、行きましょう ! |
| Character | 6話【宿命5 別世界の自分】 |
| ヴィクトル | 魔物は――あれか ! |
| エル(アスタリア) | うわ、すごい数…… ! |
| ヴィクトル | 君は戦えるか ? |
| エル(アスタリア) | もちろん ! 伊達に十年相棒やってないよ ! |
| ヴィクトル | よし。オリエは後方でエルを守りつつ全体の状況を見てくれるか ? |
| オリエ | わかりました ! |
| エル | パパー ! おっきいエルー ! がんばれー ! |
| ヴィクトル | ゼロディバイド ! |
| エル(アスタリア) | イグニションバレット ! |
| オリエ | お見事です !ヴィクトルさん、右後方からエルさんには左手からも敵が迫っています ! |
| ヴィクトル & エル(アスタリア) | 了解 ! |
| オリエ | さすがの手際ですね !あとは、正面の大きい魔物だけです ! |
| ヴィクトル | よし。私が先行する、君は隙を見て一撃を ! |
| エル(アスタリア) | わかった ! |
| ヴィクトル | ヴォルテックチェイサー ! ! |
| エル(アスタリア) | 外さない ! ファイア ! ! |
| ヴィクトル | いいサポートだ、畳みかける ! |
| エル(アスタリア) | ! 今だ、仕掛けるよ ! |
| 二人 | はああああああっ ! |
| オリエ | やりました !素晴らしい連携です ! ! |
| エル | すごー ! !二人とも、ずっと一緒に戦ってたみたい ! |
| ヴィクトル | ああ。上手く合わせてくれたな。 |
| エル(アスタリア) | えへへ。誰かさんと一緒に戦うのは慣れてるからね ! |
| エル | かっこいー !エルも、パパと一緒に戦えるようになりたーい ! |
| エル(アスタリア) | すぐになれるよ。なんたって、あなたはエルなんだから !……あれ ? |
| エル(アスタリア) | 帽子がちょっと汚れてるよ。触っていい ? |
| エル | えっ ! うん、キレイにして ! |
| エル(アスタリア) | 待ってね。よ、っと……これで大丈夫 ! |
| エル | ありがとう !さっき走ってるとき、落としちゃったから。 |
| エル | でも破けたりしなくてよかったー ! |
| エル(アスタリア) | その帽子、大事なんだね。 |
| エル | うん ! パパとの約束を守っていい子にしてるとごほうびが入ってるんだよ ! |
| エル | ティーカップとかキレイなセミのヌケガラとか手あみのてぶくろとか ! |
| エル | エルの『約束の帽子』は魔法の帽子なの ! |
| エル(アスタリア) | そっか……。 |
| エル(アスタリア) | じゃあ、今度は落とさないように気を付けないとね ! |
| ヴィクトル | …………。 |
| ワイズマン | 皆さん、ご無事ですか ? |
| オリエ | ワイズマンさん !はい、こちらの魔物はヴィクトルさんと大人のエルさんが倒してくれました。 |
| ワイズマン | それは何よりです。こちらはアクシデントの原因を調べていたのですが……。 |
| ワイズマン | アークに何かしらの次元干渉があった結果魔物が発生したようです。 |
| オリエ | それってまさか、またディストさんやハスタさんが関わっていたり…… ? |
| ワイズマン | いえ、以前問題を起こしたあの方々は『出入禁止』とさせていただいております。 |
| ワイズマン | 念のため確認しましたが彼らの気配はなく……。ただ、かつての後遺症のようなものが残っている可能性は否定できません。 |
| ヴィクトル | では、一度ティルグランドを見回って確認を―― |
| ? ? ? | …………。 |
| 全員 | ! ? |
| ヴィクトル | 下がれ、エル ! |
| エル(アスタリア) | こいつ、シュヴァルツ ! ? |
| シュヴァルツ | …………。 |
| エル(アスタリア) | って、無言のままなの、ちょっと怖いんだけど ! |
| オリエ | この反応…… ! |
| ヴィクトル | 心当たりが ? |
| オリエ | 以前、ティルグランドに出現した光の神殿でこういう状態の白き獅子の皆さんやイアハートさんが現れたんです ! |
| オリエ | まったく意思がなくただ動くだけで……。 |
| ワイズマン | どうやらオリエさんの推測で正解のようです。 |
| ワイズマン | 今解析しましたが、これはオリエさんたちの世界の人物が反映された幻のような存在です。 |
| エル(アスタリア) | 幻ってことは、特に害はないの ? |
| ワイズマン | いえ、実体はあります。それに、このまま放っておくとアークに悪影響を及ぼす可能性が―― |
| ワイズマン | 皆さん、ご無事ですか ! ? |
| エル(アスタリア) | うん、なんとかかわしたけど…… ! |
| ヴィクトル | ゆっくり話している場合ではないな。奴を叩くぞ ! |
| オリエ | はいっ ! ! |
| Character | 7話【VSシュヴァルツ?】 |
| ヴィクトル | 終わりだ ! |
| エル(アスタリア) | ふぅ……やったね ! |
| エル | これでもう平気 ? |
| ワイズマン | いえ、そういうわけにはいかないようです。 |
| オリエ | ワイズマンさん !まだ何か問題が…… ? |
| ワイズマン | 現在、幻のシュヴァルツがあちこちに出現し魔物と共に攻撃を仕掛けてきています。 |
| エル(アスタリア) | ええっ ! ? |
| ヴィクトル | 被害状況は ? |
| ワイズマン | 今は鏡映点の皆さんが抑えてくれています。実はもう一点、気になることがありまして……。 |
| ワイズマン | ミュージアムの中心から、大きな次元の揺れを感じるのです。 |
| オリエ | それが今回の騒動の原因…… ! ? |
| ヴィクトル | 可能性は高いな。 |
| エル(アスタリア) | でも、ティルグランドのあちこちに魔物が現れてるんだよね ? 二手に分かれる ? |
| ユーリ | こっちは心配すんな。オレたちで食い止めてやるさ。 |
| エル(アスタリア) | ユーリ !……も、私の知らないユーリかな ? |
| ユーリ | ん ? なんだ、新顔か ? |
| エル(アスタリア) | 私はエル。別の世界から来た十年後のエルだよ ! |
| ロイド | ええっ ! ? お前、エルなのか ! ?しかも別の世界から、って……。 |
| コレット | でも、確かにエルに似てるよ。おっきくなったエルって感じ。 |
| エドナ | さっきワイズマンから説明があったでしょ。オリエの世界から迷い込んだ子がいるって。 |
| スレイ | ああ、君がそうなのか ! |
| ベルベット | まさか、未来のエルだとは思いもしなかったわ……。っと、悠長に話している場合じゃないわね。 |
| カノンノ・E | 魔物のほうは今、みんなで協力して倒してるよ ! |
| アスベル | こっちは任せて、オリエたちはミュージアムに向かってくれ ! |
| ルカ | その間、僕たちがティルグランドの人たちを守るよ。 |
| ミラ=マクスウェル | そちらも戦力が少なく厳しいかもしれないがお前たちなら大丈夫だと信じている。成長したエルもいることだしな。 |
| エル(アスタリア) | もちろん !ヴィクトルとのコンビネーションもバッチリだし ! |
| ヴィクトル | そうだな。 |
| ユーリ | んじゃ、そっちは頼んだぜ ! |
| ヴィクトル | やるべきことは決まったな。ワイズマン、詳しい場所を―― |
| エル | ねえ ! ルドガーとユリウスは ? |
| ヴィクトル | ……そういえば、伝えないまま来てしまったな。 |
| ヴィクトル | 二人から連絡は……来ていないし繋がりもしない。 |
| エル(アスタリア) | 二人ともミュージアムにいるんだよね ?それに、これだけの騒ぎがあって連絡もないのはおかしいと思う。 |
| エル | ルドガー…… ! |
| エル(アスタリア) | でも、何かに巻き込まれていたとしても大丈夫だよ ! あの二人の強さはよーく知ってるでしょ ? |
| エル(アスタリア) | それでもピンチになってるんだったら私たちが行って、助けてあげなきゃ ! |
| エル | ! !うん ! エルはルドガーのアイボーなんだし ! |
| エル(アスタリア) | そういうこと ! |
| ワイズマン | 今、異常が起きている場所の詳細をオリエさんの通信機にお送りしました。皆さん、どうかよろしくお願いします。 |
| 二人 | 任せて ! |
| Character | 8話【VSユリウス】 |
| エル | ルドガー ! ユリウスー ! ルルー ! |
| エル(アスタリア) | 返事はない、か。パッと見た感じ、おかしなところはないけど。 |
| オリエ | ワイズマンさんが言っていた場所はこの先の区画です ! |
| エル | 今、なんかヘンな感じした…… ! |
| ヴィクトル | ああ。しかも、知った感覚だ。まるで分史世界に入ったときのような……。 |
| ユリウス | …………。 |
| エル | あ、ユリウス !もー、いたなら返事してよね ! |
| ヴィクトル | 待て、エル ! 近づくな ! |
| エル | え ? |
| エル | きゃあっ ! ! |
| ヴィクトル | くっ ! 何をしている、ユリウス ! ! |
| ユリウス | ……の……を……。 |
| ヴィクトル | …… ? |
| ユリウス | その娘を、こちらに渡してもらおうか。 |
| エル(アスタリア) | ちょっと、何言ってるのユリウス ! |
| エル | ユリウス…… ? |
| ヴィクトル | あきらかに様子がおかしいな…… !これは―― |
| エル | ユリウスから黒いのが ! |
| ヴィクトル | 時歪の因子化しているのか ! ? |
| エル(アスタリア) | 違う…… ! これは、時歪の因子化じゃなくて負の因子が憑りついてるんだ ! ! |
| ヴィクトル | 負の因子…… ? |
| エル(アスタリア) | 私の世界にあったものだよ。全部、壊したはずなのに……。 |
| オリエ | ……これも、アークで起こっている次元干渉の影響なのかもしれません。 |
| オリエ | 以前アークで異変が起こったときは光の神殿だって出現したんです。 |
| オリエ | 今回も同じように、私たちの世界にあるものが生まれてしまったのでは……。 |
| エル(アスタリア) | そんな…… ! ?でも、これは確かに……。 |
| ヴィクトル | その負の因子というのはなんなんだ ?どういう―― |
| ユリウス | 何をコソコソ話している !その娘を渡せ ! |
| ヴィクトル | くっ ! |
| ヴィクトル | ……話を聞く暇はなさそうだな。 |
| エル(アスタリア) | うん、今はユリウスを止めよう ! |
| エル(アスタリア) | 負の因子は、時歪の因子と同じでクルスニクの力があれば壊せるんだ ! |
| エル(アスタリア) | それで、ユリウスも元に戻るはずだよ ! |
| ヴィクトル | わかった。エル、できるだけ離れているんだぞ。 |
| エル | う、うん…… ! |
| ヴィクトル | 何が起こっているのかはわからないが今すべきことは一つだけだ。 |
| ヴィクトル | ユリウス !お前を止める ! |
| Character | 9話【VSユリウス】 |
| ユリウス | くっ……。 |
| エル | ユリウス、大丈夫…… ? |
| ユリウス | ……ああ、問題ない。すまない、手間をかけたな。 |
| エル | よかった ! ! |
| エル(アスタリア) | やっぱり、ユリウスに負の因子が憑りついていたんだね。 |
| ヴィクトル | その『負の因子』について、詳しく説明してもらえるか ? |
| エル(アスタリア) | うん。これは私の世界のヴィクトルが、自分の『世界』を救うために作ったものなの。 |
| ヴィクトル | その『世界』というのは、君たちが住んでいた分史世界のことか ? |
| エル(アスタリア) | ……そう。ヴィクトルは『道標』を改造して負の因子を作り上げ私たちがいる分史世界が消えないようにしたかったの。 |
| エル(アスタリア) | 何も失わないために……他の全てを犠牲にしてでも。 |
| ヴィクトル | ……だが、分史世界が生き残る道はない。 |
| ユリウス | 正史世界と時歪の因子があるかぎりはな。だから、君の世界も―― |
| エル(アスタリア) | ううん、違うの !正史世界も、分史世界も、みんなが協力して守ることができたんだ ! |
| ヴィクトル | ……なに ? |
| エル(アスタリア) | もちろん、失ったものもある。間に合わなくて消えちゃったものは返ってこなかったよ。 |
| エル(アスタリア) | でも、守れたものもあるの !すっごく小さな光だったけど……それでも、みんなで手を伸ばした。 |
| エル(アスタリア) | その希望を、ルドガーは掴んだんだよ ! |
| ユリウス | 希望、か……。 |
| ヴィクトル | 世界は違えど、私のすることだ。全てを犠牲にしてでもと腹を据えたのも理解できる。 |
| ヴィクトル | 大切な存在が、健やかに生きられるのならば……。 |
| エル | パパ…… ? |
| ヴィクトル | いや。なんでもないよ、エル。 |
| オリエ | ユリウスさん、本当に大丈夫ですか ?まだ顔色が悪いようですが……。 |
| ユリウス | ……今の話を聞いて、思い出したんだ。黒いもや――負の因子に囚われた瞬間に感情の制御が効かなくなった。 |
| ユリウス | なんとしてもルドガーを守らなければという感情が溢れ出て、そのためにはエルが必要なのだと思い込み―― |
| ユリウス | ……そこからは、記憶がほとんどない。 |
| ユリウス | 怖い思いをさせてしまったな、エル。 |
| エル | 平気だよ !パパが守ってくれたもん。 |
| ヴィクトル | …………。 |
| エル | それにルドガーを守らなきゃ ! って思ったのはルドガーのことがとっても大切だからでしょ ? |
| エル | それならいいよ !パパがエルを守ってくれたみたいにユリウスがルドガーを守るんだから ! |
| ユリウス | はは……ありがとう。 |
| エル(アスタリア) | で、そのルドガーは ?ユリウスと一緒にいたんでしょ ? |
| ユリウス | ああ。黒匣のようなものから負の因子が噴き出して……あいつも浴びてしまったと考えたほうがいいな。 |
| ルル | ナァー。 |
| エル | ルル ! |
| エル | もー、どこ行ってたの ? |
| ルル | ナァン ! |
| エル | あっ、待ってよー ! |
| エル(アスタリア) | もしかして、あっちにルドガーが ! ? |
| オリエ | 私たちも行きましょう ! |
| ユリウス | …………。 |
| ヴィクトル | どうした ? |
| ユリウス | いや……。負の因子に憑かれていた間妙な記憶が蘇ってきたんだ。 |
| ユリウス | ルドガーが俺を守るために、ジュードやミラたちと戦う姿……。 |
| ユリウス | かと思えば、先へ進むためにルドガーが俺と戦う様子……。 |
| ユリウス | あるはずのない記憶が蘇るというのもおかしな話だがそうとしか言いようがないほど生々しい感覚だった。 |
| ヴィクトル | ユリウス……。 |
| ユリウス | いや、今考えても仕方のないことだな。とにかく、まずはルドガーだ。行こう。 |
| ヴィクトル | ……本当に変わらないな、兄さんは。 |
| エル | ルルー ! まってー ! |
| ルル | ナァー ! |
| エル(アスタリア) | ! ! エル、気をつけて !その先、おかしいよ ! |
| ヴィクトル | なんだこれは……。空間に亀裂が ! |
| ? ? ? | う……く……あぁ…… ! |
| ユリウス | ルドガー !亀裂の向こうにいるのか ! ? |
| エル | 苦しそうだよ ! ? 早く助けなきゃ ! ! |
| ユリウス | ああ、行くぞ ! |
| ユリウス | ルドガー ! |
| ルドガー | エ……ル……。 |
| エル | ルドガー、大丈夫 ! ? |
| ルドガー | エルを……エルを俺から奪うつもりなのか…… ! |
| ヴィクトル | やめろ ! |
| ルドガー | そうだ、俺が……殺したんだ……エルのために、ジュードたちを……兄さんも…… ! |
| ヴィクトル | お前……。 |
| ユリウス | やはり負の因子に憑りつかれているのか……。 |
| エル | あれ、なんか落ちてる……。 |
| エル(アスタリア) | これは……マティス式魔導器 ! ?しかも負の因子とクロノスの力両方の反応がある……。 |
| エル(アスタリア) | もしかして、二つが混ざり合って『ありえた未来』にルドガーは飲み込まれているのかも…… ! |
| ユリウス | ありえた未来、か。なるほどな……。 |
| ヴィクトル | だが、そんなものに囚われる必要はない。 |
| ユリウス | ああ。未来は自分で選ぶんだ。お前はもう選べる。そうだろ、ルドガー ! ? |
| ルドガー | アアアアアッ !ウオオオオオオオオオ ! |
| エル(アスタリア) | ! ! 骸殻能力を…… ! |
| ユリウス | 俺たちもやるぞ、ヴィクトル。 |
| ユリウス | ルドガー、待っていろ。お前は必ず助け出す ! |
| Character | 10話【VSルドガー】 |
| ルドガー | ううう……アアアアッ ! |
| ユリウス | くっ ! ルドガー、目を覚ませ ! ! |
| ルドガー | 俺が……俺が、兄さんたちを…… !アアアアアアアッ ! |
| ルドガー | 俺が殺したんだあああああ ! |
| ヴィクトル | 違う ! |
| ヴィクトル | それは、君が選択した未来ではない。 |
| ルドガー | クッ……ぅ…… ! |
| ヴィクトル | 君は君の未来を生きろ…… ! |
| ヴィクトル | 祓砕斬・零水 ! ! |
| ルドガー | うわああああああっ ! |
| エル | ルドガー ! ! |
| ルドガー | う……あ……エ、ル…… ? |
| エル | ルドガー、ルドガー !大丈夫…… ? |
| ルドガー | エル……助けにきてくれたのか…… ? |
| エル | 当たり前でしょ !エルはアイボーなんだから ! |
| ルドガー | ……ああ。ありがとう……。 |
| エル(アスタリア) | ……よかったね、エル。 |
| ユリウス | なんだ…… ! ? |
| オリエ | た、大変です ! 次元の裂け目が閉じていきます ! |
| エル(アスタリア) | ウソ…… !もしかして私たち、閉じ込められた ! ? |
| エル | ええっ !エルたち、どうなっちゃうの…… ? |
| ルル | ナァ~……。 |
| ? ? ? | 大丈夫だよ。 |
| エル | えっ ? 男の子の声 ? だれ ? |
| 二人 | クロノス ! ! |
| クロノス | 生憎だが、我はお前たちの知るクロノスではない。そこにいる娘とは、何度か顔を合わせているがな。 |
| エル(アスタリア) | じゃあ、あなたは私の世界の…… !でも、どうして……。 |
| クロノス | 我の世界に関わりのあることだからな。お前たちをアークとやらへ送ってやる。 |
| ユリウス | 俺たちを助ける、というのか ? |
| クロノス | 不本意ではあるが―― |
| ? ? ? | 僕が頼んだんだ。 |
| オリジン | 初めまして、僕はオリジン。巻き込んでしまって、ごめんね。 |
| ユリウス | お前が、オリジン…… ! |
| オリジン | そう。今回の事件は、僕たちの世界とアークの干渉で小さな歪みができてしまったことが原因なんだ。 |
| オリジン | 僕たちの世界のエルがアークに迷い込んだのも負の因子やシュヴァルツの幻が現れたのもそのせいだね。 |
| オリジン | でも、だからこそ僕たちもこうやって干渉ができる。君たちを助けられるんだ。 |
| クロノス | ……先に干渉してきたのは、アークとかいう世界だ。故に、あちらに責任を持たせれば良いものを。 |
| オリジン | だからって、見て見ぬ振りはできないよ。 |
| ルドガー | そうか……ありがとう。 |
| クロノス | ……フン。 |
| オリジン | やっぱり、君たちには無限の可能性があるんだね。 |
| オリジン | 歪みは僕とクロノスが修正しておくよ。それじゃあ、これからも自分の世界を大切にして生きて。 |
| ワイズマン | 皆さん、このたびも事件を解決していただきありがとうございました。 |
| ルドガー | みんな無事でよかったよ。いや、俺は助けられる側だったんだけど……。 |
| エル | おっきいエル、とっても強かったんだよ ! |
| エル(アスタリア) | ルドガーに見せられなかったのが残念だな~ !ま、エルがどれだけ強くなるか、楽しみにしてて ! |
| ルドガー | あはは。本当に不思議な感覚だな。ありがとう、二人とも。 |
| 二人 | うん ! |
| ユリウス | ミュージアムのほうはどうなるんだ ? |
| ワイズマン | お披露目は延期ということになりました。今回の件で修繕が必要な箇所が出ましたし他に異変がないかも確認しなければなりません。 |
| エル(アスタリア) | まあ、そうだよね。みんなと一緒に見たかったけど、しょうがないか。 |
| エル | えっ ! ?おっきいエル、もう帰っちゃうの ? |
| エル(アスタリア) | うん、あんまり長居するのもね。それに、小さいエルとルドガーのこと見てたら私も相棒に会いたくなったんだ。 |
| エル | それって、おっきいルドガー…… ?だから、ええと……。 |
| エル(アスタリア) | そう !だから、相棒のところに帰るね。 |
| エル | そっかぁ……。 |
| ワイズマン | では、大人のエルさんはシャドウを残していかれてはいかがでしょう ? |
| エル | ! ! そうだよ !そしたらエル、もっといっぱいお話できる ! |
| エル(アスタリア) | シャドウ…… ? |
| ワイズマン | エルさんの姿と記憶を投射した存在です。今まで他の世界から訪れた方々も多くが皆さんと絆を築き上げ、残していかれました。 |
| オリエ | 実は、私もシャドウなんですよ。 |
| エル(アスタリア) | ああ、そういうことだったんだ !うん、じゃあ私もそうするよ ! |
| エル | やったー ! |
| エル(アスタリア) | ねえ、ヴィクトル。 |
| ヴィクトル | なんだ ? |
| エル(アスタリア) | 小さいエルのあの帽子……これからもずっと、魔法の帽子のままにして。それができるのはあなただけでしょ ? |
| ヴィクトル | …………。 |
| エル(アスタリア) | エルがずっといい子でいられるように……私との約束。お願いね。 |
| ヴィクトル | ああ、もちろんだ。 |
| オリエ | 展示品、よーし !パネル、よーし ! |
| オリエ | これでバッチリ準備完了です ! |
| ワイズマン | 張り切っていますね、オリエさん。 |
| オリエ | あ、ワイズマンさん !もちろんですよ ! ようやくミュージアムが一般公開されるんですから。 |
| ワイズマン | ええ、いよいよですね。ですが、その前にオリエさんに会いたいという方がいらっしゃっています。 |
| オリエ | 私に ? |
| ティルグ | 息災か、オリエ。 |
| オリエ | ティルグさん !どうしてこちらに…… ? |
| ティルグ | 我はあの世界を離れ、旅に出た。もう我の力は必要ではなくなったようだからな。 |
| ティルグ | 彼らは世界を守ると誓い、我を見送ってくれた。 |
| ティルグ | あれほどの者たちはそういないだろうが……また、彼らのような者と出会えることを楽しみに、旅に出ることとしたのだ。 |
| オリエ | そうだったんですか……。 |
| オリエ | お別れは寂しいですが、別れの後には出会いがありますから ! ティルグさんの素敵な旅路を私も祈っていますね ! |
| ティルグ | ああ。我も、汝らのことは決して忘れぬ。 |
| ティルグ | その歩みと絆が記された本をあちらの汝から渡されたからな。 |
| オリエ | 歩みと絆の本、ですか。 |
| ティルグ | そうだ。それは……交差する想いが繋いだ星の物語―― |
| ティルグ | 『テイルズ オブ アスタリア』 |