| Character | 6.コダマ包囲網 |
| リワンナ | はぁ……。 |
| アグラード | どうしました、リワンナ様。 |
| リワンナ | いえ、別に……。 |
| アグラード | ……そんな調子では立派にお務めは果たせんぞ。ほら、言ってみろ。 |
| リワンナ | ええ。あの……コダマのことなんだけど……。 |
| リワンナ | さっき、コダマに寝ぐせがついていたから直してあげたの。それと、服のホコリを払ったり、直したり……。 |
| アグラード | それは良いことをしましたな。何を落ち込むことがあるんです ? |
| リワンナ | お礼は言ってもらえたけど目を合わせてもらえなかったわ。少し様子も変だったの……。 |
| リワンナ | 私、口を出し過ぎてコダマを不快にさせてしまったんじゃないかしら。 |
| アグラード | あ~……。まあ、あの歳くらいの男ってのは周りから世話を焼かれるのを嫌うところがありますからね。 |
| リワンナ | やっぱり嫌われてるかしら ! ? |
| アグラード | 落ち着け。そうじゃなくてだな、逆に―― |
| ヘイズ | 私はリワンナの気持ちがよくわかるぞ。構いたくなるのだ、コダマのような男子は。 |
| リワンナ | ヘイズ様 ! |
| ヘイズ | すまぬ、聞こえてしまった。実は私もコダマが可愛くてな。あの寝ぐせの付きやすい頭を撫でたくなってしまう。 |
| リワンナ | わかります ! つい手が出てしまうんですよね。私がやってあげないと、この子は駄目なんじゃないかと思ってしまって……。 |
| ヘイズ | それでよい。コダマは誰かの親切を嫌がるような性格ではない。むしろどんどん世話を焼いてやるほうが喜ぶはずだ。 |
| リワンナ | そ……そうなのですか ?よかった…… ! では、これからもめげずにコダマのお世話をしていきます ! |
| ヘイズ | うむ、私もリワンナに負けぬよう可愛がるとしよう ! |
| アグラード | いや……コダマもそれなりの歳の男ですから気恥ずかしいと感じるのでは……。 |
| アグラード | ……聞こえていないか。 |
| アグラード | コダマ……とんでもない奴らに目を付けられたな……。母親が増えたと思って頑張れよ……。 |