| Character | 7.子供たちとの思い出 |
| エルナト | ヘイズ様、イザヴェルにいるうちに買い出しをしておきたいのですがよろしいでしょうか。 |
| ヘイズ | 構わぬぞ。何を買うんだ ? |
| エルナト | 食糧です。今後は野宿をすることも多くなりますので多めに確保しておこうかと思うのです。 |
| コダマ | だったら肉だな !さっき安売りしていた店があったしあるだけ買っていこうぜ。 |
| エルナト | 却下。もちろん肉も買いますが野菜も魚もしっかり摂らないと栄養が偏るでしょう。 |
| ヘイズ | まあ、そう固いことを言うな、エルナト。コダマぐらいの年頃ならば肉に目を輝かせるのもわかる。 |
| コダマ | いや、俺というか……ヘイズ様、肉、好きですよね ? |
| ヘイズ | 私か ? |
| コダマ | だって昨日、俺が夕食で出したブウサギのステーキすごく美味しいからまた食べたいって言ってましたよね ? |
| ヘイズ | 昨日の夕食 ?昨日の………………。 |
| ヘイズ | ああ、うん。確かにあれは美味かったぞ ! |
| コダマ | ええと……無理しないでください。口に合わなかったならそう言って頂いて構いませんから。 |
| ヘイズ | 待て、そうではない。本当に美味しかったんだ。……長く生きているとな、つい昨日の事でもすぐに思い出せないことが多くなる。 |
| エルナト | コダマ。ヘイズ様はお忙しい御方なんですよ。夕食のことなんて些末な問題です。 |
| コダマ | ……まあ、そうだよな ! |
| コダマ | ヘイズ様が覚えておられなくても俺の作った食事がヘイズ様を支える栄養になってるなんて、それだけで最高だし。 |
| ヘイズ | いや、そのようなことはない。コダマ、すぐに思い出してやれなくて悪かったな。 |
| ヘイズ | 確かに、私は自分の記憶を思い出すのに少し……時間がかかることがある。 |
| ヘイズ | けれどお前たちとの日々をぞんざいにしてはいない。むしろ噛みしめるように大切にしているつもりだ |
| ヘイズ | わかっておくれ。私の愛する可愛い子供たち。 |
| エルナト | あ、あの……ヘイズ様嬉しいのですが、人前では少々……。 |
| ヘイズ | ん ? 頭を撫でられるのは嫌だったか ? |
| コダマ | だったらエルナトの分も俺が引き受けます。存分にどうぞ ! |
| エルナト | 駄目 ! このナデナデは私の分 ! |
| ヘイズ | うんうん。また一緒に美味しい物を食べような。 |
| コダマ | じゃあ俺、更に美味いステーキを用意しますよ。 |
| エルナト | だったら私は、野菜たっぷりのスペシャリテを ! |
| ヘイズ | ふふっ、豪華な食事になりそうだ。 |