| Character | 8.意外な一面 |
| コダマ | 失礼します、エルナト隊長。コダマ・アトウッド備品の件で始末書を持ってまいりました。遅れて誠にすみま……。 |
| コダマ | エルナト ? |
| エルナト | …………。 |
| コダマ | (エルナト、資料整理の途中で寝ちゃったんだな。だったら、このまま始末書だけ置いて帰れば提出遅れのお小言もなしと……) |
| コダマ | ……風邪ひかれても、寝覚めが悪いや。何か掛けるものは……。 |
| コダマ | これでよし。それじゃ、俺は失礼しま……。 |
| エルナト | ん……。 |
| コダマ | あ。 |
| エルナト | コダマ…… ? この毛布……。 |
| コダマ | 始末書を提出しに来たんだ。遅れちゃったけどさ。そこの書類の一番上に置いてあるから。 |
| エルナト | 書類……、そうだった ! |
| コダマ | なあ、その仕事って急ぎ ? |
| エルナト | ええ。この資料を全部チェックして明日の朝までにまとめないといけないんです。まさか寝落ちするなんて……完全に徹夜だ……。 |
| エルナト | ……何してるの ? |
| コダマ | 手伝うよ。その代わり今度俺が規則違反をした時には始末書の提出を免除してもらうってことで。 |
| エルナト | いりません ! 一人でも十分―― |
| コダマ | 目の下にクマ作って会議に出る気か ?健康管理もできないんじゃ、ヘイズ様の側近として面目が保てないんじゃねえの ? |
| エルナト | ……そ、それは……確かにそうですが……。 |
| コダマ | だろ ? まあ、今回は甘えてくれって。それと、その毛布は掛けとけよ。今夜は冷えるから。 |
| エルナト | その始末書……コダマが備品を無断で持ち去った本当の理由私、わかってますよ。 |
| エルナト | 棄民のコロニーへの支援物資として持ち帰ったのでしょう ? |
| コダマ | あー、バレてたのか……。 |
| エルナト | 当然です。古い毛布やら、着古した衣服やら……まあ、あれらは既に使ってないものでしたからきちんと申請すれば私が受理します。 |
| コダマ | いいのか ? |
| エルナト | 本来はどんな理由があろうと備品の譲渡は禁止です。ですが、あなたに借りを作っておくと後々面倒なので。……これで今日の手伝い分はチャラですからね。 |
| コダマ | ん……ありがとな、エルナト隊長。 |
| エルナト | それにしても、この始末書は誤字脱字が多すぎますね。書き直してください。 |
| コダマ | えっ ! ? 申請が受理されるならこの始末書だっていらないんじゃ……。 |
| エルナト | それとこれとは別です。間違いはきちんと訂正するように。いいですね。 |
| コダマ | ちぇーっ。真面目かよ。まあ、そこがエルナトのいいところ、か……。 |