| Character | 11.意外に器用? |
| | リコレクション本編2話の後のお話です。 |
| アイリス | ……あれ、おっかしいなー。 |
| コダマ | どうしたんだよ、アイリス ? |
| アイリス | うん、ちょっと通信機の調子がね。もしかしたら、さっき幻影種と戦ったときに壊れちゃったのかも。 |
| コダマ | そうなのか ? なあ、ちょっと見せてくれよ。もしかしたら直せるかもしれないし。 |
| アイリス | 本当 ? じゃあ、お願い。 |
| コダマ | はいよっと。う~ん、どれどれ……。あー、配線が切れちゃってるな。 |
| コダマ | けど、こっちの配線をちょっと弄れば……よし、とりあえず、応急処置にはなったと思うよ。 |
| アイリス | わぁ、ありがとう。……うん、確かにさっきまで聞こえてたノイズがマシになってるかも。 |
| セイリオス | へえ、コダマにまだそんな隠された特技があったとはね。 |
| コダマ | 特技ってほどじゃないよ。けど、昔はよく廃棄された機械の部品を解体して売ったりしてたからさ。あっ、昔って言っても記憶がなくなった後の話な。 |
| アイリス | でも、この通信機って王都から支給されてる物だよ ?いくら部品の解体をしていたからって普通の人が見て簡単に弄れたりするものなのかな ? |
| コダマ | うーん、俺に聞かれてもなあー。何故かできちゃうんだよね。ま、別に悪いことじゃないだろ ? |
| コダマ | 死神騎士になってからは俺の悪口を言ってるやつの通信機をちょっと弄ったりしたことはあったけど。 |
| アイリス | 思いっきり悪いことに使ってるじゃん……。 |
| コダマ | あはは、ごめんごめん。変な噂流されたからさ。でも戦闘のときには影響ないようにしておいたよ。一応、同じ死神騎士だから。 |
| セイリオス | まあ、お前さんが噂程度でそんな反応するならかなりひどいことを言われたんだろうが……。 |
| セイリオス | それにしても、そんな腕があるなら死神騎士じゃなくて技術職に就けたかもしれないな。 |
| コダマ | まあ、俺が棄民じゃなきゃアリだったかもな。 |
| アイリス | あっ、でもさ、死神騎士内部の技術部門ならそんな身分とか関係ないし、案外ヘイズ様と一緒に研究とかできたかもよ ? |
| コダマ | …………成程、それはアリだな。 |
| アイリス | そこは簡単に手のひら返すんだ……。 |
| コダマ | んーーーー、けど、やっぱりいいや。確かに、ヘイズ様のお傍に仕えられるって点では同じかもしれないけど……。 |
| コダマ | ヘイズ様に助けてもらったときに決めたから。俺はいつか、この人の隣で一緒に戦えるような強い死神騎士になりたいって。 |
| アイリス | そっか。まあ、そっちのほうがコダマらしいよね。 |
| セイリオス | ああ。白衣を着てるお前さんの姿ってのも結構いけてたとは思うけどな。 |
| アイリス | インテリっぽいコダマってこと ?……どうしよう。面白い想像しかできない。 |
| コダマ | おーい、アイリス。想像の中で俺を辱めるなよー。 |
| アイリス | そ、そんなことないよー ? |
| コダマ | いや、その顔、絶対変な想像してるって ! |
| セイリオス | やれやれ……これだけ騒がしいと技術部門に転属しても、すぐに引き取りにいくことになりそうだな。 |