| Character | 20.いつかまた、約束を |
| | リコレクション本編5話の聖地でバルドの話を聞いた後のお話です。 |
| アイリス | コダマ……大丈夫かな……。 |
| エルナト | ヘイズ様がお傍についているんです。コダマのことですから、すぐに目を覚ましますよ。いえ、覚ましてもらわないと困ります。 |
| リワンナ | きっと、疲れが出たのでしょうね。アスガルドに来てからというものあなたたちにも休息がなかったですから。 |
| アグラード | そうだな、俺たちも今の内に英気を養っておくべきだ。 |
| アイリス | うん……。 |
| バルド・M | アイリスさん、どうかされましたか ?あなたの花のかんばせが曇っておられますよ。 |
| アイリス | ううん、ちょっとね。アグラード様には前に少し話したんだけど……昔、私のおじいちゃんがアスガルドにいたことがあったの。 |
| アイリス | だから、ここに来ればおじいちゃんがいたっていう痕跡みたいなものが残ってないかなって思ってたんだけど、調べる時間もなさそうだなって。 |
| セイリオス | …………。 |
| アグラード | すまないな。お前にとっては大切なことなのに後回しにさせてしまっている。 |
| アイリス | いいんです。今は自分のことよりやらなきゃいけないことがあるってわかってますから。 |
| アグラード | だが、こんな状況でなければ約束通り、お前の歌をアスガルドの者たちに聴かせてやりたかった。 |
| アイリス | そうですね……それは私も残念です。 |
| リワンナ | ……ならば、無事、私たちの任務が終わってからギムレイ家でアイリスを正式な歌姫としてアスガルドへ招待しましょう。 |
| アイリス | ええっ ! ? そ、そんな大袈裟にしなくても大丈夫ですよ ? |
| リワンナ | いや、私も辺境伯としてそれなりの礼儀を振る舞いたいのです。 |
| アイリス | ううっ……リワンナ様まで……。ちょっとプレッシャーかも……。 |
| セイリオス | なに、アイリスならアスガルドでも最高のステージを披露できるさ。 |
| セイリオス | きっと、お前さんの祖父さんも草葉の陰で喜んでくれるだろう。衣装とメイクは俺にも手伝わせてくれよ ? |
| アイリス | うん、ありがとう、セイリオス。何にしてもまずは、目の前のことに集中してやるべきことをやってから、だね。 |
| バルド・M | はい。それに、私が聞いた声の正体も気になります。おそらく、コダマも同じ声を聞いたのでしょう。 |
| アグラード | 今はコダマが目を覚ますのを待つとしよう。話はそれからだ。 |
| エルナト | ……声……やっぱり、あの声は……。 |
| アイリス | エルナト ? |
| エルナト | ……い、いえ ! そうですね !いつまでもコダマにヘイズ様を独占させるわけにはいきません ! |
| エルナト | こちらも、いつでも動けるよう警戒は怠らないようにしておきましょう。 |
| セイリオス | なら、そろそろ一度様子を見に行ったほうがいいかもしれないな。 |
| アイリス | そうだね。案外、ヘイズ様の膝枕にビックリして飛び起きてるかも。 |
| エルナト | (ええ、本当にお優しい方です。……だからこそ、私は『あの時』誓ったんですから) |
| エルナト | (――ヘイズ様。あなたもあなたの守りたいものも必ず私がお守り致します) |