| Character | 23.祖父への報告 |
| | リコレクション本編6話の王都イザヴェルに帰還した頃のお話です。 |
| アイリス | ねえ、セイリオス。私、明日はちょっと出かけてくるから何かあったら通信機で連絡してね。 |
| セイリオス | ああ、お前さんも楽しんでくるといい。なんたって、我らが歌姫様の凱旋ステージだ。街の連中も大喜びだろう。 |
| アイリス | もう、大袈裟だってば。だけど、長い間イザヴェルから離れちゃってたから心配してた人もいたみたい。 |
| アイリス | だから、そんな人たちに安心してもらう為にも明日は精一杯、私の歌を届けるつもり。 |
| セイリオス | そうか、頑張ってこいよ。 |
| アイリス | うん。あとはおじいちゃんのお墓参りにも行ってくるつもりだから、ちょっと遅くなるかも。 |
| セイリオス | ……そうか。お前のじいさんもそろそろ可愛い孫の顔が見たくなってる頃だろうな。 |
| アイリス | ふふっ、だといいんだけどね。話したいこともたくさんできたし。 |
| アイリス | あっ、そうだ ! おじいちゃんから教えてもらった歌セイリオスも知っていたことも報告しなくちゃ。 |
| セイリオス | ああ、俺のこともよろしく伝えておいてくれ。出来れば、部下思いのいい上司だと伝えてくれるとありがたいよ。 |
| アイリス | はいはい、けど、コダマやセイリオスのことは前から結構話してるよ。まぁ、割合的にはコダマのやらかしエピソードのほうが多いけど。 |
| セイリオス | ははっ、それはじいさんも退屈しなさそうだ。 |
| アイリス | だよね。けど、おじいちゃんって結構コダマみたいなタイプの人間のこと、好きだと思うんだよね。 |
| セイリオス | ……へえ、それは孫としての意見か ? |
| アイリス | まあ、そうなるかな。でも、一番はセイリオスと似た雰囲気があったからなんだよね。 |
| セイリオス | ……そうか。一度会って話してみたかったもんだなお前のじいさんと。 |
| アイリス | うん。きっと、凄く話が合うと思うよ。だからさ、もしよかったら時間があるときにセイリオスもお墓参りに来てよ。 |
| セイリオス | わかった。考えておくよ。丁度、珍しい花の群生地を見つけたんだ。それを手土産に持っていっても構わないか ? |
| アイリス | ありがとう。けど、そこまできちんとしたものじゃなくてもいいからね。花だって用意するのも大変なんだから。 |
| セイリオス | なら、そのときはお前さんも一緒に来てくれ。最近は長旅が堪えたのか腰が痛くてね。一人で花を摘むのにも一苦労さ。 |
| アイリス | いや、まだそんな年じゃないでしょセイリオスは。そんな冗談ばっかり言ってると、本当におじいちゃんに見えてきちゃうよ。 |
| アイリス | けど、花を摘みに行くのは賛成。セイリオスなら、アレンジも加えて素敵な花束にしてくれそうだしね。 |
| セイリオス | ああ、期待に応えられるよう努力するよ。 |
| アイリス | うん、私も楽しみにしてるね。 |
| セイリオス | さてと。アイリス、明日は大事なステージなんだ。そろそろ宿舎に戻ったほうがいいんじゃないか ? |
| アイリス | そうだね、外出届も出してきたし今日は早めに寝なくちゃ。 |
| アイリス | それじゃあ、おやすみ、セイリオス。 |
| セイリオス | ああ、おやすみ、アイリス。――お前さんも、いい夢が見られるといいな。 |