| Character | 24.語り合い |
| | リコレクション本編6話の王都イザヴェルに帰還した頃のお話です。 |
| ヘイズ | すまぬな、バルドよ。またお前をこのアイギスの塔の研究施設に拘束させてもらうことになる。 |
| バルド・M | ……構いません。あなたがそう判断したのであれば私はただ従うだけです。 |
| バルド・M | それに、私が外部に出なければ幻影種たちの活動も少しは抑えられることでしょう。 |
| ヘイズ | そうだな……だが、正直に話すとお前の自由を奪うような真似は、私としても本意ではないのだ。 |
| バルド・M | ……やはり、あなたはお優しい方ですね。今の私のような者にまで情けをかけてくださるとは。 |
| ヘイズ | 情け……か。どうだろうな……。私はただ、自分の目的のためにお前の力を利用しているだけかもしれんぞ ? |
| バルド・M | たとえそうであったとしても、今ここで私があなたへの協力を拒み、敵対する可能性も決してゼロとは言えない。 |
| バルド・M | それでもなお、あなたは私を信用してくださっている。私にとっては、そう思っていただけるだけでも感謝したいのです。 |
| ヘイズ | 何を言う。感謝をしなくてはならないのは私のほうだ。お前がいなければ幻影種への対抗手段の糸口すら掴めずにいた。 |
| ヘイズ | この世界に住む人々を救う方法……。それを握っているのがお前なのだよ、バルド。 |
| ヘイズ | 改めて、私はお前に頭を下げよう。バルドよ、どうか私たちに協力してくれ。この世界を……私の愛する子供たちを救うために。 |
| バルド・M | ……顔を上げてください、ヘイズ様。あなたのような慈愛に満ちた美しき女性にそのようなことをさせるのは私の騎士道に反する。 |
| バルド・M | あなたに協力をしているのは私の意志です。それが……我が主たちを救う道に繋がっていると私はそう信じています。 |
| ヘイズ | やはり、お前は誇り高き騎士であるな。主君からも、さぞ信頼を寄せられていたことだろう。 |
| バルド・M | …………さあ、どうでしょうか ?少なくとも、私の女性に対する態度には頭を悩ませていたようです。 |
| ヘイズ | …………ああ、そういえば、お前が初めてイザヴェルへ出たときは、街の娘たちが次々とお前に求婚する事態になってしまったこともあったな。 |
| バルド・M | 誤解です。私はただ女性に対しての礼儀を……。いえ、その態度こそが元凶だと主君から咎められていたのですが……。 |
| ヘイズ | ふふっ、そうか。お前の主君も退屈しなかったであろうな。 |
| ヘイズ | ……なぁ、バルドよ。お前の大切な人たちの話をもう少し聞きたいのだが話してくれるか ? |
| バルド・M | 構いませんが、それが私の持つ力となにか関係が ? |
| ヘイズ | ……いや、これはただの興味本位だ。なにせ、先ほど主君を思い出しているお前の顔が笑っていたのでな。 |
| バルド・M | 笑っていた……この私が、ですか ? |
| ヘイズ | ああ、お前がそんな顔を見せるのは珍しい。だからこそ、私も興味を抱いてしまったのだ。 |
| バルド・M | わかりました。ですが、我が主たちのことを話すとなると些か長い時間を使うことになってしまいそうです。 |
| ヘイズ | 構わん。どうせ、私も研究データの解析をするためにしばらくはここに留まる。 |
| ヘイズ | 私の可愛い子供たちの顔を見る機会も減ってしまうと嘆いてはいたが、その分の埋め合わせは十分にできそうだ。 |
| バルド・M | それは、コダマやエルナトたちのことでしょうか ?ならば、私が主の話をしたあとはあなたの子供たちの話をお聞きしましょう。 |
| ヘイズ | いいのか ? 言っておくが、子供たちの話が長いのはどの親も同じ。私もその例外ではないぞ ? |
| バルド・M | 覚悟はできていますよ。 |
| ヘイズ | よし、ならば思う存分、語り合うとしよう。大切な者たちを抱える、我々の自慢話をな。 |