| Character | 25.愛の充電 |
| | リコレクション本編6話の王都イザヴェルに帰還した頃のお話です。 |
| エルナト | ――報告は以上です。引き続き、各コロニーへの死神騎士部隊の派遣を進めて参ります。 |
| ヘイズ | ああ、何かあればまた報告を頼む。必要とあらば、私が直接現場へ急行しよう。 |
| エルナト | いえ、ヘイズ様の手を煩わせるわけにはいきません。現場の指揮は私がおこないます。 |
| ヘイズ | ……そうか、またお前に負担をかけてしまうな。 |
| エルナト | 平気です。私はこれくらい……。 |
| ヘイズ | いや、私から見れば一目瞭然だ。エルナト、あまり無理はしてくれるなよ。 |
| エルナト | ……はい、申し訳ございません。 |
| ヘイズ | 謝ることではない。お前が私のために頑張ってくれていることは百も承知だ。 |
| ヘイズ | だが、現場にはコダマたちもいるのだろう ?いざとなれば、彼らを頼ると良い。 |
| エルナト | そうですね……。彼らも幻影種の討伐に励んでいます。ただ、コダマは相変わらず別の隊の死神騎士たちと揉めることがあるみたいです……。 |
| ヘイズ | そうなのか ? それは少々心配だが……。あのコダマのことだ。上手く事を収めていそうだな。 |
| エルナト | ……どうでしょう。どちらかと言えば、ちょっかいをかけた死神騎士のほうが痛い目を見ているという感じですね。 |
| ヘイズ | ふふっ、そうか。ならば、コダマには少し手加減をしてやるように、と私が言っていたと伝えておいてくれ。 |
| エルナト | わかりました。ヘイズ様の命とあらばコダマもしっかりと言う事を聞くと思います。 |
| エルナト | では、私は詰所へ戻ります。ヘイズ様も、あまり根を詰めすぎないようにしてくださいね。 |
| エルナト | 研究者たちから聞いていますよ。最近は睡眠の時間も削って、バルドさんのことを調べていると。 |
| ヘイズ | バレていたか。だが、これも世界を救うために必要なことだ。 |
| エルナト | ……それでも、ヘイズ様が倒れてしまっては元も子もありません。どうか、ご無理はなさらずに。 |
| ヘイズ | そうだな……。では、エルナト。少し近くへ来てくれないか ? |
| エルナト | ……はい。えっと、これくらいでいいでしょうか ? |
| ヘイズ | ああ、丁度いい位置だ。それっ ! |
| エルナト | ! ? ! ?ヘッ、ヘイズ様 ! ? |
| ヘイズ | ふふっ、やはり、疲れたときは愛する我が子を抱きしめるに限る。 |
| エルナト | あ、あの……ヘイズ……さま……。 |
| ヘイズ | ……うむ、これくらいだな。どうだ ? すっかり私の顔色も良くなっただろう ! |
| エルナト | え……ええ。 |
| ヘイズ | エルナトよ、もし私の身体の心配をしてくれるなら定期的に顔を出してくれ。お前を抱きしめることができれば、私の疲れなど簡単に吹き飛ぶぞ。 |
| エルナト | わ、わかりました……。善処いたします。 |
| ヘイズ | ふふっ、さて、私ももうひと踏ん張りしなくてはな。ありがとう、エルナト。 |
| エルナト | ヘイズ様……。……はい、何かあれば、またいつでもお呼びください。 |