| Character | 26.アグラードの真意 |
| | リコレクション本編7話のアグラードに尋問する前のお話です。 |
| コダマ | ――それじゃあ、作戦通り、俺とセイリオスでアグラードさんから話を聞き出してみますね。 |
| セイリオス | 通信機はそのまま繋いでいますので部屋に入ってくるタイミングは任せます。 |
| ヘイズ | 承知した。頼んだぞ、二人とも。 |
| コダマ | はいっ ! |
| リワンナ | …………。 |
| ヘイズ | ……やはり不安か、リワンナ ? |
| リワンナ | ……はい。正直、私自身、怖いのだと思います。何故、アグラードが私たちの邪魔をするような行動を取ったのか……。 |
| ヘイズ | それを知るためにも、コダマたちがアグラードを揺さぶってくれる。今は結果を待つとしよう。 |
| リワンナ | ……ヘイズ様は、アグラードがこちらの罠に引っかかってくれると思いますか ? |
| ヘイズ | そうだな。コダマなら上手くやってくれるだろう。お前は違うのか、リワンナ ? |
| リワンナ | いえ、ヘイズ様のおっしゃる通りコダマの推測は当たっていると思います。ですが……。 |
| ヘイズ | ……私とお前を餌にした竿に食いついてくれるのかそのことを心配しているのだな ? |
| リワンナ | ! ?……参りましたね、やはり見抜かれていましたか。 |
| リワンナ | 先ほど、私が怖いと申したのはその部分なのかもしれません……。 |
| リワンナ | もしかしたら、今のお義兄様は私やヘイズ様まで切り捨てる可能性があるんじゃないかと……。 |
| ヘイズ | いや、それはない。私はともかく、アグラードがお前を切り捨てるような真似は絶対にしないはずだ。 |
| リワンナ | ……何故、そこまで断言できるのでしょうか ? |
| ヘイズ | それはコダマも言っていただろう。アグラードが守りたいものは『過去』ではなく『今』なのだと。 |
| ヘイズ | そして、それはエルナトも同じだった。だからこそ、あの二人は協定を結んだはずだ。 |
| リワンナ | ええ、ですが……。 |
| ヘイズ | そして、アグラードが選んだ『今』を生きているのはお前だ。そのお前に危機が迫っていることを知ればあの者はお前の命を優先するに違いない。 |
| リワンナ | ! ? |
| ヘイズ | 確かに、アグラードは自らの命よりも世界の存続を優先できる男なのかもしれん。 |
| ヘイズ | だが、その守りたい世界というのはお前がいる世界のことなのだよ。 |
| ヘイズ | ……エルナトが、私たちのいる世界を選ぼうとしているようにな。 |
| リワンナ | ……そうですね、あの人はいつも私のことを気にかけてくれました。 |
| ヘイズ | そうだ。だからこそ、アグラードは私たちに真実を話してくれるはずだ。 |
| リワンナ | ……私は信じていいのですね、彼のことを。 |
| ヘイズ | ああ。そして、エルナトと同様に、奴の思惑を阻止するのも、私たちの役目だ。 |
| リワンナ | ……わかりました。では、私も信じます。アグラードが……私の知っている彼であることを……。 |