| Character | 30.ひとりの夜 |
| | リコレクション本編9話の頃のお話です。 |
| エルナト | ……無事に過去のアスガルドへ到着できましたが本番はここからですね。 |
| エルナト | まずは鏡映点を捜索したいところですが土地勘がないうえに、単独行動となると慎重にいかなくては……。 |
| エルナト | (かと言って、【虹の夜】が起きる正確な時期が把握できていない以上、悠長にしている暇はない) |
| エルナト | (それに、想珠を集めていればいずれ私の存在も鏡映点にはバレてしまう。できれば対策をされる前に目的を遂行したい……) |
| エルナト | ……となると、少し危険が伴いますが奇襲をかけて鏡映点たちの想珠を回収するしかありませんね。 |
| エルナト | では早速、鏡映点がいる場所の特定を―― |
| | ――ぐぅ。 |
| エルナト | …………本来ならば今頃は食事をしている時間ですね。 |
| エルナト | 街を探せば食事処はあるのでしょうがこの時代の通貨は持っていませんし……。 |
| エルナト | ……仕方がありません。今日はこのあたりで野営をして食事は携行食で済ませましょう。 |
| エルナト | ……この携行食、パサパサしてるうえに全然味がしなくてあまり好きではないのですが贅沢は言っていられませんね。 |
| コダマ ? | 『そうだぜ、エルナト先輩。食料があるだけマシなんだから、わがまま言うなっての』 |
| エルナト | コダマ ! ? |
| エルナト | ……いえ、そうですよね。ここにコダマがいるわけがありません。 |
| エルナト | これは、きっと私が勝手に見ている幻のようなもの。いかにもコダマが言ってきそうな台詞ですが……。 |
| エルナト | ……本当に、あなたの相手は大変でしたよ。タナトス隊隊長である私にも遠慮がないし、問題ばかり起こして……。 |
| エルナト | ……ですが、ヘイズ様を慕う気持ちはこの私にも引けを取らないくらいでした。 |
| エルナト | ――だからこそ、あなたなら理解してくれるでしょう。私自身が犠牲になったとしても世界が救われる。 |
| エルナト | そのあとは、ヘイズ様やあなたたちが望んだ幻影種のいない世界が生まれるのです。 |
| エルナト | 私の選択は決して間違っていない。そうですよね、コダマ ? |
| エルナト | 幻のあなたが答えてくれるわけはありませんか。 |
| エルナト | ……いえ、たとえあなたが何と言おうともう後戻りはできません。 |
| エルナト | 待っていてください。私が必ず、あなたたちを救います。 |
| エルナト | たとえ、この世界の人たち全てを敵に回してもです。 |