プロフィール
憑魔と化し、ドラゴンとなってしまった兄に寄り添い続けた人間嫌いの天族の少女は、スレイと出会い、一歩踏み出す決意をする。純粋過ぎる導師に呆れながらも、やがて仲間と共に彼の導く世界をどこまでも見届ける。かつて自分を置いて旅に出ていく兄を見送った、あの時とは違う想いで。
ミリーナの一言
可憐って言葉はエドナ様のためにあるような言葉ね。リボンとお花をたっぷりあしらった華奢なワンピースがすっごく似合うの!でもどうして男性物の革のブーツを合わせてるか聞いたら「ハズシテク」ですって。私も取り入れてみたいけどイクスに「高度過ぎる」って止められちゃった。
イクスの一言
エドナ様は地の天族だから、鉱石に詳しいんだ。火打ち石や硝石もすぐに見つけてくれるから、すごく助かるよ。硝石は動物の排泄物からできるって言ったら、エドナ様に「知ってたの、つまんない」って言われたんだ。ミリーナみたいにビックリした顔をして欲しかったのかな。
Character | 気が合う二人? | |
---|---|---|
エドナ | ミリーナ。おやつはまだなの ? いいかげん待ちくたびれたんだけど。 | |
ミリーナ | もう少しでできるわよ。今回のクッキーは自信作だからエドナさまが気に入ってくれるといいなぁ。 | |
ジェイド | ――ああ、ミリーナ。捜しましたよ。鏡士の力について少々伺いたいことがあるのですが。 | |
ミリーナ | ジェイドさん、ちょうどよかった。今からルーティたちを呼んでお茶をするんです。 | |
ミリーナ | 女の子ばかりですけどよければ一緒にお茶しながらお話ししませんか ? | |
ジェイド | それはまた華やかな会にお誘いいただきありがとうございます。ですが今回はお断りしておきましょう。 | |
ジェイド | 私がいては気兼ねなく話せないでしょうし女三人寄れば姦しいと言いますからねぇ。鼓膜が破れては大変です。 | |
エドナ | それは大変ね。大佐のボーヤ。ただでさえ視力と性格に問題があるんだから耳まで悪くすることないわ。 | |
ジェイド | ご忠告痛み入ります。ですが、視力はまったく問題ありません。お気遣い頂き、嬉しい限りです。 | |
ジェイド | さすがは1000年以上も生きて人格も熟成、発酵しきっておられますねぇ。 | |
エドナ | 発酵速度と進行度合いなら大佐のボーヤもなかなかのものよ。 | |
エドナ | 内面の芳ばしさも身に付けている香水でごまかせたらよかったのにね。 | |
ジェイド | おや、これは手厳しい。香りは紳士のたしなみ。 | |
ジェイド | 加齢臭と発酵臭には気をつけなくては。お互いに。 | |
ミリーナ | ふふっ。二人ともなんだか気が合うみたいでよかった。立ち話もなんだし行きましょうか。 | |
ジェイド | ミリーナ……人の話を聞いてましたか ? | |
エドナ | あなたが一番いい性格してるわ。 |
Character | ノルミンサンバ | |
ソフィ | ……どうしよう。 | |
ライフィセット | 何がいいかな……。 | |
エドナ | あら、ベルベットを放って置いて仲良く二人で考え事 ?坊やのくせにやるじゃない。 | |
ライフィセット | もう、そんなんじゃないよ。変な言い方しないで。それにベルベットは関係ないでしょ。 | |
ソフィ | ベルベットは関係あるよ ? | |
ライフィセット | それは……うん、関係あるね。 | |
エドナ | 恥ずかしがっちゃって。で、何を考えていたのよ。 | |
ライフィセット | よくベルベットとシェリアがご飯を作ってくれるでしょ。ソフィと何かお礼がしたいよねって話してたんだ。 | |
ソフィ | エドナは何がいいと思う ? | |
エドナ | そんなの決まってるわ。あなたたち『ノルミンサンバ』を踊りなさい。 | |
ライフィセット | ……ノルミンサンバ ? | |
ソフィ | それは何 ? | |
エドナ | 親しい相手が料理を振る舞ってくれたときに感謝の印として踊るダンスよ。 | |
ライフィセット | えっ……けどそんなダンス聞いたことがないよ。 | |
エドナ | これだからお子さまは。ノルミンサンバは紳士淑女のたしなみ。 | |
エドナ | 社交界でも必ず踊るダンスなのよ。社交ダンスと言えばノルミンダンスとノルミンサンバであるといっても過言ではないわ。 | |
ライフィセット | そんな常識的なものなの ! ? | |
エドナ | 恥ずかしい思いをしたくなければ今のうちに覚えておくことね。 | |
ソフィ | うん。シェリアたちへのお礼のためにも覚えたい。エドナ、教えてくれる ? | |
エドナ | まったく、仕方ないわね。今回に限り、ワタシが指導してあげる。 | |
ライフィセット | ありがとう。これで何をするかも決まったよ。 | |
エドナ | ふふっ……チョロアマね。 | |
ソフィ | エドナ ? 何か言った ? | |
エドナ | 気のせいよ。 | |
ライフィセット | そうだ ! エドナも一緒にノルミンサンバを踊ろうよ ! | |
エドナ | はぁ ? なんでワタシが ? | |
ライフィセット | この前、アイゼンにパルミエ作ってもらってたでしょ。 | |
ソフィ | あのときのエドナ、とっても嬉しそうだった。 | |
ライフィセット | うん。だからアイゼンへの感謝として僕たちと一緒に踊るのはどうかなと思って。 | |
エドナ | …………痛いところ突かれたわ。なかなかやるじゃない。 | |
ライフィセット | えっ……やるの ? | |
エドナ | お返しよ ! えいっえいっ ! | |
ライフィセット | いたっ ! ちょっと !傘で突っつかないで ! | |
ソフィ | 三人のノルミンサンバ、みんなにはやく見せたいね。 |
Character | 二人の時間 | |
エドナ | ……それで、資金難は解決したのね ? | |
アイゼン | いいや。話はここからが本番だ。俺がカジノの収益回収に向かうと客に大当たりが続出。売上が全部もっていかれちまった。 | |
アイゼン | このままでは俺のコレクションだけじゃなくケリュケイオンも質にいれることになりかねん。俺たちはまたも絶体絶命の状態に追い込まれた。 | |
アイゼン | そこで、俺はこう提案したわけだ。セールンドの遺跡に眠るという伝説のお宝。こいつを手に入れようと。するとシンクが―― | |
エドナ | 待って。紅茶のおかわり、淹れるから。 | |
アイゼン | 悪いな。話しすぎたか。 | |
エドナ | 久しぶりだもの。 | |
アイゼン | 俺が浮遊島からケリュケイオンに移って以来か。 | |
エドナ | 約束、覚えてる ? | |
アイゼン | ああ。受け取れ、いつものだ。 | |
エドナ | これ……お店のじゃないわね。もしかして、手作り ? | |
アイゼン | 資金難でな。どうせなら素材にもこだわって作りたかったがそれも叶わなかった。 | |
エドナ | ワタシにとっては今までで一番のパルミエよ。 | |
アイゼン | ……ふっ。いいから食べてみろ。少なくとも、お前の紅茶には合うはずだ。 | |
エドナ | うん。なら、ワタシもおかわりを―― | |
アイゼン | ―― ! 待て ! ! | |
エドナ | えっ…………アツっ ! ! | |
アイゼン | チッ……留め具がゆるんでいたか。エドナ、大丈夫か ! ? | |
エドナ | ええ。とんだ偶然もあるものね。 | |
アイゼン | 偶然、か……。不死鳥の加護のブースト効果が切れていれば大火傷になっていただろうな。 | |
エドナ | 少なくとも今はまだ大丈夫な証拠よ。 | |
アイゼン | だが、油断するな。終わりの兆候かもしれん。またここでも、死神の呪いがお前を…………。 | |
エドナ | 望むところよ。 | |
アイゼン | ? | |
エドナ | どんな未来が来ようともワタシらしく今を生きる。お兄ちゃんもそうでしょう ? | |
アイゼン | ……エドナ。 | |
エドナ | このパルミエ、すごく美味しい。 | |
アイゼン | 紅茶にも合うだろう ? | |
エドナ | うん。とっても。けど、もう1つ欠かせないものがあるわ。 | |
エドナ | 聞かせて、さっきの話の続きを。 |
Character | 不機嫌な理由 | |
エドナ | あのオヤジ……今度見かけたらはっ倒す。 | |
スレイ | エドナ、もしかしなくてもまだ怒ってる ? | |
エドナ | 当たり前でしょ。ワタシは温泉アイスキャンディーが気になっただけ。 | |
エドナ | だからスレイに買わせたのに「お兄ちゃん優しいね~」って何 ? | |
エドナ | ワタシがスレイの妹に見える ?全然違うじゃない。 | |
スレイ | ま、まあまあ。全然違うのは確かだから。 | |
エドナ | ……。 | |
スレイ | 腹の虫は治まった ? | |
エドナ | ……気に食わないわ。 | |
スレイ | ええ、どうして ! ? | |
エドナ | その「オレはお兄ちゃんですよ~」っていうすました態度が気に食わない。 | |
スレイ | そんなつもりはないんだけど……。どうすればいいのさ ? | |
エドナ | そうね。ワタシのほうがオトナなんだからスレイ、今からワタシに甘えなさい。 | |
スレイ | ……えっと、お姉ちゃん ? | |
エドナ | 本気にしてどうするのよ。冗談に決まってるじゃない。 | |
スレイ | え、ええ~……。 | |
エドナ | まぁ、意外と悪くなかったわ。 | |
スレイ | ……兄弟がいるってどんな感じなのかな。 | |
エドナ | え ? | |
スレイ | ミクリオとはずっと一緒にいるけど血を分けた兄弟って訳じゃないし。 | |
エドナ | そうね……。兄弟それぞれじゃないかしら。 | |
エドナ | 血を分けていても……いえ、分けているからこそ対立する兄弟もいるでしょうし。 | |
エドナ | 一緒に仲良く過ごす兄弟もいるでしょう。スレイとミクリオみたいにね。 | |
スレイ | エドナとアイゼンさんは……聞くまでもないか。 | |
エドナ | そうね、勝手に出かけたかと思ったら手紙だの何だの贈りつけて機嫌を取ろうなんて虫がいいにも程があるわ。 | |
エドナ | だけど、ワタシはお兄ちゃんが好きよ。今も昔も、ずっとね。 | |
スレイ | うん。アイゼンさんもわかっているんだろうね。 | |
スレイ | それに、エドナがみんなを大切に思ってくれてることも、伝わってるよ。 | |
エドナ | ……そういうお兄ちゃんぶった所が気に食わないのよ。 |