プロフィール
災厄の種の災害から人々を救うべく、神託を受けし少女は未知なる力を求めアレンたちと共に旅に出る。自らの使命に邪悪な陰謀が隠されていても、彼女の魂までは汚すことがなかった。仲間たちと世界の安寧を願い、どんなかすかな光でも、それが希望なら、小さな身体は臆せず闇に飛びこめる。
ミリーナの一言
サラはカナには敵わないって感じね。サラはちょっと真面目で考え込んでしまうこともあるんだけど、カナがうまく崩してくれるの。逆にカナは正義感がとっても強くて、闇雲に突っ込んでしまうようなときはサラが助けていて……。二人とも、とってもいいコンビだと思うわ。
コーキスの一言
カナ様って危なっかしいよ。目が離せないって感じ。よく迷子になるし、変なことに巻き込まれてるし。けど、困っている人をみかけたら必ず手を差し伸べたり、色々面倒見てやったり、いい人だから注意しにくいよ。で、結局ほっとけねぇから、思わず助けちまうんだ。放っておけない……子猫……じゃなくて妹って感じだな。
Character | 何よりも | |
---|---|---|
カナ | ど、どうしよう……。 | |
サラ | あれ、カナ。どうしたの ? | |
カナ | サラ ! ジュード ! はぁ……よかったぁ。実はキッチンに行こうと思ったんだけど迷っちゃったみたいで……。 | |
ジュード | アジトは広いから慣れないうちはしょうがないよね。 | |
サラ | キッチンはこの角を曲がってすぐだよ。 | |
カナ | ありがとう、二人とも !よしっ、これで牛乳が飲めるわ ! | |
ジュード | 牛乳 ? よく飲んでるみたいだけどそんなに好きなの ? | |
カナ | うん ! 甘くて美味しいし何より身長も伸びるから大好きよ !何杯だって飲めるもの ! | |
ジュード | だけど飲み過ぎはよくないよ。身長を伸ばすならまずはしっかり食べてしっかり寝ることを心がけてね。 | |
カナ | しっかり食べてしっかり寝ること……。 | |
サラ | ……カナ ? | |
カナ | ありがとう ! ジュード !専門家からの具体的なアドバイスをもらえてとっても嬉しいわ ! | |
ジュード | まだ僕は医学生だけどね。けど参考になったならよかったよ。 | |
カナ | よしっ、しっかり食べてはいるから次はしっかり寝てみるわね。さっそくお昼寝よ ! | |
サラ | あっ、カナ !寝室はそっちじゃなくてあっちだよ ! | |
カナ | ふわぁっそ、そっか、ごめんごめん | |
ジュード | サラ。カナってもしかして方向音痴だったり……。 | |
サラ | う~ん…ちょっとね。 | |
カナ | サラ……。 | |
サラ | カナ、大丈夫だよ。私が案内するからね。 | |
カナ | ありがとう !やっぱりサラが一緒だと心強いわ ! | |
ジュード | カナにとって、食事や睡眠よりもサラが必要、みたいだね。 |
Character | 笑顔の理由 | |
カナ | ふぅ、日が沈む前に帰ってこられて良かった。あっ、ティアにフィリア。ただいま ! | |
フィリア | カナさん ! ? どうされたのですか ! ? | |
カナ | えっ ? | |
ティア | 服もボロボロだし擦り傷だらけよ。待ってて、すぐに譜術――治癒術で……。——ファーストエイド。 | |
カナ | わぁ…… ! ありがとう、ティア !あっと言う間に傷が治っちゃった ! | |
ティア | ねえカナ、一体何があったの。たしか、買い物に行ってたのよね ? | |
カナ | ええ、そうよ。だけど途中、重い荷物を運んでいるおじいさんがいたから隣町まで一緒に運んであげたの。 | |
カナ | それから、風船が木に引っかかって泣いてる子どもを見つけてね。代わりに取ってあげようと木に登ったんだけど落っこちちゃって……。 | |
フィリア | ええっ ! ? そんな ! ?大丈夫でしたか ! ? | |
カナ | あっ ! 心配しないで !風船はちゃんと取って、戻してあげたわ。帰りは遅くなったけど、買い物もちゃんとしてきたし。 | |
ティア | えっと……カナ。フィリアは買い物や風船じゃなくて、あなたの身体のことを心配しているんじゃないかしら ? | |
カナ | えっ ? 私は全然平気 ! そりゃ、少し疲れたし、痛かったけど、風船を取ってあげたら泣いてた子が、パッ ! と笑顔になったのよ。 | |
カナ | それにおじいさんもとっても喜んでくれて、何度もありがとうって言われちゃった。私はみんなの笑顔が見れれば、それでへっちゃらよ。 | |
フィリア | みんなの笑顔、ですか。カナさんはお優しい方ですね。 | |
ティア | そうね、誰かのために一生懸命になれるのはカナの素敵なところだと思うわ。 | |
カナ | ありがとう、二人とも。でもね、私はただ、みんながしてくれたことを自分もやっているだけなのよ。 | |
カナ | ……私ね、小さい頃に両親を戦争で亡くしたの。 | |
ティア | ……そう。……辛かったでしょうね。 | |
カナ | うん、大好きなお父さんとお母さんが急にいなくなって悲しくて、寂しくて、辛かった……。でも、私を引き取って育ててくれた人がいたの。 | |
カナ | とても優しい人だったわ。一緒に絵本を読んだり、誕生日のお祝いをしてくれたり本当の親みたいによくしてくれたの。 | |
カナ | その人がいてくれたから笑いかけてくれる人の温もりを知ることができた。世界は悪いことばかりじゃないんだって思えたわ。 | |
カナ | それから旅に出て、アレン達と出会ったの。他にもたくさんの人に助けてもらったし色々なことをいっぱい、いっぱい教えてもらったわ。 | |
フィリア | そうだったんですか。カナさんの周りにはいつも素敵な方たちがいたんですね。 | |
カナ | うん ! だから私も、みんなから貰ったものをほんの少しでも他の人に分けられたらなって思うのよ。一人でも多くの人に、笑顔でいてほしいから。 | |
フィリア | ……カナさんの気持ちきっと他の方々にも届いていると思いますよ。 | |
ティア | でも、頑張りすぎて無茶はしないで。あなたのことを心配してくれる人が沢山いるんだもの。 | |
カナ | 私が傷つくことで悲しむ人がいる……。自分をないがしろにして誰かを幸せにすることはできないんだって、いまはわかるわ。 | |
カナ | だから、無茶しない程度にがんばるね !だって、みんなが笑顔になれる世界を私も一緒に見たいんだもの。 |
Character | 迷子の寄り道 | |
カナ | サラー、ゼファー、アレンー、リッピー ! | |
カナ | おかしいなぁ……みんな、どこに行ったのかしら ? | |
サラ | カナ ! よかった、こっちの路地にいたんだ。 | |
カナ | サラ ! ごめんなさい……。もしかして私、またいつの間にかみんなとはぐれちゃってた ? | |
サラ | うん……この街って広くて路地も多いからゼファーさんがこっちのほうに入っていったんじゃないかって。 | |
カナ | さすがゼファーね ! 名推理だわ。あれ ? でもゼファーたちはどうしたの ? | |
サラ | みんなは広場で待ってるよ。私は目がいいから、人混みの中でもすぐに見つけられると思って捜しにきたの。 | |
サラ | ゼファーさんは「犯人は現場に戻ってくる可能性が高いからな」って言ってたけど……。 | |
カナ | 犯人 ! ? 私、何も悪いことしてないわよ ! ? | |
サラ | まぁ、ゼファーさんなりの冗談じゃないかな。ともかく、それで私がカナの特別捜索員に任命されたってわけ。 | |
カナ | そうだったのね。ありがとう、サラ。今度からははぐれないように気を付けるわ。 | |
カナ | こうしていつも道に迷ってたら迷惑かけちゃうもの。 | |
サラ | そんなことないよ。私だって、パン屋さんの匂いにつられてふらっと入っちゃったときもあるし……。 | |
カナ | あっ、この前サラが教えてくれたパン屋さんね。確かに、あの辺りを通るとパンのいい匂いがしたわ。 | |
サラ | そうなの !丁度、こんな感じで小麦とバターの匂いが……って、あれ ? | |
カナ | ねえ、サラ。なんだか本当にパンの匂いがしないかしら ? | |
サラ | うん。こっちのほうから……あっ ! | |
カナ | お店の看板が出ているわ !『まもなくパンが焼けます。焼き立てをぜひどうぞ』ですって ! | |
サラ | こんなところにもパン屋さんがあったんだ。路地裏だから気づかなかったよ。 | |
カナ | きっと隠れた名店なんだわ !せっかくだから買いましょう ! | |
サラ | そうだね ! ふふっ、これもカナのおかげだね。 | |
カナ | えっ、どうして ? | |
サラ | だって、カナがこの道に迷い込まなかったらこのパン屋さんにも出会えなかった。カナが導いてくれたんだよ。 | |
カナ | ふふっ、そう言ってくれると迷うのも悪くないって思えてきちゃうわ。 | |
カナ | あっ、でも ! サラたちが心配しない程度に迷うようにするから ! | |
サラ | あはは。それじゃあ、アレンたちのパンも買っていこう。 | |
カナ | ええ ! みんなが喜んでくれる顔を見るのが今から楽しみね ! |
Character | 空回る理由 | |
カナ | ねえ、ゼファー ! 今からランチよね ? | |
ゼファー | そうだが、それがどうした ? | |
カナ | あのね、日ごろの感謝を込めて今日はゼファーのためにお料理を作ったの ! | |
ゼファー | 別に感謝されるようなことはしてねぇよ。わざわざ改まらなくてもいいだろうに。 | |
カナ | むーっ ! ゼファーに身に覚えがなくても私はいつも、とっても感謝してるのよ。 ね、だからお昼まだなら食べてくれない ? | |
ゼファー | わかったよ、食べてやるから。その作った料理出せよ。 | |
カナ | ありがとう !ふっふっふ~♪ きっと喜ぶわよ。だってメニューはゼファーの大好きな……。 | |
カナ | ――これよ ! | |
ゼファー | ………………。………………………。……俺に土を食べる趣味はないぞ。 | |
カナ | 土じゃない~ ! ハンバーグよ、ハンバーグ !ゼファー好きでしょ ? | |
ゼファー | これが……ハンバーグ ?どう見ても粘土でできたブロッコリーにしか見えないだろ。 | |
カナ | …………やっぱりそう思う ? | |
カナ | たは~、何とか勢いでごまかせないかと思ったけどやっぱりダメだったわね……。でも、味は美味しいのよ ? ちゃんと味見したもの。 | |
ゼファー | 味が良くてもこれはな……。前のチョコもそうだがどうしてお前は普段は普通に作れるのに俺に出すときだけおかしくなるんだ。 | |
ゼファー | 見た目がブロッコリーのハンバーグなんて初めて見たぞ。新手の攻撃なのかこれは。 | |
カナ | 違うわ~ ! ……真剣に作ったんだけどなぁ。うーん、でも本当に何でなのかしら。おかしくなっちゃう理由があるのよ、きっと。 | |
カナ | 順を追って考えてみましょう。ゼファーに料理をする時、私、すごく燃えるのよ ! | |
カナ | やる気が満ち溢れるの。絶対に、美味しいの作るんだって。 | |
カナ | それで――うおー ! って作るとこんな感じになるのよね。 | |
ゼファー | なるほど、何もわからんな。 | |
カナ | やっぱりあれかしら。ゼファーへの料理は緊張しちゃっているのかもしれないわ。 | |
ゼファー | お前が ? なんで ? | |
カナ | 相棒ポイントよ !ゼファーの相棒になるのに必要なポイント。 | |
カナ | 出来栄えによってプラスになるかマイナスになるのか……それが気になっていつもと変わったものになっちゃうのよ、きっと。 | |
ゼファー | ふむ……お前らしい話ではあるな。 | |
カナ | そういえば、あれからだいぶ経つけれどポイントは今どれくらい貯まっているのかしら ? | |
ゼファー | ……そうだな。あー、それなりに、たくさんだよ。 | |
カナ | 良かった ! 順調に増えてるのね !でもきっと、相棒になるまではまだまだよね。私、もっともっとがんばるわ ! | |
ゼファー | まぁ、そう気負うなよ。今回上手く作れなかったのはもっと簡単な理由かもしれないぜ。 | |
ゼファー | きっと、お前が真のハンバーグを食べたことがないせいさ ! それで勉強足らずで変になっちまった。って可能性はどうだ ? | |
カナ | なるほど。まったく無いとは言い切れないわ。 | |
ゼファー | だろう。だからここは一つこの辺で一番オススメのハンバーグを俺がごちそうしてやろう。感謝しろよ。 | |
カナ | わぁい ! って、ゼファーそれ自分が食べたいだけだったり、しない ? | |
ゼファー | お、鋭くなったな。 | |
カナ | ふふっ。だてにゼファーの『相方』じゃないもの !これでまた、ポイントゲットね ! | |
カナ | ねぇ、そんなに美味しいお店ならみんなも誘って行きましょうよ !みんなで食べるご飯はきっととびきり美味しいわ♪ |