| Character | #N/A |
 | カーリャ | ミリーナさま、荷物を持つの手伝いますね ! |
 | ミリーナ | え、待ってカーリャ、それは── |
 | カーリャ | う……んぎぎぎぎっ…… ! |
 | ミリーナ | さすがに、カーリャには重すぎるわよ。私なら大丈夫よ。手伝ってくれてありがとう。 |
 | カーリャ | うう……わかりました……。 |
 | カーリャ | はぁ……ミリーナさまの役に立ちたいのに最近ちっとも機会がありません……。 |
 | カーリャ | あ、誰ですか。こんなところにゴミを捨てたのは。大所帯になってきて、皆さん緩みすぎ……おや ? |
 | カーリャ | これ、ゴミじゃありません。誰かの手紙みたいですね…… ? |
 | カーリャ | えっと……『今夜〇時、サロンで■▼●──』うーん、字が汚くて読めません。 |
 | カーリャ | でも、このままではお手紙が届かなくて困ったことになるんじゃあ……。 |
 | カーリャ | ……はっ ! ? これは、カーリャの出番ですよ ! |
 | ミリーナ | それで、手紙の送り主を捜そうっていうの ? |
 | カーリャ | はいっ ! きっと送った人は手紙が届いていると思って今夜サロンで待っているに違いありません ! |
 | ミリーナ | 確かに、届いてないことを知らない相手は待ちぼうけしてしまいそうね。 |
 | カーリャ | そうでしょう !だからカーリャが見つけてあげるんです ! |
 | ミリーナ | この手紙が今日出されたものならいいんだけど……。 |
 | カーリャ | まずは、この手紙が落ちていた場所に行って近くの部屋の方に話を聞いてみることにしましょう ! |
 | ミリーナ | この辺りは、女の子の部屋が集まってるところね。 |
 | カーリャ | ここです ! ここの扉の近くに落ちてました。 |
 | ミリーナ | ここって確か……シェリアの部屋じゃないかしら。 |
 | パスカル | あれー、二人でなにしてんのー。 |
 | カーリャ | あ、パスカルさま ! |
 | ミリーナ | シェリアに用があったの。この手紙、落としたんじゃないかって。 |
 | パスカル | ん~ ? どれどれ~。これって暗号文か何か ? |
 | カーリャ | パスカルさま、それ逆さまです。 |
 | パスカル | あ、ほんとだ。えっと、『今夜〇時……』って、結局字が汚くて読めないじゃ~ん。 |
 | パスカル | ま、いいや。それよりシェリアならいないよ。 |
 | カーリャ | ええっ ! 出掛けちゃってるんですか ! ? |
 | ミリーナ | そういえば、魔物の被害が出た村に治療に行くって聞いてるわ。アスベルたちも一緒のはずよ。 |
 | パスカル | あたしもシェリアに用があったんだけどさー。まあ、その用事を忘れちゃったんだけど。 |
 | カーリャ | う~……こうなったら追いかけるしか……。でも、カーリャ一人じゃ行けませんし…… |
 | ミリーナ | それなら、私が一緒に付いていくわ。 |
 | カーリャ | で、でも、ミリーナさまにもお仕事が……。 |
 | ミリーナ | いいのよ、カーリャがやりたいことなんでしょう ? |
 | カーリャ | ミリーナさま……ありがとうございます ! |
 | カーリャ | ここが、シェリアさまたちがいる村ですね。 |
 | ミリーナ | 建物の被害はそれほどないみたいね。ケガ人も少ないといいんだけど。 |
 | シェリア | 重症の人はもういませんかー ?頭を強く打った人も念のため診せに来てくださいねー ! |
 | カーリャ | シェリアさま ! 見つけました ! |
 | シェリア | カーリャ、ミリーナも。どうしたの ? アジトで何かあったの ? |
 | カーリャ | それがですね…… |
 | ミリーナ | カーリャ ! 危ない ! |
 | ミリーナ | うっ…… ! |
 | カーリャ | ミリーナさま ! そんな、私のせいで……。 |
 | 魔物 | グルルルル……。 |
 | アスベル | シェリア ! 気をつけろ !まだ魔物の生き残りがいる ! |
 | シェリア | アスベル ! ミリーナが…… ! |
 | ミリーナ | 私なら大丈夫。ほんのかすり傷よ……。 |
 | アスベル | すまない。とにかく、こいつを片付けよう ! |
| Character | #N/A |
 | アスベル | 目に付く魔物は片付けたけど……。念のため、もう少し辺りを調べてくる。 |
 | シェリア | ええ、お願いね。 |
 | シェリア | それで、私に用って ? |
 | ミリーナ | カーリャがあなたの部屋の前で手紙を拾ったの。落としたなら困るんじゃないかと思って。 |
 | シェリア | だからわざわざ来てくれたのね。でも、残念だけどこれは私の手紙じゃないわ。 |
 | カーリャ | そう、ですか……。 |
 | シェリア | ごめんね、力になれなくて。 |
 | カーリャ | い、いえ ! シェリアさまはなにも悪くないです !カーリャが……お役に立てないだけで……。 |
 | カーリャ | 戻りましょう。これ以上、ミリーナさまに付き合っていただくのは申し訳ないです。 |
 | ミリーナ | カーリャ……。 |
 | カーリャ | ……………………。 |
 | ミリーナ | カーリャ、残念だったわね。手紙の主が見つからなくて。 |
 | ミリーナ | あまり気にしちゃダメよ。カーリャのせいじゃないんだから。 |
 | カーリャ | ……わかってます。でも、やっぱり悲しいです。 |
 | カーリャ | カーリャは、一人ではなんにもできません。むしろ、助けてもらってばかりです。 |
 | カーリャ | もっとミリーナさまのお役に立ちたいです。 |
 | カーリャ | コーキスのような大人の身体になりたいです……。 |
 | シェリア | カーリャ ! |
 | カーリャ | シェリアさま、それにパスカルさまも……。 |
 | シェリア | ごめんなさい ! |
 | カーリャ | へ…… ? |
 | シェリア | その手紙、パスカルが私に宛てたものだったの ! |
 | ミリーナ | ちょっと待って。さっきは見たことないって。 |
 | パスカル | いや~、今朝自分で書いたのをすっかり忘れててさ~。 |
 | パスカル | 徹夜続きだったからサロンで寝ることにしたんだけど実験結果が出る頃に起こしてもらおうと思ってシェリアの部屋にメモを残しておいたんだ。 |
 | パスカル | まあ、結局そのまま実験を続けちゃって寝てないんだけどね。 |
 | ミリーナ | つまり、後半は『サロンで寝てるから起こしに来て』って書いてあったのね。 |
 | シェリア | こんな走り書き、読めないわよ、普通。でも、カーリャに見せてもらった時にこの読めない字をどこかで見た気がしたの。 |
 | カーリャ | そうだったんですか……。ともかく、誰も困らなくてよかったです。 |
 | シェリア | ほんとにごめんね。パスカルにはもっとマシな方法で伝言を残すようにさせるから。 |
 | パスカル | マシな方法って言われてもなー。魔境通信は相手が出られない時だと意味ないし。気軽に使う感じでもないよね。 |
 | ミリーナ | 確かに、いきなり連絡が来たら何かあったのかって身構えちゃうかもしれないわね。 |
 | パスカル | 魔境通信に録音機能でもつけるかなー。でも、記憶媒体がなー。 |
 | パスカル | いったん、みんなの魔境通信をぜんぶ回収して実験していい ? |
 | シェリア | 伝言のためだけにそんな大事にはできないわよ。 |
 | ミリーナ | 伝言……伝言……そうだわ !カーリャ、一つお仕事を任されてみない ? |
 | カーリャ | え……お仕事ですか ? カーリャに ? |
 | ミリーナ | ええ。お仕事の内容はアジトのみんなの伝言屋さん。忙しい人に代わって、誰かに連絡事項を伝えに行ったり伝言を預かってカーリャがそれを運ぶのよ。 |
 | シェリア | なるほど、誰か一人が確認してくれたら伝え忘れも少なくなりそうね。 |
 | パスカル | 伝えたこと自体を忘れるのも減りそうだよね ! |
 | カーリャ | カーリャが、伝言屋さん……。 |
 | ミリーナ | サロンに掲示板を設置してもいいわね。『誰か、〇〇ってアイテム余ってませんか ? 』なんてちょっとした相談もできそう。 |
 | ミリーナ | 特定の誰か宛じゃない内容はそこに貼っておいて解決したら外す。そういう管理にも人手が必要だわ。カーリャ、やってくれる ? |
 | カーリャ | はい……はい !カーリャ、皆さんのお役にたてるよう頑張ります ! |