プロフィール
嵐のフォルスを持つ男は、冷酷かつ残忍な性格で人々に絶望をもたらすことを生き甲斐としている。国王直属の特殊部隊に所属しているが、それは王への忠誠心のためではない。ただ他人をいたぶり、苦しみもがく姿を楽しむため。任務に赴き、圧倒的な力をもって制圧する。しかしヴェイグたちに敗れてのちは、別の執着が心に生じた。人の心の強さを知ったサレが新たに目指すのは、強い心を徹底的に踏みにじることだった。
ミリーナの一言
人の心を踏みにじるなんて許せることじゃないと思うの。でも、ヴェイグさんたちの話を聞いていると、心がどれだけ人を強くするのかについては認めているのよね。相手がどんな人でも、自分が気に入るかどうかで判断しているみたいだし……。決していい人ではないけれど、平等な人ではあるのかしら ? 彼に影響を与えるような人との最初の出会いが、今とは違うものだったら、また別の生き方があったのかもしれないわね。
イクスの一言
人から伝え聞く話でしかないけど、俺にとってはあんまり理解できない部分が多い人っていうのが正直な感想だよ。でも、ぶれない信念を持っているのは凄いかな。それがもっと別の形で表れてたらよかったのかもしれないけど……。強い心を踏みにじるのが好きなんて、どうしてそんな風になっちゃったのか、不思議だよな。あと嵐のフォルスってカッコイイなって、ちょっとだけ思っちゃったけど、これは秘密にしておこう……。
Character | 絶望という救済 | |
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これはサレがまだ帝国にいた頃の物語です。 | ||
サレ | お呼びですか、聖女様。 | |
エルレイン | やっと来たか。呼び出してからかなりの間があった。一体何をしていた ? | |
サレ | それはもちろんあなたに命じられたとおりのことを。 | |
エルレイン | ……まあいい。今はその言葉を信じてやろう。 | |
サレ | 今は、ですか。ではそのお慈悲に感謝するとしてご用件はなんでしょう ? | |
エルレイン | 調査してもらいたいことがある。できるだけ急ぎでな。 | |
サレ | へえ、それもあなたの目指す救済に必要だからなんでしょうね。 | |
エルレイン | 当然だ。調査をするのはファンダリア領の南端。そこにある村で好まれる花だ。 | |
サレ | ……花 ?その花に何か特別な効果でも ? | |
エルレイン | いや。ごく一般的な観賞用の花だ。その花を好む者が多いという話を聞いてな。 | |
サレ | はあ……まあ、そういう人もいるんじゃないんでしょうか。 | |
サレ | しかしそれを調査することに何の意味があるのかわかりませんが。 | |
エルレイン | ここ数日で、唐突に枯れ始めているとのこと。その原因について探ってもらいたい。 | |
エルレイン | その花はただ好まれるだけでなく信仰の対象にもなっていたという……。それが失われる恐怖は計り知れないものだろう。 | |
サレ | だからその村の救済のために送り込もうと ?なるほど、慈悲深い聖女様らしいことで。 | |
サレ | 僕がその村に赴いたことで村人の表情に満足して帰ってきてしまうということもあり得るのでは ? | |
エルレイン | お前がそのような行動に出る可能性に私が思い至らないとでも思うのか ? | |
エルレイン | それでもお前は私の命ずる通りに動く。その必要があることはわかるはずだ。 | |
サレ | ……フッ。さて、どうでしょう ?それでもまあ、従っておきましょうか。今は、ね。 | |
サレ | ただし、調査を進めたところで救えない可能性もあるということも想定しておいてくださいよ ? | |
エルレイン | それはわかっている。ならば別の形での救済を考えるのみ。 | |
エルレイン | では、行け。報告を待っているぞ。 | |
サレ | ……やれやれ。聖女様の気まぐれには困ったものだね。でも、ちょうどいい。 | |
サレ | そろそろ新しい検体を探す必要もあるしね。そっちが見つかれば無駄な調査にはならないわけだし。 | |
サレ | 聖女様のご期待に添えるよう絶望する顔を見に行くことにしようか。『救済』のために……。 |
Character | 世界が変わろうとも | |
これはサレがまだ帝国にいた頃の物語です。 | ||
ハスタ | はいはい、皆さんお待ちかね。みんなのアイドル、ハスタくんの登場でっす !貴方のハート、抉らせて☆ | |
ロミー | はあ、相変わらずね、ハスタって……。 | |
サレ | フフッ、キミ、本当に面白いよね。落ち着きがなくて奇妙で訳がわからなくて。 | |
ハスタ | 奇妙 ? それ微妙 ! お前の血色かなり白。オレの妙技で魅了してやるぜ興味あんならこっちへどーぞ。 | |
サレ | やめておくよ。迂闊に近づいたら串刺しにされそうだ。 | |
ハスタ | 逃げるのか ! ? 人生には逃げちゃいけない場面ってもんがあるだろうが ! というわけでlet's デュエル♪ | |
ロミー | いい加減にしたら、ハスタ。今日はあなたのおかしな話を聞くために呼んだわけじゃないんだけど。 | |
サレ | へぇ、それなら何のため ?またグラスティンの趣味のために黒髪の『肉』でも集めてくるのかな ? | |
ロミー | そうよ。うちの領地であいつの玩具を捜して来いって。あくまでも黒髪を、ね。 | |
ハスタ | へー。それならまずは―― | |
サレ | ! っと。 | |
サレ | ふぅ……危ない。一瞬油断した隙に仕掛けてくるなんて相変わらず読めないね。 | |
ハスタ | ワーオ、避けられちった。はい、ハスタくん残念でしたっ。キミには今日の所は見逃すで賞をさしあげます ! | |
サレ | はいはい、ありがとう。それじゃ、行ってらっしゃい。 | |
ハスタ | 傷心のボクちんは今日の狩りに出かけるのであった。なお、使えない肉が届いてもクレームは一切受付ません。てなわけでバーハハーイ。 | |
ロミー | 何考えてるのか、さっぱりわからないわよね。あいつって。 | |
サレ | そもそも、あいつが言われたとおりに黒髪の被検体を持って来ると思うかい ?僕はそうは思わないけど。 | |
ロミー | あら、自分には任務がないとでも思ったの ?ハスタとは別の場所でいつものお仕事をして欲しいみたいよ。 | |
サレ | なるほど。アレが暴れているのを目くらましにして僕には極秘裏に動くようにっていう命令なんだ ? | |
ロミー | 必要な玩具は三つですって。背格好にも指定があるみたい。メモに纏めてあげたからどうぞ ? | |
サレ | へぇ……。また面白い実験をする感じ ?それとも、完全に別の目的があるのかな。 | |
ロミー | 自分で調べたら ?私は別に興味ないし。 | |
サレ | はいはい、わかりましたよ。まあキミも知らされていないっていうのが実際のところなんだろうけど……。 | |
サレ | 気をつけたほうがいいよ。何も考えずに言われるがままに動いているとやがて大切なものを失うことになる。 | |
サレ | ……いや、もうとっくに失ってるのかな ? | |
ロミー | ふふ、何のことかしら。 | |
ロミー | それに、あなたこそ、あいつに関わっていると大切なものとやらを失うんじゃない ? | |
サレ | フフ、僕には大切なものなんてないよ。ただただ楽しければそれで十分なんだ。 | |
サレ | さあ、狩りを始めようか。楽しみだねぇ……。 |