プロフィール
かつて自国フェンデルで軍の改革運動に身を投じていたマリク、その志半ば、大切な女性を凶弾によって亡くす。激しい喪失と挫折を味わい、国を捨てた後は各地を転々として生きてきた。ウィンドルで騎士学校の教官となったマリクは教え子と共に掛け替えのない仲間たちと出会う。己のことを教官と呼び、慕ってくれる仲間たちの為に、マリクは自分に語れるだけの経験を未来ある仲間たちに教える。
ミリーナの一言
さっきマリクさんとすれ違ったとき、ふわりといい匂いがしたの。尋ねたら香水をつけてるんですって。その日によって種類を変えているみたいで、取り扱ってるお店とかおすすめの香料をいくつも教えてもらったわ。マリクさんって物知りだし、いい匂いのする男性って素敵よね。イクスにもおすすめの香水を選んであげようかしら。
イクスの一言
マリクさんって、元いた世界では騎士学校の教官をやってたらしいんだ。俺もアスベルと一緒に訓練を受けたんだけど、まさに教官って感じで、指導が厳しかったよ。それに指摘がすごく的確だった。自分の未熟さを思い知らされたな。それにマリクさんの背中って、頼れる男って感じがするんだ。なんか憧れちゃうよ。大人の格好良さがあるよなぁ。
Character | 出会い | |
---|---|---|
アスベル | 教官、本日は自分の稽古に付き合って頂きありがとうございました。 | |
マリク | ああ。今日の動きは中々よかったぞ、アスベル。もうオレが教えることはないかもしれんな。 | |
アスベル | そんな ! ? 俺が皆を守るためにはまだまだ教官の教えが必要です。 | |
マリク | ふっ、そうか。ならば、またいつでも声を掛けに来い。お前は口ではなく実践で教えるのが一番だからな。 | |
アスベル | はい、教官 ! | |
ミクリオ | おかえり、二人とも。相変わらず熱心だね、アスベル。 | |
アスベル | ああ、教官がアジトに来てくれて稽古を見て貰えるのが嬉しくてさ。 | |
マリク | ところで、アスベル。お前、このあとシェリアたちと何か約束があるとか言ってなかったか ? | |
アスベル | いけない ! もうそんな時間か ! | |
マリク | 早く行ってやれ。女性を待たせるのは感心せんからな。 | |
アスベル | すみません、教官。では、お先に失礼します。 | |
マリク | 全く、慌ただしい奴だ。 | |
ミクリオ | 嬉しそうだね、マリク。 | |
マリク | まぁな。教え子の成長を見届けるのもオレの楽しみの一つなのさ。 | |
ミクリオ | 師弟関係、というやつだね。 | |
マリク | まさか、初めてアスベルと会ったときはここまでの付き合いになるとは想像もしていなかったがな。 | |
ミクリオ | アスベルとの出会いか。どんなものだったんだ ? | |
マリク | そうだな……あれはアスベルが騎士学校に入ってくる少し前のことだった。 | |
マリク | いつものように騎士学校の門から出ると子供たちが集まっていたんだ。その中でオレに声を掛けてきた少年が……。 | |
ミクリオ | アスベルということか…… ! | |
マリク | 街一番のかけっこ少年だと名乗ってな。どうやら騎士学校の生徒たちにも声をかけてひたすら勝負を挑んでいたらしい。 | |
ミクリオ | おい ! | |
マリク | しかし、少年がしつこく絡んでくるんでどうしたものかと悩んでいるとそこに颯爽と現れた少年が……。 | |
ミクリオ | アスベルということか…… ! | |
マリク | 自分こそが真なるかけっこ少年だと訴え始めたんだ。どちらも譲らない様子に痺れを切らしたオレは二人の少年の戦いを見守ることに……。 | |
ミクリオ | アスベルが出てこないじゃないか ! ? | |
マリク | そう……思えばオレも、昔はザヴェートの街を走り回る少年だった……。あれはマリク・シザース、三歳の冬の話だ。 | |
ミクリオ | ……三歳って、また別の話になってないか ?冗談はそれくらいで……。 | |
マリク | そう慌てるな。いいか、順を追って説明するとだな。オレはその時期にカーツという男と出会っていたんだが——。 | |
ミクリオ | 一体、いつになったらアスベルの話になるんだ……。 |
Character | むかしむかし、あるところに | |
マリク | よし、メルディ。こっちの準備はできたぞ。 | |
メルディ | はいな ! 楽しみだよー。 | |
クィッキー | クィッキー ! | |
エレノア | あれは、マリクとメルディですね……。何をやっているんでしょうか ? | |
メルディ | あっ、エレノア !エレノアもマリクがお話聞いていくといいよ。 | |
エレノア | お話、ですか ? | |
マリク | メルディに何か面白い話をしてほしいと言われてな。そこで急遽、オレが昔話を作ったんだ。 | |
エレノア | そうなのですか。アスベルたちから聞いていましたがマリクは面倒見がいいのですね。 | |
マリク | まぁな。それじゃあ、始めるぞ。 | |
マリク | むかしむかしあるところにマリク・シザースという教官がいました。 | |
エレノア | 自分が主役なのですね……。 | |
マリク | 教官は国の偉い人に頼まれて、悪の大魔王に囚われた王子様を助けに行くことになりました。 | |
メルディ | 冒険の始まりだな ! わくわくするよ ! | |
マリク | 旅の支度を終えた教官でしたが都を出発しようとしたところで青年から声を掛けられます。 | |
ロニ | あんた、なかなかいい腕っぷしだな !どうだ ? 俺と一緒にパン作りをやってみないか ? | |
エレノア | ロニ ! ? いつの間に ! ? | |
マリク | 青年と意気投合した教官は彼と一緒にパン屋を開くことになりました。 | |
エレノア | えっ……ええっ ! ? | |
シャーリィ | このお店……わたしたちのお店のライバルになるに違いありません。早くお兄ちゃんに知らせないと ! | |
エレノア | シャーリィまで ! ?それに話がどんどん変な方向に……。 | |
マリク | こうして、二つのパン屋が切磋琢磨した結果都の人たちは毎日おいしいパンが食べられて幸せになりましたとさ。おわり。 | |
エレノア | えっ、おわり…… ! ?囚われた王子様は ! ? | |
マリク | そんな奴は知らん。 | |
エレノア | いや、ですが悪の大魔王に……。 | |
マリク | 悪の大魔王は、パンの修行で旅をしていた教官と青年の“震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃”によって数年後に退治されてしまいますが、それはまた、別の話。 | |
エレノア | ええっ…… ! ? | |
メルディ | ワイール ! 面白かったな ! !マリク、またいっぱいお話してほしいよ ! ! | |
マリク | ああ、いい子にして待っておくんだぞ。 | |
エレノア | すみません……私は遠慮しておきます……。 |
Character | 新しい震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃 | |
マリク | 新しい技を編み出したいだと ? | |
ロニ | そうなんだよ。仮面が割れるとか変身するとかそこまで派手なものじゃなくていいんだがもっとこう、さらに凄い技が欲しいと思ってな。 | |
マリク | お前には震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃があるだろ。いきなりどうしたんだ。 | |
ロニ | その震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃のことでちょっと色々あったのさ。 | |
マリク | まさか震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃に弱点でも見つかったというのか ? | |
ロニ | ああ。俺の震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃には最後に武器を取り損ねるというリスクがあるんだ。それにはカイルにも「ださ~」と言われる始末さ。 | |
マリク | 気にするな。取り損ねようとも諦めず繰り出す最後のパンチがむしろいいとオレは評価している。まさに若さ溢れるトドメの一撃。 | |
ロニ | それを言ったらマリクのオシャレバージョンの震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃だってすげぇよ。ほら、なんて言ったっけな。 | |
マリク | シェイクスプリットスラッシュウィンドクラッシュパニッシュディヴァイドエンドのことか ? | |
ロニ | そう、それそれ。なんか都会っぽくて洒落てるよな。田舎の孤児院で育った俺には到底真似できない震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃だぜ。 | |
マリク | 少しばかり世俗にまみれただけの震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃さ。震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃はお前のような震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃でなくては。 | |
ロニ | そんなこと言ってくれるのはマリクだけだぜ。ようやく震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃の良さを分かち合える同士と出会えて俺は感激だ。 | |
マリク | 震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃には震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃の魅力がある。 | |
マリク | だからこそオレは安易に新しい技に走るのではなく震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃を更に磨き上げカイルの度肝を抜かせてやるべきだと考える。 | |
マリク | そこでだ、オレは1つ新しい震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃を提案したい。 | |
ロニ | 新しい震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃だと ? | |
マリク | オレとお前が編みだす新たな震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃――合体版・震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃だ ! | |
ロニ | 合体版・震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃 !そんな震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃考えもしなかったぜ ! | |
ロニ | 確かに合体は変身と同じぐらい少年の心も掴む !これでカイルの心も鷲掴みだ ! | |
マリク | そのとおり ! カイルだけでなく変身好きのヒューバートにも合体の魅力を叩き込んでやろう ! ! | |
ロニ | 望むところだぜ、マリク……いや、今この場では俺もあんたのことを教官と呼ばせてくれ ! | |
マリク | もちろんだ ! オレもこの場ではお前を同志と呼ばせてもらう ! ! | |
マリク | さあ、同志よ !合体版・震天裂空斬光旋風滅砕神罰割殺撃を共に作り上げるのだ ! ! | |
ロニ | もちろんだぜ ! 教官 ! ! |