プロフィール
最高位の思念術士である男は決心した。発展を遂げるも戦争の絶えない結晶界を、争いのない理想世界にするのだと。だがこの純美なる理念がもたらしたものは秩序ではなく崩壊だった。人々から争いの気持ちだけをなくすようにと生み出したガルデニアは暴走し、結晶界を滅亡させた。彼のスピリアを模して創られたそれは、彼自身も気づかなかった「自分が渇望しているもの」を求め続ける化け物となってしまったのだった。――しかし彼はいまだ星の復活を願い続ける。美しい想い人を救うため。愛しい故郷の人々のため。眠り姫に毒の想いを紡ぎ呪う、緋色の髪の魔王となって。
ミリーナの一言
この前、森で魔物に襲われそうになったところをクリードさんに助けてもらったの。魔物の群れを一瞬で倒してしまって驚いたわ。クリードさんは結晶界で一番の思念術の使い手で、リチアの師匠でもあるんですって。どおりで強い訳よね。そういえば一緒にいたユージーンさんがクリードさんを見て、元の世界にいた凄まじい剣技を操る将軍を思い出した……と言っていたの。クリードさんも凄まじい思念術の使い手だし、強い人同士の共通点があるのかも知れないわね。
イクスの一言
クリードはリチアの世界で一番の思念術士なんだって。最初はとっつきにくかったけど、最近はフローラさんのおかげか少し会話もしてくれることもあるんだ。話してみると博識で、凄く頭のいい人なんだなって感じるよ。さすが天才と呼ばれるだけのことはあるなって。リチアから、平和を願っていた筈なのに逆の結果になってしまったという話を聞いて……何となく他人事とは思えなかった。この世界ではシング達と繋がりはじめたスピリアで、人々も自分自身も幸せにできるといいな。
Character | 学習 | |
---|---|---|
クリード | 遅い。シング・メテオライトはまだ来ないのか。この私がわざわざ出向いているのに何をしている。 | |
シング | 待たせてごめん !クレス道場で盛り上がっちゃって ! | |
クリード | チッ……この能天気な原界人め。 | |
シング | それで、オレに用があるって聞いたんだけどどうかしたの ? | |
クリード | 貴様をしばらく観察することにする。 | |
シング | オ、オレを ! ? いきなりどうしたんだよ ! ? | |
クリード | 私は自分のことを理解しきれていなかった。だから私自身について学ぶために、自分以外の人間の行動を見てみようと思ったのだ。 | |
クリード | 貴様は私のことを「スピリアを開かなかったもう一人の自分」だと言っていた。ならば貴様を見れば「スピリアを開く」ということがわかるのだろう。 | |
クリード | 貴様を観察するなど時間の無駄でしかないと思うがフローラがそうしろと言うのでな。 | |
シング | ……クリード。 | |
フローラ | ごめんなさい、シング。気を悪くしないでくださいね。 | |
シング | うん、わかってるよ。よし、クリードオレでよければどんどん観察してくれ ! | |
クリード | ふん。ではより効率よく学習するためまず貴様の行動理念を知りたい。述べてみろ。 | |
シング | 行動理念かぁ……。よくわからないけどジィちゃんから教わった家訓ならあるよ。「胸の大きな美人は死んでも助けろ」ってね。 | |
クリード | な、なんだその軽薄な理念は ! ? | |
リチア | シング、クリード兄さま。少しよろしいですか ? | |
シング | どうかしたの ? | |
リタ | ちょっとこれ研究室まで運ぶの手伝ってくれない ? | |
アーチェ | 重くて困っててさぁ。 | |
シング | ああ、お安い御用だよ。クリードも手伝ってくれる ? | |
クリード | くははッ ! 私を試すつもりか ?そうはいかんぞ、シング・メテオライト ! | |
シング | 試す ? どういう意味 ? | |
クリード | 胸の大きな美人は死んでも助けろ。それはつまり、胸が小さな場合は死んでも助けるなという意味も含まれる。貴様の理念、理解したぞ。 | |
シング | ちょ、その家訓にそういう意味はなくて―― | |
アーチェ | へぇ、つまりあたしたちがぺったんことでも言いたいわけ ? | |
リタ | ……リチア。いいわね ? | |
リチア | どうぞ。 | |
クリード | なッ ! なぜ私が恨まれねばならない ! ?まさか貴様、私を騙したのか ! ? | |
シング | そんなわけないだろ !それに今はとにかくこの場から逃げないと―― | |
フローラ | ……おやすみなさい。シング、クリード。 | |
二人 | ――ファイアボール ! ! | |
シング | うわぁぁぁぁ ! ! | |
クリード | 覚えていろ ! シング・メテオライト ! ! |
Character | 想いを繋げて | |
アニー | これで検診は終わりです。皆さん、ご協力ありがとうございました。 | |
クリード | それで、貴様の満足いく結果でも得られたか ? | |
アニー | はい、クリードさんもアスベルさんも身体に異常は見られませんでした。 | |
アスベル | そうか。それならよかったよ。 | |
アニー | ただ、フローラさんとラムダの状態まではわたしたちの知識では把握できませんでした。 | |
アニー | お二人はわたしたちと置かれている状況も異なればヒューマ……普通の人間とも異なる存在です。 | |
アニー | なのでわたしでは診断できていない点見落としている点があるかもしれません。ハッキリしたことが言えず申し訳ないですが……。 | |
クリード | はなから貴様に期待などしていない。聞けばラムダとやらも、人間には到底敵わぬ特殊な力を持った生命体らしいではないか。 | |
クリード | 下等な人間如きが、私たち高貴な種を理解できると思っているとはな。とんだ思い上がりだ。 | |
アニー | そんなことは―― | |
アスベル | クリード。それは違う。 | |
クリード | ほう。私に意見するか ? | |
アスベル | ああ。確かに種族の違いが原因となり互いに争い、傷つけあうこともある。 | |
アスベル | けど、どちらも想いは同じなんだ。ちゃんと向き合い、手を取り合えば時間がかかっても必ず互いに理解し合える。 | |
アニー | アスベルさん……。 | |
アスベル | ……そうだろ、ラムダ ? | |
クリード | 何を語りだすかと思えば、くだらん思い違いだな。 | |
アスベル | どういう意味だ ! ? | |
クリード | 私は現状の技術や知識では不可能という意味で話を進めていたに過ぎない。 | |
アニー | えっ……それはつまり……。 | |
クリード | アニーと言ったか。フローラが貴様に感謝している。私は確かに伝えたからな。 | |
アニー | ……フローラさんが。 | |
アスベル | よかったな、アニー。 | |
アニー | クリードさん、待ってください。 | |
クリード | まだ何かあるのか ? | |
アニー | わたしにフローラさんの言葉を伝えてくれてありがとうございます。 | |
クリード | 礼など不要だ。フローラが伝えてほしいと言うから叶えたまでだ。 | |
アスベル | いいや、大切なことさ。こうして想いを繋げ合うことが手を取り合うってことだからな。 | |
クリード | ふっ……煩わしいことこの上ないな。 |
Character | 研究仲間 | |
パスカル | ふむふむ……ほーほー、なるほどね~。そこをそういう風にするのか~。となると、次は……。 | |
クリード | うるさいぞ…… !貴様は黙っておくことができないのか ? | |
リタ | ウザクリ、うっさい ! | |
クリード | なっ、貴様―― | |
シング | あっ、いたいた。クリード、アニーたちが捜してたよ。定期健診の準備が出来たからそろそろ医療室に来て欲しいってさ。 | |
クリード | そやつはしばらく待たせておけ。先にこちらの用件を片付けてからだ。 | |
リチア | クリード兄さま。一体何をしておられますの ? | |
パスカル | それがさ~、あたしが造ってる最新メカアスベルの調子がどうも悪くって。 | |
パスカル | それで、困ったな~って思ってたときにクリードがアジトにいるのを発見したからちょっと手を借りてるんだ~。 | |
クリード | 無理やり引っ張ってきおって無礼なやつだ。フローラが見たいと言うから付き合っているのだぞ ! | |
フローラ | ええ、昔は機械人も扱っていたし役に立てると思って。 | |
リタ | 時間がかかりそうなら先に自分たちの用事を済ませたほうがいいんじゃない ?別に、こっちは急いでるってわけじゃないし。 | |
クリード | 貴様、最高位の思念術士の私たちがこの程度の機械を扱えないとでも思っているのか ? | |
リタ | あっそ。けど、さっきあんたが使おうとしたパーツよりこっちの素材で作ったパーツのほうが耐久性もよくなるんじゃない ? | |
クリード | 愚問だな。確かに耐久性は上がるかもしれんがそれでは重量が増えることで動きが制限され使い物にならんぞ。 | |
パスカル | あ~、それならエンジンの出力を上げれば解決するかも ! 丁度、試してみたい実験もあったんだよね~ ! | |
クリード | 何だと ! ? 貴様、何故それを先に言わんのだ !私が組み上げた設計を無駄にするつもりか ! ! | |
パスカル | だから、まだ実験中だったんだよ~。ちょ~っと待っててね。すぐにポンッて作っちゃうから ! | |
クリード | ……くっ ! また一からやり直しではないか。 | |
リタ | パスカルに付き合ってたら、こんなのいつものことよ。ってか、なんであんなの造りたいのかあたしは未だに謎なんだけど……。 | |
リチア | ……ふふっ。 | |
シング | ん ? どうしたの、リチア ? | |
リチア | いえ、なんだか、昔のことを思い出してしまって。 | |
シング | そっか……リチアやフローラさんもクリードと一緒に研究をしていたんだよね。 | |
リチア | ええ。その頃から、クリード兄さまは優秀な方でした。しかし、その優秀さが仇となり、周りの者から疎まれ孤立してしまいました。 | |
リチア | ……ですが、ここではあのお二人のように兄さまのことを認めてくれる人たちがいる。そう思うと、わたくしも嬉しくなってしまって……。 | |
シング | うん。ここには、リチアやフローラさんみたいな人たちだっていっぱいいるんだ。もちろん、クリードのことは、オレたちだって……。 | |
クリード | 貴様ら、さっきから何をこそこそ話している ? | |
シング | ううん。別に何も。ただ、クリードにも友達が出来て良かったね !って話をしてただけさ ! | |
クリード | なっ…… ! ? | |
フローラ | ふふっ、シングの言うとおりですね。クリード。新しく出来た可愛い友達のために私たちも、もうひと頑張りしましょう。 |