プロフィール
出会いは人を変える。自分にこれほどのことがあるとは、誰も思わないだろう。カルセドニーには自らを変えてしまうほどの出会いが二度あった。一度目は許婚となる女性。二度目は戦友となる少年との出会い。どこにでもいそうな少年は、はじめから戦友となりえる存在ではなかった。ただ次第にその存在は大きくなり、期待の若き隊長であった自分を追い越していく。負けるものか。あの方に相応しい存在であるために。負けるものか。ライバルであり、最も認めている友に。
ミリーナの一言
意外というわけでもないけど、驚いてしまったの。カルセドニーさん、許嫁がいるんですって。カーリャと一緒にその話を聞いて、二人で大騒ぎしちゃったわ。将来を約束しあった相手がいるのって、ロマンチックよね。とっても素敵だわ !その上、お互いに想い合ってるなんて……。そんな相手がいたら、どんな困難も乗り越えていけそうよね !
イクスの一言
カルセドニーとシングは、よく口喧嘩しているんだ。けど、互いに認め合ってるからこそ、ああして言い合えてるんだろうな。戦いの時なんて、相手の力を信用していなければ、あそこまで背中を預けることはできないって思うからさ。あの二人の関係って、俺もすごく憧れるよ。他人からはわからない、心の結びつきがあるんだろうな。
Character | 朝までには落ちる | |
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カルセドニー | パライバさま……僕はこのまま諦める男ではありません……。必ずや……。 | |
チェルシー | あ、あの……あなたがカルセドニーさんですか ?婚約者が王族の……。 | |
カルセドニー | あ、ああ……パライバ陛下のことだな。だが、君は ? | |
チェルシー | うわあ !皆さん ! やっぱり間違いありません ! | |
カルセドニー | な、なんだ君たちは…… ! ? | |
チェルシー | 私たち、あなたとお話したかったんですよ !いろいろと聞かせてください。 | |
カルセドニー | 聞かせてくださいって、なにを―― | |
アーチェ | ねえねえ~、どうやってその歳で婚約することになったの ?あたしたちと同じくらいの歳じゃん ! | |
カルセドニー | あ、いや、それは子供のころに……。 | |
シェリア | プロボースはどちらからしたの ?私はやっぱり男性からしてもらいたいけどあなたはどうだったの ? | |
カルセドニー | お、おい。まだはじめの質問に答えていないんだが。 | |
アーチェ | ケチケチしないで教えてよ〜 !相手が年上だって聞いたけどそれって本当 ? ? | |
チェルシー | 皆さん、カルセドニーさんも困ってらっしゃいます。順番に伺いましょう。 | |
カルセドニー | あ、ああ。そうしてくれると助かる……。 | |
カルセドニー | ……って、どうして個人的なことを答えなければならないんだ ! | |
カルセドニー | 第一、君たちはどうして僕に許嫁がいることを知っているんだ。 | |
チェルシー | カルセドニーさんのお友達から聞きました ! | |
カルセドニー | な、あいつらッ ! | |
ヒスイ | ちなみにそいつ、赤ん坊のころにお相手におむつ交換してもらってるんだぜ ? | |
カルセドニー | バ、バカ者 ! 余計なことを言うんじゃないッ ! | |
アーチェ | あれ ? ということはお相手のパライバさまっていうのはお母さんみたいな年齢なの ? | |
シェリア | えっ ! ?あ、ごめんなさい。愛の形はいろいろあるけど年齢差に驚いちゃって。 | |
チェルシー | シェリアさん !愛に年齢は関係ありませんよっ ! | |
カルセドニー | 勝手な誤解をするな !パライバさまは母親のような歳ではない ! | |
カルセドニー | それに、周りが何と言おうと僕はパライバさまを愛しているんだ。歳とか立場とか関係なくだッ ! | |
カルセドニー | おい、どうして今度は黙るんだ。急に黙られるとその、僕も……なんと言えばいいか……何か言ってくれッ。 | |
アーチェ | それじゃ、今日は朝まで話を聞かせてもらっちゃおう〜 ! | |
カルセドニー | いや、それはちょっと 僕にもやることが色々と……。 | |
ヒスイ | くくく、ありゃ本気で朝まで根掘り葉掘り聞かれるぞ。俺らの知らねえことまでゲロっちまうな。 | |
ベリル | ボクもこっそり聞いてこよーっと !にしししッ ! |
Character | 宣誓は大事です | |
カルセドニー | ん、あなたは ? | |
アスベル | 俺はアスベル・ラントだ。君が騎士のカルセドニー ? 俺も騎士を目指していたから少し話をしてみたいと思ったんだ。 | |
リチャード | 僕はリチャード。よろしくね。 | |
アスベル | リチャードは俺たちの国の王だけど親友でもあるんだ。 | |
カルセドニー | これは…… ! 王族の方とは知らず無礼なふるまいをお許しください。 | |
リチャード | いいんだ。堅苦しいのは好きじゃないからね。名前も気軽にリチャードと呼んでくれ。 | |
カルセドニー | はっ ! かしこまりました ! | |
アスベル | と言いつつ堅いんだな……。そういえば君とシングは親友だと聞いたよ。 | |
カルセドニー | 親友……べ、別に親友というわけでは。シングとは対立をした時期もあったしライバルではあるが……。 | |
アスベル | 俺とリチャードも同じさ。対立をしたこともあったけど、こうやって今では背中を預けられる相手だ。 | |
リチャード | 君はシングをライバルと言ったね。それは彼を尊敬し、信頼しているとも言える。僕とアスベルもそうだよ。 | |
カルセドニー | 僕が尊敬だなんて。あいつはただまっすぐで言葉にしたことをすべてやり遂げる。僕にはないものを持っているだけです。 | |
リチャード | ふふ、自分が持っていないものに惹かれるけど自分はそうなれないとも思っている。ある種の憧れとも言い換えられるかな。 | |
リチャード | それが、友人に対する尊敬だと僕は思うよ。 | |
アスベル | 君のことを少し聞いたから伝えておきたいことがあるんだ。 | |
カルセドニー | なにを…… ? | |
アスベル | 君と君が仕えていた主人のことが少し心配なんだ。 | |
アスベル | ここでは、以前の世界と同じ関係ではなくなってしまうこともある。 | |
カルセドニー | そんなことはない !僕にとってパライバさまはこの身と忠誠を捧げる相手だ ! | |
アスベル | わかってるよ。否定するつもりはないんだ。ただ、俺が言いたかったのは―― | |
アスベル | この世界では新しい気づきがたくさんある。今まで築き上げてきたものも大切だけど新しい世界や仲間に触れるいい機会なんじゃないかな。 | |
カルセドニー | 新しい世界……そう、かもしれないな。あまり考えてはいなかった……。 | |
アスベル | 君の話を聞いて思ったんだ。君は主人のことで頭がいっぱいになっているんじゃないかって。 | |
カルセドニー | 僕の中ではパライバさまがいればそれだけでいいと思っていた。たしかにあなたたちの言う通りだ。 | |
カルセドニー | アスベル、リチャード。僕にとって今日から新しい道が始まるような気がしている。 | |
カルセドニー | 自分は、『元』結晶騎士団のカルセドニー・アーカムだ。 | |
カルセドニー | 『僕の親友』のシングやヒスイやコハクたち『僕の仲間たち』がこれまで世話になった。 | |
カルセドニー | 僕からも改めて申し出たい。これから、僕も貴公らの仲間としてよろしく頼む。 | |
カルセドニー | そして、自分が生涯変わらぬ忠誠を尽くすパライバさま共々、お見知りおき願いたい。 | |
アスベル | 俺たちこそ、いつか君の主人に会えることを心から待っているよ。そして協力させてくれ。よろしくな、カルセドニー。 | |
リチャード | ふふふ、まったく困りものだね。 | |
アスベル | なにがだ、リチャード ? | |
リチャード | 王族や騎士っていうのはこういう形式的な宣誓を好むってところがさ。僕自身も同じだけどね。 | |
カルセドニー | まったくだ。ははは。 |