プロフィール
赤眼の魔王に仕える五人の腹心が一体、獣王ゼラス=メタリオム。獣神官ゼロスはその忠実なる部下だ。人の姿をしているがその本質は別にあり、降魔戦争においてはたった一人で竜の一族を壊滅寸前にまで追い込んだという。魔族とは力もその在り方も人智の範疇を超えているということを体現しているのがゼロスである。常に穏やかな笑みをたたえているように見えるが、その顔が人間と同じ感情を示しているとは限らない。
ミリーナの一言
ゼロスは、ちょっとつかみ所がない人よ。いえ、人じゃなくて魔族だったわね。ゼルガディスやアメリアには「気をつけろ」って言われてるけど、話しているだけだと案外普通に受け答えしてくれるの。けど、それもリナの近くにいて身の安全を守るための手段でしかないのよね。人も魔族も、笑顔しかみせてこない相手こそ警戒するべきなのかしら。
イクスの一言
ゼロスはけっこう冗談が好きなやつなんだ。魔族は人間と根本的に考え方が違うって聞いていたけど、むしろイタズラ心についてはよくわかってるのかも。意外とその場のノリで物事を決めたりするし、周囲の人をあたふたさせるのが好きなんだろうな。まあ、これも単なる人間側の解釈に過ぎないのかもしれないけど。
Character | うさんくさい神官 | |
---|---|---|
リッド | お前は…… ! ? | |
ゼロス | お久しぶりです。その節はどーも。 | |
リッド | どーも、じゃねぇよ。お前滅びたんじゃないのか ?ていうか、また何か企んでるなら……。 | |
ゼロス | 安心してください。今のところ皆さんと敵対するつもりはありませんよ。ええ、今のところは。 | |
リッド | その言い方がうさんくさいんだよ。やっぱりリナの言ってた通りのやつだな。 | |
ゼロス | うさんくさいとは、まったくひどい扱いです。まあ、否定はできないのですが。 | |
リッド | 否定しないのかよ。 | |
ゼロス | 魔族ですからね。人間の方々とは考え方も生き方もまるで違います。 | |
ゼロス | それを『うさんくさい』と称するのであればあまんじて受け入れるしかありません。 | |
リッド | いや、人間じゃないからって訳じゃねえ。 | |
リッド | お前からは、もっとこう……ヤバイ感じがするんだよな。 | |
ゼロス | へぇ……。 | |
リッド | そう、あれだ。ネレイドの気配に似てるんだ。 | |
リッド | って、言ってもわかんねぇか。ネレイドってのは物質の無い世界だかなんだかの神みたいなやつで……。 | |
ゼロス | 非物質の存在とはあながち間違いじゃありません。神……とは真逆の有り様ですけどね。 | |
リッド | やっぱりな。お前、相当な力を持ってるだろ。 | |
ゼロス | それも否定はしません。それで、どうします ?僕を滅ぼしますか ? | |
リッド | そんなことはしねぇよ。別に今は悪いことも企んでねえんだろ。 | |
ゼロス | ええ、まあ。 | |
リッド | それに、リナが保護者やってんだしお前が変なことすりゃきっとあいつがなんとかするだろ。 | |
ゼロス | 確かに、リナさんならそうするでしょう。ですが、僕これでもけっこう強いですよ。 | |
リッド | なにも戦って黙らすとは限らねえぜ ?たとえばそうだな……リナが思いつく限りのひどい嫌がらせをするとか。 | |
ゼロス | う……それは素直に嫌ですね。 | |
リッド | だから、変な気は起こすなよ。リナのほかにもとんでもないヤツがここには山ほどいるからな。 | |
ゼロス | 忠告、胸に刻んでおきますよ。 |
Character | 新しい在り方 | |
ゼロス | リナさん、こちらにいらっしゃいましたか。 | |
リナ | げっ……ゼロス。なんなのよ、いったい。 | |
ゼロス | なんなのよと言われましても僕の保護者はリナさんですから。ちゃんと面倒見てくれないと困ります。 | |
リナ | 誰がいつあんたの保護者になったのよ。 | |
ゼロス | 皆さんおっしゃっていますよ ?『ゼロスのことはリナがなんとかする』って。 | |
リナ | あいつら……。面倒事をぜんぶこっちに押しつける気ね。 | |
ゼロス | 実際、僕はリナさんに従うという約束でワイズマンさんと敵対する状況を避けられました。生きるためにはこうするしかないんですよ。 | |
ゼロス | まあ、魔族の僕が生き残るために努力するというのもおかしな話なんですが。 | |
リナ | なるほどね。いろいろ切実だってことはわかったわ。で、あんたはどーしたいのよ。 | |
ゼロス | 以前にお伝えした通り今はリナさんを生かしておくことが僕の唯一の仕事です。 | |
リナ | 仕事じゃなくて、あんたのやりたいこと聞いてるの。だいたい、上司の命令は『フィブリゾを手伝え』だったんでしょ ? 今さら律儀に守る必要があるわけ ? | |
ゼロス | そう言われましても、魔族にとって自分を生み出した存在からの命令は絶対ですから。 | |
リナ | その上司もここにはいないじゃない。 | |
ゼロス | はぁ……。あまり僕を困らせないでください。 | |
ゼロス | 知らない世界に放り出されておまけにやるべきことも曖昧になって僕だって結構まいってるんです。 | |
ゼロス | うっかり滅びたくなりそうです。いろいろなものを巻き込んで。 | |
リナ | げ……やめてよね。不穏なこと言うの。 | |
ゼロス | まあ、それは冗談としてもリナさんには責任をとっていただかないと。 | |
リナ | なんの責任よなんの……まあいいわ。そういうことならこき使ったげる。でも、一つだけ聞かせて。 | |
リナ | この世界に具現化された存在は世界に最適化される。『エンコード』……だったかしら。 | |
リナ | つまり、あんたは以前とは少し違う存在になってるはず。 | |
リナ | だったら『魔族にとって自分を生み出した存在からの命令は絶対』っていう縛りも本当は無いんじゃない ? | |
ゼロス | それは── | |
ゼロス | 秘密です。 |