プロフィール
ネットワークRPG『The World』のプレイヤー。アトリ自身は特別ゲームが好きというわけではなかった。ただ、居場所が、自分を見てくれる誰かがほしかった。そんな彼女はハセヲとの出会いによって運命を大きく動かされる。ひたすら遠くばかりを見つめる少年を追い続けるうちに、ただ救ってくれる誰かを待つだけだった少女は、自らの足で、言葉で、前に進むようになっていく。その穏やかでひたむきな想いは、やがて少年を支える強い力となっていく。
ミリーナの一言
アトリはとっても真面目な子なの。きれい好きだし料理も上手だから、大所帯のアジトでは本当に助かっているわ。でも、意外なことに野菜嫌いなんですって。偏食はダメだって逆にハセヲさんに叱られてたりするのよ。何だか微笑ましいわね。最近はベルベットと一緒にいるのを見かけることもあるわ。二人でアジトに休みに来る野鳥の巣箱を作ったりして、仲良くやっているみたい。二人とも鳥が好きなのかしら ?
イクスの一言
アトリはちゃんとしなくちゃって気持ちが強くて、何か悪いことが起きた時に自分のせいじゃないかって考えてしまうみたいなんだ。その気持ち、俺にもよくわかるよ。最近はかなりマシになったと思うけど、俺も色々悪いことを考えがちだし……。ただ、俺にはミリーナやたくさんの仲間がいて、支えてくれたからどうにかやってこられた。俺たちも支えるけど、アトリにとっては、ハセヲにそういう存在でいて欲しいんじゃないかな。
Character | 乙女たち | |
---|---|---|
シェリア | よく来てくれたわ、アトリさん。 | |
アトリ | あの、シェリアさんですよね。私、どうして呼び出されたんでしょう……。 | |
レイア | そんなに心配しないで。むしろ、わたしたちがあなたを心配してるの。 | |
アトリ | 心配……ですか ?どういうことでしょう……。 | |
シェリア | ハセヲ……ものすごく鈍感よね。 | |
アトリ | そ、それは……。はい。その通りなんです。 | |
アトリ | 目標があるのは良いことだと思うんですがそればっかりで他のことに目もくれない。 | |
アトリ | いつも無茶をして、こっちが心配しても大丈夫だ。お前に関係ないって。 | |
アトリ | 挙げ句、余計なお世話だって言われるんです。 | |
シェリア | そう……あなたも苦労しているのね。 | |
レイア | 目標や信念があるのは素敵なことだと思う。でも、もっと自分自身も大切にしてほしい。心配している人がいることを忘れないでほしい。 | |
レイア | ってことだよね ? | |
アトリ | そうです。そうなんです ! | |
シェリア | ほんと、男の子って、どうしてみんな無茶ばかりするのかしら……。 | |
レイア | 謎……だよね。 | |
アトリ | 謎ですね……。 | |
三人 | はぁ……。 | |
シェリア | やっぱり、声をかけて良かったわ。アトリさんこれからも仲良くしてね。 | |
レイア | うん。こうやっていろいろおしゃべりしようよ。 | |
アトリ | え……。 | |
シェリア | あ……ごめんなさい。迷惑だった ? | |
アトリ | い、いえ、そうじゃないんです。ただ、その……わからなくて。 | |
レイア | わからない…… ? | |
アトリ | 私、同年代の女の子と何を話していいかわからなくて。元の世界では友達……ほとんどいなかったから。 | |
アトリ | だから、どんなこと話していいかわかりません。みなさんを退屈させてしまうかも……。 | |
レイア | そんなことないよ !おしゃべりなんて、なんだっていいんだから。 | |
シェリア | そうよ。美味しいお菓子を食べてこれ美味しいねとかお茶はどんなのが合うかなとか。 | |
レイア | あとはそう、他の世界の服とかアクセサリとか可愛いものを見つけた時の情報交換とか ! | |
シェリア | だから、お友達になりましょう。 | |
アトリ | 本当に……私なんかでいいんでしょうか ? | |
レイア | いいに決まってるじゃない ! | |
シェリア | むしろ、これだけ話が合うのに今さら嫌だなんてそんな寂しいこと言わないわよね ? | |
アトリ | みなさん……。 | |
アトリ | はいっ ! ふつつか者ですがよろしくお願いしますっ。 |
Character | 鳥 | |
アトリ | 小鳥さん、ごはんですよ。 | |
ベルベット | あら、先客がいたのね。 | |
アトリ | ごめんなさい。もしかして、あなたの場所でしたか ? | |
ベルベット | 別にあたしの場所ってわけじゃないわ。時々、鳥に餌をあげに来てただけ。 | |
アトリ | 鳥、お好きなんですか ! ? | |
ベルベット | きゅ、急に食いついて来たわね……。 | |
アトリ | す、すみません。同じ趣味の方かと思ってつい……。 | |
アトリ | あ、私はアトリといいます。 | |
ベルベット | ベルベットよ。あんた、鳥が好きなの ? | |
アトリ | はいっ、大好きです ! | |
アトリ | 家でも文鳥を飼ってたんですけどもう、すっごく可愛いんですっ。 | |
アトリ | 私が机に向かってると、私の手の平におさまろうとするんですよ ! | |
ベルベット | わかった。わかったから落ち着きなさい。 | |
アトリ | あ……ごめんなさい……。 | |
ベルベット | まあ、あんたが鳥が好きだってことは十分伝わってきたわよ。 | |
アトリ | ベルベットさんは、鳥好きじゃないんですか ? | |
ベルベット | ……好きとか嫌いとかそういうのじゃないわね。 | |
ベルベット | ある人に聞かれたのよ。『なぜ鳥は空を飛ぶのか』って。 | |
アトリ | 鳥が飛ぶ理由……。 | |
ベルベット | 最初は飛ばないとエサが獲れないからだって答えた。でも、今はそうじゃない気がしてる。 | |
ベルベット | ここに来て鳥を見ていれば何かわかるかも、ってね。 | |
ベルベット | ちょうどいいわ。あんたはどう思うの ? | |
アトリ | ……わかりません。でも、鳥だから飛ばないといけないとかそういうのは、なんだか違うと思います。 | |
アトリ | 私が小鳥なら空を自由に飛ぶよりも好きな人の肩にとまって同じ目線で前を見たいです。 | |
ベルベット | …………。 | |
アトリ | あ、これはあくまで例えばの話で実際にそうなりたいというわけでは……。 | |
ベルベット | いいのよ。ありがとう。面白い答えが聞けたわ。 | |
アトリ | お役に立てなくてすみません。あの、これからもここに来ていいですか ? | |
ベルベット | 好きにすればいいのよ。あたしもそうするから。 | |
ベルベット | そうね、せっかく会ったんだしあんたの世界の鳥の話を聞かせてよ。 | |
アトリ | それじゃあ……ペンギンなんてどうですか ? | |
ベルベット | ペンギン ? なんだかペンギョンみたいな名前ね……。 | |
アトリ | この鳥、空を飛べないんです。足も短いから陸の上ではこう左右に揺れながらヨタヨタって歩くんです。 | |
ベルベット | ぷっ……。なにそれ。ほんとに鳥なの ? | |
アトリ | ええ、でも可愛いんですよ。他にも色々な鳥がいますから色々お話しさせて下さい。 |