プロフィール
少女は一人焼け野原に立っているような気持ちだった。戦乱が少女を孤独にした。生きていくために盗みを行う日々。決して以前のような暖かく、穏やかな日々は帰ってこない。だが、世界は厳しくもあり、優しくもあった。同時にエルマーナに別の家族と新たな仲間も授けた。それが前世からの縁故だったとしても、ただ守りたい人たちを守る。そう少女は心に刻んだのだった。
ミリーナの一言
エルマーナって不思議な子よね。13歳とは思えないほどすごくしっかりしているの。年下の子たちの面倒もよく見てくれているわ。この前、街を歩いていた時にスリにあった人がいたんだけど、エルマーナが気づいてくれて間一髪被害に合わずに済んだのよ。お話していても楽しいし、今度お買い物に付き合ってもらう約束をしたら「値切りは任せてや !」ですって。頼もしいわ♪
イクスの一言
この前、エルマーナにリフィル先生の宿題をやるから教えてほしいって言われて見てあげたんだけど、問題を見るなりすぐ寝ちゃったんだ。エルマーナ曰く、ずらっと並んだ文章や難しい文字をみると眠くなるらしい。でも街での買い物や洞窟の調査だと、すごい速さで計算したり、珍しい植物や鉱石をすぐに見つけてくるんだ。勉強は苦手そうなのにどうしてそんなことができるんだ ? って聞いたら、「生きるための知恵や !」って胸を張っていたよ。もしかしたらエルマーナは、生活に根付いた例えで教えてあげれば勉強も捗るのかもしれないな。
Character | 侮れへん世界や | |
---|---|---|
イリア | エル、あんた学校で先生やってたんだって ?学校に行きたいって言ってたのに自分が勉強を教えてたの? | |
スパーダ | おおかた担当は体育だろ ?エルが本気出したら、岩もぶっ壊すしな。 | |
エルマーナ | へへ、そういうことや。ウチの体力自慢、知らんわけないやろ ! | |
イリア | 自分の才能を活かしたってわけね。うまいやり方見つけたじゃない。 | |
エルマーナ | せやろせやろ。この世界でもやってけるでウチ ! | |
スパーダ | お ! ちょうど来た。こっちこっち。紹介するぜ、オレたちの仲間のエルマーナだ。 | |
エルマーナ | ん、誰やの ?ウチに友達紹介してくれるんかスパーダ兄ちゃん ? | |
プレセア | プレセア……です。よろしくお願いします。 | |
ソフィ | ソフィだよ。わたしと友達になってくれるの ? | |
エルマーナ | ウチはエルマーナや。エルって呼んでや。二人とも見たところ、ウチと同い年くらいやんな ?これからは友達ちゅうことで、よろしくやで ! | |
ソフィ | うん、よろしくね。けど、スパーダどうしてわたしたちだけなの ? | |
スパーダ | お前たちなら気が合うと思ったからだ。エルはこう見えて、拳自慢だからな。エル、見せてやったらどうだ ? | |
エルマーナ | ご挨拶代わりちゅうわけやな !プレセアもソフィも怖がらないで見ててーな ! | |
エルマーナ | 行くでぇ ! ふうぅぅぅぅぅ……はあああッ ! ! ! | |
イリア | ちょ、ちょっと何してるのよ ! !スパーダ、あんたも何させてんのッ ! | |
スパーダ | はっはっは、悪い悪い。今さら怖がることでもねえだろ。けど、パワーとスピードは相変わらずだな。 | |
エルマーナ | あははははッ ! イリア姉ちゃんもたいがいやで。スパーダ兄ちゃんの言う通りに、怖がらんといてぇな。ウチも加減してやっとるよ。 | |
エルマーナ | 二人も恐がらせて堪忍な。もうせえへんから……って全然怖がってへん ! ? | |
スパーダ | 二人も挨拶代わりに見せてやってくれよ。プレセアの斧技、エルが見たらびっくりするぜ ? | |
プレセア | わかりました……。危ないので、下がっていてください。 | |
プレセア | ふっ ! はぁっ ! えいっ ! ! | |
エルマーナ | うひゃ〜、あんな大きな斧を片手で……なんて力や、すごいでプレセア。 | |
ソフィ | それじゃあ、次はわたしの番だね。 | |
ソフィ | やっ ! はぁっ ! たああっ ! ! | |
エルマーナ | ウチと同じタイプみたいやけどソフィも半端やない ! | |
スパーダ | ここには、こんなすごいやつらがたくさんいるんだぜ。退屈しないだろ ? | |
イリア | あんたが自慢すること〜 ?なに偉そうに言ってんのよ。 | |
エルマーナ | そんなことあらへん !こりゃすごいで……ウチもおちおちしてられへん。侮れへん世界や ! |
Character | ギュッとして | |
アンジュ | エル、こっちの世界にはもう慣れた ?色々とわからないことも多くて、大変でしょう ? | |
エルマーナ | そんなこともないで。マンホールの下で暮らしとった頃から比べればどこも天国みたいなもんや。 | |
エルマーナ | あ、そうや !ひとつわからんのがな、知らんひとが『エル』って呼んでんねん。 | |
エルマーナ | どうもウチのことやのおて別の子のこと話してるみたいなんやけどな。 | |
アンジュ | ああ、それはきっとルドガーさんのところのエルのことね。 | |
エルマーナ | なんや、他にもウチとおなじ『エル』がおったんかいな。 | |
アンジュ | ええ、なんでも向こうのエルは諸事情でお父さんと離れ離れになってしまって今はルドガーさんと暮らしているそうよ。 | |
アンジュ | ここには他にもあなたと歳の近い子たちがたくさんいるわ。 | |
エルマーナ | そうそう、ソフィとプレセアには会うたで !最近よう一緒に話すんねん。 | |
エルマーナ | 二人ともおとなしい性格やさかいウチのボケにもリアクション薄いんよ。 | |
エルマーナ | けどな、あの子らは笑いが何かを知らんだけやねん。ソフィは天然やしプレセアはときたま鋭いツッコミするやろ ? | |
エルマーナ | あの二人は磨けば光る原石やっちゅうことでこれからウチがボケとツッコミをばっちり仕込んだろ思とんねん ! | |
アンジュ | ふふっ、そのうち二人の漫才が見られるかもしれないのね ♪ | |
アンジュ | ……こちらの世界でエルと出会うまで少し時間がかかってしまったから寂しい思いをさせたんじゃないか心配してたの。 | |
アンジュ | でも元気そうでよかった。あなたの性格ならきっとたくさん友達ができるわ。もっと色々な人と話してみてね。 | |
エルマーナ | 寂しい思いかぁ。……こっちの世界ではミケーレとガエタノとは会えんのやろうな……。 | |
エルマーナ | でも、ルカ兄ちゃんやアンジュ姉ちゃんがおるしほかにもたくさんおもろそうな人がおるもんな ! | |
エルマーナ | こんなにぎょうさんの人に囲まれてまだ寂しいなんて言ったらゼイタクや。罰当たりや……。 | |
アンジュ | おいで、エル。抱っこしてあげる。 | |
アンジュ | 小島で子供たちの面倒を見ていたんですって ?偉かったね。 | |
エルマーナ | うん……ウチ一人で最初は怖かったけど小さい子ら見てたらしっかりせなアカン思てん。 | |
アンジュ | そうね、きっとあなたのことだから一人でも泣かずに頑張ったのね。偉かったよ、エル。 | |
エルマーナ | うん……。……………………。ぷはぁッ ! | |
エルマーナ | はぁ~、久々に堪能した~ !もうウチ元気 ! おおきに ! | |
エルマーナ | にしても前よりふかふか度が増したような。ま~たアンジュ姉ちゃん食べすぎたんとちゃう ? | |
アンジュ | エル ! そんなこと言うならもうギュッとしてあげないから。 | |
エルマーナ | あはははッ !……あんな、アンジュ姉ちゃん。またみんなと一緒にいられて、ウチ嬉しいで ! | |
アンジュ | …… !私も嬉しいわ。ありがとう、エル。 |