プロフィール
異邦人であるヤミは少年時代を偏見と蔑みの中で過ごした。だが、持ち前の腕っぷしと魔法の才能で周囲を黙らせていった結果、十四歳にして破天荒な悪童となっていた。やがて魔導書を手に入れ、現在の魔法帝ユリウスにスカウトされると一転、国を守る魔法騎士の道を歩みはじめる。そうして今やクローバー王国の魔法騎士団『黒の暴牛』の団長となった。そんな異端の魔法騎士の元に集まったのもまた、ひと癖もふた癖もある団員ばかりだ。
ミリーナの一言
ヤミさんが一服しているところにちょうどエルがやってきたの。そしたらヤミさん、そっとタバコの火を消したのよ。ヤミさん、小さい子がいるところでは吸わないようにしているみたい。小さな気遣いかもしれないけれど、ちゃんと周りを見ていないとできないことよね。きっとそういうことの積み重ねがあって、アスタたちもヤミさんを慕っているんでしょうね。
イクスの一言
ヤミさんは剣士であると同時に、闇魔法の使い手なんだ。闇魔法はヤミさんたちの世界ではとても珍しいみたいで、俺たちが知っている闇属性の術技ともちょっと違うみたいなんだよな。そんな不可解な力をどうやって使いこなしてるのか聞いてみたら、「なんとなく」の一言で返されちゃったよ。天才ってああいう人のことかもしれないな。
Character | 団長と団員 | |
---|---|---|
アスタ | ヤミ団長ォォォォ !おはよーございまぁぁぁぁっす ! | |
ヤミ | え、なにそのテンション……こわっ。 | |
アスタ | ちょっとぉぉぉぉ ! ドン引きしないでくださいよ ! | |
ヤミ | つーか、なにしてんの ? | |
アスタ | ヤミ団長を待ってたに決まってるじゃないスか !今日は何しましょう ! | |
ヤミ | とくにねーよ。好きにしてれば ? | |
アスタ | 了解ッス ! じゃあ、トレーニングしてます ! | |
ヤミ | おー、がんばれー。 | |
アスタ | いち ! にっ ! さん ! | |
ヤミ | …………。 | |
アスタ | しぃぃぃっ ! ごぉぉぉぉっ ! ろぉぉぉぉぉっく ! | |
ヤミ | おい、小僧。 | |
アスタ | はい ! なんスか用事ッスか ! ? | |
ヤミ | いや、うるさい。静かにやれ。 | |
アスタ | ……ッス。 | |
ヤミ | つーかさ、なんでここにいんの ? | |
アスタ | もちろん、いつでも任務に行けるようにするためッス。 | |
ヤミ | 任務ねえ……。 | |
アスタ | なんでも言ってください !オレ、やる気も体力も満タンッスから ! | |
ヤミ | そりゃいいけどよ、別の世界に来てるんだ。気合い入れっぱなしの必要ないんじゃねえの。 | |
ヤミ | 黒の暴牛だってここではないわけだし ? | |
アスタ | んなことないッス ! | |
アスタ | どこに行っても、オレの団長はヤミ団長ッス !そんで、ヤミ団長のいるところが黒の暴牛ッスよ ! | |
ヤミ | オレのいるところが……。 | |
ヤミ | フン……小僧のくせに一丁前なこと言いやがって。 | |
ヤミ | んじゃいっちょ、こっちでも魔法騎士団をやるか。 | |
アスタ | うす ! ヤミ団長 ! |
Character | 気の合う仲間 | |
ヤミ | さて、一服一服……ん。 | |
ユーリ | あんたは……。 | |
ラピード | ワフッ。 | |
ヤミ | なんだ、先客か。犬のくせにキセルなんか咥えて、テメエも一服か。 | |
ラピード | ワン ! | |
ヤミ | そうかそうか。お互い肩身が狭いよな。まあ、よろしくやろうや。 | |
ユーリ | あんた、ラピードの言ってることがわかるのか ? | |
ヤミ | え……わかるわけないじゃん。犬だよ。 | |
ユーリ | そりゃ、ま、そうだよな。 | |
ヤミ | ていうか、アンタ誰 ?こいつの飼い主 ? | |
ラピード | ワウ ! | |
ヤミ | お、なんだ。飼い犬扱いは失礼ってか。なかなか気概のあるワンちゃんじゃねえか。 | |
ラピード | ワウワウ ! | |
ユーリ | 『ワンちゃんじゃないラピードだ』だってさ。 | |
ヤミ | えっ、そっちこそ犬語わかるの ? | |
ユーリ | なんとなくだよ。ラピードとは長年の付き合いだからな。 | |
ラピード | ワウッ ! | |
ヤミ | なるほどね。息の合った相棒ってわけだ。 | |
ユーリ | それにしても珍しいな。ラピードが初対面の相手をこんなに気に入るなんて。 | |
ユーリ | オレの仲間だっていまだにそっぽ向かれることもあるからな。 | |
ヤミ | なーに、今日は機嫌がよかったんだろう。次からはちっとばかし注意して声かけるさ。 | |
ラピード | ワウッ。 | |
ヤミ | お、そう遠慮するなって ?なかなか懐の深いワンちゃんじゃねえか。 | |
ラピード | ワフゥ。 | |
ヤミ | 冗談だって。そう怒るな。もうワンちゃん呼びはしねえからよ。 | |
ユーリ | あんた、ほんとにラピードの言葉わかってないんだよな…… ? |