プロフィール
弟は預言を信じていた。預言に沿うように生き、戦場に出て死んだ。慟哭の中、姉である彼女は知ってしまった。弟の死はあらかじめ預言されていたこと。それを知りながらローレライ教団は、預言を隠蔽し、弟を戦場に送ったこと。全てを仕組んだ男ヴァン・グランツに復讐のため接近した彼女は、やがて殺すはずだった男の理想に共鳴する。そして彼女は名を変え生きる決意をした。六神将魔弾のリグレットとして。
ミリーナの一言
リグレットさんって誰かに似ているなと思っていたんだけれど、戦っているときのティアに似ているんだと気付いたわ。ティアの教官だったそうだから、ティアが似てしまったのかもしれないわね。普段はとても厳しい人なんだけれど、アジトの小さな子供たちやイクスにはすごく優しいのよ。イクスの魅力がわかるなんてさすがよね。だけど時々、瞳が悲しい色になることがあるの。いつかその悲しみが癒える時がくればいいわね……。
イクスの一言
一度リグレットさんに稽古をつけてもらったんだけど、すごいスパルタで、訓練の後は足がガクガク震えちゃったよ。それにタスク管理がしっかりしてる人で、訓練後の休息スケジュールも全部手配してあって、クールダウンもスムーズだったんだ。ティアのお兄さんの副官だったそうだから、色々な手配にも慣れてるんだろうな。優秀な人だから、コーキスのこともしっかり見てもらえるように頼んでおくよ。
Character | 救世主がやってきた | |
---|---|---|
リグレット | ここが仮想鏡界……。人の心が作り出した空間、か。異世界の技術には驚かされるな。 | |
バルド | 私たちからすると【預言】というものが存在することに驚かされます。星の記憶……絶対の未来……。とても恐ろしい。 | |
ナーザ | 神から言葉を託され、それを自らの責において行うのならばともかく、自分がどうあろうと、周りの状況が星の記憶の通りに進むというのは歯がゆいな。 | |
リグレット | この世界に星の記憶がないようでよかった。いや……気付いていないだけかも知れないがな。 | |
ナーザ | 観測できぬものは、無いも同然だ。 | |
アリエッタ | ……よくわからない。何話してるの ? | |
リグレット | ここでは新しい生き方をしましょう……ということよ。 | |
ナーザ | な、何だ ! ? 今の爆発音は…… ! ? | |
メルクリア | ええい、何をやっておるのじゃ、ディスト !黒い煙が…… ! | |
ディスト | な、何なのです !研究に犠牲が必要なのは、当然ではありませんか ! | |
リヒター | アステル ! お前も一枚噛んでるな ! ? | |
アステル | あ、あはははは。面白そうな実験だったから、つい……。 | |
コーキス | くっせー ! ? なんだ、この臭い ! ?アーチェ様の料理みたいな臭いがするぞ ! ? | |
ジュニア | ケホッケホッ ! ディストさん !その機械、止めて下さい ! | |
マークⅡ | うおおおおお ! ? 何だ、この煤は ! ?また掃除のやり直しじゃねえか…… ! | |
バルド | ――まずい。このままでは煙が食堂の方に……。作り置きしておいた食事を避難させてきます。失礼 ! | |
ナーザ | ………………。 | |
リグレット | ………………。 | |
リグレット | ――中々の無法地帯だな。 | |
ナーザ | ……騒がしい奴らが多くてな。皆、それぞれ得意な分野ではよく働くのだが団体行動が苦手で困っている。 | |
リグレット | よかろう。私もそれなりに部隊を率いてきた人間だ。万事上手く回るよう、差配してみよう。 | |
リグレット | ディスト ! タルロウを出せ ! 掃除をやらせろ。それとも貴様の子供だましのからくりではその程度もできないか ? | |
ディスト | な ! ? 馬鹿にしないで下さい !タルロウたち ! 出番ですよ ! | |
リグレット | アリエッタ。ディストの音機関を魔物に運ばせろ。ジュニア。ゲートを開け。汚染物質を処分する。マーク、バルドを手伝って、食堂の食材を守れ。 | |
リグレット | 手の空いている者は、ディストの研究室からゲートへ風の通り道を作れ !ベッドのシーツや布を集めて煙を追い込むのだ ! | |
コーキス | はー……。すげえ、テキパキしてるなー……。なあ、ボス。リグレット様がいればバルドとマークの仕事、少しは減るんじゃないか ? | |
ナーザ | うむ……。作戦立案に家事全般、会計処理なども二人に任せきりであったからな……。 | |
マークⅡ | マジか……助かった…… ! | |
バルド | あなたはこのビフレスト聖騎士団の救いの女神です ! |
Character | 預言なき世界 | |
リグレット | シンクか。お前もこんな世界に連れてこられていたとはな。 | |
シンク | ああ、うんざりだよ。そっちも、死神と元導師守護役のうるさい二人組を押しつけられてご愁傷さまだね。 | |
リグレット | 慣れているからな。そっちの方こそ大変だろう。この船には、色々と曲者がそろっているようだ。 | |
シンク | そう思うなら、アンタもこっちに来てくれない ?アンタがいれば、ここの狂人共の統制も取りやすくなる。 | |
リグレット | フ……断る。ヴァン総長のいない組織を動かすのは私の仕事ではないからな。 | |
リグレット | それに、私がこちらに来ればもれなくアリエッタがついてくるぞ。 | |
シンク | チッ。面倒なのが増えるのはごめんだよ。 | |
リグレット | フフ、まあ、そうだろうな。それに、私としてもシンクが救世軍にいてくれるのはありがたい。 | |
リグレット | ビフレストとやらの残党たちでは得られぬような情報も救世軍には入ってくるだろう。そこに話が通じる相手がいてくれるのは助かるからな。 | |
シンク | それはこっちの台詞だ。せいぜい利用させてもらうよ。 | |
リグレット | ……何か企んでいるのか ?お前が積極的にこの世界に関わるとも思えないが。 | |
シンク | そんな大層な話じゃない。アスガルド帝国のごたごたをどうにかしないと鏡士を殺せないんだよ。 | |
リグレット | なるほど……。この世界に我々を呼んだモノへの意趣返しか。しかし……フフ。 | |
シンク | 何を笑ってるのさ。 | |
リグレット | お前は相変わらず、妙なところで律儀だな。 | |
シンク | それ、馬鹿にしてるの ? | |
リグレット | お前を馬鹿にしたことなど一度としてないのはお前がよく知っているだろう。お前は信頼できる。 | |
シンク | 本気でそう思ってるならこっちに情報を流してくれるんだろうね。 | |
リグレット | 無論だ。互いに協力していこう。 | |
リグレット | 一つだけ。ここはオールドラントではない。だから六神将として、何かを強要するつもりはないが……無理はするなよ。 | |
シンク | 復讐なんてするなとでも言いたいわけ ? | |
リグレット | まさか。老婆心のようなものだ。やりたいことがあるならやればいい。それが真にお前のやりたいことならば。 | |
リグレット | 我々は預言から切り離された存在になった。私も、星の記憶が知らない自由な時間を、せいぜい謳歌してやるつもりだ。この身が果てる瞬間までな。 |
Character | 自由な時間の過ごし方 | |
ティア | なんだか久しぶりね。野営での料理なんて。ベルべット、お肉を焼き始めてもいいかしら ? | |
ベルベット | いいわよ。最初は強火で焼き色をつけてちょうだい。 | |
ティア | わかったわ。 | |
ベルベット | 薪は足りてる ?火力が足りなかったら言って。 | |
リグレット | ティア、偶然ね。 | |
ティア | 教官 ! ? どうしてここに ? | |
リグレット | 物資の調達で、たまたま近くを通ったの。美味しそうな料理を作っているわね。これは ? | |
ベルベット | ウリボア肉のシチューよ。 | |
リグレット | なるほど。栄養価も高そうだしいいわね。私も手伝っていいかしら ? | |
ティア | そんな、教官 !お忙しいでしょうし、お手をお借りするわけには―― | |
リグレット | 気にしないで。作り方を覚えて、聖騎士団でも振る舞ってあげようと思って。 | |
ティア | きょ、教官 ? ビフレスト聖騎士団では教官が料理を作っているのですか ? | |
リグレット | マークがいるし、いつもというわけではないのよ。閣下も私より手際よく、美味しい料理を作ってくださるし。 | |
リグレット | だからこそ、甘えてばかりはいられないわ。私ももっと精進せねばと思い、修行中なの。 | |
ベルベット | それなら、口より手を動かしてちょうだい。ティア、焼き色はもう充分ついたから次は野菜の仕込みよ。 | |
リグレット | ふふっ。今日は私が教わる立場というわけか。ベルベット、野菜の仕込みは私にやらせてくれ。切り方にコツはあるか ? | |
ベルベット | そうね。じゃがいもは面を取ってにんじんは乱切りにして。あえて不揃いにすると味が染み込みやすいから。 | |
リグレット | あえて不揃いにする、か。なるほど、いい情報を得た。 | |
ベルベット | 面取りは毎回必須じゃないわよ。人によっては崩れた食感が好きだったりするから仲間の好みに合わせて決めるといいわ。 | |
リグレット | 好みに合わせて……か。奥が深いものね、料理というのは。ティアの腕前も随分上達したようね。 | |
ティア | そ、そんなことは……。 | |
ティア | なんだか、不思議な感覚です。この世界でこうして、教官と肩を並べて料理を作っているなんて。 | |
リグレット | たしかに、妙ね。でもこういう時間も悪くない――そう、思えるようになってきたわ。 | |
ティア | 教官……。 | |
リグレット | 今の私は自由。こうしてティアとここでシチューを作ることも星の記憶は知らないでしょう。 | |
リグレット | そう考えると、楽しくなってこない ? | |
ティア | ……はい、教官 ! | |
リグレット | さあ、野菜の仕込みはこれで完了ね。次はベルベット教官から味付けについて学ばなければ。 | |
ティア | ビフレスト聖騎士団のみんなも……兄もきっと喜びますね。 | |
リグレット | ええ。喜んでもらえると、嬉しいわね。 |