プロフィール
大らかで快活な人柄に、ざっくばらんな態度。もしも街中で出会ったのなら、一介の気のいい青年に見えただろう。しかし男が背負うのは国そのものだった。預言によって玉座に据えられ、預言によって愛する人を失い、それでも彼が折れずにいたのは、預言によって軟禁された北の地で得た、生涯の友がいたからだろう。預言に翻弄されつつも、預言に縛られた世界を背負おうとした男、それがマルクト帝国皇帝ピオニー9世である
ミリーナの一言
ピオニーさんはブウサギが大好きなんですって。浮遊島でも飼いたいと言われたから、一緒にブウサギを探しに行ってきたの。その途中で、私たちがジェイドさんと初めて会った時の話をしたら「俺も綺麗なジェイドが見たかった」ってお腹を抱えて大笑いしてたわ。元の世界では皇帝だった人なのに、とっても気さくよね。だからなのかしら。最近、ジェイドさんがちょっとタチの悪い冗談を言うと、すぐ「ピオニーさんに言いつけよう」なんて言う人が増えているの。猫に鈴ならぬジェイドさんにピオニーさんってことかしら……。
イクスの一言
ピオニーさんは武器収集が趣味らしいけど、バトルスタイルは体術メインで相当の使い手なんだ。クレス道場にもよく出入りしてるから武術全般が好きなのかもしれないな。この前なんて、道場からすごい音が聞こえて見に行ったら、ピオニーさんとコングマンさんがイカスヒップで戦っててさ。すごかったよ、尻と尻とのぶつかりあい……。大柄なコングマンさんに引けを取らないピオニーさん、どんな鍛え方をしてるんだろう。訓練の『ひけつ』が『しり』たいな。尻だけに……って、何言ってんだ俺、クレスやライラの影響か ! ?
Character | 仲良きことは美しき哉 | |
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ディスト | 遅いですねぇ、私の信奉者とやらは……。 | |
ピオニー | おー、サフィール ! | |
ディスト | な…… ! ? ピオニー ! ? ――とジェイドではありませんか ! | |
ディスト | まさか、私の信奉者というのはジェ―― | |
ジェイド | その真夏の雪だるまのような顔はやめて下さい。私がそんなおぞましい手紙を出す訳がないじゃありませんか。 | |
ディスト | 何なんです、真夏の雪だるまというのは ! ?私の信奉者などという見る目のある人間はジェイド以外いないではないですか ! ? | |
ピオニー | いやー、サフィール ! 会いたかったぞ ! | |
ディスト | 私は、あなたに会いたいなどと微塵も思っていませんよ ! | |
ディスト | 私は忙しいのです。これから私の信奉者だという者に会わなければならないのですからね。ジェイドを残して、あなたはさっさと消えなさい ! | |
ピオニー | あ、その信奉者ってのは俺だ。 | |
ディスト | は ? | |
ピオニー | なあ、そんなことよりサフィール。お前、六神将だけじゃ飽き足らず四幻将とかいうのもやってんだって ? | |
ピオニー | 全部足したら十じゃないか !いっそ十ナントカ将ってのも作ろうぜ。 | |
ディスト | あ、相変わらず、訳のわからないことを言う男ですね。 | |
ジェイド | 我ながら虫唾が走りますが、その点には同意しますよ。具現化の時に、少しまともな脳みそに作り替えてもらえればよかったのですがねぇ。 | |
ピオニー | なんだ、お前ら、相変わらず気が合うなあ。じゃあ一緒に十ナントカになっても平気だな。イメージカラー決めようぜ。俺は主役の赤 ! | |
ディスト | あなたが主役 ? 寝言は寝てから言いなさい。主役といえば、この私、薔薇の―― | |
ピオニー | じゃあ、サフィールが赤な。じゃあ俺は愛されキャラってことでピンクか ? | |
ジェイド | 36にもなって、よくもまあ自分が愛されキャラだという幻覚を見られますねえ。相変わらず図々しい。 | |
ピオニー | 皇帝たる者、常に図太くないと国を支えることはできないのだよ、諸君。 | |
ピオニー | ま、それはそれとして、色の前に顔ぶれ決めちまうか。俺とジェイドとサフィールは確定だろ ? | |
ジェイド | 勝手に人を妙な集まりに加えないでいただけますか。 | |
ピオニー | あと七人か……。ガイとルークも巻き込もう。他にあてはあるか ? | |
ディスト | そうですね……。四幻将のリヒターやチェスターは見どころがありますねぇ。 | |
ピオニー | じゃあ、これであと三人か。できれば女の子がいいよなあ。救護室で看病してくれたアニーとかアトワイトとか……。 | |
ジェイド | ところで、十ナントカ将のナントカはどうするんです ? | |
ピオニー | そうだな。十人の徳を併せて敵を討つ。名付けて『十徳将』 ! | |
二人 | ダサいですね。 | |
クレス | ははは。あの三人も、幼なじみなんだって。僕たちもあんな風に大人になっても仲良くできたらいいな。 | |
チェスター | いや、あれはダメだろ。大体何なんだ、十徳将って。十徳ナイフの化身かよ……。オレをこれ以上、変な集団に混ぜようとするな……。 |
Character | 皇帝の矜持 | |
ガイアス | ガイ、頼んでおいたリーゼ・マクシア領の今週の動静報告書はどうなった ? | |
ガイ | お、丁度今届けるところだったんだ。こちらをどうぞ、ガイアス陛下。 | |
ガイアス | ……よく纏まっているな。お前の仕事ではないのに悪かった。助かったぞ。 | |
ウッドロウ | ガイ君、この間話した弓のことなんだが……。 | |
ガイ | ああ、もしかして修理に必要な弦のことか ?だったらさっきセキレイの羽が届けてくれた物資の中にあるぞ。取ってこようか ? | |
ウッドロウ | いや、自分で行こう。打てば響くとはこのことだな。ありがとう、ガイ君。 | |
ピオニー | ガイラルディアー、おーやつはまーだかー ? | |
ガイ | ピオニー陛下……。自分の故郷への誇りを失わせるような言動はやめて下さい。 | |
ピオニー | 誇りってのは国や制度に対して持つものじゃないぞ。国や制度を構成する自分の生き方に持つものだ。俺の言葉で揺らぐようじゃ、まだまだだぞ ? | |
ガイ | ……はあ。陛下は異世界に来ても全然変わらないですよね……。 | |
ピオニー | そう見えるか ? | |
ガイ | 違うんですか ? | |
ピオニー | ……いや、違わんか。変わる必要が無い。俺は優秀だからな。 | |
ガイ | ハハ、そういうところなんでしょうね。ルークが陛下に苦手意識を持ってしまうのは。 | |
ピオニー | 変わることを否定してるんじゃないぞ。俺は俺、ルークはルーク。 | |
ピオニー | 俺の腕は多くのものを守れるが、それでも腕の中からこぼれ落ちてしまうものはある。時に無力ではあるがさりとて無能ではないとも自負している。 | |
ピオニー | だから、俺は変わらない。異世界だろうがどこだろうが守りたいと思うものを、あらゆる手段を用いて守ろうとするのが『俺』だ。 | |
ガイ | おかしなものですね。言っていることは傲慢なのに不思議と嫌な感じがしない。器が大きいのか人徳なのか……。 | |
ピオニー | わかってるじゃないか、ガイラルディア。だったら、今後はガイアスやウッドロウより器の大きなピオニー君を優先するように。 | |
ガイ | ……は ? | |
ピオニー | だってズルいじゃないか。あいつらときたら格好良くて強くて王者の風格があって。 | |
ピオニー | その上ガイラルディアまで、俺よりあいつらを優先するなんて納得できないぞ~ !ピオ君可哀想 ! | |
ピオニー | それにガイラルディアは俺の大事なブウサギ飼育係じゃないか !王族差別反対 ! ピオ君に優しくしよう ! 皇帝勅命 ! | |
ガイ | 何嫉妬してるんですか ! ? 器小さすぎでしょう ! ?ルークだって、今はそんな我が儘を言いません !それに陛下にはジェイドがいるじゃないですか。 | |
ピオニー | チェンジで。 | |
ガイ | 陛下、いい加減にして下さい ! ! |