プロフィール
丸い体に小さな手足と長い耳。愛らしい見た目ではあるものの、ディオたち双子と共闘できるほどの戦闘力を持つ謎の生物。助けてくれたディオとメルを慕ってか、二人の後を追いかけて仲間に加わった。しかしその旅は双子にとって、本当の自分と過去を知る、重く過酷なものとなる。そんな二人の選択を静かに見つめ続けるクルールの中には、もう一つの心が宿っていた。やがて旅の果てにクルールは自身の明確な意志を持つに至り、ひとつの決断を下すのであった。
ミリーナの一言
この前、クルールとミュウとクィッキーが話していたところに出くわしたの。みんな鳴き声が自分の名前になっているでしょ ? なんだかずっと自己紹介しあっているみたいで本当に可愛かったわ。その出来事をお茶会での話題にしたら、ティアやクロエが顔を押さえてしゃがみ込んでしまったのよ。ええ、そうなるわよね。私だって、あのクルールたちを目撃した時には、あまりの尊さにしばらく動けなかったもの。
イクスの一言
クルールに会ったラタトスクが、なんだか不思議そうな顔をしていたんだ。聞いてみたら、ものすごく遠い仲間に会ったような気分になったって。そのあとディオやメルにもクルールのことを聞いたらしいけど「『クルールはタヌキ』の一点張りだった。あいつはやっぱりただの獣だ」って言ってエミルと代わっちゃったんだよ。う~ん、気になるなぁ……。クルールが話せたらこの謎も解けるかもしれないけど、あの可愛い鳴き声は変わって欲しくないしなぁ。
Character | 来るーる! | |
---|---|---|
ロゼ | あ、いたいた。ディオ、メル、ロディ、ただいま ! | |
ディオ | あっ、お帰りロゼさん。オアシスでの商談、どうだった ? | |
ロゼ | もちろん大成功 !ディオたちの紹介状のおかげだよ。ありがとね ! | |
メル | よかったです。オーナーさんはお元気でしたか ? | |
ロゼ | うん。あっちもディオやメルのこと気にしてたよ。たまには店に顔見せろって。商談じゃ結構なクセ者だったけど、根はいい人だよね。 | |
ロンドリーネ | でしょ ? 具現化されて途方にくれてた双子ちゃんを面倒見てくれた人だもん。 | |
ロンドリーネ | やり方は多少強引だったけど、私も助けられたし―― | |
? ? ? | クルール ! クルール ! | |
デゼル | どうした、腹でも減ったか ?ロゼの報告が終わったら食わせてやるからもう少し待ってろ。 | |
ディオ | 今の鳴き声…… ! | |
ロゼ | ああ、あれ ? 何か不思議な生き物でさ。オーナーの店にいたんだけど、付いてきちゃったんだ。――デゼル、その子連れてきて。 | |
三人 | クルール ! ? | |
クルール | クルール ! クルルルゥ ! | |
ディオ | うおっと !クルール、お前具現化されてたのかよ ! | |
デゼル | なんだ、こいつと知り合いか。 | |
ロゼ | その子、ディオたちが出てった後くらいにふらっとオーナーの店に現れて居ついたらしいよ。それで、店で働いてたんだって。 | |
メル | 働いてたって、クルールが ? | |
デゼル | かなりの稼ぎ頭だったそうだ。オーナーの話じゃショーではお前らがいた時の倍は売り上げてたらしい。 | |
ディオ | マジで ! ? | |
ロゼ | うん。オーナー曰く、見たことがない生き物だし愛嬌はあるし、戦えば強いし、何より可愛いってね。 | |
クルール | クルール、クルールル~ ! | |
ロンドリーネ | 言われてみれば君、人気要素満載だもんねぇ。でも、どうしてロゼたちと一緒なの ? | |
デゼル | 俺たちが商談を始めたら何故か離れなくなっちまった。オーナーも諦めて、良ければ連れてってくれってさ。 | |
クルール | クルール、クルール。 | |
メル | えっ、紹介状 ? | |
ロゼ | 言葉、わかるの ? | |
メル | 何となくですけど。――そう、紹介状からわたしたちの匂いを感じ取ってくれたんだね。 | |
ロンドリーネ | じゃあ、オーナーの店にいたのはディオくんやメルちゃんを探して、たどりついてそこでずっと待ってたから……。 | |
メル | クルール……、ごめんね、寂しい思いをさせちゃって。 | |
ディオ | 仕方ねぇな、これからは一緒にいてやるよ。ずーっとな ! | |
クルール | クルゥ、クルールッ ! |
Character | 未知と既視との遭遇 | |
クルール | クルゥ ? クルール~……。クルールゥ……。 | |
ジェイド | おや、見なれない生き物ですね。 | |
クルール | クルール ? | |
ジェイド | ああ、あなたが新入りのクルールでしたか。わかりやすい名前で助かります。ディオやメルはどうしました ? | |
クルール | クルールゥ……ルゥ……。 | |
ジェイド | 察するに、はぐれましたか。この浮遊島も結構な広さですからね。 | |
ジェイド | やれやれ……。放置して、後で文句を言われるのも面倒ですね。魔鏡通信でディオたちを呼んでおきましょう。 | |
クルール | クルール ! | |
ディオ | 捜したぞ、クルール。どこ行ってたんだよ……って……えっ ! ? | |
メル | ジェ、ジェイドさん ! ? どうしよう、ディオ ! | |
ディオ | 遅かったか……いや、まだだ ! | |
メル | ジェイドさん、その子はタヌキです ! | |
ディオ | そ、そうだ !だから解剖も実験も必要ないからな ! | |
ジェイド | はっはっは、そうですかー、タヌキですかー。ところであなた方、誰に何を吹き込まれたのですか ?いえ、単なる好奇心なのですが。 | |
ディオ | やべぇ。黒い何かを感じる……。これがカーリャが言ってたやつか……。 | |
メル | ちょっと、ディオ ! | |
ジェイド | なるほど。カーリャですね。何を言っていたか教えて頂けますか ? | |
ディオ | いや、その……、カーリャにクルール捜しを頼んだ時ジェイドさんだけには見つかるなって言われたんだ。あの人はすぐ解剖し―― | |
メル | ええと ! ジェイドさんは学者さんだから見たことがない生き物に興味をそそられちゃうのでお仕事の邪魔にならないようにって…… ! | |
ジェイド | おや ! カーリャがそんな殊勝なことを !それはそれは、ありがたいですねえ……。 | |
カーリャ | ディオさま、メルさまー !クルールさまは見つかりましたかー ? | |
クルール | クルールッ ! | |
カーリャ | あっ、その方がクルールさまですか――って、ジェ、ジェ、ジェイドさま ! ?どうしてここに ! ? は ! さては解剖を ! ? | |
クルール | クルクルール ! | |
カーリャ | はわーーーーっ ! ?クルールさま、じゃれつかないでくだ……ひゃああっ !くすぐったいです、助け…… ! | |
ディオ | まさかあいつ、カーリャをエトと勘違いしてんのか ? | |
メル | 違うと思うけど……あの羽とかが懐かしくてテンションあがっちゃったのかな。助けてあげた方が―― | |
ジェイド | いえ、あえて生物のありのままを観察するのも大事な研究です。解剖はお気に召さないようですしこのまま手を出さずに見守り続けましょう♪ | |
カーリャ | こ、この……ぎゃ、くすぐった……ひゃはは ! ?この、この、ひゃあああ ! ?この、鬼畜眼鏡――っ ! ! | |
クルール | クルール、クルールルゥ♪ |