プロフィール
正義を信じ、主君への忠義を貫いたミダスメグール王国の騎士団長。だが、その忠義への報いは咎我人という汚名だった。中途半端な優しさから王妃に一方的な愛を寄せられた彼は、国民の目に不逞の裏切り者と映ったのだ。彼女の心を傷つけ死なせてしまった後悔を背負いながら、それでも騎士は罪を刃に変えて弱き人々の前に立つ。彼らを守ることこそが、己の信じる正義なのだから。
ミリーナの一言
イージスさんはとっても真面目で正義感のある人だわ。でも、ミゼラやヴィシャスさんが一緒だと普段のキリッとした顔が途端に表情豊かになるのよね。いつも「困った奴らだ」なんて言って、からかわれたり振り回されたり大変そうにも見えるけど……本当はイージスさんもそんな仲間たちと一緒にいるのが楽しいんじゃないかしら。
イクスの一言
子供たちのためにってカナタたちと一緒に演劇の練習をしてたのを見たけど、イージスの演技ってすごく独特だったな。「あ、成敗してくれようぞ~」って、言葉に溜めを作ったり不思議なリズムで癖になるんだ。子供たちも笑ってたし、俺も新しい格好よさを学んだ気がしたよ。俺も技を出す時にあんな感じで掛け声を言ってみたら、もっと迫力が出せるかな ?
Character | 機動騎士新天地に立つ | |
---|---|---|
イージス | ……ん ? ほほう。この店には色んな人形が売られているな。 | |
イージス | 砂浜戦隊サンオイルスター……それにアビスマン、か。この世界にもヒーローの物語があるのだな。 | |
イージス | うーむ……しかし、どれもピンと来ないな。やはり『白銀の機動騎士 アヴァランチ』に比べると子供騙しというか―― | |
ヒューバート | そこの方。今の言葉、聞き捨てなりませんね。 | |
イージス | 誰だ ? | |
ヒューバート | 名乗るほどの者ではありません。ただ、サンオイルスターを子供騙しと考える浅はかさが許せなかっただけです。 | |
イージス | なに…… ? | |
ヒューバート | ぼくは決して偶像ヒーローには詳しくありませんが……子供向けという偏見を取り払って本質を見ればそこに描かれているのは普遍的なテーマなのです。 | |
ヒューバート | 捕食する者とされる者、そして正義とは何か。それを読み取ろうとせずに、子供向けだからと断じるのは見る目がないと言わざるを得ません。 | |
イージス | ぐっ…… ! 確かに、その通りだ。 | |
イージス | よく内容を理解しないで馬鹿にしてはならない。それは、アヴァランチに対する俺の思いと全く同じだ…… ! | |
ヒューバート | わかっていただけたようですね。 | |
イージス | ああ ! 伝わったぞ、君のヒーローを愛する気持ちが ! | |
ヒューバート | いや、その、ぼくは別に愛しているわけでは―― | |
ピオニー | ……俺にも伝わったぞ。確かに、アビスマンもいいがサンオイルスターもなかなかいいよな。 | |
ヒューバート | い、いつの間に ! ? | |
イージス | なるほど。同好の士、というわけだな。君たちなら、機動騎士アヴァランチの素晴らしさを理解できるだろう ! | |
ピオニー | そいつはどんな話なんだ ?やっぱり戦隊ものか ? | |
イージス | アヴァランチは機動騎士――つまり、巨大な人型の兵器なんだ。主人公はそれに搭乗して戦う ! | |
ヒューバート | なるほど。ロボット、ということですか。それは興味深い舞台設定ですね……。 | |
イージス | ああ、是非皆にも読んで欲しいが……残念ながら、この世界ではアヴァランチが出版されていないようだ。 | |
イージス | 俺の拙い言葉では、何部にも及ぶアヴァランチの長大で深遠な物語を伝えることはできないだろう……。 | |
ヒューバート | では、あなたの覚えているあらすじを元にプロの方に新たな物語の執筆を頼んでみてはどうですか ? | |
ピオニー | 面白そうなこと考えるじゃないか。お前さんの新しい『アヴァランチ』を作るってわけだ。 | |
イージス | 俺のアヴァランチ……。さすがに畏れ多いような気もするが。 | |
イージス | ……だが、どこか勇気が湧いてくる。確かにあの勇気に満ちた物語を俺一人で独占するのはそれこそ正義に反する ! | |
ピオニー | いいぞ、いいぞ !手伝えることがあれば手を貸すぜ。面白いものが読めそうだからな。 | |
ヒューバート | ……まあ、口を挟んでしまったのはぼくですから人材を探すお手伝いぐらいはさせてもらいますよ。アニーさん……はジャンルが違いそうですが。 | |
イージス | 二人とも、感謝する。いや、まだ名も知らぬ我が友よ。 | |
イージス | ヒーローの物語は終わらない。機動騎士アヴァランチは、新たな世界で息を吹き返すんだ…… ! |
Character | 騎士の道 | |
リオン | ……僕を呼び出したのはお前か ? | |
イージス | ! ああ……リオン・マグナスだな。俺はイージス・アルヴァだ。 | |
リオン | お前の名前に興味はない。用があるならさっさと言え。 | |
イージス | 俺はミダスメグール……いや、仕えていた国で君とよく似た剣士と共に戦ったことがあった。 | |
イージス | その時、彼にとても助けられたんだ。大きな恩義を感じている。 | |
リオン | だから、顔の似た僕に礼を言いたいと ?馬鹿馬鹿しい。そんな話なら僕は帰るぞ。 | |
S・シャルティエ | 坊ちゃん、もう少しぐらい社交的な返し方をしてあげても……。 | |
リオン | 口を出すな、シャル。僕は自分に似ている奴の話なんていい加減、聞き飽きてるんだ。 | |
イージス | すまない、そうだよな。一度顔を見てみたかっただけなんだが……確かにこの世界の君には関係ないことだった。 | |
リオン | …………。お前も鏡映点ということだったな。 | |
イージス | ああ、どうやらそうらしい。見知らぬ世界で戸惑うことばかりだ。 | |
イージス | 不思議なものだ。騎士から【咎我人】になり……そして、今度は鏡映点か。自分の置かれた立場も、やるべきことも変わった。 | |
イージス | 俺がこの世界で貫くべき正義……また、考えていかなくてはな。 | |
リオン | 鏡映点なら、誰でも似たようなものだろう。新しい道を見つけなければならない。 | |
イージス | 君も、そうだったのか ? | |
リオン | ……さあな。ただの一般論だ。 | |
リオン | だが、一つ確かなのは……たとえどれだけ世界が変わっても僕は僕だ。やるべきことは何も変わりはしない。 | |
イージス | …… ! | |
イージス | ああ、確かにその通りだ。俺が成すべきことは何も変わらない。 | |
イージス | 弱き人々のために、俺は前に立って戦い続ける。それがイージス・アルヴァの正義だ。世界が変わろうと、立場が変わろうと ! | |
リオン | …………。 | |
イージス | 助言に感謝する、リオン。やはり君に会えてよかった。 | |
リオン | ふん、助言をした覚えはない。僕は自分の考えを言ったまでだ。 | |
イージス | それでいいんだ。俺は君に負けないように、これからも自分の道を邁進してみせる。 | |
イージス | またいつか会おう。その時はきっと、今よりも前に進んだ自分を見せられるはずだからな。 | |
リオン | ……勝手にしろ。 | |
イージス | ああ、勝手にさせてもらう。では、またな ! | |
リオン | ……やれやれ。暑苦しい奴がまた増えたみたいだな。 |