プロフィール
ネオイデア王国の死神騎士。個性的で華やかな姿とは裏腹に、性格は非常に穏やかで柔和。自分の感性を押し付けることもない。半面その穏やかさは人の生死に対しても変わりないため、冷たいとさえ感じさせることも。新人死神騎士のコダマにとっては先輩であり教育係でもあるが、何かと気が合うらしく親友として絆を深めている。
アイリスの一言
セイリオスと言えばやっぱりお洒落 ! 私じゃ絶対に思いつかないコーディネートセンスなんて、本当に羨ましいし憧れちゃう。よく見るとネイルやメイクまですごく気を使ってるんだ。あの繊細さをコダマにも少し分けてあげて欲しいくらい。でも、そういうコダマの世話を焼いているセイリオスって何だか楽しそうなんだよね。
コダマの一言
セイリオスは俺が棄民であることを特別扱いしない。それが俺にとってはすごくありがたいんだ。もちろん、あからさまな態度で差別する奴らには怒ったりもするけど、だからって変に可哀そう感を出して俺をちやほやすることもない。ただの人間として見てくれる。だからセイリオスの隣はすごく居心地がいいんだ。
Character | 不要の花 | |
---|---|---|
コダマ | はぁ、やっと乾いた。 | |
セイリオス | 突然降られるとは運が悪かったな。ほら、ホットミルク。 | |
コダマ | セイリオスの作るホットミルク大好き !何から何までお世話になります。はぁ、落ち着く~……。 | |
セイリオス | で、ズブ濡れで夜番に遅刻してきたわけをそろそろ説明してもらえるかい ? | |
コダマ | 一昨日、戦死した奴の葬儀が今日だったろ ?来る途中で献花に行ったらまだたくさん人がいてさ。 | |
セイリオス | まさか、人が捌けるまで待ってたのか。 | |
コダマ | うん。棄民の俺が顔出すとトラブルになるからさ。で、待ってるうちに雨がザーッと。 | |
セイリオス | なるほどね。そうか、あいつの葬儀は今日だったのか。 | |
コダマ | また行ってないのか。そういうところドライだよなぁ。セイリオスが花をあげたら喜ばれたと思うけど。 | |
セイリオス | 俺が ? | |
コダマ | セイリオスって結構慕われてるんだぜ ?俺の教育係に決定した時なんか、みんなからめちゃくちゃ羨ましがられたし嫌がらせされた。 | |
セイリオス | おっと、そりゃすまなかった。 | |
コダマ | いや、セイリオスが謝ることじゃないよ。 | |
コダマ | そういやセイリオスって、メシだって他の奴らから結構誘われてるのに、俺やアイリスとばっかりだな。俺に気を遣うことないぞ ? | |
セイリオス | そりゃ心外だな。俺は気に入ったものしか側におかないんだ。 | |
セイリオス | それに、お前さんから目を離すと俺の仕事が増えるからね。 | |
セイリオス | ああ、そうか。俺を食事に誘う奴ってのはお前さんへの苦情を言いたいのかもしれないな ? | |
コダマ | ははっ、まさか……いや、ありえるな。だとしたらやっぱり今日もこっそり献花して正解だったのかも。 | |
セイリオス | まったく……わかっていてなんで律儀に参加するのかね。 | |
コダマ | 今日の奴は違ったけど……こんなご時世だから葬儀があっても出席者がいなかったり、葬儀がない奴なんかもいるだろ。家族も友達も死んじゃっててさ。 | |
コダマ | 頑張って幻影種に立ち向かったんだから花が一輪も手向けられない奴がいるのはなんか……嫌なんだよ。 | |
セイリオス | ……つくづくお前が親友でよかったよ。 | |
コダマ | なんだよ突然。だったら『俺の時』には、その親友様に花を供えてもらおうかな。 | |
セイリオス | そりゃ無理だ。 | |
コダマ | なんだよ、いいじゃんそれくらい。 | |
セイリオス | お前が死んでるなら、きっと俺も死んでる。 | |
コダマ | は……っはははは ! だな !俺もセイリオスには献花できねーわ、ごめん ! | |
セイリオス | さて、巡回の時間だ。お互い『花なし』にならないように気を引き締めていこうぜ。 | |
コダマ | ああ、よろしくな、セイリオス ! |
Character | 潤滑剤 | |
クレス | みんな、集まってくれてありがとう。それじゃあ、戦力の確認も兼ねて出張クレス道場を開催―― | |
ディスト | どういうことですか !私はジェイドが来ると聞いていたから参加したのですよ ! | |
ルーク | 相変わらずジェイドジェイドってうぜぇなあ……。――ガイ、説明を ! | |
ガイ | お前もジェイドの真似するなって。ジェイドは幻影種の調査で参加できなくなったそうだ。死神騎士たちの力の確認なんかはお前に任せるとさ。 | |
チェスター | なるほどね、ジェイドは頭脳担当でディストが肉体――もとい殴られ担当ってわけか。 | |
ディスト | 黙りなさい、魔弓のチェスター。私とジェイドは頭脳派の双璧ですよ。 | |
チェスター | わかったから魔弓呼びはやめろ ! | |
ディスト | 仕方ありませんね。見てますから勝手にやりなさい。 | |
チェスター | やれやれ。悪いな、ゴタゴタして。 | |
コダマ | 全然。こっちも参加できたのは俺とセイリオスとアイリスだけだし。で、組み合わせはどうする ? | |
ルーク | 俺、まずはコダマと腕試ししたい。クレスも一緒にやろうぜ ! | |
クレス | いいね、楽しみだ。 | |
アイリス | 私はどうしようかなぁ。戦うっていっても……。 | |
ガイ | アイリス、ちょっといいかな。きみの拡声器の仕組みに興味があるんだけど見せてもらいたくて。 | |
アイリス | いいよ。そういえば、あなたの仲間に歌で能力を発揮する人がいるって聞いてるけど―― | |
チェスター | なあ、セイリオス。その武器って狙いを付ける時どうするんだ ?かなり正確に撃ち抜いてるよな。 | |
セイリオス | これかい ? 左足にオートバランスもついてるが負荷をかけすぎると軋むから右の重心が鍵なんだ。基本は体幹さ。弓や剣術だって―― | |
セイリオス | なあ、ディスト博士。ちょっと相談なんだが俺の義足の調整を任せられそうな奴はいるかい ?かなり繊細な作業なんだ。 | |
ディスト | ……ふん、この程度ですか。薔薇のディスト様にとっては子供の遊びですよ。 | |
チェスター | 死神ディストじゃなかったか ? | |
ディスト | お黙りなさい ! | |
セイリオス | うん ? どうして怒るんだ ?薔薇も死神もいい二つ名だぜ ? 俺も死神騎士だし死神ってのは畏怖されるもんだろう ? | |
ディスト | ま、まあ、確かに私は畏怖される存在ですがね !チェスター、あなたも少しは二つ名を大切になさい。私が授けた名を堂々と使うのです ! いっそ一族で ! | |
チェスター | お前、アミィにまで恥かかす気かよ。そうじゃなくてもあいつはお年頃なんだぞ ! | |
セイリオス | 妹さんがいるのか。可愛がってるんだな。 | |
チェスター | ああ、アミィっていってよくできた妹でな。料理は上手いし、手先は器用だし。自分でぬいぐるみも作っちまうんだぜ ? | |
セイリオス | へえ、そいつはすごいな。今度アミィの作ったものを見せてくれないか ?デザインのヒントになるかもしれない。 | |
ルーク | 嘘だろ。ディストが楽しそうに話してやがる……。 | |
クレス | チェスターもだ。意外な組み合わせだね。 | |
コダマ | ま、セイリオスがいるからな ! |
Character | 痛み | |
セイリオス | おや、お前さんもまだ起きてたのかい ? | |
バルド・M | ええ、少し考え事をしていまして……あなたは ? | |
セイリオス | 散歩がてら、こいつの調整と確認作業。たまに痛むんでね。 | |
バルド・M | ああ、足ですか。武器でもありますから戦いにも影響しますね。いつから ? | |
セイリオス | いつかねえ……昔は痛みなんてなかったんだが。コダマたちと出会った頃からか ? | |
バルド・M | ……心理的な影響でしょうか。その足のこと、嫌でなければ聞かせてもらえますか ? | |
セイリオス | もの好きだねえ。――この足を失ったのは棄民の少年を助けたときだ。 | |
セイリオス | そのことがきっかけで、棄民嫌いの家族や友人から縁を切られたわけだが……当の助けた少年からも罵倒されたよ。 | |
セイリオス | あのとき死んでいればよかった。こんな世界で生きていたくなかったってさ。 | |
セイリオス | 俺の行いで、幸せになった奴は誰もいなかったわけさ。俺は足を、両親は息子を、棄民の少年は嫌な人生から解放される機会を失ったわけだ。 | |
セイリオス | ……まあ、もうどうでもいいことだけどな。とにかく、その頃は足の痛みなんてなかった。 | |
セイリオス | けどな、アイリスやコダマと組むようになってからたまにうっすら痛むんだ。特にあいつらと騒がしくしているときとかな。 | |
バルド・M | なるほど、彼らと……。ところで、あなたは二人をどう思ってます ? | |
セイリオス | そうだなあ……。アイリスの祖父さん好きは筋金入りなんだ。家族をそこまで愛することができるのは羨ましいよ。 | |
セイリオス | コダマは強い。呆れるほど小賢しくもがいてなんとしても生きようとする。酷い扱いをされてるのにそれでもまだ人と繋がりたいと考える。 | |
セイリオス | ……美しいよ。美しくて綺麗だ。俺の持っていないものばかりさ。羨ましい……なんてのは、俺らしくないかねえ……。 | |
セイリオス | ……っ ! また足がピリッとしたな。まったく参るぜ。 | |
バルド・M | ……セイリオス、その痛みはきっと……。 | |
セイリオス | なんだ、原因がわかったのかい ? | |
バルド・M | ……いいえ。でも、そのうち痛みはなくなるでしょう。他ならぬ、あの二人が傍にいるのなら。 | |
セイリオス | おいおい、あいつらといるようになって痛みが始まったんだがね。 | |
バルド・M | その痛みですが、私にも少しだけならわかります。私の場合はここが痛むんです。 | |
セイリオス | 胸…… ? | |
バルド・ミストルテン | ええ。それで今も一人で考え事をしていたんです。 | |
セイリオス | ……なるほどね。その痛みは、お前さんの大事な主と話すと楽になるかもしれないぜ ? | |
バルド・M | ふふっ、あなたは人の心の機微には恐ろしいほど聡い。なのに自分のこととなると……。 | |
セイリオス | …… ? | |
バルド・M | セイリオス、あなたの痛みはとても美しいものです。自分を大事にしてください。 | |
セイリオス | 結局、解決方法はわからずか。……やれやれ、とんだ散歩になっちまったな。 |