キャラクター | 1話【謎の遺跡】 |
イクス | ここが新しく発見された遺跡か…。しかもこんなに地下深くまで続いているとはな…。 |
スレイ | 二人とも。この紋様と建築様式だけどティル・ナ・ノーグの歴史書に載っていた遺跡に似てないか ? |
ミクリオ | ああ。ティル・ナ・ノーグ中世史にその名を刻んだ海賊アイフリードの一味が水泳の特訓をおこなったという幻の遺跡…。 |
二人 | \"アクアトピア遺跡\"だ ! |
リフィル | なんて芸術的な遺跡なんだ ! !素晴らし過ぎる ! ! |
リフィル | いったいどんな石材が使われているんだ。この床のすべらかな肌触り…カーボネイトに匹敵するほど見事だ ♪ |
スレイ | リフィル先生 !使用されてる石材だけじゃなくて加工の技術もすごいと思います ! |
ミクリオ | もしかして魔鏡関連の技術が使われているのか ? |
イクス | そうかもしれないな…。遺跡の風化や浸食による被害が軽度なのもそれなら理由が説明できる。 |
リフィル | この肌触りにはそんな秘密もあったというわけだな ! |
イクス | それにしてもリフィル先生、本当に遺跡が好きなんですね。通信の時より生き生きしてる気がします。 |
スレイ | オレ、リフィル先生みたいな遺跡好きな人と出会えてすごい嬉しいです ! |
リフィル | 私もお前たちのような生徒を持てて光栄だぞ ! ! |
リフィル | だが、話は後だ ! 時間がもったいない !いまは遺跡の調査をしなくては !後で各々レポートを提出するように ! |
三人 | はい ! 先生 ! |
ミリーナ | それにしても水泳特訓用の遺跡があるなんて思いもしなかったわ。 |
イクス | わかってないな、ミリーナは。遺跡と言っても色々あるんだよ。 |
スレイ | 建造された理由もそれぞれの遺跡によって千差万別でさ、そこがまた奥が深くていいんだよな。 |
スレイ | オレも当時の人たちみたいにこの遺跡で水泳を特訓してみたい ! |
イクス | 昔の人たちの水泳特訓方法も何かわかるかもしれないからな。 |
ミクリオ | ……水泳か。僕も…浮き輪があれば…。 |
カーリャ | ミクリオさま ? どうかしました ? |
ミクリオ | い、いや…なんでもない。 |
イクス | よし。それじゃあ俺たちも行こうか。 |
スレイ | 遺跡探検、開始だな ! |
エドナ | 相変わらず遺跡に夢中なようだけどこの遺跡の中に消えていったとかいう明鏡四水のこと、忘れてないわよね ? |
スレイ | も、もちろん大丈夫だよ。明鏡四水のこともちゃんと覚えてるよ。 |
ミクリオ | 本当に大丈夫なのか ?スレイは熱中すると周りが見えなくなるタイプだからな。 |
スレイ | なんだよ。ミクリオだってリフィル先生との遺跡談義でけっこう盛り上がってたじゃないか。 |
ミクリオ | それは…君とイクスに合わせただけだ。 |
イクス | それじゃあ…ミクリオは楽しくなかった ? |
ミクリオ | いや、そういうわけじゃ…。 |
スレイ | 隠すな隠すな。ミクリオも熱いところがあるっていうのはもうイクスたちにバレてるんだから。 |
ミクリオ | 君はもう少し冷静になるべきだと思うけどね。 |
イクス | それはちょっとわかるかも。 |
スレイ | そこでミクリオに付くのか ! ? |
ミリーナ | イクスとスレイさん、ミクリオさん。三人揃うと賑やかでいいわね。男の子同士って感じで。 |
エドナ | まぁ、さすがにこれ以上騒がしくなるのは勘弁して欲しいものだけど。 |
??? | 実に素晴らしい遺跡だ。スレイとミクリオ様が見たらきっと熱い議論を始めるだろうな…。 |
ミリーナ | あら ? 誰かしら ? |
スレイ | 待って。この声…まさか……。 |
??? | …うん ? |
スレイ | やっぱり ! アリーシャだ ! ! |
アリーシャ | スレイ ! ?それにミクリオ様にエドナ様も ! ? |
アリーシャ | こ、これはどういうことだ…。私にも天族の方のお姿がはっきりと…この目に。 |
イクス | そういえば…アリーシャさんってスレイの言っていた遺跡オタクの…。 |
スレイ | ああ。そうだよ。 |
アリーシャ | 遺跡オタク ?いやいや私は遺跡オタクではないぞ。 |
イクス | あれ ? スレイたちと同じ世界中の遺跡を回るのが夢だって聞きましたけど ? |
アリーシャ | それは私も含め天遺見聞録を読んだ者が誰しも言うことなんだ。 |
アリーシャ | 私は伝承に関してなら多少の知識はあるが、こと遺跡においてはスレイやミクリオ様のようには…。 |
スレイ | アリーシャ。聞いて。オレたちはこの世界に来て気づいてしまった。 |
ミクリオ | 遺跡オタクはいろいろだ。 |
アリーシャ | いろいろ…ですか。 |
スレイ | イクスやリフィル先生やルーティ、それからジュードにライフィセット !この世界には色々な遺跡オタクがいるんだ ! |
カーリャ | あっ。ちょっとでも遺跡に興味示した人は問答無用で遺跡オタクなんですね。 |
スレイ | ジェイドさんも遺跡オタクだな。 |
ミクリオ | ああ。あの知識量には驚かされる。 |
エドナ | いや、大佐のボーヤだけは絶対に違うわよ。 |
イクス | アリーシャさんは伝承に詳しいんですよね ?スレイから聞いた話だと身に付けてる鎧にも伝説があるとか。 |
アリーシャ | そ、その通りだ !この鎧は代々ディフダ家に伝わるものでそして特徴的なところはこの透明な―― |
アリーシャ | あっ。ちなみに呼び捨てで構わないからな。 |
アリーシャ | さて、話の続きだが―― |
カーリャ | うわぁ…。あの空間、濃すぎませんか…。 |
エドナ | 止めなきゃいつまでも話してそうね……。 |
ミリーナ | この世界や具現化について説明する隙が一切ないわ。 |
アリーシャ | …うん ? そういえばこの世界とは ? |
スレイ | まずはそっちが先だね。 |
キャラクター | 2話【一種目 遺跡での出会い】 |
アリーシャ | なるほど。だいぶ事態は理解できたぞ…。やはりここは別の世界ということか…。 |
スレイ | ああ。従士じゃなくても普通に人間が天族を知覚することができるんだ。 |
アリーシャ | そういうことだったのだな。イクスとミリーナはスレイの新たな従士かと一瞬勘違いしてしまったよ。 |
スレイ | あはは…。そんなに次々と従士契約したりしないって。 |
アリーシャ | つまり…右目は大丈夫なんだな ? |
スレイ | バッチリ ! どこも悪いところはないよ ! |
アリーシャ | それならよかった。 |
ミリーナ | そういえばアリーシャ、よくこの遺跡を発見できたわね。それにどうしてここに ? |
アリーシャ | ティル・ナ・ノーグ中世史の伝承を頼りにこの遺跡を見つけたんだ。理由は…その……。 |
スレイ | もしかして遺跡探検 ?それなら一緒に行こうよ ! ! |
ミクリオ | 他の遺跡好きの人にも紹介したいな。きっとアリーシャも気が合うよ。 |
エドナ | また騒がしくなりそうね…。もう今さら一人二人増えても気にしないけど。 |
ミリーナ | 今度はアリーシャも交えて遺跡探検勝負も楽しそうよね。 |
イクス | 勝負は大勢の方が盛り上がるからな。 |
アリーシャ | …みんな、誘ってくれて感謝する。本当に嬉しく思うよ。だが…一緒には行けない。 |
アリーシャ | この遺跡には水泳を練習するためにやって来たからな。 |
スレイ | 水泳を練習 ? |
アリーシャ | 私は超長距離遠泳メドレー大会に出場しなくてはならないんだ。 |
ミリーナ | 超長距離遠泳メドレー大会 ! ?アリーシャはお姫様で騎士で水泳選手でもあったの ! ? 凄すぎるわ ! |
アリーシャ | 水泳選手ではないのだが世話になった村…海風村の人々のため私が代わりに出場しようと思ってな。 |
スレイ | どういうこと ? |
アリーシャ | 海風村の人々が全員夏バテになってしまい大会に出場できなくなってしまったんだ。 |
アリーシャ | 夏バテ解消の料理を振る舞おうと試みたが私の槍の腕では、それも叶わなかった…。 |
ミクリオ | いや、まず料理に槍は使わないんだが…。 |
アリーシャ | しかも海風村と隣の潮風村は毎年勝負をして負けた方が来年まで浜辺の掃除をしなくてはならないらしいんだ。 |
アリーシャ | 海風村の人々はお年寄りも多かった。浜辺の掃除をすることになれば腰痛で苦しむことになるだろう。 |
エドナ | 海風村の人たちのために大会で勝って浜辺掃除を潮風村に押しつけようってわけね。 |
アリーシャ | そうではありません。調べたところ潮風村も高齢化が進んでいる海風村と同じような状況でした。 |
アリーシャ | 浜辺掃除を押しつけ合うことではこの問題の根本は解決しない。 |
イクス | けど、いったいどうすれば…。 |
アリーシャ | 私は海風村と潮風村が、浜辺掃除を互いに協力し合えるようになれば腰痛の危機も解消されると考えているんだ。 |
ミリーナ | 確かに、その意見は一理あるわね。みんなでやった方が効率もいいもの。 |
アリーシャ | だから、私が大会に勝つことでまずは協議の場を設けたいと考えている。 |
スレイ | まさか…アリーシャ……。 |
アリーシャ | 浜辺の掃除に、改革を起こす ! |
イクス | 改革… ! |
ミリーナ | なんだかスケールの大きな話になってきたわね ! |
エドナ | 相変わらず面倒なことに巻き込まれているのはわかったわ…。 |
アリーシャ | だが、この考えに賛同し一緒に大会に出場してくれる人はなかなかいなくてな…。 |
イクス | 俺でよければ協力するよ。元漁師として海に関する問題は人ごとだとは思えないし。 |
ミリーナ | 村同士のことだけど私たちの世界の問題でもあるからね。 |
アリーシャ | だがイクスやスレイたちにはやるべきことがあるのだろう ?巻き込んで遠回りをさせるわけには…。 |
ミクリオ | まぁ…救世軍に悪用されないように一応、明鏡四水を回収するようには来る前にリフィル先生から言われたけど…。 |
アリーシャ | …明鏡四水 ? |
イクス | えっと…ちょっと特殊な鏡だよ。 |
アリーシャ | 鏡か…。そういえば公にはなっていないが今年の大会優勝賞品はこの遺跡の入り口に落ちていた不思議な形の鏡だと聞いたな。 |
スレイ | えっ ! ? それって明鏡四水じゃない ! ? |
イクス | そうかもしれないな…。大会運営の人に掛け合えればいいんだけど。 |
アリーシャ | わかった。大会事務局まで案内しよう。ついてきてくれ。 |
キャラクター | 3話【二種目 超長距離遠泳メドレー大会】 |
イクス | 大会事務局の人たちに話しても取り付く島もなかった…。となると残された手段は一つだな。 |
スレイ | オレたちで大会に出場しよう。 |
アリーシャ | 二人とも…本当にいいのか ? |
イクス | 超長距離遠泳メドレー大会に出場することは明鏡四水に繋がってるんだ。俺たちのやるべきこととも一致してるだろ ? |
スレイ | アリーシャ、一緒に頑張ろう。アクアトピア遺跡で特訓だ。 |
アリーシャ | …イクス、スレイ。ありがとう !私としても心強い限りだよ。 |
イクス | 俺たち三人は確定としてメドレー形式だからあと一人必要だな。 |
エドナ | ワタシはパスよ。地の天族は水に浮かばないから。 |
カーリャ | 水の天族はどうなんですか ? |
ミクリオ | スレイが出場するなら僕も……。 |
スレイ | ミクリオ、泳げないだろ ?気持ちは分かるけど… |
ミクリオ | だが浮き輪があればなんとかなる ! |
スレイ | うーん…海が穏やかとも限らないし、無理しない方がいいと思うけど… |
イクス | スレイの言うとおりだ。海を甘くみてると大変なことになる。 |
アリーシャ | それに…大変言いづらいことなのですが…浮き輪は使用不可なんです…。 |
ミクリオ | なん…だって……。それじゃ…僕は……。 |
ファラ | マネージャー担当はどう ?出場するためには参加選手四名とマネージャー、監督も必要なんだよ。 |
イクス | ファラ ? リッドもどうしてここに ? |
リッド | 大会運営の手伝いだ。オレは人手不足でアタフタしてたどっかの誰かの手伝いだけどな。 |
ミクリオ | …マネージャーか。 |
スレイ | ミクリオ。頼めるか ?オレたち出場選手を支えて欲しい。そして一緒に優勝を目指すんだ。 |
ミクリオ | …スレイ。ああ、わかったよ。マネージャーは僕が引き受けよう。 |
エドナ | マネージャーのミボ。略してジャーミボね。 |
ミクリオ | 略し方がおかしいぞ ! ? |
ファラ | ジャーミボっと。 |
ミクリオ | …ファラ。出場申請用紙にはちゃんとした名前で頼みたいんだが… ? |
リッド | はぁ…。あとでオレが修正しておくから安心してくれ。 |
アリーシャ | あとは出場選手が一人と監督だな。 |
ミリーナ | そこまで泳ぎが得意なわけじゃないけど私でよければ出場するわよ ? |
アリーシャ | ミリーナ。ありがとう。それでは頼むよ。一緒に練習しよう。 |
エドナ | 必然的に監督はワタシというわけね。まぁ、適任といったところかしら。 |
アリーシャ | エドナ様が監督を ! ?ありがとうございます ! |
エドナ | たった今からワタシは監督、つまりコーチよ。厳しくいくから覚悟なさい。 |
アリーシャ | はい ! コーチ !ご指導ご鞭撻のほどお願いいたします。 |
アリーシャ | ミクリオ様もマネージャー役、よろしくお願いします。 |
ミクリオ | ああ。任せてくれ。 |
エドナ | 参加するからには優勝するわよ。わかったわね ? 返事は ? |
一同 | はい ! ! |
キャラクター | 4話【三種目 エドナからの課題】 |
ミクリオ | みんな、お疲れさま。休憩の時間だ。特製ドリンクを用意しておいたから水分補給を忘れずにね。 |
スレイ | ちょうど喉が渇いてたんだ !サンキュー、ミクリオ ! |
アリーシャ | ミクリオ様 ! ありがとうございます !これでさらに練習にも身が入ります ! |
ミリーナ | アクアトピア遺跡で魔物を倒して基礎体力もだいぶついてきたわよね。次はどんなトレーニングかしら。 |
イクス | 現状だと実際に泳ぐ練習メニューはスイム、キック、プルの繰り返しがメインでたまに個人メドレーがあるぐらいだからな。 |
スレイ | そろそろメドレーでの担当を決めて個人練を増やしていきたいところだよな。エドナ、いつ担当を発表してくれるんだろ。 |
アリーシャ | それについてはお伺いした。そろそろ発表される頃だろう。 |
スレイ | さすがチームリーダー。先を見越して行動してくれて助かるよ。 |
エドナ | 待たせたわね。 |
アリーシャ | コーチ ! |
エドナ | 練習の様子と個人メドレーでのタイムを見せてもらったわ。 |
アリーシャ | …いかがでしたか ? |
エドナ | ダメね。全然ダメ。メドレーの担当を決めるレベルにすら達していないわ。 |
エドナ | それどころか、大会は棄権した方がいいように思えてきたぐらいね。 |
スレイ | エドナ、どういうこと ?それぞれちゃんとタイムは伸びてるしフォームも整ってきてるよ。 |
エドナ | ……わかっていないようね。 |
エドナ | はっきり言わせてもらうわ。いまのあなたたちにメドレーを泳ぐ資格はない。 |
アリーシャ | メドレーを泳ぐ資格…ですか。 |
スレイ | えっと…ごめん。全然意味が理解できないんだけど。 |
エドナ | ひとまず水の中での練習は一時中断よ。代わりに特別メニューを言い渡すわ。 |
ミリーナ | 特別メニュー ? |
エドナ | それは…ダンスよ。 |
スレイ | えっ ! ? オレたちダンスするの ! ? |
ミリーナ | 水泳の練習はしないで ? |
イクス | エドナ様。もう予選まで時間がないんだ。ダンスをやっている場合じゃないと思うんだけど。 |
エドナ | コーチの言うことが聞けないのかしら ? |
スレイ | そういうわけじゃないけど……。 |
アリーシャ | …やろう。 |
イクス | えっ ? |
スレイ | アリーシャ ? |
アリーシャ | 私は聖剣祭のことがあるまで天族の方が本当にいらっしゃるとは正直、信じきることができないでいた。 |
アリーシャ | だが一方で、スレイは天族の杜で育ち天族の存在は当たり前のものと認識していた。 |
アリーシャ | 見る人によって見えるものが違う。きっといま、私たちにはコーチの見えているものが見えていないだけなんだ。 |
ミリーナ | エドナ様を信じてみようってことね ? |
アリーシャ | ああ。そのとおりだ。 |
イクス | 確かに…。ダンスを通じて何か発見があるかもしれないしな。 |
スレイ | ある意味、自分の中の常識を疑えってことか。 |
ミクリオ | スレイは人間の世界でお金が必要っていう常識も知らなかったからな。 |
スレイ | ちょっと。いつまでそれ言うつもりだよ。 |
エドナ | それで。どうするの ? |
アリーシャ | みんな。決まったか ? |
スレイ | ああ。 |
ミリーナ | 私も。 |
イクス | 俺も。 |
アリーシャ | やります ! ダンスを ! |
キャラクター | 5話【四種目 いざ、ダンス!】 |
イクス | スレイ。俺のダンスどうだった ? |
スレイ | すっごくいいよ。あとは、もうちょっと関節の動きをしなやかにすると更に良くなると思う。 |
イクス | 関節か…。振り付けを正確にこなすことばかり考えて、身体がこわばっていたのかもな…。 |
イクス | ありがとう。スレイ。もう一度踊るから見ててくれ。 |
ミリーナ | アリーシャ。私はどうだった ? |
アリーシャ | うん。重心が安定していて激しい動きの箇所もバッチリだ。 |
アリーシャ | だが腕がさがってしまうときがある。もう少し指先に意識を向けてみるといいかもしれないな。 |
ミリーナ | 指先かぁ…。あっ、本当だ。自然と腕がちゃんと伸びる感じがするわね。 |
ミリーナ | ありがとう。アリーシャって教え方上手なのね。 |
アリーシャ | いや。私なんてまだまだだ。ミリーナを見ていて自分も気づかされることばかりだよ。 |
スレイ | なんかこうのっていいな。 |
アリーシャ | ああ。互いに指摘し合って練習することで自分の見えなかった課題もちゃんと見えてくる。 |
スレイ | そう ! それ !オレが言いたかったこと ! |
イクス | そういえば…水泳では個人練習ばっかりでこういうことできていなかったよな。 |
ミリーナ | そうね…。互いの課題だけじゃなくいいところすらも気づけていなかったわ。 |
スレイ | けど、それをちゃんと気づけた。これを水泳の練習にも取り入れていけばいいんだよ。 |
アリーシャ | そうだな。水泳は個人の技量が大きく結果に影響してくる競技だが私たちは同じチームの仲間なのだから。 |
エドナ | ようやく、見えたようね。 |
アリーシャ | コーチ ! |
スレイ | エドナ、どうしたの ?まだダンスは完成してないんだけど。 |
エドナ | いいえ。もうあなたたちはダンスをやる必要はないわ。 |
アリーシャ | え、えっと…どういうことでしょうか ? |
エドナ | あなたは自分の言ったことを忘れたの ? |
アリーシャ | ……同じチームの仲間。 |
エドナ | そうよ。メドレーリレーはチームで戦うもの。それがあなたたちは見えていなかった。 |
エドナ | ようやくメドレーを泳ぐ資格を全員手にすることができたようね。 |
四人 | コーチ…… ! |
ミクリオ | エドナはもう少し素直に伝えてあげてもいいのにな。 |
エドナ | ミボは黙ってなさい。まぁ…けど、一つだけ言っておくわ。 |
エドナ | ワタシはあなたたちなら優勝できると確信したわ !本番でもその結束、見せつけてやりなさい ! |
一同 | はい ! ! |
ミクリオ | じゃあ、そろそろいいかい ? |
エドナ | それもそうね。メドレーリレーの担当を発表するわ。呼ばれたら返事をするように。 |
一同 | はい ! ! |
エドナ | 背泳ぎ、ミリーナ。 |
ミリーナ | はい。私が一番手ね。 |
エドナ | 次。平泳ぎ、イクス。 |
イクス | はい。任せてくれ。 |
エドナ | 次。バタフライ、スレイ。 |
スレイ | 任せて ! |
エドナ | そして最後。フリー、アリーシャ。 |
アリーシャ | わかりました ! |
エドナ | あなたをリーダーに選んだワタシの目に狂いはなかったと信じているわ。いまのところは。 |
アリーシャ | ありがとうございます。必ず優勝してみせます ! |
エドナ | もうすぐ予選が開催されるわ。ワタシたちに残された時間は少ない。はやく練習を再開するわよ。 |
ミクリオ | 新しい練習メニューを考えた。このあと四人は僕のところに集合してくれ。 |
スレイ | 了解 ! |
アリーシャ | まずは予選だな !みんな、気を引き締めていこう ! |
キャラクター | 6話【六種目 二次予選を突破して】 |
アリーシャ | みんな ! 二次予選を突破したぞ ! ! |
スレイ | やった !次の最終予選を突破すれば決勝戦進出だな ! |
ミリーナ | エドナ様の厳しい指導のおかげでだいぶ鍛えられたわよね。 |
イクス | それからミクリオのサポートにもすごく助けられたからな。 |
ミリーナ | そうね。練習メニュー考案やタイムの測定、特製ドリンク、三食の献立からおやつまで用意してくれるとは思ってなかったもの。 |
アリーシャ | エドナ様とミクリオ様にはどれだけ感謝しても感謝しきれないな。 |
ミクリオ | 気にすることはないよ。どれもスレイの世話の延長線上みたいなものさ。 |
スレイ | それじゃあオレが手間の掛かる子どもみたいじゃないか ! |
ミクリオ | …僕が君の髪を切っているの、忘れたりしてないだろうね ? |
スレイ | さすがに一人じゃ上手く切れないし…かわりにミクリオの髪、オレが切っただろ ? |
ミクリオ | あの一件以来、絶対にスレイに髪の毛を切らせないと誓ったけれどね。 |
アリーシャ | あ、あはは…ミクリオ様も大変ですね。 |
ミクリオ | もう慣れたけれどね。けど、僕とエドナはあくまでサポート役だ。結果を出したのは君らの努力の成果だよ。 |
ミクリオ | その証拠にさっきのレースのタイムだが皆が自己ベストを更新していた。あの記録なら少なくとも決勝進出は固い。 |
スレイ | 自己ベスト更新 ! ? それも全員が ! ? |
イクス | しかもさっきのように泳げれば確実に決勝には駒を進められる…。 |
ミクリオ | 君たちは強くなっている。個人としても、チームとしても。 |
アリーシャ | 優勝が…優勝が見えてきましたね ! ! |
エドナ | 喜んではいられないわ。初出場にして大会記録を塗り替えた伏兵の出現よ。 |
イクス | 大会記録を塗り替えた ! ?なんて言うチームだ ! ? |
エドナ | その名は…チーム・ティロルベ ! |
ベルベット | あんたたちも出場してたのね ? |
スレイ | ベルベット ! ?もしかしてチーム・ティロルベって…。 |
ベルベット | あたしたちよ。ティア、ロイド、ルークとあたしの4人チームだからチーム・ティロルベ。 |
ルーク | メドレーの順番にもなってるんだぜ !ちょっとダセぇけど覚えやすくていいだろ ! |
ベルベット | ダサくて悪かったわね。 |
ミリーナ | それにしてもどうしてベルベットたちが大会に ? |
ロイド | 俺がきっかけなんだ。話せば長くなるんだけど潮風村ってとこの人たちが夏バテでさ。 |
イクス | ロイド、ありがとう。それだけで事情は理解できたよ。 |
ロイド | それだけじゃなくて、夏バテ解消にリフィル先生が料理を振る舞ったらえらいことになっちまったのもあるんだ。 |
カーリャ | あぁ…ロイドさま。完全にこちらも同じです。 |
アリーシャ | つまり、そちらは潮風村の代表…。 |
ルーク | で、ロイドがメンバー集めてるって言うから俺も一緒に出場することにしたんだ !なんか楽しそうだし金メダルかじりてぇし ! |
ティア | まったく、あなたって人は。どうしてジッとしていられないのかしら。 |
ルーク | なんだよ。そんなこと言うなら俺の誘い断ればよかっただろ。 |
ティア | そ、それは…。超長距離遠泳メドレー大会なんて確かに意味不明な催し物だけど…。 |
ティア | でもせっかく……ルークが…誘ってくれたから…。 |
ルーク | お、おう。なんか…ありがとな。 |
スレイ | ベルベットはどうして ? |
ベルベット | 優勝賞品が目当てに決まってるでしょ。なんでも特殊な鏡って噂じゃない。 |
カーリャ | あっ…そういえばですけど、明鏡四水ってコレットさまが…。 |
ベルベット | 願い事が叶うのは一度だけと決まってるわけではないんでしょ ?それに特に反応もなかったらしいじゃない。 |
ベルベット | まぁ、噂通りの都合のいい代物があるはずないけどもらえそうなものはもらっておくつもりよ。 |
ロイド | 確か、イクスたちとは最終予選同じレーンだったよな。お互い決勝行けるよう頑張ろうぜ ! |
ベルベット | 負けるつもりは更々ないけどね。それじゃ、試合で会いましょう。 |
スレイ | まさか…ベルベットたちと勝負することになるなんてな…。 |
エドナ | ネーミングセンスは壊滅的だけど実力は…いまのあなたたちより上よ。 |
ミリーナ | チーム・ティロルベとは決勝でも戦うことになるわよね…。 |
イクス | 俺たち…勝てるのか……。 |
カーリャ | …あれ ? どっちが勝っても明鏡四水は手に入りますし協議の場も作れるような……。 |
カーリャ | うーん……でも、まぁいっか ! |
エドナ | そうよ。そんな問題は些細なこと。 |
エドナ | いま、あの子たちは水泳選手。選手であり大会に出場した以上、優勝を目指すのは当然なのだから。 |
ミクリオ | ああ。正々堂々全力で競技に臨む。それがスポーツマンシップだからな。 |
アリーシャ | …ひとまず最終予選だ。チーム・ティロルベの力量をこの目で見定めるためにも心して臨もう。 |
キャラクター | 7話【八種目 ベストを尽くせ!】 |
アリーシャ | …チーム・ティロルベ。そして…ベルベット、か……。 |
アリーシャ | よし。頑張らなくてはな。 |
イクス | アリーシャ、ここにいたのか。今日の練習メニューはもう終わった ? |
ミリーナ | みんなでクールダウンがてら入り江で軽く流そうと思うんだけどアリーシャも一緒に行かない ? |
アリーシャ | ありがとう。だが、遠慮しておこう。もう少しだけ個人練習がしたいんだ。 |
アリーシャ | 無事、最終予選を突破できたが、ティロルベには負けてしまったからな。 |
アリーシャ | 決勝戦では…負けるわけにはいかない…。もっと…強くならなくては……。 |
スレイ | それはオレたちも同じ気持ちだよ。だけど…ずっとアリーシャは練習漬けだ。ちゃんと休むことも大切だと思うよ。 |
エドナ | それに、疲労は故障の一番の原因。コーチとしてもこれ以上の練習は認められないわね。 |
アリーシャ | それは…わかっています。ですがこのままでは決勝でも…私はまたベルベットに負けてしまう…。 |
ミクリオ | ベルベットは追い上げに強い選手だ。抜かれたのがショックだったのはわかるが気にしすぎるのは良くないぞ。 |
イクス | むしろアリーシャが逃げ切れるようにもっと俺たちが速く泳げるようにならないとだ ! |
エドナ | 焦ってもタイムは伸びないわよ。それに一朝一夕で勝てるようになる相手でもないのだから。 |
ミクリオ | 個人の技量もさることながらマネージャーにガイがついているのもあのチームの強みだ。 |
ミクリオ | ルークとのやり取りをみて確信した。悔しいが、彼のマネージメント能力は…………ずば抜けて高い。 |
イクス | いつもスレイの面倒を見ているミクリオが認めるほどなのか ! ? |
スレイ | 面倒を見てるって…まあいいけど。確かに凄いよな…。 |
エドナ | おまけに監督は大佐のボーヤよ。 |
スレイ | ジェイドさん…。なんだか油断ならない人だよな。 |
ミリーナ | 練習に口出しはしないと思うけどチームを煽ってやる気を引き出させるのにジェイドさん以上の監督はいないわ。 |
イクス | 選手もバックアップ陣営も最高レベル。だけど…俺たちも頑張って厳しい練習にも耐えてきたんだ。 |
ミリーナ | 私たちも確実に強くなっている。そして、決勝戦まで駒を進められた。 |
スレイ | …勝ちたいな。 |
エドナ | まぁ、現実は甘くないけどね。優勝できず嘆き悲しむ未来が待っているかもしれないわけだし。 |
エドナ | けど、あなたたちは必死に努力した。一番大切なことはたった一つよ。 |
エドナ | 最後まで諦めず、ベストを尽くしなさい。 |
三人 | はい ! コーチ ! ! |
アリーシャ | ベスト尽くす…。その通りだな……。むしろそれが…。 |
ミリーナ | …アリーシャ ? |
アリーシャ | みんな、すまなかった。実は…最終予選で私はベストの泳ぎができなかったんだ。 |
アリーシャ | 後ろから追い上げてくるベルベット、予選で大会新記録を叩き出しティロルベのファンになった人たちの熱い声援。 |
アリーシャ | そして、私が抜かれたときの海風村の人々の落胆する、ため息…。 |
アリーシャ | なんとか泳ぎ切ることはできた。だが一瞬…すべてに飲まれそうになったんだ。 |
アリーシャ | その一方で、私を抜いたベルベットの瞳はただ真っ直ぐにゴールを見ていた。会場や私になど目もくれずに…。 |
アリーシャ | すごいと思った。あれこそがベストを尽くし戦う者の瞳なのだと。 |
イクス | 確かにベルベットさんはすごい。けど、周りの目が気になってしまうことは普通のことだと俺は思うな…。 |
ミリーナ | それに、アリーシャはいつだって誰かを思い周りを気遣って行動してきたじゃない。アリーシャはそういう瞳の持ち主なのよ。 |
アリーシャ | …私の瞳。 |
スレイ | 忘れないで。アリーシャを応援する人たちだってちゃんといるってことを。 |
イクス | 周りの声をかき消すぐらいの大声で俺たちが声援を届けてみせる。 |
ミリーナ | アリーシャだってチームの大切な仲間よ。喉が潰れたって叫んでやるわ。 |
スレイ | どうするかはアリーシャ次第だ。 |
アリーシャ | ……みんな。 |
アリーシャ | 私は…勝ちたい ! ! このチームで ! !大切な仲間たちと ! ! |
エドナ | ベストを尽くす手段は人それぞれよ。あなたたちは、あなたたちのやり方でベストを尽くしなさい。 |
ミクリオ | 共に優勝という夢を叶えるんだ ! |
一同 | はい ! ! |
キャラクター | 8話【九種目 挑め、大会!】 |
二人 | 選手宣誓 ! |
二人 | 我々選手一同はスポーツマンシップに則り正々堂々競技を行い、全力を尽くすことをここに誓います ! |
ミュウ | はいですの ! |
ミリーナ | ティア、頑張りましょうね。 |
ティア | ええ。望むところよ。 |
ミュウ | 出場選手の皆さん。位置についてくださいですの。 |
エドナ | いよいよね。 |
ミュウ | よーい…………スタートですのッ ! ! |
二人 | ――ッ ! ! |
ミクリオ | はじまった ! ! |
ジェイド | おや。もうスタートしていましたか。 |
エドナ | 遅かったわね、大佐のボーヤ。老人は早起きぐらいしか取り柄がないんじゃなかったのかしら ? |
ジェイド | いやぁ。早起きは得意なのですが会場までの道のりが億劫だったもので。やはり歳というやつですかねぇ。 |
ジェイド | 地の天族様はさすがですね。選手をしっかりと見守る監督の鑑だ。見習いたいものです、その老婆心。 |
ミクリオ | なんなんだ…この戦いは……。 |
メルディ | キール。どっちが勝つ思うか ? |
キール | タイムだけで言えばティアだろう。だが、ぼくにもまだわからない。 |
メルディ | どうしてか ?速いほうが勝つが普通よ。 |
キール | 第一の海域は別名\"不可視の迷宮\"。蜃気楼が発生するため到着地点が複数見え進む先がわからなくなるんだ。 |
キール | 迷宮を抜ける手段を持たぬ者は彷徨い続け、体力を消耗しやがて泳げなくなってしまう。 |
エリーゼ | ティア、全然スピードが出てませんよ。やっぱり迷ってるんでしょうか。 |
ミラ=マクスウェル | そのようだ。だがミリーナは気づいたようだな。正しい到着地点へと真っ直ぐ泳いでいる。 |
エリーゼ | いったいどうして…。ミリーナはただ上空を見つめているだけですよね ? |
ジュード | たぶん、だけど…。ミリーナってお菓子作りやボンサイ以外にも、占星術が得意だったよね。 |
ジュード | 元から天体や空の観察が得意なんだよ。だから、空を見て正しい方角を蜃気楼に惑わされず導き出せるんじゃないかな。 |
ミラ=マクスウェル | なるほど…。それに、彼女は背泳ぎだ。空を見ながら泳げる、というわけだ。 |
ティポ | 勝負ありかもー ? |
ティア | (マズいわね…。ミリーナの姿すら見えなくなった…。相当引き離されているわ……) |
ティア | (けど…蜃気楼のせいでどれが本当の到着地点かわからない……。いったい、どうすれば……) |
ルーク | ティア ! なにやってんだよ !お前のスピードはそんなもんじゃねぇだろ ! |
ティア | (ルーク ! ? ) |
ルーク | いまの俺には応援しかできねぇけど俺は本気でティアを応援すっからな ! ! |
ティア | (ルーク…ありがとう。あなたの声…ちゃんと届いたわよ) |
ティア | (いや、待って……。声、つまり音… ! ?そうか…これなら ! ! ) |
ティア | (ルーク…感謝するわ !だから安心して私の泳ぎを見てて ! ! ) |
コレット | ティア…目を閉じちゃった。どうしたんだろ。私…諦めて欲しくないよ。 |
ガイ | 違うぜ。ティアは諦めたわけじゃない。見てろ…ここから巻き返すぞ。 |
ミクリオ | この状況からどうやって… ? |
ソフィ | 歌が…聞こえる……。 |
ティア | ~~~~♪ |
ミクリオ | ティアが…歌っているのか ! ? |
ジェイド | あれは第二音素譜歌…。 |
エドナ | まさか……そう。なかなかやるわね。音の反響を利用して到着地点を探っているなんて。 |
ミクリオ | そんなことができるのか ! ? |
ジェイド | ティアは第七音譜術士。造作もないことです。 |
ルーク | ティア ! ! いっけぇぇ ! ! ! ! |
ミリーナ | イクス ! ごめんなさい !追いつかれた ! |
イクス | 大丈夫だ。ミリーナは休んでて。必ず…スレイに繋いでみせる ! ! |
ティア | ロイド ! 頼んだわよ ! ! |
ロイド | ティア、よくやったぜ !後は任せてくれ ! ! |
ライフィセット | ティアが巻き返してイクスとロイドは同時スタート。勝負は振り出しに戻ったみたいだね。 |
ミラ=マクスウェル | 確か、第二の海域は別名\"無限の交龍巣\"だったな。 |
ジュード | 数え切れないほどの海流が集まりそれはまるで荒れ狂う龍たちの巣のようだと言われている海域だね。 |
ジュード | 正攻法としては時々刻々と変化する流れに合わせて軌道修正しつつ進むこと。 |
カイル | うわぁ。なんだかすごく大変そう。他には何かないの ? |
ジュード | 一つだけ、正攻法以外の戦い方があるんだ。それは海流の時間による変化をすべて記憶し流れを利用して進むこと。 |
カイル | えっ、でも海流は数え切れないほどあるし時間によって変化もするんでしょ ?それを全部覚えることなんてできるの ? |
リアラ | 普通の人じゃできないわ。けどイクスは、一度読んだ本なら一言一句違わずに完璧に記憶できる。 |
カイル | イクスってそんな頭良かったの ! ?歴史のテスト28点のオレからしたらうらやまし…じゃなくて信じられないよ ! |
ジュード | さっそくイクスが前に出てきたね。記憶力を頼りに海流をうまく利用してる。 |
リアラ | イクスとロイドのスピードは同じだけどこの勝負…わたしはイクスが勝つと思うわ。知識を活かした頭脳プレーで。 |
リフィル | それはどうかしら。 |
ジュード | リフィル先生 ? |
リフィル | 教師である私がいうのも何だけど世の中は勉強が全てではないのよ。 |
リフィル | 見ているといいわ。ロイドの力を。 |
キャラクター | 9話【九種目 挑め、大会!】 |
ロイド | 海流が入り乱れてるならそれをすべて分かつだけだっ ! |
ロイド | ――裂斬水 ! ! |
ルーティ | ウソでしょ ! ? 海流を分断した ! ? |
リオン | 自分の腕を双剣とみたて海流を切り裂いたわけか。さすがは双剣使いといったところだな。 |
スタン | なんだよくわからないけどロイドってすごいなぁ ! |
ジュード | まさかこんな手段があったなんて…。 |
リフィル | 言ったでしょう。勉強がすべてではないって。 |
リアラ | ロイドが…イクスを抜いたわ ! |
ロイド | ルーク ! お前の番だぜ ! |
ルーク | 待ちくたびれたぜ !それじゃあスレイ、先に行かせてもらうからな ! |
スレイ | ああ。追いついてみせるよ。 |
ルーク | 言ったな ! |
イクス | スレイ、すまない ! 遅くなった ! |
スレイ | 大丈夫 !ミクリオとの特訓の成果をみせてやる ! |
ガイ | ルークだって特訓はした。どんな手かは知らないが、この状況をひっくり返すことは難しいと思うぜ。 |
ミクリオ | だが何があるかわからないのが競技だ。それに第三の海域は別名\"深淵の冥海\"とも言われているからね。 |
ガイ | それはもちろん知っているさ。突発的に渦潮が発生する危険海域だからな。 |
ガイ | 一歩間違えば…命も危ういんだ。ルークと一緒に特訓してこっちは万全を期して臨んでる。 |
ルーク | (えっと…ここのあたりは渦潮が発生しやすいとこだから横に逸れて進むんだったな…) |
ガイ | (ルーク…それでいい。第三の海域はいかに渦潮を回避して進むかが最重要だからな) |
ミクリオ | ガイ、悪いね。そろそろスレイが逆転するよ。 |
ガイ | なんだって ! ? |
スレイ | ハァァァ ! ! |
ガイ | お、おい。スレイが進んでる先は渦潮が発生しやすい場所だぞ。最短距離だが、のまれたら終わりだ。 |
ミクリオ | 知っているさ。僕が進むように言ったからね。 |
ガイ | ……どういうことだ ? |
ミクリオ | みているといい。 |
スレイ | ――獅子戦吼 ! ! |
ガイ | バカな ! ? 渦潮を相殺しただと ! ? |
ミクリオ | これがスレイと僕の特訓の成果だ。 |
ガイ | だが第三の海域に渦潮が発生するのは一年に一度の今日だけだろ。特訓なんてできるはずは……。 |
ミクリオ | ガイ、忘れているようだね。僕が水の天族であるということを。 |
ガイ | まさか… ! |
ミクリオ | 僕が水を操って渦潮を作りだし、スレイが獅子戦吼で相殺する…それがスレイと僕の特訓だったんだ。 |
ガイ | 危険を覚悟の上で、か……。 |
ミクリオ | スレイなら乗り越えられると僕は信じていたからね。 |
ガイ | ミクリオのマネージメント能力…恐れ入ったぜ……完敗だ。 |
ミクリオ | いいや。選手を大切に思う気持ち、それがマネージャーとして最も大切なものだ。 |
ミクリオ | ガイがルークの特訓のために捧げた情熱は紛れもなく最高レベルだっただろう。 |
ミクリオ | 頑張りを比べる気はないが、ガイも立派だと僕は思うよ。 |
ガイ | …ミクリオ。 |
ミクリオ | まだスレイとルークは泳いでいる。一緒に見守ろうじゃないか。 |
ガイ | …ああ、そうだな ! マネージャーとして ! |
スレイ | アリーシャ ! ! |
アリーシャ | ああ ! |
エドナ | だいぶ差がついたわね。 |
ジェイド | 想定の範囲内です。ベルベットは追い上げに長けている。安心するのは早計ですよ。 |
ジェイド | いやぁ。どちらが負けるのか、……見物です。 |
エドナ | ある意味ではここからが本当の勝負ね…。 |
キャラクター | 10話【十種目 勝敗の行く末】 |
ルーク | 悪ぃ、遅くなった……って、おい !お前、なんで水着じゃねぇんだよ ! |
ベルベット | 変な機械の爆発に巻き込まれて水着が燃えたのよ !時間がないからこれで泳ぐ ! |
ルーク | そ、そうか。まぁ、露出度合い的に水着みたいなもんだから大丈夫か。 |
ジェイド | 変な機械……まさか……。 |
エドナ | どうかした ? |
ジェイド | …………いえ。なんでもありません。 |
ベルベット | 負けてたまるもんですか。絶対に…追い上げてやる…。 |
イクス | ベルベットさん…なんて気迫だ ! |
ミリーナ | それに…速いわ ! !最終予選のときよりも格段に速くなってる ! ! |
レイヴン | いやぁ、青春って感じで燃えるねぇ。それにベルベットちゃん…なかなかのもの持ってるじゃない。 |
リタ | 何のこと言ってるのか知らないけどそんなに燃えたいならあたしがやったげるわ。 |
レイヴン | わーー ! リタっち、それダメ !物理的なのは勘弁してぇぇーー ! |
ラピード | ワンッ ! ! |
二人 | ひっ ! ! |
ユーリ | まったく。何やってんだよ。せっかくの熱い勝負がよく見えねぇじゃねぇか。 |
ティア | ベルベットが…追いつくわ ! |
アリーシャ | (……くっ、またか) |
ロイド | やったぜ !ベルベットがアリーシャを抜いた ! ! |
ガイ | さすがは追い上げが得意なベルベットだ。まさか本当に逆転するなんてな。 |
ジェイド | …ですが、あれは。 |
エドナ | まだ勝負は終わってないわ。あなたたち……今よ ! ! |
一同 | アリーシャ ! ! 頑張れぇぇ ! ! ! ! |
アリーシャ | (……ありがとう。みんな。ちゃんと…私にも聞こえたよ) |
アリーシャ | (スレイ、ミクリオ様、エドナ様、イクス、ミリーナ…本当にありがとう。この未熟な私を…仲間だと言ってくれて…) |
アリーシャ | (大切な仲間のためにも…。そして、私自身のためにも………絶対に勝つっ ! ! ) |
ライフィセット | アリーシャがスピードを上げた ! ?ベルベットに追いつこうとしてる ! |
ジェイド | やはり体力を温存していましたか。 |
エドナ | まだよ。ここから…アリーシャはトップスピードに入る ! |
ライフィセット | さらにスピートを上げた ! ? |
ユーリ | おいおい。ラストスパートには少しばかり早すぎるぜ。お姫様は堪え性がないってのが定番なのか ? |
ガイ | やけになっちまったのかもな。あれじゃあゴールにたどり着く前にバテちまうぜ。 |
スレイ | オレは…大丈夫だと信じてる。 |
ティア | どういうこと ? |
スレイ | アリーシャはいつだって苦しい決断を強いられてきたんだ。そしてその苦しさに耐えて進んできた。 |
スレイ | トップスピードで泳ぎ切るくらいの苦しさ、それくらい何だって言うんだ。アリーシャなら絶対に乗り越えられる ! |
ミリーナ | アリーシャがベルベットに並んだわ ! ! |
二人 | ―― ! ! |
ミクリオ | ゴールまであと少しだぞ ! |
ルーク | どっちだ ! ?アリーシャかベルベットか ! ! |
ディスト | はーはっはっはっ !水泳大会なんていい気なものですね !優勝賞品の明鏡四水は頂きましたよ ! ! |
ベルベット | ―― ! ? |
ジェイド | やれやれ。やはり来ましたか。変な機械と聞いてまさかとは思いましたが。 |
ディスト | 変な機械とは失礼なっ ! !これはタルロウXXですよ ! ! |
ルーク | うるせぇ ! ! いまいいところなんだ ! !もうしばらく黙ってろ ! ! |
ディスト | え、あっ……はい……。 |
二人 | ハアァァ―― ! ! |
一同 | …………。 |
イクス | ど、どっちだ……。 |
アリーシャ | はぁ…はぁっ…………。 |
ベルベット | …………ふっ。 |
ミュウ | 勝者 ! アリーシャさんですの ! !優勝は初出場チーム\"エドナ様のお供たち\"ですの ! |
アリーシャ | わ、私が……。 |
スレイ | アリーシャ ! 勝ったんだよ ! ! |
イクス | 本当に…本当によくやったよ ! ! |
ミリーナ | おめでとう ! ! |
アリーシャ | ……みんな。 |
ディスト | ちょっと !いつまで私を無視する気ですか ! ? |
ベルベット | そのヘンテコな機械…。あのときの……。 |
ベルベット | あんたのお陰で着衣泳になったのよ。覚悟、出来てるんでしょうね ? |
アリーシャ | 休んでいる暇はなさそうだな。ベルベット、手伝おう。 |
ベルベット | ええ。あいつを倒すわよ ! |
キャラクター | 11話【十種目 勝敗の行く末】 |
イクス | あの人…また海の方へ飛ばされていっちゃいましたね。 |
ジェイド | さっさと海の藻屑になってくれるといいのですがねぇ。 |
ベルベット | アリーシャ。優勝賞品の鏡よ。受け取りなさい。 |
アリーシャ | ベルベット…だが……。 |
ベルベット | 勝負は時の運もあるのよ。それも含めて、あんたは優勝を勝ち取った。 |
ベルベット | それにいま観客全員があんたを見てる。胸張って堂々としてなくてどうするの。ちゃんと務めを果たしなさい。 |
アリーシャ | …ベルベット、ありがとう。 |
ベルベット | けど次の機会があればこうはいかないわよ。もし仮に再戦することになったら覚悟しておくことね。 |
アリーシャ | ああ。リターンマッチはいつでも歓迎だ ! |
海風村の村長 | 敵同士でも互いを讃え合うとは !ワシは…ワシは感動したぞ ! ! |
海風村の村長 | あの二人のようにワシらもならねばじゃ !これから浜辺掃除は共におこない皆でこの浜辺を綺麗にするのじゃ ! ! |
ロイド | おっ。なんだかよくわからないけどベルベットとアリーシャのおかげで村のごたごたも解決したみたいだな。 |
コレット | ロイド、よかったね。 |
アリーシャ | すまない。待たせてしまったな。 |
スレイ | アリーシャ ! 本当によく頑張ったよ ! |
イクス | あのラストスパート、感動した ! |
アリーシャ | これも皆のおかげだ。あの声援に…私は支えられた。 |
アリーシャ | ありがとう。 |
ミリーナ | アリーシャってば !その笑顔、最高にかわいいっ ! |
スレイ | 「マオクス=アメッカ」だな。 |
アリーシャ | ふふっ…スレイにもらった私の大切な真名だ。 |
ミクリオ | みんな。改めて優勝おめでとう。本当によくやったよ。 |
エドナ | ミボは驚いてたようだけど当然の結果よ。ワタシはずっと言ってたじゃない。 |
エドナ | そうよね。アリーシャ ? |
アリーシャ | はい。その通りです。 |
アリーシャ | そうだ、イクス。この鏡が明鏡四水で間違いないか ? |
イクス | ああ。これがそうだ。 |
アリーシャ | よかった。それなら明鏡四水は当初の予定通り、君に。 |
イクス | ありがとう。 |
アリーシャ | そういえば伝承によると明鏡四水には願い事を叶える力があるんだったな。 |
イクス | そうだよ。だけど…本当にコレットの願いって効果があったのかな…。 |
ミリーナ | さすがにスケールが大きすぎて叶ってはいないんじゃないかしら。だからか、まだ微かに力が残ってる。 |
エドナ | たいした願いは叶えられないのでしょうけどそれなら使わないのもシャクね。 |
イクス | けど、願い事って言っても特に思い浮かばないんだよな…。 |
ミクリオ | そのまま取っておくのはどうだろうか ? |
イクス | …だいぶ力が弱まってるからもうしばらくしたら完全に効力が消えてしまいそうなんだよ。 |
スレイ | …そうなのか。 |
アリーシャ | 無理に使わなくても良いのではないか ? |
イクス | うーん、それもそうか。 |
スレイ | それじゃあ、せっかくの海だ !大会も一段落したわけだしみんなで遊ぼう ! |
イクス | ちょっと待って…。この感じ……。 |
ミクリオ | な、なんだ ! ? 地震か ! ? |
ミリーナ | この揺れはただの地震じゃないわ !それに鏡震とも違う ! |
スレイ | あっちから何か出てくるぞ ! |
アリーシャ | な、なんだ…あれは……。 |
スレイ | ウソ、だろ……。 |
ミクリオ | あれは……ドラゴン。 |
エドナ | …ど、どういうこと。なんで……ドラゴンがいるのよ……。 |
ミリーナ | エドナ様、落ち着いて。あれはエドナ様たちの世界のドラゴンではないわ。 |
エドナ | そう、なの… ? |
カーリャ | はい ! あのドラゴンからは魔鏡術の気配を感じます ! |
イクス | 以前、ティル・ナ・ノーグのドラゴン伝承をまとめた資料をエドナ様に渡しただろ ? |
エドナ | ……ええ。 |
スレイ | ティル・ナ・ノーグの古代にも伝承に拠ればドラゴンがいたんだよな。 |
イクス | ああ。そして…伝承は正しかったみたいだ。 |
ミリーナ | けどあれは本物のドラゴンじゃないわ。 |
エドナ | ……どういうこと ? |
イクス | あれはアンデッドドラゴン。特殊な魔鏡術を帯びたドラゴンの化石が動いているだけだから…倒せるはず。 |
ミリーナ | 伝承が本当なら…生きているドラゴンはビクエの鏡士でしか太刀打ちできないと言われているけどアンデッドドラゴンなら ! |
イクス | いまの俺とミリーナの鏡士の力でもなんとか倒せるはずだ ! |
スレイ | ……あれは化石が動いてるだけなんだよね ? |
ミリーナ | そうよ。 |
スレイ | …わかった。オレも協力する。 |
ミクリオ | 僕も手伝おう。 |
エドナ | ……。 |
ミリーナ | エドナ様…無理しないで。 |
エドナ | 平気よ。ワタシも力を貸してあげるわ。ありがたく思いなさい。 |
イクス | アリーシャは\"アクアトピア遺跡\"の構造に詳しかったよな ?周囲にいる人の避難を頼めるか ? |
アリーシャ | 構わないが…大丈夫か ? |
ミリーナ | ここは私たちが意地でも食い止めるわ。周りの人たちの避難は…アリーシャにしかできないことよ。 |
アリーシャ | …承知した。皆、無事でな。 |
スレイ | 行こうか。 |
キャラクター | 12話【アンデッドドラゴンを駆逐せよ!】 |
イクス | …………。 |
スレイ | イクス。大丈夫か ? |
イクス | あぁ。大丈夫だよ。けど…なんでアンデッドドラゴンが……。 |
アリーシャ | みんな、無事だったか ! ? |
ミリーナ | ええ。なんとか倒せたわ。 |
イクス | さすがにちょっとキツかったけどな。 |
エドナ | …………。 |
四人 | ………………。 |
エドナ | まったく。なに四人揃って黙りこくっているのかしら。 |
エドナ | ミボ、一発芸でもして場を沸かせなさい。 |
ミクリオ | エドナはまだ笑う元気が残っているのかい ?さすがに疲れただろう ? |
エドナ | ワタシもバカにされたものね。あんなのチョロアマ過ぎてあくびが出るわ。 |
エドナ | ミボも人の心配をするくらい暇があるならまずはアイスクリームでも作ったらどう ? |
ミクリオ | わかったよ。これでもマネージャーだからね。みんなも食べるだろう ? |
エドナ | アリーシャ、天族のアイスクリームよ。感謝の気持ちはどうしたの ? |
アリーシャ | は、はい ! ではありがたく頂きます !スレイも食べるだろう ? |
スレイ | あぁ。せっかくのミクリオのアイスクリームだもんな。 |
ミリーナ | 夏だから美味しさ倍増よね。 |
イクス | それなら俺も。 |
カーリャ | カーリャは特盛りがいいです ! |
エドナ | なによ。みんな元気じゃない。 |
ミクリオ | せっかくの海だ。みんなで遊んで来たらどうだ ? |
スレイ | だな。たまには遺跡探検以外も面白そうだ。 |
アリーシャ | ミクリオ様とエドナ様は ? |
イクス | せっかくだからみんなで遊ぼうよ ! |
ミクリオ | 僕たちは泳げないからなぁ。 |
ミリーナ | 浮き輪ならすぐに具現化できるわよ ? |
スレイ | だからミクリオもエドナも水着に着替えに行こうよ。 |
ミクリオ | 僕はアイスクリームを作っているよ。 |
エドナ | パス。面倒ね。 |
スレイ | とかなんとか言ってミクリオもエドナも結局、水着着てくれなかったな。 |
アリーシャ | あぁ…。とても残念だ…。 |
四人 | 二人の水着姿が見たかったなぁ。 |
ミクリオ | な、なんで僕とエドナが水着に ! ? |
エドナ | ……なにこれ。 |
イクス | 明鏡四水の力で、願いが叶ったんだ ! |
スレイ | あはは ! これで問題ないな、ミクリオ ! |
ミリーナ | エドナ様、かわいいっ ! ! |
アリーシャ | さぁ、皆で楽しもう ! |
エドナ | そう…そんなに海で戯れたいなら次は超絶技巧海中シンクロ大会にでも出場してもらおうかしら。 |
一同 | また大会に ! ? |
ミクリオ | まさにシンクロだな。 |