キャラクター | 1話【プロローグ】 |
ディスト | ジェイド ! ジェイドはどこですか ! ?親友のよしみで救世軍クリスマス会の招待状を持ってきてあげましたよ ! |
イクス | ディストさん、お願いです。お願いですから帰ってください。招待状は俺から渡しておきますから。 |
リオン | 何を企んでいるのか知らんがさっさとケリュケイオンから出て行け。 |
アスベル | みんな ! ジェイドさんを連れてきたぞ ! |
ジェイド | まったく。騒々しいですねぇ。 |
ディスト | ジェイド ! やっときてくれましたね !これはクリスマス会の招待状です。私と遠き日の思い出を語り合い―― |
コーキス | ――あ、ジェイドさま、招待状を…… |
カーリャ | 破った…。ビリビリに…。 |
ディスト | な、何をするんですか ! ?三日間も徹夜して作ったのに ! ! |
イクス | な、なんだ ! ? |
謎の声 | ――見つけた。 |
イクス | …な、何が起きたんだ ? |
ジェイド | 位置情報を示す計器が狂ってる…。いや、不条理なほどに整っている ?まさか―― |
ディスト | ――なるほど。これは面白い !すぐに調べましょう、ジェイド ! |
ミリーナ | あ、ディストさんが―― |
ジェイド | 放っておきなさい。おそらく私と同じ結論に達したのでしょう。 |
イクス | 同じ結論 ? それはどういうことですか ? |
謎の声 | それは私から説明しましょう。ここは安全です。どうぞ外においで下さい。 |
ワイズマン | ようこそ。余剰次元アークに。私はここの長でワイズマンと申します。 |
コーキス | まぶしくて何だかよくわからないよ ! |
ワイズマン | すみません。これでも皆様の次元に姿を届けられるよう調整しているのですが私の次元が遠すぎてこれが限界なのです。 |
カーリャ | えっと…どういうことですかね ?カーリャにはさっぱりです。 |
ワイズマン | まずはこの世界について説明しましょう。ここはあらゆる世界の全ての記録を保管するアカシアの樹に守られた次元図書館。 |
ワイズマン | そちら風にいえば図書館を中心とした学園都市です。よろしければ今後はこの場所を学園都市アークと呼んで下さい。 |
ワイズマン | 私やここに住む他の者は、あらゆる宇宙を超越した高次元の魂――アーキタイプ。この場所を護る司書のような存在です。 |
ジェイド | …なるほど。6次元――いやそれ以上の次元の生命体ですか。 |
ジェイド | 闇雲に信じるのもどうかとは思いますがケリュケイオンの計器の状態を見た限りではでたらめという訳でもなさそうです。 |
リオン | …信じがたいが確認する術はなさそうだな。それで ?どうして僕たちをここへ連れてきたんだ。 |
ワイズマン | あらゆる宇宙では争いが絶えず、その影響でこのアークも危険にさらされています。その為アークを護る我らも疲弊している。 |
ワイズマン | そんな我らアーキタイプにとって疲れを回復する効果があるのがレクリエーション――祭りです。 |
ワイズマン | 特に近々開催される学園祭は重要で毎年様々な次元からゲストを招いています。 |
アスベル | まさか、俺たちがゲストってことか ! ? |
リオン | 馬鹿な ! ? そんなことのために僕たちは連れてこられたのか ! ? |
イクス | けど、俺は…責められないな。俺たちも異世界に助けを求めてみんなを具現化してしまったんだし…。 |
ミリーナ | それなら今回はいつもとは逆に私たちがワイズマンさんを助けましょうよ。 |
イクス | …ああ、そうだな。俺たちでも役に立てることがあるなら。 |
ワイズマン | ありがとうございます。学園祭が無事終わりましたら、皆さんを元の世界にお戻しします。 |
イクス | その時、ここの世界の記憶は―― |
ワイズマン | もちろんそのままです。ご安心下さい。 |
三人 | ………………。 |
アスベル | しばらくここにいることになりそうだな。それなら何か手伝うよ。学校なら俺も通っていたことがあるし。 |
イクス | アスベルは騎士学校にいたんだったよな。学園生活にも詳しそうだし心強いよ。 |
アスベル | 学園生活、って感じではなかったけどな。何も分からないよりは良いと思う。 |
アスベル | リオン、ジェイドさんもせっかくだしどうですか ? |
リオン | 断る。 |
ジェイド | お断りします。 |
アスベル | 即答されてしまった…。仕方がないな。 |
アスベル | イクス、ミリーナ。ひとまず俺たち三人で学園祭を盛り上げるため頑張ろう。 |
イクス | そうだな。でも、俺たちだけで何とかなるのかなぁ…。 |
ワイズマン | 実はティル・ナ・ノーグの他にもう1つ別の世界からもゲストを招いています。 |
ワイズマン | こちらがリアフィースの住人。 |
ワイズマン | そしてこちらがティル・ナ・ノーグの住人です。 |
サラ | はじめまして。私はサラって言います。よろしくね。 |
アレン | 僕はアレン。気軽にアレンって呼んでくれたら嬉しいな。 |
イクス | あ、あぁ。よろしく、アレン。俺はイクス・ネーヴェ。 |
ミリーナ | 私はミリーナ・ヴァイスよ。歳が近いみたいでよかったわ。サラ、よろしくね。 |
サラ | そしてこっちが―― |
カナ | アスベル ! ?アスベルもこっちに来てたの ? |
アスベル | …俺たち、どこかで会ったか ? |
カナ | あっ、私たちとは別の世界の人なのよね。ごめん。事情は聞いていたんだけど本当にそっくりだったから驚いちゃって―― |
ゼファー | ――おい、まずは自己紹介だろ。こいつはカナ。俺はゼファーだ。よろしく頼むぜ。 |
カナ | ぐわっ、ゼファー !フード引っ張らないでよ ! |
リッピ | 私はリッピと申します。お食事の用意から大道具まで何でもお任せください ! |
カーリャ | カーリャはカーリャですよ。で、こっちが後輩のコーキスです。 |
サラ | それじゃあ挨拶も済んだことだしさっそく学園祭について考えましょうか。 |
イクス | そうだな。うーん…俺たちも何か出し物をすればいいのかな。 |
サラ | そうですね。だったらどんな出し物をするかアイディアを出しませんか ? |
ミリーナ | ふふ♪サラって可愛いだけじゃなくてリーダーシップがあってしっかり者なのね♪ |
サラ | ミ、ミリーナさん ! ?…そんな、照れちゃいます…。でも、ありがとうございます。 |
キャラクター | 2話【学園祭1 はじまり】 |
アレン | アーキタイプってみんなワイズマンみたいに光ってるのかと思ったけど見た目は普通の人なんだね。 |
アスベル | ジェイドさんがいればワイズマンとの違いを説明してくれそうだけど…。 |
ミリーナ | うーん…。面白がって適当なことを言うかも知れないわよ ? |
カナ | あんなに眩しいとお話ししてるだけで目がくらんじゃうわ。他のアーキタイプの人たちは平気なのかしら ? |
ゼファー | そんなことより、出し物どうするんだ ? |
イクス | 学園祭の出し物か…。俺は学園生活自体が初めてだしどういうのがいいのかよくわからないや…。 |
ミリーナ | サラ。何かアイディアある ? |
サラ | うーん…喫茶店はどうですか ? |
サラ | 自分たちで料理やお菓子を作ってメイド服や執事の格好をして給仕をするんです。 |
ミリーナ | なんだか楽しそうね。それなら私たちでもできそうだし。 |
ゼファー | 演劇なんかもいいんじゃないか ?アレンとイクスのダブル主人公の熱血ヒーローものの舞台とかよ。 |
カナ | わあ、それ面白そう !ヒーローになったアレンとイクスが悪者を成敗するのね。 |
カナ | でも喫茶店も楽しそうだし…どっちもやれたらいいのに。 |
アレン | さすがに二つは無茶だよ。というより僕…主人公役は確定なんだね。 |
イクス | アレンならきっと大丈夫だよ。俺の方こそ主役なんて務まるかどうか…。アスベルも向いてそうだよな。 |
アスベル | お、俺か ?別にかまわないが…王子様役だけは遠慮したい。 |
ゼファー | 王子様 ? 何かあったのか ? |
アスベル | ちょっと色々、な…。 |
ミリーナ | 他には何かあるかしら。アスベルさん、騎士学校ではどうだったの ? |
アスベル | 騎士学校には学園祭がまずなかったんだ。剣を学んで、皆を守る騎士になる。その為に毎日励んでいたからな。 |
アスベル | でも、騎士学校の中にはバンドを作ってライブを披露してくれた先輩がいたな。他には―― |
サラ | な、なに ! ? |
アスベル | この爆発音…奥の方からだ ! |
イクス | これって…ディストさんのロボットじゃないか !さっきの爆発音はこれが原因だったのか ! |
アスベル | どうして街中でロボットが暴れ回っているんだ。 |
ミリーナ | よくわからないけど…いまはとにかくロボットを破壊しないと ! |
サラ | 爆発に巻き込まれた人もいるみたい。早く街の人たち避難させないと… ! |
リッピ | ナビはお任せください !スマホで安全なルートを割り出します ! |
アスベル | ありがとう !俺たちは目の前のこいつらを倒すぞ ! |
キャラクター | 3話【学園祭1 はじまり】 |
ワイズマン | ――そうでしたか。あのディストという人物はイクスさんたちのお仲間ではなかったのですね。 |
カーリャ | 今の話、ジェイドさまが聞いたら嫌な顔をするでしょうね。 |
サラ | あはは…何でディストさんはあの変なロボットで暴れてたんだろう ? |
ワイズマン | どうやら次元図書館の記録に触れようとして失敗した腹いせのようです。 |
ワイズマン | この世界の記録にはアーキタイプしか触れることができませんから。 |
イクス | も、申し訳ありません。俺たちのせい――じゃないけど、うちのディストさんが迷惑を…って、いや、うちのじゃないけど…。 |
ワイズマン | いえ、私の手違いです。お気になさらず。こちらで彼を探して捕獲してみます。それより困ったことがあるのです。 |
ワイズマン | 学園祭の「対バンライブ」に出場予定だったバンド二組が爆発に巻き込まれ怪我をしてしまいました。 |
ワイズマン | このままでは毎年学園祭の目玉となっている「対バンライブ」を中止せざるを得ません。 |
イクス | そ、それなら…責任もありますし俺が出場します。できるかわからないけど今から練習しますから ! |
ミリーナ | 学園祭の目玉なら外せないわよね。もちろん私も手伝うわ。イクス、一緒に頑張りましょう ! |
カナ | むぅ…二組ってことはもう1グループ必要なのよね… |
リッピ | カナ様、いかがされました ? |
ゼファー | おい…この感じ。間違いなく嫌な予感がするぞ。 |
カナ | ねぇ、みんな、私たちも「対バンライブ」に参加しない ? |
二人 | ええっ ! ? |
ゼファー | またお前は… ! あのなぁ、簡単に言うけどお前楽器なんか弾けんのかよ ? |
カナ | 大丈夫よ、練習するもの !学園のみんなが楽しみにしてるライブがなくなっちゃうなんて悲しいわ。 |
カナ | 私で力になれるなら手伝いたいの。ねぇ、サラ…ダメかしら ? |
サラ | もぅ、そんな風に言われたら断れないよ。でも、カナの意見には私も賛成 !困ってる人たちを見過ごせないよね。 |
リッピ | いやはや、実にお二人らしい考え方ですね。もちろん私も協力いたします ! |
アレン | うん、僕もそう思うよ。…というわけで、決まりだね。ゼファー。 |
ゼファー | 結局こうなるのか…。わかったよ、やるよ、やりゃあいいんだろ。 |
イクス | みんな。ありがとう。 |
アレン | さっそく練習開始だね。 |
ミリーナ | 私たちはまずメンバーを集めなくちゃ。 |
アスベル | 俺も二人を手伝うよ。断られるかも知れないけど、後でリオンとジェイドさんにも声をかけてみよう。 |
カナ | それじゃあ、お互いにしばらく別行動して本番に向けて準備しましょう ! |
ミリーナ | わかったわ。お互い頑張りましょうね ! |
サラ | うん。一緒に学園祭を盛り上げよう ! |
キャラクター | 4話【学園祭2 バンド結成?】 |
イクス | リオンとジェイドさん…どこに行ったんだ。面倒ごとに巻き込まれていないといいんだけど。 |
ミリーナ | あの二人だからきっと大丈夫よ。ディストさんのことも気になるけどいまはバンドに集中しましょう。 |
イクス | そうだな…。この世界の人たちのためにも対バンライブ、絶対に成功させなくちゃ。 |
アスベル | 二人とも。学園祭実行委員会に相談したら空き教室を貸してもらえることになったぞ。これでバンドの練習場所は無事確保だ。 |
アスベル | あと、楽器も貸してもらえたぞ。ギター、ベース、ドラムの3つ。アンプとかの機材も用意してくれるらしい。 |
イクス | アスベル、ありがとう。俺たちだけじゃこんな手際よくいかなかったよ。 |
ミリーナ | さっそく学園生活にも馴染んでるみたいだし本当に頼りになるわ。ありがとう、アスベルさん。 |
アスベル | 俺、そんなに馴染んでるかな ?少しだけ懐かしい気持ちにはなったが…。 |
アスベル | いや、それよりも。楽器、練習場所、機材はひとまず揃ったが問題はバンドメンバーだ。 |
イクス | 俺たちは楽器素人…。楽器とボーカルの兼任は難しいだろうからあと一人、欲しいところだよな…。 |
ミリーナ | 誰か一緒にバンドやってくれる人、いないかしらね……。 |
リオン | 貴様 ! 逃しはしないぞ ! |
イクス | …この声、リオンか ? |
ディスト | そこをどきなさい !私は研究で忙しいんですよ ! |
イクス | ディストさん、何してるんですか ! ?それに研究っていったい… ! ? |
アスベル | イクス、せっかくだ。ここで捕まえてしまおう。 |
ディスト | 誰が捕まるものですか。この研究によって私の次元干渉理論が確立できれば魔鏡の技術を…。 |
ディスト | さらばです ! |
ミリーナ | こほっ…こほっ…。逃げられたわね……。 |
イクス | ディストさん…何を考えているんだ。 |
アスベル | 厄介なことになるかもしれない。やっぱり俺たちもディスト捕獲に協力した方がよさそうだな。 |
リオン | あいつが街で暴れ回るせいで僕たちも怪しまれているんだ。はやく捕らえて身の潔白を証明するぞ。 |
カーリャ | あ、あの…待ってください。なんだか街の人たちの視線が…。 |
コーキス | こりゃ、俺たち完全にディストの仲間だと疑われてるな。 |
イクス | ど、どうしよう…。これじゃあ学園祭に参加どころかうかうか街も歩けないぞ…。 |
アスベル | えっと…皆さん。聞いてください。俺たちはさっきの奴の仲間でもなければ怪しい者でもありません。 |
アスベル | 俺たちは学園祭に参加するためやってきた異世界のバンドなんです。ちゃんとここに証拠…出場用紙もあります。 |
街の人 | …そうだったのか。どうりで見慣れないわけだ。 |
アスベル | はぁ…なんとかなった。 |
リオン | ふざけるな。僕はバンドなどしないぞ。 |
アスベル | ちょ、ちょっと待て。余計なことは言うな。 |
ミリーナ | リオンさん、ここは堪えて。いまだけでいいから。 |
リオン | ……ふんっ。 |
イクス | …あれ。とりあえず誤解は解けたけどこれって俺たち、バンド活動してなかったらまた怪しまれるんじゃ……。 |
アスベル | ……あっ。 |
ミリーナ | け、けど、バンドの練習はしなくちゃいけないんだし、大した問題じゃないわよ。だから気にすることないわ、アスベルさん。 |
イクス | そ、そうだよな。日中はバンドの練習をして街に人が少ないときにでもディストさんを探せば―― |
リオン | おい。僕はバンドなんてやるつもりは―― |
アスベル | ちょ、ちょっと待ってくれ、リオン !頼むからいまだけ…いや、あと少しだけバンド活動に付き合ってくれ ! |
リオン | くそっ。どうして僕がこんなことに。 |
キャラクター | 5話【学園祭3 役割分担】 |
アスベル | まずはバンドの役割分担だが…俺はドラムでもいいか ?正直、おたまじゃくしは全然なんだ。 |
イクス | アスベルなら体力ありそうだし向いてそうだよな。 |
ミリーナ | それじゃあアスベルさん、ドラムよろしくね。 |
アスベル | ああ、任せてくれ。残るはギター、ベース、ボーカルだな。 |
イクス | ボーカルならミリーナを推薦したいな。歌上手いし、きっと向いてるよ。 |
ミリーナ | 私… ? 歌うのは好きだけどそんなに上手くはないわよ。 |
アスベル | そんなことはない。ソフィがミリーナの子守歌、すごく上手だったって褒めてたぞ。 |
イクス | というわけで、いいだろ ? |
ミリーナ | …わかったわ。ボーカルは任せて。 |
アスベル | よし、決定だな。あとはギターとベースか。 |
リオン | ベースをよこせ。 |
アスベル | リオンはベースか。なんだか似合ってるな。 |
ミリーナ | 落ち着いてる雰囲気もあって向いてそうよね。 |
リオン | …うるさい音は好きじゃない。それだけだ。 |
イクス | じゃあ俺はギターだな。よし、頑張るぞ。 |
アスベル | イクス、嬉しそうだな。ギターやりたかったのか ? |
イクス | 実はちょっと興味あったんだ。なんか格好いいしさ。俺につとまるかわからないけど頑張るよ。 |
ミリーナ | イクスなら絶対大丈夫よ。それにギター、すごく似合ってるわ。 |
イクス | そ、そうかな。ありがとうミリーナ。 |
アスベル | 俺もドラムを頑張らないと。頼むぞ…ドラゴンフェスティバル。 |
イクス | ドラゴンフェスティバル ? |
アスベル | このドラムの名前さ。これから一緒にやっていく相棒なんだし名前は必要だろ。 |
ミリーナ | 確かにそうよね !愛着も湧いていいと思うわ ! |
イクス | ドラゴンフェスティバルって強そうで格好いいな。俺のギター、なんて名前にしようかな。 |
リオン | …ふん。くだらん。 |
アスベル | えっと…リオン、すまない。付き合わせてしまって。 |
イクス | 今さらだけど…そんなに嫌なら無理することないぞ ? |
リオン | 誰も嫌だとは言っていない。 |
アスベル | それじゃあバンドやってくれるのか ? |
リオン | …今回だけだ。 |
イクス | えっ…本当にいいのか ? |
リオン | しつこいぞ。 |
イクス | ごめん…正直、意外だったから。 |
シャルティエ | 坊ちゃんにはバンドを楽しみにしてくれてる人がいるんですよ。 |
リオン | ――おい。シャル。余計なことは言うな。 |
ミリーナ | そういうことだったのね。それなら私たちも気を引き締めないと。 |
イクス | とにかくバンドに加入してくれるんだな。ありがとう、リオン。 |
リオン | だが、やるからには完璧を目指す。だから曲もオリジナルでいく。 |
イクス | オリジナル ! ?俺たち、楽器だって初めてだし作詞も作曲も当然したことないぞ ! |
リオン | お前たちに任せるつもりはない。作曲は僕がやる。 |
アスベル | リオンが作曲を ! ?できるのか ! ? |
リオン | できるかできないかじゃない。言っただろう。やるからには完璧を目指す。 |
イクス | …完璧か。確かに対バンライブは学園祭の目玉だし、下手なものは披露できないよな。 |
アスベル | 曲が完成するまで俺たちはとにかく練習だ。 |
ミリーナ | のんびりしてたらあっという間に本番当日だものね。特訓しましょう ! |
イクス | ああ ! みんな、頑張るぞ ! |
キャラクター | 6話【学園祭3 役割分担】 |
イクス | いたっ…。また指、切れちゃった。 |
ミリーナ | イクス、大丈夫 ? 治療するわよ。 |
イクス | あはは…これくらい平気だよ。それにギタリストにとって指の傷は努力の証だしさ。 |
アスベル | へぇ、なんだかイクス、格好いいこと言うようになったな。 |
イクス | 教則本に書いてあっただけなんだけどな。けど口だけじゃなくてけっこう弾けるようにもなってきたんだ。 |
アスベル | さっき聞こえたぞ。ピック使わないで低音から高音に瞬時に移るって、難しいんだろう ? |
イクス | ライトハンド奏法のことか。右手の感覚掴むまで大変だったけどようやく慣れてきたんだよ。 |
ミリーナ | アスベルさんもドラム、すごい上達したわよね。 |
アスベル | やってみたら結構楽しいのもあってな。ドラム叩いてるとなんだかこうスカッとするんだ。 |
イクス | ミリーナもボイトレ順調みたいだしこれである程度の曲なら俺たちでも演奏できそうだよな。 |
アスベル | あとはリオンがどんな曲を持ってくるかってところだが…。 |
リオン | 待たせた。 |
ミリーナ | リオンさん、曲が完成したのね。お疲れさま。 |
アスベル | どんな曲なんだ ? |
イクス | 楽しみだな。 |
リオン | これが楽譜だ。今からピアノで弾いてやる。聴いておけ。 |
リオン | ……以上だ。 |
アスベル | す、すごい…たった数日。しかもこの曲……。 |
ミリーナ | すごく…いいわね。 |
イクス | け、けど…今の俺たちの技量だとこの曲は難しすぎないか ? |
アスベル | 確かに…。成功したら確実に盛り上がる。けど、失敗したら目も当てられない。そんな曲だよな。 |
リオン | できないというなら僕はバンドを辞退させてもらう。 |
アスベル | 辞退って…。そういうリオンは弾けるのか ?お前もベースは初心者だろう ? |
リオン | …ふん。 |
イクス | う、上手い…。 |
リオン | やるからには完璧を目指す。 |
イクス | …わかった。この曲でいこう。 |
アスベル | そうだな。まだ本番まで時間はある。頑張って練習しよう。 |
リオン | 今から指定するフレーズを後日、テストさせてもらう。もし演奏できなかった場合…。 |
アスベル | わかってる。バンドに参加するつもりはないって言うんだろう。 |
イクス | 俺はリオンにベースをやって欲しい。だから…ちゃんとリオンに認められるよう頑張るよ。 |
ミリーナ | それじゃあ曲はこれで決定ね。歌詞はあるの ? |
リオン | 作詞はボーカルであるお前がやれ。 |
ミリーナ | 私が ? |
リオン | できないなら別にいい。 |
ミリーナ | いいえ。わかったわ作詞は私に任せて。 |
イクス | ミリーナも頑張って。困ったら相談のるよ。 |
ミリーナ | うん。ありがとう。 |
アスベル | よしっ。なんだか燃えてきたな。さっそく練習再開だ ! |
キャラクター | 7話【学園祭4 練習】 |
アスベル | イクス、もう遅いしそろそろケリュケイオンに戻らないか ? |
イクス | ごめん…俺はもう少し練習していくよ。 |
アスベル | …そうか。けど、あまり無理するなよ。ミリーナはどうする ? |
ミリーナ | ごめんなさい。私も残るわ。作詞がなかなかうまくいかなくて。 |
イクス | 大丈夫か ? 俺でよければ、作詞一緒に考えるよ。 |
ミリーナ | ありがとう。けど私は平気よ。もう少しでまとまる気がするし。それより、イクスの方こそ大丈夫なの ? |
アスベル | さっきからずっと同じフレーズでつかえているよな。 |
イクス | テストの箇所なんだ。暗譜はしてるし、頭の中で響かせたい音のイメージはある。だけど…指がまわらなくて。 |
アスベル | 最初はゆっくり正確に弾くことを意識して徐々にテンポをあげていくといい。時間はかかるけど一番確実に上達する。 |
イクス | …ありがとう。やってみるよ。問題はやっぱり…時間だよな。 |
ミリーナ | イクス、焦ることないわよ。じっくりやっていきましょう。 |
イクス | けど…明日がテストなのに俺、まだ一度も完璧に弾けてないから…。 |
リオン | まだできていなかったのか。 |
イクス | リオン…。 |
リオン | ギターは注目を集める。いわばバンドの花形だ。お前がしくじれば演奏は台無しだろうな。 |
アスベル | わざわざプレッシャーをかけるようなことを言うなよ。 |
イクス | いや…いいんだ。事実だから。明日までにできるようになってみせる。俺、もっと頑張るよ。 |
リオン | 何もわかっていないようだな。 |
イクス | えっ…。 |
リオン | 付き合ってられん。僕は帰らせてもらう。 |
ミリーナ | リオンさん…。何が言いたかったのかしら。 |
イクス | …俺、何か間違ってるのかな。 |
アスベル | 気にすることはない。いまは練習に集中しよう。俺も少し付き合うよ。 |
イクス | …ありがとう。いまはとにかく練習だな。やれるだけやってみるよ。 |
キャラクター | 8話【学園祭5 演奏テスト】 |
アスベル | リオン、俺のドラムどうだった ? |
リオン | …まぁ、いいだろう。及第点と言ったところだ。 |
アスベル | つまり合格ってことか ! ? |
ミリーナ | おめでとう、アスベルさん ! |
リオン | うぬぼれるな。アスベルは時々走り気味になる。ミリーナ、お前は早く作詞を完成させろ。 |
アスベル | わかった。気をつける。もっと上手くなってみせるさ ! |
ミリーナ | 待たせてごめんなさい。急ぐわね。 |
イクス | …次は俺か。 |
ミリーナ | イクス、自信を持って !きっとできるわ ! |
リオン | チューニングは ? |
イクス | …大丈夫。完璧だ。 |
リオン | 手が震えているぞ。そんな状態で弾けるのか。 |
イクス | …………。 |
リオン | 本番ではもっと大勢の観客がお前のことを観ている。それがわかっているのか ? |
アスベル | リオン。だからそういう言い方は―― |
イクス | アスベル。待ってくれ。 |
アスベル | …イクス ? |
イクス | リオンの言うとおりだ。だって、俺たちが練習してきたのはテストに受かるためじゃない。 |
イクス | 本番で完璧な演奏を披露するためだよな。俺、目先のことでいっぱいで肝心なこと忘れかけてたよ。 |
リオン | ……。 |
イクス | 聴いてくれ。俺のギターを。 |
イクス | ―― ! |
イクス | はぁ…はぁ……。今度は…最後まで弾けた。 |
ミリーナ | イクス、凄いわ !ちゃんとできたじゃない ! |
イクス | けど……。 |
リオン | 中盤部分のピッチがややズレていた。 |
イクス | やっぱりリオンの耳は誤魔化せないよな。ああ…その通りだ…。 |
アスベル | そうだったのか ?俺には全然わからなかったが。 |
リオン | イクス。本番までに弾けるようになれるか ? |
イクス | ……。 |
リオン | 不服ではあるが曲を調整することもいまならまだ間に合う。 |
イクス | いいや。それだけはダメだ。この曲はこのままでいこう。 |
アスベル | せっかくリオンが作ってくれたわけだしな。 |
イクス | それに…とってもいい曲だから。俺は今のこの曲をステージで思いっきり奏でたい。 |
リオン | …できるんだな ? |
イクス | 約束する。本番までに絶対に弾けるようにする。だから頼む…俺たちと一緒にバンドをやってくれ。 |
リオン | 口を開けば…。お前はそれしか言えないのか。 |
シャルティエ | 皆さん、何か誤解してますよ。坊ちゃんは言ったじゃないですか今回は付き合ってやるって。 |
ミリーナ | えっ…それじゃあこのテストって…。 |
リオン | 技量の確認する意味もあったがお前たちの曲に対する姿勢や演奏上の癖を把握するためのものだ。 |
イクス | そうだったのか ?てっきりふるいにかけるためのものかと思ってたよ…。 |
リオン | ベースはドラムと共にリズムを刻みコードのルート音を構成する役割を担う。 |
リオン | ギターとドラムの中間にしてバンドの要となるのがベースだ。 |
リオン | お前たちを理解しなくてはいい演奏はできないからな。 |
ミリーナ | リオンさん…。 |
イクス | ありがとう、リオン。そこまで考えててくれてたんだな。 |
リオン | いい演奏をするためだ。だが本番までに完璧に演奏できなければステージに立つつもりはないからな。 |
アスベル | そこは変わらないんだな。お陰でわかったよ。お前が何を目指しているのかが。 |
イクス | 絶対に…成功させよう ! |
リオン | 無駄話をしている時間はないぞ。合奏練習に入る。 |
アスベル | ああ ! それじゃあさっそく―― |
イクス | な、なんだ… ! ? |
カーリャ | 街の方で爆発みたいですね。――ん ? あの丸っこいシルエットってディストのロボットなんじゃ… ! |
ミリーナ | タルロウなんとかってロボットね ! |
リオン | まったく…忌々しい。 |
アスベル | みんな、街に向かうぞ ! |
キャラクター | 9話【学園祭6 やるべきこと】 |
イクス | ……はぁ。なんで俺たちが街の人たちから後ろ指さされることになるんだ。 |
アスベル | 完全にディストの仲間だと勘違いされてしまったな…。 |
ミリーナ | 私たち…ディストさんをかくまったりなんてしていないのにね。 |
アスベル | サラたちにディストの行方について何か情報を掴んでないか聞いてみよう。 |
ミリーナ | そうね…。ディストさんを捕まえないと私たちは怪しまれたままだもの。 |
イクス | 事実はどうあれ…ディストさんの仲間だと思われてる俺たちが対バンライブに出場しても雰囲気を悪くするだけだもんな。 |
イクス | だけど…ディストさんを追っていたらバンドの練習時間を確保できないし……。 |
リオン | なら、バンドはせずにあいつを追うべきだろう。 |
アスベル | バンドはやめるっていうのか ? |
リオン | お前たちは学園祭を盛り上げるためにバンドをやることになったんだろう。今のままで目的を果たせるとは思えない。 |
イクス | 確かにそうかもしれないけど…。 |
ミリーナ | でもせっかくここまで練習してきたのに…。 |
リオン | バンドは解散だ。 |
アスベル | 待ってくれ。俺はバンドを続けたい。 |
リオン | 馬鹿か。それでは本末転倒だ。 |
アスベル | ディストを捕まえて、またみんなで練習を頑張って、俺たちの演奏で学園祭を盛り上げればいい。それだけだろ。 |
リオン | 本当に間に合うと思っているのか。個々人の技量も足りなければバンドのサウンドもまとまりがない。 |
リオン | 作詞も完成していなかったな。 |
ミリーナ | …そうね。ごめんなさい。 |
アスベル | それだってみんなで力を合わせれば何とかなる。 |
リオン | ふんっ…もう話すことはない。 |
アスベル | あっ…おい、リオン ! 待て ! |
イクス | …中途半端な状態で対バンライブに出場したら逆に迷惑かけることになるかもしれないってわけか。 |
ミリーナ | サラたちにも…。 |
アスベル | リオンの言っていることは間違っていない。けど、お前たちはそれでいいのか ? |
イクス | …俺は諦めたくない。 |
ミリーナ | 私も。 |
アスベル | 俺もだ。ここにきてバンド解散なんて絶対に認めない。 |
アスベル | 二人とも、行くぞ。ディストは必ず捕まえてやる。 |
キャラクター | 10話【学園祭7 すれ違う気持ち】 |
イクス | ……。 |
ミリーナ | イクス !ディストさんは見つかった ?私の方はだめだったわ…。 |
イクス | …俺の方も見つからなかった。このままじゃ、誤解が解けなくてバンドなんて…。 |
イクス | 悔しいよ。…まだうまく弾けないけどでも自分の技術とは関係ない理由で出場できないなんて…。 |
ミリーナ | …イクス。そうよね…。バンド…続けたいものね。 |
イクス | はじめは学園祭を盛り上げるためにって思ってた。けど、俺…気づいたんだ。 |
イクス | みんなとステージに立ちたい。この曲をステージの上で思いっきり奏でたい。 |
イクス | このままバンド解散になったら…。 |
ミリーナ | そうね…。みんなであの曲を演奏したいわね。 |
? ? ? | ま、待て……。今度は絶対に…逃がさないぞ ! ! |
イクス | えっ…この声は、アスベルか ! ? |
ミリーナ | 街の方からよ ! |
ディスト | まったくしつこいですねぇ。どれだけ私のことを追い回せば気が済むんですか ! ! |
ディスト | まぁ、私に憧れて追いかけ回したくなる気持ちはわかりますが…。 |
アスベル | …黙れ ! 俺たちはお前を捕まえて絶対にバンドを続けてやる ! |
ディスト | …バンド ?何故あなたたちがそんなことをやっているんですか。 |
アスベル | 決まってる…。イクス、ミリーナ、リオンとみんなでステージに立つためだ ! |
イクス | アスベル ! 大丈夫か ! ? |
アスベル | イクス ! ミリーナ !サラたちから聞いた情報を頼りにようやくディストをここまで追い込んだぞ ! |
ミリーナ | アスベルさん… ! ありがとう ! |
イクス | …俺、心のどこかで諦めかけてた。ディストさんを捕まえるのはもう無理なんじゃないかって。 |
イクス | ごめん、アスベル ! |
アスベル | 何言ってるんだ !ここで逃したらもう後はないんだ。一緒にディストを捕まえるぞ。 |
ディスト | な、なんで私を悪者にしているんです ! ?よくわかりませんが研究の邪魔はさせませんよ ! |
ディスト | 覚悟なさい ! |
キャラクター | 11話【学園祭8 それぞれの想い】 |
リオン | …誰もいないか。 |
シャルティエ | 坊ちゃん、本当によかったんですか ? |
リオン | もう終わったことだ。それに半端なできの演奏を聞かせるわけにはいかないだろう。 |
シャルティエ | その気持ちはわかりますよ。けどマリアンが本当に楽しみに思ってくれているのは完璧な演奏ではないと思います。 |
シャルティエ | それに…いま大切なことは坊ちゃんがどうしたいかじゃないですか。 |
リオン | 僕が…。 |
シャルティエ | 坊ちゃんがどれだけ頑張ってきたかずっと一緒にいた僕だけは知ってます。聴いて欲しくはないんですか ? |
リオン | …言っただろ。もうバンドは解散したも同然だ。いまの状態では――うん ? |
シャルティエ | 坊ちゃん…どうかしました ? |
リオン | シャル…この机の上のノート……。 |
イクス | リオン ! ここにいたのか ! |
リオン | …何の用だ。 |
アスベル | ディストを捕まえられたんだ !街の人たちの誤解も解けたぞ ! |
ミリーナ | これでもう対バンライブに胸を張って出場できるわ。 |
リオン | ……。 |
アスベル | 言いたいことはわかる。今から練習して間に合うかどうか…。確かにもう時間はないが―― |
イクス | リオン。聴いて欲しい。 |
リオン | なんだ。いきなりギターを持ち出して。 |
イクス | 黙って聴いていてくれ。 |
アスベル | イクス ? |
イクス | これが…俺のギターだっ ! ! |
リオン | …… ! |
イクス | ……ふぅ。どうだった ? |
リオン | お前…。 |
イクス | 完璧だっただろ。 |
リオン | ディストを追っている間もずっと練習していたのか。 |
イクス | だって約束したからな。必ず、弾けるようになってみせるって。 |
アスベル | リオン。またバンドに戻ってきてくれ。いまの俺たちなら諦めなければ絶対に本番にも間に合う。 |
リオン | …………。 |
ミリーナ | ……ごめんなさい。問題は…作詞よね。 |
イクス | それだってみんなで考えれば―― |
リオン | 待て。 |
ミリーナ | …リオンさん ? |
リオン | どうして完成していないと嘘をついた。 |
イクス | えっ…どういうことだ ?ミリーナ、作詞できあがってるのか ? |
ミリーナ | 嘘をついたわけじゃないわ。あれは…バンドの詩じゃないの。 |
アスベル | えっと…よければその詩俺たちにも見せてくれないか ? |
ミリーナ | 机の上にあるのが作詞ノートよ。見てもらっても構わないけれど……。 |
アスベル | これか…。一番始めのページに書かれている…。 |
イクス | つまり…ずっと前にできてたってことか ?どうして黙ってたんだよ。 |
ミリーナ | それは私個人の気持ちを書いた詩だからよ。 |
ミリーナ | バンドは四人でやるものでしょ。ちゃんとこのバンドらしさのこもった詩がなかなか書けなくて…。 |
アスベル | そうだったのか。だけど…この詩。 |
リオン | 自分の大切な人のためなら命を賭けてでも現実に立ち向かっていける。そんな力強い詩だ。 |
イクス | どうしてこの詩を書こうと思ったんだ ? |
ミリーナ | みんなを見て…急にこう思ったの。誰かのため。それが自分のためになるときもある。 |
アスベル | …確かに。それは何となくわかる。 |
リオン | ああ。 |
イクス | このバンドだってそうだったよな。はじめは学園祭のためだった。けど、いまはそれだけじゃない。 |
アスベル | 俺はこの四人でステージに立ちたい。だからバンドをしたいって思っている。 |
イクス | この詩でいこう。 |
ミリーナ | みんな、これでいいの ? |
アスベル | 当たり前だ。だってこの詩は、俺たちを…そしてこのバンドを象徴したこのバンドの詩なんだからな。 |
リオン | 悪くはない。 |
ミリーナ | …リオンさん。 |
イクス | ミリーナ、いいだろ ? |
ミリーナ | ええ、もちろんよ ! |
アスベル | よし ! これで決まりだ ! |
リオン | ふっ…。 |
ミリーナ | みんな、ありがとう。 |
ミリーナ | 私、全力で歌うわ !会場全体に私たちバンドの気持ちを届けてみせる ! ! |
イクス | よし、バンド再結成だ !歌ありの初合奏、いくぞ ! ! |
キャラクター | 12話【学園祭9 Mr. Right】 |
リオン | もうすぐ開演時間だ。準備はできているな ? |
イクス | もちろん。まず俺たちはブルーステージで演奏するんだったな。 |
ミリーナ | サラたちのバンド「BEAT LINKS」はレッドステージで演奏するみたい。 |
ミリーナ | その後すぐにメインステージで合流。対バンライブ開催の予定よ。 |
イクス | なんだかあっという間だったな。色々あって大変だったけど無事出場できてよかった。 |
アスベル | 練習キツかったけどそれ以上に、楽しかったな。 |
イクス | この学園祭が俺たちにとって初ライブでありラストライブなのがちょっと寂しいよ。 |
アスベル | だからこそ悔いが残らないように全力で演奏しよう。 |
イクス | そうだな…。このためにみんな、頑張って練習してきたんだから…。失敗は許されない…。 |
ミリーナ | イクス、大丈夫 ? |
イクス | あ、あぁ…平気だよ。けどちょっと緊張してきた。 |
アスベル | 確かに…。人前で演奏するのは俺たち初めてだしな…。雰囲気に飲まれないようにしないと。 |
イクス | ど、どうしよう…そういえばステージって照明があるから暑いって本に書いてあった。音程狂ったりしないかな…弦切れたりとか。 |
アスベル | お、俺もスティック折れたときのために予備を持っていった方がいいのか…。けど取りに戻ってる時間ないな…。 |
ミリーナ | ちょ、ちょっと。二人とも落ち着いて。 |
イクス | ご、ごめん。けど―― |
リオン | …ふんっ。 |
イクス | び、びっくりした…。どうしたんだ、いきなりベース弾いて。 |
アスベル | …というより、ここは音出し禁止だぞ。何勝手に弾いてるんだ。 |
リオン | 知ったことか。僕は…いつどこで音楽を奏でるかを他人に委ねるつもりはない。 |
イクス | ……リオン。そうだよな…。ありがとう。なんだか目が覚めた気分だ。 |
アスベル | いつでも、どこにいても。自分らしく…俺たちらしく演奏する。それだけでいいんだよな。 |
ミリーナ | 私たちは私たちの演奏を全力でする。そして会場を盛り上げましょう。 |
リオン | 当然だ。 |
サラ | そっちも準備ばっちりみたいですね ! |
ミリーナ | サラ ! それにみんな !来てくれてありがとう ! |
サラ | すぐレッドステージに戻らないといけないんですけど、本番前にどうしても顔を合わせておきたかったんです。 |
カナ | お互い頑張ろうね ! |
ゼファー | ま、楽しくやろうぜ。 |
イクス | ああ。もちろんだよ。 |
アレン | それじゃあ次はメインステージで。 |
アスベル | あっちも気合いが入っているな。 |
イクス | アレンもいつもより目がキリッとしてた気がする。なんだか俺もさらにやる気がでてきたよ。 |
リオン | それでは行くぞ。ステージへ。 |
ミリーナ | 皆さん。今日は私たちのバンド「EX-clipse」のライブに足を運んで下さってありがとうございます。 |
ミリーナ | いまから披露するのは私たち四人の想いや信念、そしてバンドのすべてが詰まった曲です。 |
ミリーナ | …みんな。 |
イクス | うん。 |
アスベル | ああ ! |
リオン | ……。 |
ミリーナ | ぜひ、大切な人を想いながら聴いてください。 |
ミリーナ | 「EX-clipse」で曲は…「Mr. Right」 ! |
アスベル | ワン……ツー……ワン、ツー、スリー、フォー ! ! |
ミリーナ | ……はぁ…はぁ。 |
イクス | やった…やりきった……。 |
アスベル | よしっ。 |
リオン | …完璧だ。 |
二人 | おおぉぉっ ! ! |
二人 | 「EX-clipse」すごい… ! ! かっこいい… ! ! |
二人 | メインステージも頑張って ! ! |
ミリーナ | すごい ! すごいわよ !会場中から拍手が聞こえてくるわ ! |
イクス | これって……これって ! ! |
アスベル | みんな、大成功だぞ ! ! |
リオン | 何を突っ立っている。メインステージに急ぐぞ。 |
イクス | そうだな、行こう !「BEAT LINKS」と「EX-clipse」の対バンだ ! ! |
アスベル | な、なんだ…この爆発は ! ?メインステージからだったよな ! ? |
リオン | …聞き覚えがあるな。 |
イクス | 嫌な予感がするな…。何かあったのかもしれない。急ごう。 |
ディスト | あーはっはっはっ !私を捕らえるなんて百年早いですよ ! |
イクス | ディストさん ! ?どうしてここに ! ? |
ワイズマン | 申し訳ありません。牢に閉じ込めていたのですがいつの間にか抜け出していたようです。 |
ディスト | このまま逃げて、図書館の情報を調べてもよかったのですがね。 |
ディスト | あなたたちの演奏を聴いて気が変わりました。 |
ディスト | 思い出しましたよ。我が友ジェイドとしもべたちと共に敬愛するネビリム先生に捧げた歌のことを ! |
ディスト | どちらのバンドも魂がこもっていません !私がこのメインステージで真の芸術というものを見せてあげましょう ! |
タルロウ | ○×◎$$%○×◎$$% |
サラ | な、なに…この不協和音…… ! !み、耳が壊れそう…… ! ! |
アスベル | 対バンライブの邪魔はさせない ! |
リオン | また牢にぶち込んでやる。 |
サラ | 私たちも協力します ! |
ディスト | 真の芸術を理解する耳を持たないとは嘆かわしい ! 邪魔はさせませんよ ! |
イクス | 邪魔なのはディストさんです !みんな ! いくぞ ! ! |
キャラクター | 13話【学園祭9 Mr. Right】 |
ワイズマン | 皆さん、ご迷惑をおかけしました。ディストは再び捕まえましたので今度こそ、ご心配なさらず。 |
イクス | すいません…こちらこそうちのディストさんが迷惑を…。あ、いや…うちのではないんですけど…。 |
ジェイド | 言い間違いだとしても「うちの」とは聞き捨てなりませんねぇ…。虫酸が走ります。 |
イクス | ジェイドさん ! ?今までどこに行っていたんですか ! ? |
ジェイド | いえ、ちょっとアークのことを調べて回っていました。もちろんディストとは違って合法的に、ですが。 |
ジェイド | それにしてもアレを「うちの」だの「さん」付けで呼ぶだのあなたたちの見識を疑いますねぇ。 |
イクス | いや、だって…。ちょっと可哀想だったからなんとなく…。以後気をつけます。 |
ミリーナ | いいじゃないですか、呼び方なんて。私もつい、さん付けで呼んじゃいましたし。 |
ミリーナ | それにしても、対バンライブが成功してよかったわ。 |
ワイズマン | アーキタイプも、皆とても喜んでいます。ありがとうございました。 |
イクス | そんな…。ここまで会場を盛り上げられたのはサラたちが協力してくれたからです。 |
ミリーナ | サラたちも大変な旅をしているみたい。今回のように元の世界でも協力し合えたらいいのにって話をしたの。 |
ワイズマン | サラさんはミリーナさんから話を聞いて自らも鏡映点となることができればと心の内で望んでおられました。 |
イクス | …サラ、優しいな。もし本当にそれが可能ならお願いしたいところだけど。 |
ワイズマン | ではサラさんの\"シャドウ\"をティル・ナ・ノーグに具現化しましょう。 |
ミリーナ | \"シャドウ\" ? それは何ですか ? |
ワイズマン | 姿形と記憶をそのままに別次元へと投射した存在。それが\"シャドウ\"です。 |
イクス | それってつまり…鏡映点みたいな存在ってことですか ? |
ワイズマン | いまはその理解で差し支えありません。のちほどジェイドさんに詳細をお伝えいたします。 |
ジェイド | やれやれ、便利に使われるのは私の役どころではないと思うのですがねぇ。 |
アスベル | イクス、ミリーナ。ここにいたのか。 |
リオン | 何をしている。まだライブは終わってないぞ。 |
ミリーナ | えっ… ? どういうこと ? |
サラ | よく聞いてみて。 |
観客 | アンコール ! アンコール !アンコール ! アンコール ! |
アレン | みんなが「EX-clipse」を待ってるよ。 |
ゼファー | ファンになった奴らもいるみたいだぜ。すげぇじゃねぇか。 |
カナ | 私も「EX-clipse」のファンになっちゃった !「Mr. Right」ってすごく良い曲よね ! |
イクス | 「BEAT LINKS」だってすごい人気じゃないか。 |
ミリーナ | 「BEAT LINKS」の曲「未来キセキ」もすごく素敵だったわ !なんだか勇気が湧いてくるような感じ ! |
サラ | ありがとう !そういう想いを込めて作ったんです。ちゃんと伝わったみたいで嬉しいです ! |
ワイズマン | さあ。観客たちが皆さんのことを首を長くして待ってますよ。 |
イクス | アンコールか…。俺たちは何を演奏しよう。 |
ミリーナ | せっかくだし「EX-clipse」と「BEAT LINKS」でセッションしたいわね ! |
カナ | それなら私、「Mr. Right」やりたい ! |
アスベル | 一緒に演奏か ! 楽しそうだな !リオンもいいだろう ? |
リオン | …足を引っ張らなければな。 |
アレン | 初めての曲だから緊張するな…。頑張ってリオンさんについていきます。 |
ゼファー | 結局こうなんのか…しょうがねぇ。おい、イクスもギターだよな。入りの部分教えてくれるか ? |
イクス | ああ。もちろんだよ ! |
カナ | やったー ! それじゃあ決まりだね ! |
ミリーナ | サラ。一緒に歌いたいんだけど大丈夫そう ? |
サラ | ええっ ! ?私も一緒に歌うんですか ? |
ミリーナ | だって、せっかくのセッションだものダメかしら ? |
サラ | わ、わかりました ! 頑張ります !…実は、素敵な曲だったから歌詞も覚えちゃったんです。 |
サラ | 緊張するけど、歌えてうれしいです ! |
アスベル | それじゃあまたステージに向かおう。 |
イクス | アンコールがある限り俺たちのステージは終わらない。 |
サラ | 一緒にまだまだ盛り上げていきましょう ! |
一同 | おおーっ ! ! |