キャラクター | 1話【幸運の青い薔薇】 |
レイア | ねえ、ちょっとー。誰かいないのー ?そろそろここから出してもらえませんかー ! |
レイア | …いつまでここに閉じ込めておく気かなあ。仲間になるの断ったからって…もう。 |
レイア | そりゃ多少は抵抗したけどさ、救世軍とか鏡映点とか、いきなり言われても意味わかんないし。しょうがないよね。うん ! |
レイア | だいたいティル・ナ・ノーグってどこ !具現化って何 ! …もう、こんな時こそジュードに説明してもらいたいよ ! |
レイア | …ジュード、今頃どうしてるんだろ…。 |
レイア | (…もしかして…鍵、開いた ? ) |
レイア | …あのー、誰も入ってこないんですか~… ? |
レイア | …あれ ? ドアに何か…。これ、手紙 ? |
謎の手紙 | ジュードとの再会を望むなら、フィナンシェが美味しいと評判の店へ行け。地図を添えておく。 |
レイア | ジュードと…会える ! ? |
レイア | ねえ、鍵を開けてくれた人、そこにいる ?なんでジュードのことを知って―― |
レイア | (…誰もいない、か。それにしてもこの手紙の字、どこかで見たような…) |
| 『――面倒だが、手紙書いとくか――』 |
レイア | (―― ! …まさか、これを書いたのって…) |
レイア | えっと、出口はこの先… ? じゃないな。こっちに曲がって… ? |
ディスト | ブツブツ…まったくジェイドときたら、私の誠意を踏みにじることばかり―― |
レイア | きゃあっ ! ! |
ディスト | ふぉおおおおおっ ! ? |
レイア | いったたた…ごめんなさい ! |
ディスト | な、何なんですか !この薔薇のディスト様の美しい顔に、傷がついたらどうするつもり――…ん ? |
ディスト | あなたは確か、鏡映点の… ? |
レイア | あ、あはは、どうも~。えっと、それじゃお邪魔しまし―― |
ディスト | お待ちなさい ! |
レイア | (仕方ない、イチかバチか―― ! ) |
キャラクター | 2話【幸運の青い薔薇1輪 思わぬ遭遇】 |
マーク | よう、邪魔するぜ。 |
イクス | マーク、寝てなくていいのか ? |
マーク | 当たり前だって言いたいところだが、一人じゃろくに歩けもしねぇ。当然お医者坊やの監視付きさ。 |
マーク | まったく、ざまぁねぇな…。 |
ジュード | 本当は安静にしていて欲しいんだけどね。実はイクスにお願いがあって来たんだ。 |
イクス | お願い ? |
マーク | フィナンシェが食いたい。 |
イクス | フィナ…え ? |
ジュード | フィナンシェっていうのは焼き菓子だよ。どうしても食べたいから買ってきてくれってさっきマークに頼まれたんだ。 |
ジュード | イクスが許可してくれれば、今から買い出しに行こうと思うんだけどいいかな ? |
イクス | それはかまわないけど、マークがお菓子ねぇ…。 |
マーク | 体が思うように動かなくて気が滅入ってんだ。好物の一つや二つ、欲しくなっても仕方ねえだろ。 |
ジュード | 鏡精と人間が同じかは分からないけど、弱ってる時はストレスも溜まりやすいからね。 |
ジュード | これ以上衰弱しないように、本人が好きな物を摂取した方がいいと思う。 |
イクス | わかったよ。じゃあこの近くの街で一旦船をとめよう。 |
マーク | いや、買ってきて欲しい店は決まってんだ。ジュードに伝えてある。 |
コーキス | 店まで指定とか贅沢なヤツだなあ。お菓子くらいでマスターをパシらせるとは同じ鏡精として恥ずかしいぜ。 |
マーク | チッチッチ、知らねえってのは哀れだな。言っとくが、この店のフィナンシェ、そこらで売ってるやつとは段違いだぜ ? |
マーク | しっとりと優しい口当たり。濃厚なバターの香りが上品な甘さとともに口に広がって、焼きたては更にサクサクした香ばしさが―― |
コーキス | ごくり…。 |
カーリャ | じゅるり…。 |
コーキス | うお、カーリャパイセンいつの間に ! |
カーリャ | カーリャの好物は甘い物ですよ。聞き逃すはずないじゃないですか。 |
カーリャ | ミリーナさま、カーリャも行きたいです。焼きたてフィナンシェ味わいたいですぅ~ ! |
ミリーナ | そうね、確かに美味しそう。私も一緒に買い出しに行こうかな。少し…気分転換もしたいし。 |
カーリャ | やったー、ミリーナさま大好きー !だったらすぐに出発しましょう。ほらほら、ジュードさまもイクスさまも。 |
イクス | お、俺も ? |
ミリーナ | カーリャ、食べ過ぎは禁止よ ?お腹壊しちゃうからね。 |
カーリャ | そんな時のジュードさまです。よろしくお願いしますね ! |
ジュード | あのねカーリャ、腹八分目に医者要らずって昔から言って―― |
コーキス | あきらめなってジュードさま。こうなったらもう止められないぜ…。 |
イクス | 仕方ないな。じゃあ買い出しに行ってくるから、マーク、大人しくしててくれよ。 |
マーク | わかったわかった。それじゃよろしくな。 |
マーク | さて、上手く会えるといいんだが…。 |
ミリーナ | 待たせてごめんね ! |
イクス | ―― !その抱えてる荷物、全部フィナンシェか ! ?そんなにたくさん…。 |
ミリーナ | ふふ。まだまだ焼いてもらってるのよ。どうせならケリュケイオンのみんなにも、お土産として配ろうと思って。 |
ミリーナ | それに、今日は買い出しのメンバーもたくさんいるし、みんなで手分けして持って帰れば、それほど重くないわ。 |
ラタトスク | チッ…俺はマルタの護衛として来たんだ。荷物持ちのためじゃねえ。 |
マルタ | ラタトスク、そういうこと言わないの !でも、心配してついて来てくれてありがとね。 |
ラタトスク | …フン。 |
エミル | …あれ ?――うわ、何かすごい荷物 !マルタ、それ僕が持つよ。 |
マルタ | もう~ !エミルのそういうところもだ~い好きっ ! |
エミル | わっ、急に抱きつかないでよ、荷物が…。 |
アリーシャ | フフ、平和な光景だな。この辺りは物騒だと聞いて付いてきたが、私の心配が過ぎたようだ。 |
ロイド | アリーシャって優しいな。 |
ロイド | マルタとコレットが、イクスと一緒にこの街に買い出しに行くって知ったら、真っ先に心配してくれてさ。 |
アリーシャ | それを言うなら、ロイドとエミルもだろう ?仲間をとても大事に思っているのだな。 |
コレット | でも、いつの間にかすごい人数になっちゃったよね。普段の買い出し部隊より多いよ ? |
ロイド | おいおい、コレットとマルタが、焼きたてを食べたいなんて言い出したのが切っ掛けなんだぞ ? |
コレット | えへへ~、だってフィナンシェの話聞いたらすっごく美味しそうだったんだもん。ねえ、マルタ ! |
マルタ | そうそう、焼きたてフィナンシェ !そろそろ焼き上がる頃かなぁ… ? |
ジュード | みんな。残りのフィナンシェなんだけど店員さんに聞いたら、焼きあがるのにもう少しかかりそうだって。 |
カーリャ | ううう、もう我慢の限界です…。お腹が空きすぎたせいか、体がなんだかブルブルと…ブルブル…。 |
ミリーナ | やだ、大丈夫カーリャ ?このフィナンシェはお土産分だけど、今食べちゃう ? |
コーキス | いやパイセン、それ空腹と違うって !俺もほら、チキン肌 ! |
カーリャ | じゃあこれは…ブルッ…鏡映点 ! |
コーキス | マスターも早く !こっちこっち、この先だぜ。 |
ディスト | 許しません…許しませんよ !よくも私の純情をもてあそびましたね ! |
レイア | あの…落ち着いて、ね ?それと、その言い方やめてくれないかな。誰か聞いてたら誤解されちゃうよ。 |
ジュード | え…レイア ! ? |
レイア | ジュード…、手紙のとおりだ !本当に会えた ! |
イクス | ジュードの知り合いか ?っていうか、またかよディストさん…。なんでこう行く先々で…。 |
ディスト | それはこっちのセリフです !さてはあなたたちグルですね ?もう容赦しませんよ ! |
ラタトスク | チッ、なんだお前。喧嘩売るってんなら買ってやるぞ。 |
マルタ | 女の子を困らせちゃ駄目じゃない !イクス、こいつ面倒くさいからさっさと取り押さえちゃおうよ ! |
イクス | ああ、そうだな。ディストさんを取り押さえよう ! |
キャラクター | 3話【幸運の青い薔薇2輪 お騒がせディスト】 |
ディスト | くっ…屈辱っ…。 |
ロイド | 薔薇の人、捕獲完了だぜ ! |
ジュード | レイア、怪我はなかった ? 体は平気 ? |
レイア | うん大丈夫。…ふふっ、そのジュードの心配っぷりもなんだか懐かしく感じるよ。 |
ディスト | そこのチビッ子 !その女に騙されてはいけませんよ。 |
ディスト | 私のいたいけな男心をもてあそんだ恐ろしい女です ! |
ジュード | もてあそぶ… ?す、すごいねレイア…いつの間に…。 |
レイア | ち、違う違う !だから人聞きの悪いこと言わないでって。 |
イクス | いったい何があったんだ ?ジュードの知り合いみたいだけど、なんでディストさんと一緒に ? |
レイア | えっと、実はね―― |
ディスト | お待ちなさい ! |
レイア | (仕方ない、イチかバチか―― ! ) |
レイア | お願いします !どうしても美味しいフィナンシェのお店に行かなくちゃいけないんです。 |
レイア | どうか今は見逃して下さい。あなただけが頼りなんです。えっと…薔薇のディストさん ? |
ディスト | ―― ! |
レイア | (もう素直にお願いするしかないっ ! ! ) |
ディスト | 今あなた、私をなんと…呼びました ? |
レイア | はい、薔薇のディストさん、ですよね。もしかして、名前違ってました ? |
ディスト | くっ…。 |
レイア | あの、震えてるけど…大丈夫ですか ? |
ディスト | 他人の口からこぼれる「薔薇のディスト」という響き…なんと甘美な…。久しぶり過ぎて震えが止まりませんよ ! |
ディスト | いいでしょう !そこまで頼りにされては致し方ありません。さあ行きますよ。 |
レイア | どこへ ? |
ディスト | フィナンシェを食べたいのでしょう ?あれほど必死で頼むとは、よほど飢えているのですね。不憫な。 |
レイア | いや、食べたいって言うか、そこに行くのが目的で―― |
ディスト | おだまりなさい !哀れな羊に施してやろうというのです。この薔薇のディスト様が ! |
レイア | いやだから、ディストさん。あのね… |
ディスト | 胸やけするまで食べさせてあげますからね。この、薔薇の、ディスト様が ! |
レイア | …お、お願いします。薔薇のディストさん…。 |
イクス | …それがなんで、ディストさんの純情がどうとかって話になったんだ ? |
ディスト | この女、今になって施しなど受けないと…。私の純粋な心を踏みにじったのです ! |
レイア | 違う違う。おごってもらうのは悪いから断っただけだってば。食べるのが目的じゃなかったし…。 |
レイア | でも、わたしの言葉が足りなかったよね。ごめんねディストさん。だから仲直りしよう ? |
ディスト | ま、またそうやって人の良さそうな顔をして私を騙す気ですね ! |
レイア | …じゃあ、もっと色々話そう。ディストさんに納得してもらえるようにわたし頑張るから。 |
イクス | …どう聞いたってディストさんの誤解だと思うんだけど。辛抱強いな、レイア。 |
ジュード | うん。あれがレイアの凄いところなんだ。僕もあの強さに助けられたよ。 |
ロイド | けどまあ、行き違いがあったにせよレイアを店に連れてって、フィナンシェを食べさせてやろうと思ったんだろ ? |
ロイド | 結構いい奴じゃん !薔薇の人 ! |
ディスト | …へ ? |
コレット | そうだよ ! こんな所までついてきてくれるんだもん。 |
マルタ | まぁ、救世軍のくせに何やってんの…とは思うけど、親切ではあるわよね。 |
エミル | うん。僕もそう思うよ。ディストさんって優しいところがあるんだね。 |
アリーシャ | ああ、貴公の思いやりは評価に値するものだ。誇るといい。 |
ディスト | …は……はーっはっはっはっ !私の偉大さに気づくとは中々やりますね。さすがジェイドの弟子です。 |
イクス | あ、いや、別にジェイドさんの弟子な訳では……。 |
ディスト | なるほど。天才であるジェイドに引け目を感じて素直に弟子と言えないのですね。ふっふっふっ。 |
イクス | あー…。駄目だ。会話ができないモードに入った。この人どうしようか ? |
ミリーナ | レイアのこともあるし、とりあえずケリュケイオンに戻ってジェイドさんに押しつけましょう♪ |
キャラクター | 4話【幸運の青い薔薇2輪 お騒がせディスト】 |
ジェイド | ――捨ててきなさい ! |
イクス | で、でも、ついてきちゃったからそのままにしておけなくて…。 |
ジェイド | 責任は持てるんですか ?エサは ? しつけは ? 散歩はどうするんです ? |
イクス | 自分で出来るよな、ディストさん ? |
ディスト | 当たり前です !人をなんだと思ってるんですか ! |
コーキス | …何これ、動物拾ってきた家族の会話じゃん。 |
カーリャ | 微笑ましいといえば、微笑ましいかも…。 |
レイア | …あの、なんかごめんなさい !ディストさんが、わたしについてきたばっかりに…。 |
ジェイド | …レイアと言いましたね。事情はどうあれ、アレを上手く使うとは中々の人物です。その点は敬意を表しますよ。 |
レイア | はぁ、どうも…。 |
ディスト | キーッ、アレとは誰のことですか !こら、こっちを向きなさいジェイド ! |
ジェイド | ですがレイア、ソレは極めて面倒な男で―― |
謎の声 | ここに…いた…。 |
イクス | ―― ! ? |
ジェイド | 計器が… ?…この位置情報、またですか ! |
イクス | …収まった ? |
ジェイド | 例の場所へ連れて来られたようですね。外へ出てみましょう。 |
ディスト | ククク…日頃の行いのおかげですかねえ。再びここに来られるとは。さあ行きますよ !我が研究材料となるべき世界へ―― |
ジェイド | ハウス ! |
ディスト | ――は、はい ! …え ? |
イクス | 今だ !みんなでディストさんを取り押さえろ ! |
ラタトスク | クソッ、大人しくしろ、このバラバラ野郎 ! |
マルタ | 頑張ってラタトスク ! |
ディスト | ンギーーーーッ ! ! |
ワイズマン | 皆さん、お久しぶりです。なにか船の中から死にかけのセミのような声がしましたが…。 |
ジェイド | いえ、些末なことですからお気になさらず。それはそうと、またもや私たちを呼び出すとはどういった用向きで ? |
レイア | ま、まぶし… ! ねえ、あの光ってる人なに ?置いてけぼり感すごいから説明して欲しいんだけど…。 |
ジュード | あ、そうだよね。それじゃあ…――説明しよう ! |
ジュード | レイアのように、前回の合同イベントを知らないみんなのため、これまでのことをザックリ解説するね。 |
ジュード | この空間は、あらゆる世界の記録を保管する次元図書館、通称『学園都市アーク』。 |
ジュード | そして光に包まれた男性はワイズマンさん。あらゆる次元を超越した高次元の魂――アーキタイプで、アークの長なんだ。 |
ジュード | ちなみに他の住人たちは、普通の人間と同じ見た目だよ。だから街中まぶしいなんてことはないからね。 |
ジュード | この学園都市アークを護るアーキタイプたちも争いの絶えないあらゆる世界の影響を受けて疲弊しきっていたんだ。 |
ジュード | そんな彼らを回復する方法が、アーク全体が行う『祭り』。毎回様々な次元からゲストを招いていて―― |
ジュード | この前の祭りで選ばれたのが、ティル・ナ・ノーグ――イクスたちの世界と、そしてもう一つ、リアフィースという世界。 |
ジュード | アークに集められたイクスたちは、イベントを盛り上げるために、次元を超えて協力。ついには大成功を収めたんだ。 |
ジュード | ちなみにこの時、ディストさんがアークで大暴れしてね、大変だったよ…。 |
レイア | なるほどね。さっすがジュード。…でもこれってさ、わたし以外の誰に説明してるの ? |
ジュード | だから、色んな時間や様々な次元から来た人たちに向けて、だよ。ここは余剰次元アークだからね。 |
レイア | う~、頭がこんがらがるよ~…。わかった。追及はしないでおく。 |
ワイズマン | あなたたちを再びお招きしたのは、お願いがあるからです。 |
ジェイド | またお願いですか ?祭りを盛り上げろというなら、私は―― |
ワイズマン | そうではありません。前回お越し願った時にディストが次元図書館の記録に触れようとしていたことを覚えていますか ? |
イクス | そうだった。確かそれが上手くいかなくて結果的に暴れたんだよな。 |
ワイズマン | その際に、アークを調べるための観測機を大量に設置していったようなのです。 |
ワイズマン | それが異物となって、あらゆる次元からもたらされる情報が混線、ついには整理が追いつかない状態となっています。 |
イクス | そんな…あのなんて言っていいか、うちのディストさんが迷惑を…っていうかうちのじゃないけど…。 |
ジェイド | イクス、前も言いましたが、その「うちの」というのを止めなさい。まったく…。で、私たちに何をしろと ? |
ワイズマン | 私はあなた方の責任とは思っていません。ですが、観測機を探索する人手が欲しい。 |
ワイズマン | 一刻も早く正常化を図るために、そしてアーキタイプたちのためにも、アークの長としてお願いします。 |
レイア | …わたし、手伝ってあげたいな。 |
レイア | 困ってる人の顔を見るのって嫌だし。わたしに出来ることをやって、それでここの人たちが笑顔になるなら―― |
ジュード | レイア…。 |
レイア | あ、ワイズマンさんは、光ってて表情よくわからないけどね。アハハ。 |
アリーシャ | 私もレイアの意見に賛成だ。長が民を思う気持ちはよくわかる。 |
アリーシャ | それに、笑顔――か。フフ、確かに大切にするべきものだよ。 |
レイア | ありがとアリーシャ。一緒に頑張ろう !って…そんな訳なんだけど、どうかな ? |
ジュード | 今の話を聞いて、嫌だなんていう人はここにはいないと思うよ。やれることをやらなきゃ、ね ! |
イクス | ああ、俺たちで観測機を探そう。 |
キャラクター | 5話【幸運の青い薔薇4輪 連係プレー】 |
ミリーナ | ふぅ…観測機、見つからないわね。 |
ジュード | せめて形状がわかればいいんだけど。イクスたちの方はどうなんだろう。 |
ミリーナ | あっちもまだみたい。何も連絡がないの。 |
ジュード | そうか。もう少し人数を分散して、捜索範囲を広げた方がいいかもね。 |
レイア | じゃあ、わたしあっちを探してくる。勝負だよ、ジュード !絶対先に見つけて見せるから。 |
コレット | それなら私もレイアと一緒に―― |
コレット | あっ ! |
レイア | ええええっ ! ? |
ジュード | うわ、レイアー ! ? |
レイア | いったたた…。 |
コレット | ご、ごめんね。私、転んだ勢いで突き飛ばしちゃって…。 |
レイア | だ、大丈夫だよ。鍛えてるからこれくらい平気 ! |
ジュード | ふぅ、びっくりした。ところでレイア、その手に持ってるの何 ? |
レイア | …え ? ああ、さっき植込みに突っ込んだ時に掴んだのかな ? |
マルタ | 綺麗な青い薔薇 ! 私も欲しいなあ。 |
エミル | …でも、この植込みのどこにもこんな花、咲いてないよね。 |
ジュード | レイア、それちょっと見せて。 |
ジュード | …薔薇とは思えない重さがある。もしかしてこれが…。 |
ミリーナ | ジェイドさんに確認してもらいましょう。すぐイクスに連絡するわ。 |
ジェイド | …これは間違いありませんね。それにしても観測機まで薔薇にするとは薔薇に失礼だと思わないのでしょうかねぇ。 |
イクス | ある意味、美学を貫いてますね。 |
ロイド | なぁなぁ !またコレットのドジが役にたったんだって ?相変わらずすげえな。 |
マルタ | 本当 ! 私の時と一緒だもん。コレットが転んで私を突き飛ばしたおかげで魔物の攻撃を避けられたんだよ。 |
エミル | それに、僕が閉じ込められた時も転んだ拍子にボタンを―― |
コレット | あれ、そんなことあったかな ? |
二人 | ―― ! |
エミル | あ…えっとね、あったような、無かったような。ハハ…。 |
ロイド | …もしかしてそれ、未来の話か ? |
マルタ | ごめんなさい。ロイドたちにとってはあんまり知らない方がいいんだよね。 |
ロイド | 確かに、リフィル先生には先の楽しみに取っておけって言われたけどさ。 |
ロイド | これくらいなら平気だろ。コレットの幸運のドジは、この先も続くってことがわかっただけだしな ! |
コレット | …それなんだけどね。今回も確かにドジっちゃったけど、観測機を見つけたのは私じゃなくてレイアだよ ? |
マルタ | ということはレイアの力なのかな。何か探しものが得意とかある ? |
レイア | う~ん…確かに敵から良さげなアイテムを取ったりとか、結構得意だけど…。 |
ジュード | コレットの奇跡的なドジと、レイアの能力が絶妙にリンクした結果――ってところじゃないかな。 |
コレット | それなら、たくさん見つけられるように私、一生懸命転ぶね ! |
レイア | じゃあ、わたしは一生懸命突き飛ばされるよ ! |
アリーシャ | い、いや、見つけ方はともかく、この青い薔薇を探せばいいということがわかって良かった。 |
レイア | うん ! この調子で観測機をドンドンぶんどって…じゃないや、見つけて行こう。 |
イクス | え…なんで魔物が…。アークにもいたのか ! ? |
ジェイド | いえ、そんなはずはありません。これは… ! |
ラタトスク | チッ、グダグダしゃべってる場合かよ !さっさと片付けるぞ。 |
キャラクター | 6話【幸運の青い薔薇5輪 永遠の少女】 |
ラタトスク | フン、弱い奴ほどよく吠えるってな。大した手ごたえもねえ。 |
マルタ | だけど…いつも戦ってる魔物とは少し感じが違ってなかった ? |
ジェイド | それはあの魔物が『幻』だからです。 |
イクス | 幻ってどういうことですか ? |
ジェイド | アークは今、ディストの観測機による各世界の混線と、整理しきれず溢れかえった情報によって歪みが生じている。 |
ジェイド | その歪みを作り出したのが、先ほどの幻だと思われます。 |
イクス | じゃあ、この状態が長く続くとさっきみたいなのがこれからも増えるってことですか ? |
ジェイド | ええ。しかも幻とはいえ、魔物と変わらない危険性を帯びている。 |
ジェイド | 全ての観測機を集めて停止させなければ、アーク全体にわたって、幻影の魔物が生み出され続けるでしょうね。 |
ワイズマン | 皆さん、ご無事ですか ! ?今ここで異様な歪みを観測しましたが…。 |
イクス | 実は今…。 |
イクス | ――そして、見つけた観測機がこれです。 |
ワイズマン | そうですか。手際よく対処して頂けて感謝します。皆さんがいてくれて良かった。 |
ワイズマン | しかし青い薔薇とは…。やっかいなことになりましたね。 |
レイア | どうして ? 青い薔薇は不吉だとか ? |
ワイズマン | いえ、反対ですよ。アークでは今、この薔薇が評判でして皆がこぞって集めているんです。 |
イクス | 何でそんなことに…。 |
ワイズマン | 今アークは祭り――アドベントを迎えています。この期間は珍しい花を集めてリースを作るんです。 |
ワイズマン | この青い薔薇はその材料として人気なようで…。 |
マルタ | そっか…みんなが集めちゃったから、私たちが探しても全然見つからなかったんだ。 |
ジュード | でも逆に言えば、ほぼ回収されているってことだよね。 |
アリーシャ | そうだな。では各家を廻って譲ってもらえるよう頼んでみたらどうだろう。 |
ワイズマン | それも難しいかと…。せめてアドベントを過ぎなければ、リースを手放す者は出ないかと思われます。 |
ワイズマン | アークでは、アドベントにリースを作り祈りを捧げることが、信仰上欠かせないのです。 |
ワイズマン | この祈りによって、プエラ・エテルナ――永遠の少女が現れて、アークに集う魂を浄化すると信じられていますからね。 |
レイア | プエラ・エテルナ…。神様みたいな感じなのかな。 |
ワイズマン | ええ。プエラ・エテルナはアークの信仰そのものとも言える存在です。だからこそ祈りを込めるリースは大事にされます。 |
ミリーナ | でも、アドベントの終了を待ってたら歪みはどんどん大きくなってしまうわ。なんとか集めないと…。 |
レイア | 神様が現れるように願いを込めるリース…。――それなら、神様が現れちゃえばリースの役目は終わりってこと ? |
ワイズマン | そうですね。ですが、プエラ・エテルナはあくまでも信仰対象ですよ ?現れるということはあり得ない。 |
コレット | そっか、現れないんだ…。永遠の少女の神様に会ってみたかったな。 |
レイア | 実際にプエラ・エテルナが現れれば…。ううん、みんなにそう思ってもらえれば…。 |
レイア | ――そうだ ! ねえワイズマンさん。 |
ワイズマン | なんでしょう ? |
レイア | こういう案はどうかな ?リースの回収を早めるためにね――…。 |
キャラクター | 7話【幸運の青い薔薇7輪 アイドル!】 |
ロイド | うわ、人――っていうかアーキタイプがいっぱいだぜ ! |
イクス | まさか『これ』が、こんなに効力を発揮するとはね。 |
チラシ | 『緊急特報 ! アドベンドに湧くアークにプエラ・エテルナの巫女、来る。アークを襲う魔物出現との関係とは ! 』 |
ロイド | これ、レイアとエミルが書いたんだろ ?手が込んでるよなあ。 |
エミル | ホント ! ? よかった。実は僕、そのチラシまだよく見てないんだ。記憶がとびとびで…。 |
ロイド | ラタトスクも文句言いながら任せっぱなしにはできないって手伝ってたからな。 |
イクス | このチラシでは、神秘の青い薔薇が、次元を超えてプエラ・エテルナを呼び出そうとしているってことになってるんだ。 |
イクス | 青い薔薇の力は個々では安定しないから、歪んだ魔物が出現してしまう。 |
イクス | 一か所に集めて力を増幅すれば、プエラ・エテルナを呼び出せるかもしれない。だから―― |
イクス | 広場に薔薇を持ち寄って、ゲストとして招いた力ある少女達『エテルナの巫女』と共にプエラ・エテルナを呼び出そうって話。 |
イクス | これがレイアの目指した、魔物騒ぎを収めつつ、アーキタイプたちの信仰心も尊重しながら観測機を集める方法なんだ。 |
エミル | なるほどね。でも、なんでそれがあんな風になってるの ? |
マルタ | ほら、アリーシャ笑顔笑顔 !顔がこわばってるじゃない。――薔薇ありがとう ! 応援よろしくね ! ― |
アリーシャ | アイドルとは戦士の如き強靭さと、貴婦人のような愛想が必要なのだな。勉強になるよ。――協力に感謝する。君に幸運を ! ― |
コレット | 青い薔薇、いっぱい集まったねえ。会場が真っ青で海みたいだよ !――ありがと。また会えるといいな ! ― |
エミル | …なんか巫女ってイメージとかなり違うんだけど。 |
イクス | それも、色々あったんだよ…。 |
レイア | プエラ・エテルナ、永遠の少女でしょ ?永遠の少女と言えば――アイドルだよ ! |
レイア | アイドルをお迎えするために、巫女さんも可愛い衣装にしてさ ! |
レイア | ついでに薔薇を持ってきてくれた人にも何か特典があるといいなあ。 |
レイア | そう言えば山ほどフィナンシェがあったよね。あれをお礼にするとか。 |
レイア | 青い薔薇10本で美味しいフィナンシェと交換――なんて。 |
二人 | ―― ! |
ミリーナ | …50本でエテルナの巫女と握手、とか。 |
ジェイド | …100本でエテルナの巫女と話ができる。というのもありですね。 |
レイア | え、待って待って。そこまでは…。 |
ジェイド | 効率ですよ、効率。薔薇をたくさん集めるためには、集客力となる強いインパクトが必要です。 |
ミリーナ | これは――来るわよ ! |
レイア | そ、そうなの…かな… ? |
イクス | あの時のミリーナの目、怖かった…。 |
ロイド | でも結局、ミリーナたちの言ったことって大当たりだったな。 |
エミル | …でも、あんな風にステージに立つマルタを見てると、何だか胸がもやもやするよ。…何でだろ。 |
ジェイド | はい、そこの警備係たち、無駄話しない !ジュードを見習いなさい。 |
ジュード | こちら二列に並んでお待ちください。順番にご案内します。 |
レイア | はい、お待たせしました !こちら青い薔薇10本お預かりでフィナンシェお一つと交換になります ! |
エミル | すごいなジュード。みるみる列が整って…。医学生の時にたくさん患者さんを診てたって言うし、こういうの慣れてるのかな。 |
ロイド | レイアもだよ。看護師見習いで家が宿屋だっけ ?客商売が板についてるぜ。 |
ミリーナ | …っていうか、レイア !あなたもアイドル役なのよ !ほら、早く舞台に上がって ! |
レイア | あ、ご、ごめん ! 今行くね ! |
イクス | よし、俺たちも仕事しなくちゃな。 |
エミル | ロイド、なんだか空…おかしくない ? |
ロイド | ――空に、穴 ?…これなんかやばいぞ ! |
ジェイド | これは…観測機による歪みが最大になったものです ! 恐らくあのゲートには… |
イクス | なんだよあれ…。魔物が大量に落ちてくるぞ ! |
ロイド | こうなったら警備係の腕の見せ所だぜ !いくぞ ! |
エミル | ああ、みんなは――マルタは僕が守る ! |
キャラクター | 1話【登場!天海春香】 |
レイア | 魔物じゃない…あれは女の子 ? |
天海 春香 | 後ろの人たち、私の声、届いてますか~ !それじゃあ、行きますよ~ ! |
アークの観客 | プエラ・エテルナ ! プエラ・エテルナだ ! |
アークの観客 | 永遠の少女が降臨なさった ! |
天海 春香 | ――あれ ?…ここ、握手会の会場…じゃない ? |
天海 春香 | え、なんで ? どうなってるの ! ? |
イクス | 本当にプエラ・エテルナが現れるなんて…。 |
ジェイド | …その真偽はともかく、まずは彼女を保護しましょう。詳しい話を聞かなければ。 |
ミリーナ | じゃあ彼女は、別の次元で活動していたアイドルってこと ? |
ワイズマン | ええ。歪みの影響で、彼女の影――シャドウだけが、この次元に現れてしまったのでしょう。 |
天海 春香 | 次元図書館…学園都市アーク…。なんだかすごくファンタジーですね。…まるで夢みたい。 |
天海 春香 | 夢…、そうだ、これって夢なんですね !あはは…私、夢の世界でもアイドルのお仕事してるんだ~。 |
ワイズマン | いえ、これは現実です。すぐにはそう思えないかもしれませんが…。 |
レイア | でも、わたしもそんな感じでこの世界にきたから、気持ちはよくわかるな。えっと…。 |
天海 春香 | え ? あ、私、天海春香です ! |
レイア | じゃあ、春香って呼んでもいいかな。あたしはレイア。 |
天海 春香 | じゃあ私もレイアって呼ぶね。よろしくね、レイア。 |
レイア | うん。さっきの歌、すごく素敵だったよ。なんだか自然に笑顔になっちゃった。 |
天海 春香 | ホントに ! ? ありがとう。私、歌うことが大好きでアイドルになったんだ。だからそう言ってもらえるとすごく嬉しいな♪ |
天海 春香 | でも、今こうしてレイアと話せてるのも夢なんだよね。…現実だったらいいのに。 |
レイア | あの、そのことなんだけどね―― |
アリーシャ | 何事だ ! |
ミリーナ | あれは…ディストさんよ !ケリュケイオンから出てきちゃったんだわ。 |
イクス | ディストさんめ…。だんだんジェイドさんの気持ちが分かって来た気がするぞ ! |
イクス | ディストさん、やめろ ! |
ディスト | ま――たあなたたちですか !私の華麗なる観測機を、よくも無駄にしてくれましたね。 |
ディスト | まあ、美しさのあまり、集めてしまいたくなるのはわかります。だからと言って偉大なる研究の邪魔は許しません。 |
ディスト | その観測機は返してもらいます ! |
レイア | ディストさん、なんでこんなことするの ! |
ディスト | …あなたですか。もう騙されませんよ ! |
レイア | ねえ、そんなに必要な研究なら、ちゃんと話を通せばいいじゃない ! |
ディスト | フン。虫けらに話をするだけ無駄です。どうせどれほど偉大な研究なのか理解できないのですからね。 |
レイア | ディストさんの話、聞きたいよ。わたしは理解したいもん ! |
ディスト | うっ…、うるさい小娘ですね !とにかく観測機さえ回収してしまえば―― |
アークの観客 | うわああああ ! |
天海 春香 | ――さっき会場にいた人たち ! ?ダメ、お願いやめて ! ! |
ディスト | なんなんですかもう ! |
アークの観客 | プエラ・エテルナ… ! |
天海 春香 | な、何ですかって…それは…み、みんなをこんなに怖がらせて何とも思わないんですか… ? |
ディスト | 思いませんねえ。小娘にブンブンと群がって手を擦るハエの気持ちなど私にはわかりませんから。 |
天海 春香 | …酷い。一生懸命応援してくれたみんなを…拍手を送ってくれる気持ちをそんな風に…。 |
ディスト | フン、戦ったこともないような小娘は引っ込んでなさい。 |
天海 春香 | そ、それは…私、戦ったことなんてないけど…。でも ! みんなが危ない時に引っ込んでるなんて――できません ! |
レイア | 春香から…何か――。 |
イクス | あの人…もしかしたら本当にプエラ・エテルナの力を…。 |
天海 春香 | え、なに ? この力… ? |
ワイズマン | アーキタイプたちがプエラ・エテルナを待ち望む気持ちが、春香さんのシャドウに女神の力を与えてしまったのでしょう。 |
ワイズマン | ここにいる春香さんは、元の世界とは違い敵意を持つ者たちを歌によって浄化する力が与えられているのです。 |
天海 春香 | 歌によって浄化…。それなら私にもみんなを守れるのかも…。 |
レイア | 春香、わたしも一緒にディストさんを止めるよ。 |
天海 春香 | レイア…うん。私、歌うことしかできないけどみんなを守らないと ! |
レイア | さあ…いっくよー、ディストさん ! |
キャラクター | 2話【登場!天海春香】 |
ディスト | こんな馬鹿なあああああ ! ! |
ワイズマン | よし――今です ! |
イクス | ディストさんが空に吸い込まれた ! ? |
ワイズマン | 閉じかけていた次元の穴、ゲートを使ってディストを移動させました。今頃はティル・ナ・ノーグに戻っているはずです。 |
レイア | そっか。ならとりあえず…おつかレイアー、春香 ! |
天海 春香 | うん、レイアもお疲れ様 !これで一件落着――かな ? |
ワイズマン | いえ、実はまだ問題が…。 |
レイア | まだあるの ! ? |
ワイズマン | 先ほどの次元の歪みから漏れ出た魔物たちが薔薇の一部を持って逃走したんです。 |
イクス | 魔物が薔薇を ? |
ジェイド | なるほど。薔薇がなくなれば、自分たちの存在が消滅することに気が付いたのでしょう。 |
ジェイド | 消えたくない…と考えるとは悲しい知恵を持っているようですね。 |
天海 春香 | 消えたくない…か。魔物も生きていたいって思ってるんだね。少しかわいそうな気もするけど…。 |
天海 春香 | やっぱり私、放っておけないな。 |
レイア | これが、アイドル…。アイドルって本当にすごいんだね。 |
天海 春香 | そうなのかな ?えへへ…まだまだこれからなんだけどね ! |
レイア | ごめん…春香。 |
天海 春香 | えっ、どうしてレイアが謝るの ? |
レイア | わたし、さっきまでアイドルっていう存在を使って、あの薔薇を集めようとしてたんだ。 |
レイア | でもね、ファンのことを考えながら、真剣にやってる春香を見たら、それだけの存在じゃないんだなって感じて…だから…。 |
レイア | コレットも、マルタも、アリーシャもごめんね。 |
天海 春香 | そんなの気にし過ぎだよ、レイア。 |
コレット | そうだよ。アイドル楽しかったもん ! |
アリーシャ | ああ、良い勉強、良い鍛錬となった。感謝したいくらいだよ。 |
マルタ | それに、すぐにでも薔薇を回収しなくちゃアークのみんなが危なかったでしょ ?仕方ないよ。 |
レイア | …うん、でも色んな人の立場とか、想いとか、今よりももっと考えていかなくちゃって。 |
ミリーナ | そうね。私も反省しなくちゃ。 |
ミリーナ | 確かに今回は、薔薇の回収率を重視してたからだけど…。 |
ミリーナ | 握手やプレゼントで宣伝するより、四人の魅力をもっとたくさん伝えてから、大々的にステージをしたかったわ ! |
イクス | ミ、ミリーナ…反省ってそっち ? |
ミリーナ | だってレイアもコレットもマルタもアリーシャもそれぞれもっと色んな魅力があるんだもの。 |
ミリーナ | …アイドルを輝かせるのって難しいのね。 |
天海 春香 | そうだね。でも、私のプロデューサーさんは、そういうの、とっても上手なんだよ ! |
天海 春香 | 私をすごく分かってくれて、大事に育ててくれて、失敗してもずっと見守ってくれて…。 |
天海 春香 | 私がアイドルを続けていられるのもそのおかげ…だから私、夢の中でだってファンの人たちを大切にしたい。 |
天海 春香 | ねえ、薔薇を回収するなら私にも手伝わせてくれないかな。 |
レイア | でも、さっきみたいに戦うんだよ。春香は大丈夫なの ? |
天海 春香 | うん、みんなを守るって決めたんだもん。魔物とだって戦うよ ! |
ワイズマン | 先ほどご説明したとおり、ここにいる春香さんはプエラ・エテルナとしての力をその身に宿しています。 |
ワイズマン | それは魔物を追い払うには十分な力と言えます。ですが、無理はなさらないでくださいね。 |
ミリーナ | 大丈夫です。私が春香を守るわ。こんな可愛いアイドルを傷つけさせる訳にはいかないもの。 |
イクス | そうだな。よし、魔物たちが持っていった薔薇を回収してこの騒動をきちんと終わらせよう ! |
キャラクター | 3話【みんなと、いっしょに!】 |
ワイズマン | 皆さん、ありがとうございました。薔薇はかなりの数回収できました。これなら歪みを強制修復できそうです。 |
レイア | やったね ! |
天海 春香 | うん、今度こそお疲れ様だね ! |
天海 春香 | …あれ、おかしいな。なんか体が… ? |
レイア | 春香の体、透けてる ! ? なんで…。 |
ジェイド | …彼女はこの世界に降り立った影。幻影の魔物たちが消えたように、歪みが正されていけば―― |
レイア | …春香も消えちゃうってこと ? |
天海 春香 | え ? それって、夢から覚めるってこと ?じゃあ、みんなともう会えなくなるの ? |
ミリーナ | もっと一緒にいたかったわね…。 |
天海 春香 | 私、起きたらすぐにメモをとるね !みんなのこと、忘れないように。またこの夢が見られるようにって。 |
天海 春香 | そうすれば、またここに来られますか ?ワイズマンさん。 |
ワイズマン | …残念ですが、ここでの記憶はあなたの本体に共有されません。 |
天海 春香 | …そうなんですか。こんなに楽しい夢なのにこれっきりなんですね… |
レイア | …春香の歌、もっと聞きたかったよ ! |
アリーシャ | 私も、春香の話は参考になった。もっと一緒にいられたら良かったのに…。 |
天海 春香 | 私も…私もだよ ! みんなのいる、ティル・ナ・ノーグっていう世界に行って、アイドル活動してみたか―― |
レイア | 春香…。 |
二人 | ……あれ ? |
ワイズマン | これは…なるほどなるほど。そうなりましたか。 |
レイア | ねえ、これってどういうこと ? |
ワイズマン | 消える瞬間、春香さんの心に、ティル・ナ・ノーグを見てみたいという強い心残りがあったのでしょう。 |
ワイズマン | そのため、シャドウが消えなかった。前回のサラさんの時と同じです。 |
ミリーナ | じゃあ春香は、これからもずっと一緒にいられるのね ! |
ワイズマン | はい。あの時同様、春香さんのシャドウをティル・ナ・ノーグに具現化させれば。 |
天海 春香 | 具現化…ってよくわからないけど、私、まだこの夢から覚めたくないです ! |
マルタ | でも春香、ここにいる間は、プロデューサーって人に会えないんだよ。大事な人なのに…いいの ? |
天海 春香 | それはすごく寂しいけど…。 |
天海 春香 | でもね、プロデューサーさんならきっと私がどこにいたって応援してくれると思う。今だって、見守ってくれてる気がするんだ。 |
天海 春香 | そう信じてるから、ティル・ナ・ノーグでアイドル活動してみたいって思えたんだもん。 |
天海 春香 | だから…私のこと、見てて下さいね。プロデューサーさん ! |
イクス | 色々あったけど、みんな無事に戻って来られて良かったよ。 |
イクス | ハハ、ホッとしたらお腹空いちゃったな。 |
ミリーナ | それじゃ、買ってきたフィナンシェでみんなでお茶に―― |
一同 | そうだ、フィナンシェ ! ! ! |
イクス | …しまった。アークで全部配ったんだっけ。 |
ジュード | マークにまだ渡してないよ。どうしよう…。 |
イクス | 仕方ない、また店に―― |
天海 春香 | あ、じゃあ、私がつくっちゃおうか ? |
マルタ | 春香、フィナンシェ作れるの ! ? |
天海 春香 | うん、お菓子作り好きなんだ。材料があれば、このケリュケイオンでも作れると思うよ。 |
マルタ | すごーい !やったねコレット、焼きたてだよ。 |
コレット | うん、楽しみ ! |
天海 春香 | 時間をおいてしっとりさせたフィナンシェも美味しいけど、焼きたては違った美味しさがあるもんね♪ |
天海 春香 | よし、決まり !それじゃ、何人分焼けばいいのかな ? |
コレット | この船、結構人数いるから一人じゃ大変だと思うよ。 |
レイア | だったらわたし、手伝うよ !何をすればいいかな ? |
ジュード | ―― !こ、ここは任せた方がいいんじゃないかな。レイアには船の中を案内したいし。 |
ジュード | (レイアの味覚は、有効範囲が広すぎるからなあ…) |
コレット | それじゃあ、私が手伝うよ。 |
マルタ | そうだよ、みんなで作ればいいじゃない。 |
エミル | …二人とも、今日はステージに立って疲れただろ ? 少し休みなよ。 |
エミル | (マルタの料理は…まだ伸びしろが…) |
ロイド | そ、そうだよ。ゆっくりしろって ! |
ロイド | (みんなのためにも、食い物でドジは回避しねぇと…) |
アリーシャ | ならば私が――。 |
ミリーナ | 私がやるから大丈夫よ、アリーシャ ! |
ミリーナ | (武器で料理なんて春香には刺激が強すぎるわ) |
ミリーナ | それじゃ春香、材料を取りに倉庫へ行きましょ。 |
天海 春香 | うん、ありがとう…って、きゃあああっ ! |
| ――どんがらがっしゃーん ! ― |
ミリーナ | だ、大丈夫 ! ? |
天海 春香 | う、うん、大丈夫。私、転ぶのには慣れてるから…えへへっ。 |
イクス | 何もない所で転んだぞ…。 |
ロイド | これ、すげえよく見る光景だ…。 |
コレット | わあ、私もよく転ぶんだよ。仲間が増えて嬉しいな ! |
イクス | この分なら、ケリュケイオンのみんなにもすぐに馴染みそうだな。 |
レイア | ホントだね、すっかり仲間って感じ ! |
ジュード | もう、レイアだって一応新入りだよ ? |
レイア | だよね。すっかり忘れてたよ。 |
ジュード | あはは、レイアらしいな !…さて、フィナンシェが焼きあがったらマークに届けて来ないと。 |
ジュード | 頼まれた店のフィナンシェじゃないからちょっと心配だけどね。 |
レイア | じゃあ、その店より美味しくすればいいよ。トッピングとかしてさ。イクラとかどう ?プチプチして美味しいかも ! |
ジュード | …うん、レイアらしいな…。 |