キャラクター | 1話【新年1 カロルとエステル】 |
二人 | 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 |
ユーリ | おめでとさん。今年もよろしく頼むぜ。 |
レイヴン | あけおめー♪こちらこそよろしくね。 |
リタ | おめでとう。 |
ラピード | ワウン ! |
ミリーナ | ラピードさんにも会えて嬉しいわ。新年早々、縁起がいいわね。 |
イクス | 何て言ったって今年は戌年だからな。今年の干支の動物が仲間にいるなんて心強い限りだよ。 |
ラピード | ワン♪ |
ユーリ | 任せてくれだってよ。 |
イクス | ありがとうございます。そういえば、ユーリさんたちは初詣に向かうところなんですか ? |
ユーリ | ああ。郷に入っては郷に従えってやつさ。せっかくだし散歩がてらにな。 |
ユーリ | それに、この着物って服もイクスに具現化してもらったわけだしな。外に出ないのも服がもったいないだろ。 |
イクス | 気に入ってもらえたみたいで良かったです。思った通り、すごく似合ってますよ。 |
レイヴン | 着物はどっかの民族衣装か何かなの ?鏡士の正装とも違った感じだけど。 |
イクス | いまの新年を祝う風習も着物の文化も大昔にビフレストという国から伝わったものが元になってるんです。 |
ミリーナ | だから着物は私たちが普段着ている服とも違ったデザインになってるんですよ。 |
リタ | それにしてもよくこんな服を考えたものよね。着るだけで一苦労よ。 |
レイヴン | けど、リタっちも似合ってるじゃない。さっきから周りの人たちの視線集めちゃってすごいじゃない。 |
リタ | 他人がどう思おうと興味ないわ。最近観測されたデータについて考えてたし。 |
リタ | けど、この晴れ着ってのは気に入ったわ。袖の部分の柄とか可愛いし。ミリーナ、着付けしてくれてありがとうね。 |
ミリーナ | ふふっ。喜んでもらえて私も嬉しいわ。リタ、すごく可愛いわよ。 |
ユーリ | せっかくだ。お前たちも一緒に行こうぜ。初詣ってのに。案内してくんねえか ? |
レイヴン | いいねぇ。たまにはお互いに、のんびり過ごしましょうよ。 |
リタ | まぁ…適度に気分転換するのも特に、あんたたちはね。 |
イクス | あはは…すいません。なんだか気を遣わせちゃって。 |
ミリーナ | それじゃあ…せっかくだし、ご一緒させてもらおうかしら。 |
ユーリ | そうこなくっちゃな。よし、さっそく行くとするか。 |
| …ワウン ? |
ユーリ | うん ? どうした、ラピード ?あっちの人だかりが気になるのか ? |
イクス | 餅つきをやってるみたいだな。 |
? ? ? | いくよ ! エステル !ハンマーに力を込めて…そうや ! |
? ? ? | お餅をひっくり返してっと…カロル、どうぞっ ! |
リタ | えっ…ちょっと待って。いまのって…まさか。 |
エステル | 皆様、あけましておめでとうございます。よろしければお餅、いかがでしょうか。 |
カロル | あけましておめでとーう !神殿からのサービスだから遠慮なくもっていってよね ! |
リタ | エステル ! 何やってるのよ ! ?なんでガキんちょと一緒に餅つきなんてしてるの ! ? |
エステル | リタじゃないですか !カロル、また知ってる人に会えましたよ ! |
カロル | え ? あ ! ユーリ ! レイヴン !ラピードまで ! |
レイヴン | いやぁ…たまげたわ。嬢ちゃんと少年まで具現化されてたのね。 |
ユーリ | 何で餅つきしてるのかは知らねぇがとりあえず元気そうでよかったぜ。 |
カロル | ユーリたちこそ。ちなみにこの餅つきは凜々の明星の新年初仕事だよ。 |
ユーリ | そっか。あともう少し早く会ってれば仕事始めに間に合ったのか。そりゃあ惜しいことしたな。 |
エステル | 皆さんもお餅はいかがです ?つきたてですよ。 |
リタ | ありがとう…って、待って !こんなことしてる場合じゃないでしょ ! |
ユーリ | イクス。オレの仲間のエステルとカロルだ。いつもの説明頼めるか ? |
イクス | わかりました。それじゃあ一度ケリュケイオンに戻りますか。 |
ユーリ | お互い積もる話もあるしな。初詣はそのあとにでも行くとしようぜ。 |
キャラクター | 2話【新年2 初詣】 |
ユーリ | …なるほど。この世界に具現化されてからギルド凜々の明星として仕事を引き受け口に糊してたってわけか。 |
カロル | ユーリ ! お雑煮おかわり ! |
ユーリ | おう。腹も減ってただろ。まだ残ってるからどんどん食え。 |
エステル | ユーリのお雑煮、とっても美味しいです。 |
カロル | これも愛情たっぷり ? |
ユーリ | 当然だろ ? |
ミリーナ | 料理に一番大切なものですよね。 |
カロル | ミリーナが言うのはわかるんだけど…。 |
ユーリ | どうやらカロル先生にはオレの愛情は重いみたいだ。おかわりはいらねぇよな ? |
カロル | そ、そんなことないって !ユーリの愛情たっぷり入ったお雑煮、おかわりさせてよ ! |
ユーリ | しゃーねぇな。急いで食べて火傷すんなよ。 |
エステル | リタ、福袋って知ってますか ?何が入ってるかは買った後のお楽しみですが良い物が詰まったお得な品らしいですよ。 |
リタ | それ、お店の人が言ってたんでしょ。あんたはそうやってすぐ人の言ってること信じちゃうんだから気をつけなさいよ。 |
エステル | 大丈夫です。ちゃんと気を付けてます。 |
エステル | で、その福袋を買うために大行列ができるそうです。ミリーナが言ってました。 |
リタ | けど何が入ってるかはわからないんでしょ ?それじゃあ良い物が入ってるかどうかもわからないじゃない。 |
エステル | そうなんですけど…そうではなくて…。 |
エステル | とにかく、リタ !一緒に福袋を買いに行きましょう ! |
リタ | …もう、仕方ないわね。付き合ってあげるわよ。 |
エステル | ありがとう ! リタ !約束ですよ ? 絶対ですよ ? |
イクス | なんだかリタも楽しそうだな。いつもより声が弾んでる気がする。 |
リタ | そんなことないわよ。あたしはいたって普通よ。 |
エステル | リタはいつでも優しいですからね。 |
リタ | い、いや…別にそんな……。 |
カロル | リタ、すごく照れてる ! |
レイヴン | も~。リタっちってばかーわいい~。 |
リタ | うっさい ! |
カロル | いたっ ! ちょ、ちょっと !なんでボクだけ… |
リタ | 近いからよ ! 文句ある ? |
カロル | な、ないよ ! もうっ ! |
レイヴン | いやぁ、さすが少年。頼もしい限りだね。 |
カロル | レイヴンはこういうときだけ調子がいいんだからさぁ。そうだ、ユーリ。お雑煮ごちそうさま。 |
ユーリ | お粗末様でした。それで、この後はどうする ? |
カロル | もちろんみんなで初詣 !その後は街をゆっくり回りたいな。せっかく再会できたんだしさ。 |
エステル | イクスとミリーナとももっとお話をしたいです。 |
イクス | そうだな。それじゃあ―― |
スレイ | イクス ! 街の古本屋さんにティル・ナ・ノーグの怪異についての本が一冊だけ緊急入荷されたみたい ! |
ミクリオ | しかも、初版だ。 |
イクス | なんだって ! ?俺たちがずっと探してた本か ! ?あ、いや…だけどこの後は……。 |
カロル | 貴重なものなんでしょ ?だったら行って。なくなっちゃうよ ! |
イクス | カロル、ありがとう !それじゃあまた後で ! |
ベルベット | ミリーナ。食材がもうないんだけど。 |
ミリーナ | …そんな ! まさかこの前の鍋パーティで使い切っちゃったのかしら !すぐ買い出しに行かないと ! |
カロル | 大丈夫 ? ボクでよければ手伝うよ ? |
ユーリ | カロル先生、それはオレとラピードに任せてくれないか ? |
ラピード | ワウン ! |
ユーリ | お前らはまだここに慣れてねぇだろ ?先に街に行って、のんびり観光でも楽しめよ |
カロル | …わかった。ユーリ、ラピード、ありがとう。 |
ユーリ | おう。じゃあまた後でな。 |
カイル | レイヴン ! お年玉ちょうだい ! |
カイル | って、あれ ! ? レイヴンは ! ? |
エステル | さっきどこかに走り去って行きましたよ ? |
カイル | えぇ ! ? お年玉くれるって約束したのに !絶対に捕まえてやるっ ! ! |
エステル | …気づいたら、わたしたち三人になっちゃいましたね。 |
ガロウズ | おう。リタ、ここにいたのか。言われたデータの解析、完了したぞ。キール研究室の机の上に置いてある。 |
リタ | さすが仕事が早くて助かるわ。さっそく確認させて―― |
エステル | えぇ ! ? リタまで行っちゃうんですか ! ?せっかくみんなで集まってたのにこれじゃあまた二人きりに逆戻りですよ ! ? |
リタ | わ、わかったから。すぐ戻るわよ。神殿の前で待ち合わせね。それまで適当に時間つぶしといて。 |
エステル | あっ、ちょっと ! リタ !…行っちゃいましたね。皆さんお正月なのに忙しそうです。 |
カロル | うん…。まぁとりあえずボクたちは先に街に行ってリタを待とうよ。ユーリはのんびりしろって言ってくれたし。 |
エステル | そうですね。リタもすぐ来てくれるって言っていましたし。それじゃあ街に向かいましょう。 |
キャラクター | 3話【新年3 迷子】 |
エステル | …リタ。来ませんねぇ。 |
カロル | 確かに遅すぎるよね。何かあったのかな。 |
エステル | もしかして…迷子になっちゃったんでしょうか ? |
カロル | リタが迷子 ?いやいや、まさかそんなこと。 |
エステル | ですよね…それなら…まさか ! 誘拐 ? ! |
カロル | リタなら誘拐犯をすぐさま黒焦げにしちゃうと思うけど。 |
エステル | でもリタは年頃の可愛い女の子なんですよ。万が一ということも考えられます。 |
カロル | …確かに。 |
エステル | それにもう1つ。先ほど引いたおみくじの待ち人という項目に\"往きて利あり\"と書いてありました。 |
カロル | あっ、ボクも同じことが書いてあったよ。それってどういう意味なの ? |
エステル | お世話になった神官様から伺いました。自分から会いに行った方が良いことがあるという意味らしいです。 |
エステル | 待ち人とは運命の人という意味だけでなくその人にとって良いことを示しています。つまり、おみくじによるとわたしたちは…。 |
カロル | リタを捜しに行った方がいいってことだね ! |
エステル | ですね ! |
カロル | きっとユーリも待ちくたびれて捜しに行く頃だよね。ジッとしてるのは性に合わないってさ。 |
エステル | カロル、行きましょう ! |
カロル | そうだね ! 出発―― |
カロル | いたっ ! ! |
ライフィセット | ご、ごめん。急いでてぶつかっちゃった。カロル、怪我してない ? |
カロル | うん、大丈夫。どうしたの ? そんなに慌てて |
アイゼン | 空を見てみろ。 |
エステル | あれは…凧ですか ? |
ライフィセット | アイゼンと一緒に凧揚げしてたんだ。そしたらいきなり突風が吹いてアイゼンの凧が飛ばされちゃって…。 |
アイゼン | 船の帆に使う技術を用いた自信作の凧だったのだが致し方あるまい。 |
エステル | そんな力作を簡単に諦めちゃダメです !わたしたちも協力します ! |
カロル | うん、きっとまだ間に合う !凧を追いかけようよ ! |
アイゼン | …お前たち。そうだな。これも凧揚げの醍醐味だったな。よし ! 行くぞ、お前たち ! |
三人 | おー ! |
ミリーナ | …あら ? おかしいわね。エステルとカロル、見当たらないわよ。 |
イクス | リタはここが待ち合わせ場所だって言っていたよな。 |
イクス | 調査に行くから遅くなるってリタから二人に伝言を頼まれていたんだけど…。 |
ミリーナ | 二人ともどこに行ったのかしら。 |
イクス | …もしかしたら。迷子になっているんじゃないか ? |
ミリーナ | 慣れない土地だものね。そうかもしれないわ。 |
ファラ | 二人とも。こんなところで立ち話してどうかしたの ? |
イクス | リッド、ファラ。エステルとカロルを見なかったか ? |
リッド | いいや。見てねぇな。はぐれたのか ? |
イクス | 待ち合わせ場所にいなくてたぶん迷子になってるかもしれないんだ。 |
ファラ | そうなの ? 大変じゃない。わたしも二人を捜すの協力するよ。 |
リッド | お前は新年早々…。まぁ、今に始まったことじゃないな。オレも手伝うぜ。 |
ミリーナ | 二人とも、ありがとう。けど本当にいいの ? |
ファラ | 任せて ! わたし、全力で二人を捜すの協力するから ! |
キャラクター | 4話【新年4 カルタ大会】 |
ライフィセット | アイゼン。よかったね。無事に凧を取り戻せて。 |
アイゼン | ライフィセットの凧を飛ばし俺の凧に絡ませるというエステルの作戦。 |
アイゼン | そして絡まった凧を瞬く間にほどき終えたカロルの器用さ。 |
アイゼン | 二人がいたからこそ俺は凧を取り戻せた。なにか礼をせねばならんな。 |
エステル | そんな。気にしないでください。当然のことをしたまでです。 |
カロル | ところでリタを見かけなかった ? |
ライフィセット | リタ…。そういえばカロルとエステルに会う前に神殿近くですれ違ったよ。人が多くてすぐ見失っちゃったんだけどね。 |
アイゼン | 俯き、うなり声をあげながら歩いていた。だいぶ困っていたようだったぞ。 |
エステル | リタは迷子だったんですね !きっと今も自分がどこを歩いているのかもわからずに戸惑っています ! |
カロル | とりあえず神殿に向かおう。アイゼン、ライフィセット、情報ありがとう。 |
エステル | リタ…待っていてください… !あら ? あれは… |
ソフィ | あっ ! |
ミラ=マクスウェル | どうした、ソフィ。もっと高く凧を飛ばしたいのか ? |
ソフィ | ううん。凧揚げが楽しくて忘れてた。エリーゼ、もうカルタ大会の時間だよ。 |
エリーゼ | あぁ、いつのまにかこんな時間に !けど開催場所の神殿まで距離があります。もう間に合いませんね…。 |
ソフィ | そっか…。カルタ大会、参加したかったな。 |
エステル | ソフィ、エリーゼ。大丈夫です !きっとまだ間に合います ! |
カロル | ボクたち神殿の仕事を手伝ってたんだ。だから近道を知ってる。裏道を使えばきっと間に合うよ。 |
ライフィセット | あ、あれ ?けどリタを探すのは…。 |
アイゼン | 言うな。困っている人がいたら手をさしのべる。それが二人の流儀なのだろう。 |
ミラ=マクスウェル | 類は友を呼ぶという。どうやらこのケリュケイオンにはそういう者たちが多く集まるらしいな。 |
ライフィセット | うん…そうかもね。それなら僕は何も言わない。二人のことを応援するよ。 |
エステル | ソフィ、エリーゼ ! こっちです !ついてきてください ! |
カロル | 森の中を突っ切るよ ! ! |
ユーリ | エステルとカロルが迷子だぁ ! ? |
イクス | はい。でも…目撃情報によると二人は街や街道、森などあちこちで何故か全力疾走していたみたいで…。 |
ユーリ | なにやってんだ…あいつらは。また変なことに巻き込まれてるとかじゃねぇよな。 |
レイヴン | ただの迷子じゃあなさそうよね。 |
レイヴン | 実はおっさん、さっきまでちびっ子たちからお年玉せびられて全速力で逃げてたのよね。 |
レイヴン | もしかしたら、誰かに追われてる…とか ? |
ユーリ | 二人を捜すぞ。最後に目撃された場所はどこだ ? |
ミリーナ | このあたりです。 |
ラピード | ワン ! ワンワン ! |
ユーリ | さすがラピード、お手柄だ。二人は神殿の中に入っていったみたいだぜ。オレたちも行くぞ。 |
コレット | あっ、待って。ここから先は許可証がないと入れないの。規則だから…ごめんね。 |
ユーリ | 許可証 ? 悪ぃがちょっと急いでるんだ。 |
コレット | 大丈夫だよ。この書類に名前を書くだけですぐ発行できるから。 |
ユーリ | なんだよ。それだけでいいのか…って、これカルタ大会の参加申込書じゃねぇか ! |
レイヴン | つまり二人は…カルタ大会に参加してるってこと ? |
ユーリ | はは。きっちりと変なことに巻き込まれちまってるな |
イクス | とりあえず許可証をもらって神殿の中を調べましょう。 |
ミリーナ | はい。コレット、参加申込書よ。 |
コレット | ありがと。これが許可証だよ。カルタ大会、がんばってね。 |
キャラクター | 5話【新年5 人助け】 |
エステル | ソフィとエリーゼ、カルタ大会に間に合ってよかったですね。 |
カロル | そうだね。まさかボクたちも参加することになるとは思わなかったけど。 |
エステル | 一回戦で負けてしまいましたが楽しかったですし良い思い出になりました。 |
カロル | それじゃあ今度こそリタを―― |
エステル | カロル ! 待って !なんですか目の前の行列は ! ?こっちに向かってきますよ ! ? |
カロル | ど、どういうこと ! ?しかも先頭にいるのって…。 |
スタン | カロルとエステル、ちょうど良かった。捜していたところだったんだよ。 |
エステル | スタンさん ! ?こ、この行列はいったい何ですか ! ? |
スタン | 全員、ギルド凜々の明星の首領を捜していた人たちだよ。カロルのことでいいんだよな ? |
カロル | うん…そうだけど。どうしてボクのことを ? |
スタン | 助けて欲しいことがあるんだってさ。困っていることを何でも解決してくれるってカロルとエステルは有名らしいぞ。 |
カロル | そうなの ! ?いつの間にそんなことに ! ? |
エステル | わかりました。まずは一人ずつお話を伺いましょう。 |
カロル | エステル、正気なの ! ?そりゃあ助けたいとは思うけどこんなに大勢いるんだよ ! ? |
エステル | で、ですが…放ってはおけません。せっかくのお正月なんです。楽しく過ごして欲しいじゃないですか。 |
カロル | それはそうだけど……ううん、ごめん。何でもない。とりあえず話を聞いてみよう。 |
カロル | できもしない依頼を無責任に受けるのはギルドの信用問題になっちゃうけど |
カロル | けど、義をもって事を成せがウチの信条だもんね ! |
エステル | ええ ! |
スタン | 俺は、みんなで力を合わせればきっと何とかなるって思ってる。 |
スタン | だから、ギルドのメンバーじゃないけど俺も手伝わせてもらっていいか ? |
カロル | …いいの ? きっと大変だよ ? |
スタン | 望むところさ。それに…案内してきたの俺だからな。 |
エステル | ではさっそく、話を聞いていきましょう !リタに繋がる手がかりも見つかるかもしれませんから ! |
カロル | そうだね ! よーしっ、こうなったらトコトンやってやるぞ ! ! |
ミント | 犬も歩けば棒に当たる。 |
ユーリ | ハァァァッ ! ! |
レイヴン | セヤァァッ ! ! |
ユーリ | ……はぁ、はぁ。おっさん、少し遅かったな。この札はもらったぜ。 |
レイヴン | はぁ…はぁ……。青年…一つ聞いていい ? |
ユーリ | なんだ……。 |
レイヴン | どうして青年とおっさん、カルタの試合してるの… ? |
ユーリ | 仕方ねぇだろ。気づいたらお互いにカルタ大会大人の部の決勝戦まで上り詰めてたんだからよ。 |
ユーリ | まぁ…嫌ならやめてもいいんだぜ ?優勝はオレがいただくけどな。 |
レイヴン | 俺様に勝とうって言うの ? |
ユーリ | 当然だろ |
レイヴン | いやぁ、若いって恐ろしいね。 |
ミント | では次です。猿も木から落ちる。 |
二人 | ハァァァッ ! ! |
ラピード | クゥン……。 |
イクス | ユーリさんとレイヴンさん、二人ともカルタに夢中になってたから置いて来ちゃったけど良かったのかな。 |
ミリーナ | 楽しそうだったし良いんじゃないかしら。私たちは引き続きエステルとカロルを捜しましょう。 |
リタ | ……あぁ、もうっ。どういうことなのよ。科学的に一切説明できないなんて…。 |
ミリーナ | あら。リタじゃない。もしかして調査の帰り ? |
リタ | ええ。奇妙な犬の魔物と謎の力場が発生したからその現象について調べてきたの。 |
リタ | けど、科学的な発生原因がさっぱりわからなくて…はぁ……。 |
リタ | それで、あんたたちは何してるの ?エステルたちと一緒じゃないわけ ? |
イクス | それが…エステルとカロル、どうやら迷子になっているみたいで。 |
リタ | 迷子 ! ? 本当なの ! ? |
ミリーナ | それが…なかなか見つからなくて…。 |
イクス | …もしかしたら誰かに追われているかもしれないんだ。 |
リタ | 何それ ! ? ちょっと目を離した隙にどうしてそんなことになってるのよ ! ? |
カーリャ | それはカーリャたちが知りたいぐらいですよー。 |
コーキス | だよなぁ。 |
リタ | あぁ…もう、研究は後回し !あたしも二人を捜すのに協力する。 |
イクス | ありがとう、リタ。それじゃあ目撃情報があった場所に向かおう。ついてきてくれ。 |
キャラクター | 6話【新年5 人助け】 |
リタ | どういうこと ! ?なんで街の人たちもエステルとガキんちょを捜してんのよ ! ? |
イクス | 助けを求める人、一目会いたい人、お礼をしたい人…老若男女問わず色んな人がエステルとカロルを捜してるみたいだな。 |
ミリーナ | それに街に出ていたはずの鏡映点の人たちも見当たらないわよね。 |
イクス | ケリュケイオンにも戻ってないみたいだしなぁ…。 |
リタ | もう…何がどうなってるのよ。とにかくエステルたちはどこなの。 |
ラピード | バウッ ! バウバウッ ! ! |
リタ | 犬っころ ! ? どうしてここに ! ? |
ユーリ | ラピードが二人を見つけたみたいだ。お前たちも付いてこい。 |
イクス | ユーリさん ! レイヴンさんも ! |
レイヴン | はぁ……。 |
リタ | ちょ、ちょっと。あんた具合でも悪いわけ… ? |
レイヴン | おっさん…燃え尽きたの……。 |
ユーリ | カルタ大会の優勝を逃して落ち込んでるだけだ。 |
リタ | 何よ、それだけ ?心配して損したわ。 |
イクス | レイヴンさん、元気出してください。 |
ミリーナ | 準優勝だって凄いですよ。 |
レイヴン | イクスくん…ミリーナちゃん…。本当、君たちは良い子よね…。 |
ラピード | ワン。 |
レイヴン | わんこもあんがとさん。 |
イクス | 優勝はユーリさんだったんですね。おめでとうございます。 |
ユーリ | ありがとな。ラピードが二人を見つけてくれるまでの時間つぶしだったんだが熱い戦いだったぜ。 |
ユーリ | で、カロルとエステルは… |
アーチェ | 年賀状を届けてくればいいの ?あたしに任せて ! 箒ですぐだからさ。 |
エステル | はい。よろしくお願いします。 |
マギルゥ | お笑いの公演を儂に頼みたいというわけか。よかろう、人々の新年初笑いはこの儂が咲かせてみせよう。 |
カロル | ありがとう !マギルゥ、よろしくね ! |
コーキス | うひゃー。鏡映点が勢揃い。みんなここに集まってたのかよ。 |
リタ | エステル ! ガキんちょ !あんたたち何してるのよ ! |
エステル | リタ ! ? リタじゃないですか !無事だったんですね ! |
カロル | ユーリたちと一緒にいたんだ。よかったぁ…心配してたんだよ。 |
リタ | それはこっちの台詞。あんたたち迷子になっただけだったの ?それとも誰かに追われてたの ? |
リタ | 聞き込みしたら街の人たちほぼ全員があんたたちのこと捜してるしどういうことなわけ ? |
エステル | えっ…わたしたちは迷子でも誰かに追われていたわけでもありませんよ。 |
カロル | 街の人たちのことは…困った人を助けてて気がついたら有名になってたからかなぁ。 |
リタ | …話が見えないんだけど。 |
エステル | リタの方こそ迷子になって大変でしたよね。 |
カロル | 困り果ててうなり声をあげながら彷徨っていたって聞いたよ。 |
リタ | なによそれ。あたしは迷子になんてなってないわよ。 |
ユーリ | なんとなく話が見えてきたな。 |
リタ | そうね…。 |
エステル | どういうことです ? |
ユーリ | お互い捜していたと思ったら捜されていたってこった。 |
イクス | とりあえずケリュケイオンに戻って今までのことを話しましょう。 |
ユーリ | カロル、そっちは大丈夫か ? |
カロル | うん。いま一段落ついたところだから。それじゃあ行こう。 |
キャラクター | #N/A |
ルル | ナァ ! ! |
ユリウス | 皆、気をつけてくれ。この先に猫火がいるようだ。 |
エル | な、なんだか気味が悪いな…。 |
リタ | ……はやく行くわよ。 |
エル | ちょっと ! リタ !一人で行ったら危ないってば ! |
リタ | あんたがビビってちんたらしてるのがいけないんでしょ ! |
リタ | あたしははやく猫火をぶっ倒してこんなくだらないこと終わりにしたいのよ ! |
エル | …それだけじゃないんでしょ ? |
リタ | それだけよ。何をわかってる風にいっちゃってさ。 |
エル | リタの様子見てればわかるって !だってボクたち仲間じゃないか ! |
リタ | ……。 |
エステル | まだ…わたしの幻聴がするのですよね。 |
ミリーナ | リタ。猫火と戦う前に一度、自分の気持ちを整理してみるのもいいんじゃないかしら ? |
リタ | …もうみんな気づいてるんでしょ。猫火にくべられたのはあたしの感情だって。 |
エステル | リタ、どうして……。 |
リタ | だって、ミリーナもミントもシェリアもケリュケイオンにはエステルと気が合いそうな人がたくさんいる…。 |
リタ | エステルは…新しい友達ができたらきっとあたしのこと忘れちゃう。 |
リタ | そう考えたとき…あたしは思ったの…。エステルのことを失いたくないって…。 |
ユリウス | そして同時に、猫火が現れたと…。 |
ミリーナ | 確かに…みんなでカルタをする予定も流れてエステルは私以外にまだ誰とも知り合ってないわね…。 |
エル | そういえばミントが去ったと同時にエステルが戻って来たよね…。あれも偶然じゃなかったってこと…。 |
リタ | こんな非科学的な話、信じられなかったけどたぶん、猫火が現れたのはあたしのせいなのよね……。 |
エステル | ―― ! |
リタ | ちょ、ちょっと ?エステル、どうしたの ! ? |
エステル | ……っ ! ! |
ユリウス | もしかして…話せないのか ? |
エル | な、なんでエステルが ! ?どういことなの ! ? |
ミリーナ | これって……。 |
リタ | そ、そんな…。けど……えぇ…。文献の解釈と一致する。古来、\"事\"と\"言\"は同一だった。 |
リタ | あたしがエステルの\"事\"を失いたくないと願ったから…代わりに、エステルの\"言\"が奪われた…。 |
リタ | …ごめん、エステル !あたしが変なこと考えたばっかりに… ! |
エステル | …………。 |
ルル | ナァーッ ! ! |
ユリウス | いよいよ猫火のお出ましか ! |
エル | あの姿…エステル…… ! ? |
猫火 | リタ。安心してください。わたしはリタとしか仲良くしませんよ。リタ以外、わたしはどうでもいいんです。 |
リタ | 変なこと言うんじゃないわよ !そんなの…エステルじゃない ! |
リタ | ミリーナと話してるエステルを見て確かにあたしは…怖くなったけど…。 |
リタ | けど、すぐ誰とでも打ち解けて偏屈な研究者にも友達だって言ってくる…それがあたしの好きなエステルなのよ ! |
エステル | …………。 |
リタ | ごめん…エステル。ちゃんとあたしが…片をつけるから…。 |
エル | なに一人で行こうとしてるんだよ。ボクだって手伝うからね。 |
ユリウス | あまり無茶をするな…と言いたいが。…大切な仲間のために、か。俺も言えた義理じゃないな。 |
ミリーナ | …リタ、ここで終わらせちゃいましょ。 |
リタ | えぇ…。絶対に…エステルの\"言\"を返してもらうわ ! |
キャラクター | 7話【新年6 力場】 |
エステル | えっと…それじゃあ…。今回のことは……。 |
カロル | すべて…ボクたちの早とちり…。 |
二人 | ごめんなさい…。 |
イクス | そんな…謝ることないって。 |
ミリーナ | そうよ。誰にでも勘違いはあることでしょう ?気にすることないわ。 |
カロル | けど…。 |
ユーリ | それにお前たちのおかげで助けられた人たちが大勢いるってことも事実だからな。 |
レイヴン | 色々あったけど丸く収まったじゃない。むしろ誇ってもいいと思うけど。 |
カロル | ユーリ…レイヴン…。 |
リタ | あたしも別に責める気はないから。確かに早とちりだったかもしれないけど元々はあたしが原因だし…それに…。 |
リタ | …あたしのこと心配してくれたんでしょ。だから…その……ありがと。 |
エステル | リタ…。こちらこそ、ありがとうございます。 |
レイヴン | リタっち、また照れちゃってー。おっさんにもそんな表情、してくれたことないのに~。 |
リタ | ファイアボール ! |
レイヴン | ちょ、ちょっと ! 危ないじゃないの ! !元旦だからっておっさんをお焚き上げしようとしちゃダメよ ! |
リタ | うっさいわね。こっちはやることがあるのよ。おっさんに構ってる時間はないから。 |
ユーリ | 科学的に説明ができない謎の力場と犬の魔物について調査してたんだよな。 |
リタ | 力場の中心地点が北東にある神殿ってことまでは調べたわ。 |
エステル | そこから変な犬の魔物も出現してるんですよね。 |
レイヴン | そして北東の神殿に元凶…核となってる親玉の魔物も居座っていると。 |
カロル | ならどうするかは簡単だね。 |
リタ | けど北東の神殿に行くのは難しいわよ。 |
エステル | 力場の影響ですね。 |
リタ | …ええ。進めば進むほど気分が悪くなっていくのよ。あの力場さえなんとかできれば…。 |
イクス | 北東の神殿か…。 |
ミリーナ | 方位は鬼門よね。 |
レイヴン | …鬼門 ? |
イクス | 鬼門は北東のことですよ。吉凶の作用が大きく特に注意すべきと言われている方位です。 |
イクス | これも大昔にビフレストから伝わった文化で鏡士では気にする人もいたみたいですね。 |
ミリーナ | 去年は大陸の具現化、鏡震、政治不信…色々なことがあったわよね…。言い伝えを元に考えると……。 |
ミリーナ | 恐らく、人々の不安な心の影響を受けて、鬼門…北東の神殿に怪異が現れたのが事態の真相…ということになるわね。 |
リタ | そ、そんなまさか…。 |
カロル | …か、怪異ってお化けだよね。 |
イクス | 待て。今日手に入った怪異について纏められた古書には……。……そうか、つながったぞ。 |
イクス | リタが言っていた犬の魔物が怪異だろうな。今年は戌年…だから今年この地を守護してくれる土地神の十二支も戌だ。 |
イクス | たぶん、鬼門で待ち構えているのは怪異になってしまった土地神の戌…怪戌。 |
カロル | 怪戌を倒せばちゃんと土地神の戌に戻ってくれるんだよね ? |
イクス | ああ。そうすれば他の魑魅魍魎も消えてくれてすべて解決だ。けど…力場をどうにかしないと……。 |
ユーリ | リタ、現時点での力場の状況を観測してくれ。 |
リタ | それならすぐできるけど…って、なにこれ ! ?なんで力場が弱まってるの ! ? |
エステル | ユーリ、どういうことですか ! ? |
ユーリ | オレに聞くより自分がしてきたことを思い返してみろよ。 |
ユーリ | ずっとエステルとカロルは困っている人を助けてきただろ。それもすごい数のよ。 |
イクス | そうか… ! だから力場が弱まったのか ! |
カロル | ボクたちがやってきたことは無駄じゃなかったんだね。 |
リタ | それどころか大手柄よ。いまなら神殿に近づけるわよ。 |
ユーリ | 二人とも、よくやったな。 |
カロル | や、やった ! |
エステル | ちゃんと仲間の役にも立てましたね ! |
ユーリ | イクス、レイヴン。いまのうちに神殿に向かうぞ。こっからは戦い漬けだ。 |
カロル | それならボクも一緒に行くよ ! |
ユーリ | カロル、無理は禁物だぜ。こっからはオレにも凜々の明星の新年初仕事、手伝わせてくれるよな ? |
カロル | …ユーリ、わかった。それじゃあ、頼むよ ! |
レイヴン | 野郎と一緒にお化け退治ねぇ。全然嬉しくないからとっとと片付けて戻るとしましょ。 |
ミリーナ | イクス、気をつけてね。こっちのことは任せて。それから鬼門に向かうなら―― |
イクス | 裏鬼門の動物――戌、酉、申を連れて行け、だろ ?ありがとう、すぐ準備するよ。 |
ラピード | ワウン ! |
キャラクター | 8話【新年9 選ばれし戌、酉、申】 |
レイヴン | 鬼門と対を成す方位の十二支戌、酉、申…つまり犬、鳥、猿が鬼門で待ち構える怪異退治の鍵ねぇ。 |
イクス | はい。そのとおりです。 |
ユーリ | 鬼退治の物語のお供も犬、鳥、猿だったしそう言われると確かにな。けど戌はラピードだとしても…。 |
フェニックス | 我が名は不死鳥 !我が名は―― |
ミュウ | フェニックスさん、よろしくですの !ちなみにボクはご主人様にブタザルって呼ばれてるので申なのですの ! |
ユーリ | 酉と申は明らかに違うだろ ! |
イクス | すいません…時間がなくて……。 |
レイヴン | 女の子も加わったしいいじゃない。エドナちゃんがいるからおっさん、やる気でてきたわよ。 |
エドナ | どうでもいいけど怪異がいるとかいう神殿はどこなの ? |
ルーク | この先だと思うぜ。 |
ラピード | ワウン。 |
ユーリ | やっぱり怪異がわんさかいるみたいだな。 |
ルーク | いっそ正面突破してみるか。ユーリ、どっちが怪異を多く倒せるか勝負しようぜ。 |
ユーリ | お前との新年初勝負か。オレは別に構わないぜ。 |
エドナ | 何を勝手に話を進めているの。少しは筋肉じゃなくて脳みそ使ったら ? |
ユーリ | 生憎、これがオレたちのやり方なもんでな。ここまで一緒に来てわかっただろ ? |
ルーク | メンドーとかいいつつちゃんと援護してくれるしなんだかんだ付き合いいいよな。 |
エドナ | ただの暇つぶしよ。 |
レイヴン | んで、マジな話どうするわけ ?あの数の怪異を正面突破で倒していくのは切りがないでしょ。 |
イクス | 何か他にいい手は……。 |
ラピード | ワン。ワンワン。 |
ミュウ | ミュウ~♪ |
フェニックス | 汝らの忠誠心…感涙の極みだっ ! ! |
エドナ | わんこは戦いにも参加できるしミボがいつも世話になってるから目をつぶるわ。けど……。 |
エドナ | 申と酉、いらなかったわね。 |
ルーク | そんなことねぇよ。けっこうミュウは頼りになるんだぜ。 |
ミュウ | ボクはご主人様に蹴っ飛ばされて鍛えられたですの ! |
フェニックス | ううっ…我は吊されていたが汝も主がため過酷な試練を乗り越えてきたのだな。 |
ルーク | お、おい。ミュウ…余計なこと言うなよ。 |
コーキス | マ、マスター。俺も蹴飛ばされたり、吊されたりするのか…。 |
イクス | 安心してくれ。そんなことしないから。 |
ラピード | ワンワン ! |
ユーリ | ははっ。オレも好き勝手やってるけどラピードだって楽しんでるだろ ?これからも頼むぜ、相棒。 |
レイヴン | いいなぁ…。おっさんもおっさんのために一生懸命になってくれる小動物欲しくなってきたわよ…。 |
ユーリ | おっさんはまず自分自身の面倒をちゃんと見られるようになってからだな。 |
レイヴン | あら。言われちゃった。 |
イクス | …よし。それじゃあ申、酉、戌を頼りにちょっと作戦を考えてみるか。 |
ユーリ | …作戦 ? 何か思いついたみたいだな。 |
イクス | みんな、頼めるか ? |
ミュウ | はいですの ! |
フェニックス | 我が力、思い知らせてくれよう ! ! |
ラピード | ワオーンッ ! ! |
キャラクター | 10話【新年10 凜々の明星】 |
カロル | 怪戌も倒してこれで一件落着だね。 |
ユーリ | ああ。お疲れさん。そんじゃ、初詣もすんだことだし適当にぶらぶら歩くとするか。 |
ラピード | ワン。 |
リタ | それにしても怪異っての、謎の多い魔物だったわね。 |
レイヴン | 汗水たらして働いてたっていうのにこの話をしても普通の人は信じちゃくれないだろうね。 |
エステル | いいじゃないですか。こうして穏やかなお正月を取り戻せたわけですから。 |
ユーリ | そういうこった。別に称賛されるためにやったわけじゃない。そうだろ ? |
レイヴン | まぁ、それもそうよね。 |
ミリーナ | リタ、エステル。ここにいたのね。新年初女子会、みんな参加してくれるって言ってたわよ。 |
エステル | 女子会 ! ?わたしもお邪魔してかまいませんか ! ? |
リタ | 当然でしょ。まだちゃんと挨拶してない人もいるわよね ?せっかくの機会なんだから話してみなさい。 |
リタ | きっと新しく仲良くなれる人とも出会えると思うわ。 |
エステル | リタ…。ありがとうございます。 |
リタ | べ、別に…。 |
リタ | ほら ! 福袋欲しがってたわよね !女子会が始まる前に買っちゃうわよ !急いで ! |
エステル | あっ…ちょっとリタ !待ってくださいよ !えっと…ユーリ、行ってきますね。 |
ユーリ | おう。楽しんで来い。 |
イクス | あっ、ユーリさん。カイルとルークが羽子板勝負したいって捜してましたよ。 |
ユーリ | またあいつらかよ。遊び相手ならジューダスとガイがいるじゃねぇか。 |
ユーリ | まぁ…あいつらの顔を真っ黒にしてやるのも一興だな。行こうぜ、カロル、ラピード。 |
カロル | あっ ! ちょっと、ユーリ !待ってってば ! |
ラピード | ワン ! |
レイヴン | それじゃあおっさんも女子会に向かうとしようかなぁ。 |
ミリーナ | …………ふふっ、レイヴンさんったら♪ |
レイヴン | ミリーナちゃん…笑顔が怖いよ。冗談だってば。 |
レイヴン | けど、誰も相手にしてくれないのおっさん寂しいわぁ。 |
イクス | この後、スレイやミクリオやジュードたちと怪異の歴史について勉強するんですけどよければ来ますか ? |
レイヴン | …いいや。おっさんはおっさんと仲良く過ごすとするよ。それじゃあ、またね。若人よ。 |
イクス | あれ、レイヴンさんケリュケイオンとは逆の方に…。 |
ミリーナ | きっとガロウズさんのところだわ。二人で飲みに行く約束をしていたみたいだし。 |
イクス | あぁ、そういうことか。あの二人、よく話してるもんな。 |
イクス | それじゃあ俺たちもケリュケイオンに戻ろうか。 |
ミリーナ | …待って。イクスは…初詣で何をお願いした ? |
イクス | 初詣での願いって人に言ったら叶わなくなるだろ。いくらミリーナでも秘密だよ。 |
ミリーナ | …そっか、そうよね。 |
イクス | 大きすぎる願いかもしれないけど願い…叶うといいな。 |
ミリーナ | …きっと叶うわよ。 |
イクス | ありがとう。ミリーナの願いも叶うといいな。 |
ミリーナ | 私は…叶えてみせる。 |
イクス | …ミリーナ ? |
ミリーナ | イクス、忘れないでね。私の願い…叶うといいなって言ってくれたこと。 |