キャラクター | 1話【戦略1 食糧と資金、物資の調達】 |
ミリーナ | 私たち、騙されてたみたいね。こっちにも検問が敷かれているわよ。 |
ファラ | ごめんなさい。シェリアの言ったとおり闇市の商人との取引なんてやめておいた方がよかったね……。 |
シェリア | 最終的に、食材や物資の確保のために危険を覚悟で取引しようと決めたのは私たち全員でしょう ? 謝ることないわ。 |
ミリーナ | それにアスガルド帝国に追われうかうか外出もできなくなった原因は私にあるわ。 |
ミリーナ | 王宮からの支援もなくなって食料、物資、資金……何もかもが底をつきそうな状況になってしまった。 |
ミリーナ | 謝って済むとは思ってないけれど本当にごめんなさい……。 |
ファラ | ミリーナこそもう謝らないでよ。わたしも、気持ちはわかるけど……あまり自分を責めるのはよくないよ。 |
シェリア | だから変な気を起こさないでね。一人で抱え込まずにちゃんと話して。 |
ミリーナ | ええ、ありがとう。 |
ミリーナ | とにかく今はここから脱出しないと。取り囲まれるのも時間の問題よ。 |
コーキス | ミリーナ様 ! こっちです ! |
スレイ | 古い地下水道を見つけたよ。そこを通れば街の外に出られる。 |
ミリーナ | コーキス、スレイさん。ありがとう、助かったわ。 |
アスガルド兵 | 見つけたぞ ! |
スレイ | 急いで ! |
ミリーナ | コーキス、地下水道への入り口はこの先 ? |
コーキス | はい ! もうすぐ……って、あれ ! ? |
コーキス | なんで通行止めになってるんだ ! ? |
シェリア | ここにも検問が敷かれたのかしら。 |
ファラ | うーん……よく見えないけどそうじゃないみたい。荷馬車があるみたいだけど……。 |
アスガルド兵 | こっちだ ! 逃がすな ! |
ミリーナ | 追って来たわ。もう……こうなったら。 |
??? | あちゃー。また荷馬車、ひっくり返しちゃったよ。 |
??? | 急に曲がろうとするな。危ないだろうが。 |
スレイ | えっ…ちょっと待って。 |
??? | いやー、なんか曲がった方が近道かなと思って……うん ? |
スレイ | ロゼ ! それにデゼルじゃないか ! |
ロゼ | スレイ ! ? えっ、ちょっとマジで ! ? |
デゼル | ようやく知り合いに会えたな。 |
ロゼ | 久しぶり。元気にしてた ? |
スレイ | ロゼ、デゼル。いきなりだけどかくまってくれないか ?オレたち事情があって追われてるんだ。 |
デゼル | オレたち ?後ろにいるそいつらは仲間か ? |
スレイ | そうだよ。 |
ロゼ | わかった。全員、荷台に隠れてて。後はあたしがなんとかするから。 |
ミリーナ | ありがとうございます。 |
ロゼ | そういうのは後。ほら、早くして。街の外まで出荷してあげる。 |
キャラクター | 2話【戦略2 セキレイの羽、結成?】 |
ロゼ | なるほどねぇ。今までにそんなことがあってミリーナたちは追われることになったと。 |
ミリーナ | ええ。ロゼ、デゼルさん。さっきは助けてくれてありがとう。 |
ロゼ | いいっていいって。 |
デゼル | ……やはりここは異世界なのか。 |
ロゼ | それ今さら ?あたしたちなりに情報収集してとっくの昔にそう結論だしたじゃん。 |
ミリーナ | 二人のようにまだ出会ってない鏡映点がきっと他にもたくさんいるのよね……。巻き込んでしまってごめんなさい……。 |
コーキス | ミリーナ様……。 |
ロゼ | 気にすんなって。まぁ、具現化されちゃったもんはしょうがないしさ。 |
デゼル | もう元の世界には戻れないんだな ? |
ミリーナ | そうよ。 |
デゼル | ……わかった。 |
スレイ | ……デゼル。 |
ロゼ | よし。これでもう現状確認はオッケー。 |
スレイ | アジトにミクリオとエドナ、それからアリーシャもいるんだ。ロゼとデゼルも一緒に来ない ? |
ロゼ | へぇ、アリーシャ姫……じゃなかった。アリーシャもいるんだ。なんだかすごいことになってるな。 |
デゼル | それで、どうする ? |
ロゼ | 会うのは後。まずは食料や物資の不足を解決しないとでしょ。 |
スレイ | ロゼはこの世界でも商人の仕事をしてるんだよね。 |
コーキス | もしかして、馬車にあった食材、売ってくれるのか ! ? |
ロゼ | いやいや、売るわけないじゃん。むしろ買うな。 |
コーキス | ど、どうして ! ?俺たちいま本当に困ってて―― |
ミリーナ | コーキス、待って。 |
コーキス | え ? は、はい……。 |
ミリーナ | ロゼ、つまりこういうことよね ? |
ミリーナ | 長期的にみたとき良い選択とはいえないから。ある意味ではお金がもったいないっていう。 |
ロゼ | そうそう ! そういうこと !ミリーナ、話早いじゃん ! |
デゼル | おい。まさかあの話、引き受けるのか ? |
ロゼ | 当然でしょ。人手と資金が足りなかったから断っただけだし。セキレイの羽でだったら受けてたよ。 |
スレイ | あの話っていうのは ? |
ロゼ | おいしい儲け話。ちょっと下準備が大変だけどね。 |
ミリーナ | その話、乗るわ。 |
ロゼ | ちょっと ! 今度は話早すぎ !まだあたし何も言ってないんだけど ! ? |
ミリーナ | ロゼとデゼルさんは私たちの仲間だとまだ敵側に割れていない。つまり自由に身動きが取れる。 |
ミリーナ | しかも商人の仕事をしているから大量の物資を運搬していても怪しまれない。もう、ロゼを当てにするしかないわ。 |
ロゼ | ご贔屓にどうも。それじゃあ取引成立ね。ではではさっそく市場の建設計画に取りかかろっか。 |
スレイ | 市場の建設計画 ! ? |
ロゼ | 他の商人仲間からも頼まれてたんだよ。市場のまとめ役をやってくれってさ。 |
ミリーナ | 市場……。食材と流通経路だけじゃなくある程度の収入も確保できるわね。 |
ロゼ | 長期的にみても得でしょ ?というか収入がない状態のままが一番マズいしさ。 |
ロゼ | というわけでまずは仕入れ先候補の農家に行くよ。色々と話つけなくちゃだから。 |
ロゼ | 他にもやることはたくさんあるから何人か寄こしてくれる ? |
ミリーナ | わかったわ。誰か協力してくれないか聞いてみるわね。 |
ロゼ | デゼルは他の商人たちへの伝令よろしく。 |
デゼル | ……。 |
ロゼ | おーい、聞こえてる ? |
デゼル | あ、あぁ。大丈夫だ。 |
ロゼ | それじゃあ出発ね ! |
キャラクター | 3話【戦略3 依頼を受けよう】 |
デゼル | 戻ったぞ。 |
スレイ | デゼル、お疲れさま。早かったね。 |
デゼル | ロゼは ? |
スレイ | いま農家の人と話しているところだよ。 |
デゼル | そうか……。 |
スレイ | えっと……大丈夫 ? |
デゼル | 何がだ ? |
スレイ | もうオレたちは元の世界に帰ることはできないだろう ?それってつまり……。 |
デゼル | 復讐のことか……。 |
スレイ | デゼルと同じような人にこの世界で出会ったんだ。ベルベットっていうんだけどさ。 |
スレイ | デゼルも復讐のために生きてきたって言ってたよね。だから……大丈夫かなと思って。 |
デゼル | 余計なお世話だ。 |
スレイ | ごめん……。 |
デゼル | ……安心しろ。すべきことはわかってる。いまはあいつのために動く。 |
スレイ | ロゼのため ? |
デゼル | ずっと利用してきたからな。簡単に言えば……罪滅ぼしさ。 |
ロゼ | おっ、二人とも何の話してるの ? |
デゼル | なんでもねぇ。それより次の仕事は ? |
ロゼ | デゼル、なんだか張り切ってるね。無事に農家の人と契約も結べたしこれから忙しくなるから助かるけど。 |
ミリーナ | ロゼ、手伝ってくれる人たちを連れてきたわよ。 |
ロゼ | サンキュー。それじゃあこのあたりの畑を荒らすっていう魔物を退治するとしますか。 |
コーキス | ……魔物退治 ? |
スレイ | 魔物の被害で作物が収穫できないと農家の人もオレたちも困るから……ってこと ? |
ロゼ | そういうこと。 |
コーキス | そりゃまぁ確かにそうだな。じゃあ、俺もしっかり働くか。 |
ミリーナ | そういえば、物資輸送中に盗賊に襲われる被害も発生していると聞いたわ。 |
ミリーナ | まず、魔物を倒すくらいの力があるとわかってもらうことも重要よね。 |
ミリーナ | 輸送トラブルに対処するくらいの力があると信頼にも繋がるかもしれないわ。 |
ロゼ | そうそう。商売に大切なのは信頼関係。窓口のあたしは何だかんだでよそ者だしまずは地元の人に信頼してもらわないとね。 |
ロゼ | 他にも色々やることあるからテキパキやっていこう。それじゃあ行動開始 ! |
キャラクター | 4話【戦略5 堅実な方法で】 |
ロゼ | よっしゃ。ここのあたりの魔物はおおむね倒したね。一仕事した後のおやつは最高~♪ |
スレイ | そのおやつ、ミクリオの手作りだよ。出発するときに持って行けって渡されたんだ。美味しいよね。 |
デゼル | あいつ……また腕を上げたな。 |
スレイ | 料理が得意な人もけっこう多いからな。 |
ロゼ | へぇ、そうなんだ……。 |
コーキス | どうかしたのか ? |
ロゼ | いいや。まぁ、とにかくさ休憩終わったら他の農家のところにも出発ね。 |
ミリーナ | 近くに洞窟があったわよ。一応魔物がいないか確認しておいた方がいいんじゃないかしら ? |
デゼル | それなら俺が調べてきた。何もなかったから安心しろ。 |
ロゼ | やるじゃん、デゼル。けどあんまり飛ばしすぎんなよ。 |
デゼル | 問題ない。 |
メルディ | ロゼ ! ここにいたか !レッドソディ持ってきたよ ! |
ロゼ | メルディ、ありがと !この赤い実だよね ! ? |
メルディ | はいな ! |
ロゼ | はむっ…ガリッ。 |
スレイ | ロゼ ! ? なんでそのまま食べてるの ! ?レッドソディってすごく辛いんだよ ! ? |
ロゼ | 知ってるってば……って、うん ? |
ロゼ | か……からーいっ ! !これは、ごほっ……想像以上…… ! |
デゼル | ロゼ、水だ。 |
ロゼ | ありがと……ひぃ、舌がひりひりする。けど……これはきっと売れるね。 |
キール | 売り物にするつもりなのか ! ?このレッドソディを ! ? |
ロゼ | もちろん。各大陸の名産品は高く売れるんだって。 |
ミリーナ | あぁ、いきなり食べ出して驚いたけどさっきのは味見だったのね。 |
コーキス | 味見 ? |
ミリーナ | 売るからには責任を持たないと。だから実際に自分でも確認したのよね ? |
ロゼ | そういうこと。というかミリーナって本当に話が早いよね。もしかしてあたしの心、読んでるの ? |
ミリーナ | ふふ……。今「さすがにそれはないよな……」って思ってたでしょう ? |
ロゼ | うっそ、正解 ! |
コーキス | 今のは俺でもわかったけどな……。 |
キール | 思慮深いのか単純なのかよくわからない奴だな……。 |
メルディ | レッドソディみんなに食べてもらえるのメルディ嬉しいよ。たくさん採ってくるな。 |
ロゼ | うん、よろしくー♪ |
ミリーナ | 私たちもそろそろ行きましょうか。 |
デゼル | 俺は先に向かってる。 |
スレイ | あっ、ちょっと ! デゼル ! |
ロゼ | 本当に張り切ってるなぁ。まぁ、いいけど。 |
ロゼ | それじゃあおやつも食べ終わったことだし次の農家に出発だ。 |
キャラクター | 5話【戦略6 信用第一】 |
ロゼ | レイア、パレンジ農家との契約よろしく ! |
レイア | 任せて ! 頑張って交渉して安く仕入れてくるよ ! |
ロゼ | うん ? さっき指定した単価でいいけど ? |
レイア | そうなの ?安く仕入れた方がお得なんじゃない ? |
ミリーナ | 私たちにとってはお得だけど農家の人にとってはそうとは言えないからじゃないかしら。 |
ロゼ | そうそう。パレンジのあの品質をそのままに大量生産はできないでしょ。 |
ロゼ | 手間かかるものならその分をちゃんと払わないと。下手したら農家の人、廃業しちゃうよ。 |
レイア | 言われてみれば……。農家の人に負担をかけるようなことはわたしも嫌だな……。 |
ロゼ | 先も立ち、我も立つ。互いに得するよう取引するのが良い商人ってわけ。 |
ロゼ | ってわけでレイア、さっきの単価でよろしく ! |
レイア | オッケー ! 行ってくるね ! |
ロゼ | よしよし。ここまではバッチリ。仕入れ先巡りもあと少しで終わりだよ。 |
デゼル | 俺はここで薬草を集めた後、荷造りをすればいいんだな ? |
ロゼ | うん。それじゃあライフィセット、アイゼン、マギルゥもデゼルと一緒によろしくね。 |
ライフィセット | 二人とも、がんばろうね。 |
マギルゥ | 仕方ないのぅ。まったく魔女使いが荒い奴らじゃ。 |
アイゼン | …………。 |
デゼル | …………。 |
ロゼ | ちょっと。二人とも何ぼけっとしてるの。 |
デゼル | いや……。 |
アイゼン | なにか俺に話でもあるのか ? |
デゼル | 何もない。 |
ロゼ | だったら仕事開始。ほらほら。 |
マギルゥ | なんじゃお前は。儂らのことを聞いとらんのか ? |
ロゼ | スレイから一通り聞いたけど ?だからどうかしたの ? |
マギルゥ | なるほど。話していてわかったわい。お主も……いや、お主は目的以外心底どーでもいいというわけか。 |
ロゼ | ……うん ?やるべきことがあるんだからとにかくそっち優先なのは当然でしょ ? |
マギルゥ | あははっ……いやぁ、ごもっともじゃ。果たすべき事があるならなりふり構わずやらねばならんのう。 |
マギルゥ | 儂はお主が嫌いじゃ♪ |
ライフィセット | ちょっと ! マギルゥ ! ! |
ロゼ | あははっ、そうなんだ。それ結構よく言われるんだよね。 |
ロゼ | まぁともかく仕事、よろしく。魔女はどうかしらないけど普通の人間は食べなきゃ死んじゃうからさ。 |
マギルゥ | ……正論じゃな。 |
ロゼ | どうかした ? |
マギルゥ | いいや。ではまたのー。 |
ライフィセット | ちょ、ちょっと ! マギルゥ !待ってよ ! |
アイゼン | デゼル、俺たちも行くぞ。 |
デゼル | わかってる。 |
ミリーナ | コーキスもデゼルさんたちについていってくれる ? |
コーキス | はい。任せて下さい。 |
ロゼ | よーし、あたしたちも行こっか。 |
ミリーナ | ええ。急ぎましょう。 |
キャラクター | 6話【戦略7 不穏な気配】 |
ロゼ | たっだいまー ! 聞いて聞いて !無事にすべての農家と契約完了したよ ! |
ミリーナ | ロゼ、お疲れさま。 |
ロゼ | あっ、そうだ。デゼルたちは ? |
ミリーナ | 仕事が終わったからあっちで休んでるわよ。 |
ライフィセット | アイゼン ! デゼル !こんなおっきなカブトムシ見つけた ! |
コーキス | 俺も見つけたぜっ ! |
アイゼン | 二人ともなかなかだな。だが俺のカブトムシの方が大きい。 |
デゼル | 抜かせ。俺のカブトムシが一番だ。言っておくがこいつは強いぜ。力と素早さを兼ね備えている。 |
アイゼン | なんだと ? |
ライフィセット | 確かに……角も逞しいし足節もしっかりしてる。 |
アイゼン | だが勝負はやってみなければわからない。 |
マギルゥ | そうじゃぞ、坊よ。兜を脱ぐのには早すぎる。カブトムシだけにな。 |
アイゼン | つまらん。男の真剣カブトムシ勝負にちゃちゃをいれるな―― |
デゼル | …………っ。 |
コーキス | デゼル様……もしかして笑ってるのか ? |
デゼル | いや。笑ってない。 |
ライフィセット | えっ。けどいま微かにクスッて―― |
デゼル | 俺は笑ってない。 |
マギルゥ | なんでそんなにかたくななんじゃ……。 |
アイゼン | 男にはメンツというものもある。もう触れてやるな。 |
コーキス | メンツねぇ……。 |
ロゼ | みんな、お疲れ !こっちも一段落ついたよ ! |
デゼル | ロ、ロゼ ! ? もう戻っていたのか ! ? |
ロゼ | まあね。ていうかデゼル、なんか楽しそうだね。 |
デゼル | ……すまない。 |
ロゼ | えっ ? なんで謝るの ? |
デゼル | 別にいいだろ。それより次の仕事は何だ。 |
ロゼ | 市場の建設予定地に荷物の運搬だよ。 |
デゼル | わかった。俺は先に街道の様子を見てくる。 |
ロゼ | ……うーん。 |
ミリーナ | デゼルさんのこと心配なの ? |
ロゼ | ううん。デゼルならちゃんと仕事きっちりやってくれるって信頼してるから。 |
マギルゥ | いやいや、そっちじゃないじゃろうが。 |
ロゼ | ……そっち ? 仕事の話じゃなくて ? |
マギルゥ | それはボケか ? |
ミリーナ | ロゼ、それじゃあさっきは何を考えてたの ? |
ロゼ | こっからどうしようかと思って……。やっぱりこれうまく行き過ぎ。 |
ライフィセット | 何の話 ? |
アイゼン | …………ああ、そういうことか。 |
マギルゥ | なんじゃその意思疎通方法は。これこそさぱらんという奴じゃな。 |
ロゼ | おぉ、ここにもさぱらん使いがいるとは !世界は広いねぇ ! |
コーキス | えっと、俺もさぱらん状態なんだけど……。 |
ミリーナ | アイゼンさんは……仕事柄の勘みたいなところですか ? |
アイゼン | そんなところだ。 |
ロゼ | ミリーナ、すぐに戦力をいまから指定する場所に集めて。囮役は……まぁ、あたしか。 |
ミリーナ | わかったわ。 |
ライフィセット | えっ、なに ? 囮 ?どういうこと ? |
ロゼ | あぁ…えっと、ちょっとマズいかもって話。時は金なりって言うでしょ ?いまは早く行動しないと。 |
ミリーナ | わかったわ。行きましょう。 |
キャラクター | 7話【戦略8 囮】 |
ロゼ | ……デゼル、どうだった ? |
デゼル | もうすぐ現れる。 |
闇市商人 | 悪いが積み荷はすべて置いていってもらう。 |
ロゼ | おっ、さっそくお出ましか。やっぱり闇市の商人が関係してた。しかもきっちり盗賊とも手を組んでるし。 |
ロゼ | けど見た感じだと、いま物資輸送中の他の商人仲間には手を出してないみたいだね。 |
ロゼ | いやぁ、間に合ってよかったぁ。市場にだす品物を全部盗まれちゃうところだったよ。 |
デゼル | だが囮になるのは感心しない。 |
ロゼ | だから作戦だって何回も説明したじゃん。 |
闇市商人 | 作戦だと ? |
エレノア | 貴方たちの方こそ袋のネズミです。 |
アリーシャ | 自警団の元に連行する。 |
闇市商人 | なっ…… ! ? |
ロゼ | なんか順調にいきすぎててモヤモヤしてたんだよね。 |
ミリーナ | 今まで山賊や盗賊による略奪被害が報告されていたにもかかわらず市場の計画が動き始めてから激減した。 |
ミリーナ | 考えてみれば理由は簡単だったわ。私たちがあちこちから物資を集めた後に略奪した方が効率がいいからよね。 |
闇市商人 | ふんっ……お前たちもお尋ね者の分際で。 |
エレノア | 不服ではありますが狙われたり追われたりするのはもう慣れました。 |
アリーシャ | 騎士は守るもののために強くあれ。民のために優しくあれ。いついかなるときでも変わりはしない。 |
エレノア | アリーシャ。その格言、素敵ですね。 |
アリーシャ | ありがとう、エレノア。私の尊敬する師の言葉だ。 |
闇市商人 | ごちゃごちゃと…… !こいつらを叩きつぶせ ! |
デゼル | やる気か。 |
ロゼ | それなら仕方ないね。あたしたちもやるとしますか。 |
エレノア | ……あの二刀の構え。やはり……似ています。 |
ロゼ | エレノア、ボケっとしない。斬られても知らないかんね。 |
エレノア | 心配ご無用です。むしろ気が引き締まりましたから。 |
アリーシャ | 彼らを取り押さえれば後は荷物を運搬するだけだ。 |
ミリーナ | もう少しで市場を開けるわね。 |
コーキス | ミリーナ様、下がってください。ここは俺が―― |
ミリーナ | いいえ、大丈夫よ。私も戦えるわ。 |
デゼル | そうかよ。なら早く終わらせるぞ。 |
ロゼ | 当然 ! 食材の鮮度を落としてたまるもんか !いくよっ ! ! |
キャラクター | 8話【戦略9 市場開業】 |
ロゼ | ついに市場が営業開始したよ !お疲れ ! ! |
コーキス | 色々大変だったけどとりあえず何とかなってよかったぜ。 |
スレイ | そうだね。 |
デゼル | ふぅ……。 |
ロゼ | デゼルもお疲れ。ずっと働いててさすがにクタクタみたいだね。 |
スレイ | デゼル、すごく頑張ってたもんな。ゆっくり休んだ方がいいよ。 |
デゼル | ……そうさせてもらう。 |
ロゼ | それじゃあ、あたしたちは最終仕上げにかかろっか。 |
スレイ | ……えっ ? |
コーキス | あの…ロゼ様 ? |
デゼル | お、おい…まだ何かやるのか ? |
ロゼ | まずは魔物退治かな。地図で示すと……ここのあたり。 |
デゼル | 市場からも離れてる。どうしてわざわざこんな場所の魔物を退治しなくちゃならない。 |
ロゼ | デゼルは休んでていいよ ? |
デゼル | あのなぁ……そういう問題じゃなくて―― |
ミリーナ | ロゼ、準備してきたわよ。私はいつでも出発できるわ。 |
ロゼ | おぉ、さすが !なんかもうミリーナとのやり取りってすべてが楽で最高 ! |
スレイ | ミリーナはわかってたの ! ? |
ミリーナ | 食材の仕入れ量が多かったからどうしてロゼはこうしたんだろうって考えたのよ。 |
ミリーナ | 多分だけど……ロゼは料理屋を開くつもりなのよね ? |
ロゼ | うん ! 料理屋っていうか大衆食堂みたいな感じね ! |
スレイ | ……大衆食堂 ?市場があるのに ? |
ミリーナ | この市場に来る人たちは食材を買いに来ているように見えるわよね。けどそれは本質ではないのよ。 |
ミリーナ | 食材を調理して料理を食べるために来ているとも見ることができるでしょう ? |
ロゼ | そうそう ! まさにそれ ! !だから料理が食べられる場所を作る ! |
ロゼ | 市場の近くにあれば食材の運搬も楽だし余った食材を使えば売れ残る心配も減るでしょ ! |
デゼル | それと魔物退治は何の関係がある ? |
ミリーナ | 魔物退治する場所じゃなくてその先にある場所が重要なのよ。 |
スレイ | ……炭坑 ? |
ミリーナ | 炭坑で働いている人たちは仕事一筋な人が多いわ。そのせいかあまり自炊はしないみたいなのよ。 |
ロゼ | 魔物を退治して、市場への安全な道を整備すれば、何十人って単位で店に来る。お金ガッポリ稼げるよ。 |
ロゼ | そしたら資金不足は解決でしょ。お金があれば日用品とか必要な物資は一通り揃えられるわけよ。 |
ロゼ | 炭坑で働いてる人たちとの繋がりを活かせば研究に必要な貴重な鉱石とかを優先して売ってもらうこともできる。 |
ロゼ | 大量の食料を確保しなくちゃいけない問題は市場ですでに解決済み。 |
ロゼ | つまり、ここまでやってすべて解決。というか資金の確保が最優先事項だしむしろ次の仕事が一番大切ってわけ。 |
コーキス | なるほどな !そんな面倒くせぇこと俺は全然思いつかなかったわ。 |
スレイ | あはは……それはオレも。すごいよね。ずっと商売のこと考えてなくちゃそこまで思い至らないよ。 |
ロゼ | そんな特別なことかな ?スレイとミクリオにとっての遺跡と同じじゃない。 |
ミリーナ | 人にはそれぞれ、得意不得意や向き不向きがある。それだけのことなのかもしれないわね。 |
スレイ | そうか ! なんか納得 !オレ、遺跡についてなら一晩中話していられる ! |
ミリーナ | ……そういえばイクスもスレイさんやミクリオさんたちと朝までずっと遺跡談義をしていたわね……。 |
スレイ | ……そうだね。 |
コーキス | ミリーナ様……。 |
ロゼ | で、ミリーナは気遣いが上手と !もう専属の秘書にしたいくらい ! |
ミリーナ | ふふっ、ありがとう。まだまだだけど少しだけロゼのこともわかってきたわ。 |
ロゼ | 普段、わからないって言われることの方が多いからなんか新鮮な気分。サンキュ、ミリーナ。 |
スレイ | ともかく考えはわかったよ。オレも協力するね。まだまだ戦えるしさ。 |
ロゼ | おぉ、さすが ! スレイもサンキュね ! |
デゼル | 俺も……。 |
ロゼ | デゼルはダメだってば。フラフラだし休んでて。ぶっちゃけ足手まといだよ。 |
デゼル | そんなことはない。俺はお前のために―― |
ロゼ | 違うでしょ。いまデゼルがすべきことはあたしたちと資金、物資、食料の問題を一緒に解決することじゃん。 |
デゼル | それは……そうだが……。 |
ロゼ | いまのデゼルは休むことが仕事なの。わかった ? |
デゼル | …………ああ。 |
ロゼ | ならよしっ♪仲間の傷つく姿なんて見たくないからね。 |
ロゼ | それじゃあすぐに出発 !他の商人たちに先を越されないようにちょい急いでこう ! |
キャラクター | 9話【戦略10 任務完了!】 |
ロゼ | たっだいまー ! ! |
デゼル | お前たち、戻ったか。その様子だと大衆食堂の計画はうまくいったみたいだな |
ロゼ | それがもう満員御礼の大繁盛 !全メニュー、完売だったんだ ! ! |
ロゼ | ミリーナ、シェリア、ファラ、ベルベットに書いてもらったレシピを元に雇った料理人に料理を作ってもらったのね。 |
ロゼ | そしたらそのどれもがすごく美味しいって評判だったんだよ ! ?マジですごくない ! ? |
ミリーナ | ふふっ、これでも追われてる身だからお店の手伝いはできなかったけどそれでも役に立てたならよかったわ。 |
ロゼ | 次はレシピを本にして出版したりすればすごい儲けられそうだよね ! |
スレイ | ロゼ、よくそんなにお金儲けの方法を思いつくよな。さすが商人。 |
コーキス | 大した才能だな。 |
ロゼ | まぁ、それが仕事だからね。 |
ロゼ | あっ、そうだ。デゼル、体調はどう ? |
デゼル | もう大丈夫だ。 |
ロゼ | それならよかった。一応、滋養強壮効果のある木の実取ってきたから渡しとくね。ほいっ。 |
デゼル | うおおっと…… ! ? |
ロゼ | ナイス・キャッチ♪ |
デゼル | おいっ、モノを投げるな ! |
ロゼ | もうフラフラしてないみたいだね。うん、本当に回復してきてるみたいでよかったよ。 |
デゼル | ……ったく、言っただろうが。 |
マギルゥ | まったく……戦えないからとどいつもこいつも儂に雑用ばかり押しつけおって……魔女差別反対じゃ。 |
ロゼ | あれ ? マギルゥじゃん。 |
ミリーナ | どうかしたの ? |
マギルゥ | 早く全員戻ってこいと嬢が言っておったぞ。 |
ロゼ | あっ、そういやエドナとお茶しようって約束してたんだった。 |
マギルゥ | 儂は確かに伝えたからのー。 |
ロゼ | マギルゥ、アジトに戻るんでしょ ?ちょっと話してこうよ。なんでそんな変な格好してるの ? |
マギルゥ | ええいっ、絡んでくるな !失礼な奴じゃな ! |
ロゼ | マギンプイ ! |
マギルゥ | どうでもよくなくないわい ! ! |
ロゼ | あっ ! 待ってってば ! |
ミリーナ | 二人とも !アジトは反対方向よ ! ! |
コーキス | 鏡映点ってのは、変わり者が多いなぁ……。 |
ロゼ | デゼルたちも早く ! 置いていっちゃうよ ! |
デゼル | ふっ……本当に、あいつは。 |
スレイ | なんだかデゼル、嬉しそうだね。 |
デゼル | どこがだよ。結局肝心なところでバテて罪滅ぼしもできなかったんだぞ。 |
スレイ | それよりも大切なものを見つけられたからじゃないかな。 |
デゼル | あいつが嬉しそうにしてれば俺は、それだけで……。 |
デゼル | とでも言わせたいのか ?復讐のことを忘れたわけじゃねぇからな。 |
スレイ | わかってるよ。それじゃあオレたちもアジトに行こう。 |
デゼル | ああ。よろしくな。 |
キャラクター | 10話【戦略10 任務完了!】 |
ロゼ | ミリーナのビスケットおいしいっ !何枚でもいけるよ ! ! |
デゼル | 服にこぼすな ! 行儀が悪いぞ ! |
ロゼ | おぉっと。悪ぃ、悪ぃ。 |
ミリーナ | ふふっ……いま拭いてあげるわね。ロゼってば可愛いんだから ! |
ロゼ | なになにー、ミリーナってば。そういうこと言われるとあたし、本気になっちゃうよー ? |
スレイ | ロゼ。ふざけすぎだと思うよ。 |
エドナ | 言動が完全におっさんよね。 |
ロゼ | えへへっ。冗談冗談。 |
ミクリオ | ちなみにスレイもビスケットの欠片、服に少しついてるぞ。 |
スレイ | オレは自分で取れるから。こうやって……ほらねっ。 |
ミクリオ | なんで誇らしげなんだよ。 |
デゼル | ところで……その、さっきから視線が気になるんだが。 |
アリーシャ | デゼル様、お構いなく。私はこうして一歩距離を置きお姿を眺めているだけで幸せですので。 |
ロゼ | アリーシャってそんなに天族が好きな人だったんだね。 |
アリーシャ | 変わっていると思うか ? |
ロゼ | いいや。というか人それぞれ違うのは当たり前なんだから変わってるも何もないと思うんだけど。 |
アリーシャ | なるほど。それはそうだ。 |
スレイ | ロゼはロゼ、だからね。 |
ミリーナ | ロゼ……ありがとう。私だけじゃきっと何も解決できなかったわ。本当に、本当にありがとう。 |
コーキス | ミリーナ様、それ……俺もです。 |
コーキス | ロゼ様、俺からも改めて礼を言わせてくれ。俺も全く役に立たなかった。色々助けてくれて本当にありがとう。 |
ロゼ | もう、二人とも何言ってんの ?ミリーナだけで解決できるわけないじゃん。コーキスと二人でも無理。 |
ロゼ | もちろん、あたしだけでも成し遂げられなかった。 |
ロゼ | 全員で力を合わせたから何とかなった。それだけでしょ ? |
ミリーナ | ええ……。 |
ロゼ | というわけでデゼル、そろそろ行こうか。 |
デゼル | わかった。 |
コーキス | 行くってどこに ? |
ロゼ | 仕事だよ。まだまだお金稼いでやるぜ。こっちのことはあたしに任せてよ。 |
ミリーナ | 任せていいの ? |
ロゼ | 適材適所ってやつだよ。あたしは研究とか炊事洗濯してるよりこっちの方が向いてるしさ。 |
ロゼ | それに、ミリーナはイクスって奴を助けたいんでしょ。それなら、そっちに集中しなよ。 |
ミリーナ | ……ええ。ありがとう。絶対に助けてみせるわ。 |