キャラクター | 1話【未来への選択】 |
| これはほんの少し未来の物語。今はまだ幻ではあるけれどやがてこの世界に顕現する未来図。 |
| そのほんの一部を今ここに―― |
ミトス | ……あれ ? ここは一体……。 |
ノイシュ | きゅーん……。ワフッワフッ。 |
ミトス | ふふ、そうか。お前の不思議な力のせいだね、ノイシュ。 |
ミトス | お前のプロトゾーンの力が、ボクを一時的に未来に追いやったんだ。違う ? |
ノイシュ | ワフッワフッ ! |
ロイド | ……ミトス、それにノイシュも。ここにいたのか。 |
ミトス | ………………。 |
ロイド | アジトからいなくなったからみんな心配してるぞ。 |
ミトス | ……そう。もう少ししたら戻るよ。 |
ロイド | ……ミトス。 |
ロイド | お前が■■■■■■を■■■ために命を削る覚悟で俺たちのところに来たのはわかってる。 |
ロイド | でも……俺は、お前の本心が聞きたい。 |
ミトス | ロイド……。 |
ミトス | (ああ……そうだ。■■■■助けるためにボクはまた■■■■■■■をやめようとしたんだ) |
ミトス | (いや、■■■■■■■なのか……) |
ミトス | (どこまでも無駄なあがきをしてあきらめきれない……) |
ミトス | (あの時だってそうだった。もう四千年以上も前まだ姉さまもクラトスも一緒だった頃……) |
ミトス | ……どうして。ボクたちの言葉にほんの少しでも耳を貸してくれていればこんなことにはならなかったのに。 |
マーテル | ミトス……。 |
ミトス | ヘイムダールでもそうだった。僕らとは関わり合いのない事件も全部僕らの責任にされて |
ミトス | ハーフエルフが厄災の原因だって村を追われて…… ! |
クラトス | ミトス……。 |
ミトス | シルヴァラントはハーフエルフを重用していると聞いて行ってみたけど、奴隷同然の扱い…… ! |
ミトス | テセアラだって、他の国だって、みんなハーフエルフを追い立てる ! |
クラトス | ミトス……泣くな……。 |
ミトス | それならボクたちはどこへ行けばいいの ! ? |
ミトス | (あの時からボクはあきらめないことを選んだ) |
ミトス | (選んで選んで、選び続けて、いつの間にか――こんなところまで来てしまったんだ) |
ロイド | なぁ、ミトス。元の世界で俺たちを監視するつもりで近づいたんだよな。 |
ロイド | だとしても、ジーニアスのことは本当に友達だと思ってたんだろ ?そうだよな ? |
ミトス | ……さあね。 |
ロイド | ――ふざけろっ ! 本当にあいつの気持ちを踏みにじったっていうなら俺はお前を許さない ! 許せない ! |
ミトス | だったら、ボクを追い出すの ? |
ミトス | メルクリアのことやリビングドールのことお前たちが今一番知りたいであろう情報を持っているのはボクだよ ? |
ミトス | それとも感情を優先するの ?アハハ、だとしたらとんだ大馬鹿野郎だね。父親そっくりの大馬鹿野郎だ。 |
ロイド | ――……許さないし、許せない。 |
ロイド | でも……俺はお前が助けを求めてきたことを知ってる。だからここにいればいい。 |
ミトス | ………………。 |
ロイド | 元の世界でお前がしてきたこと俺には理解できない。 |
ロイド | でも――お前が本心を話してくれれば……。どうしてそうするしかなかったのか話してくれれば……。そうしたら……。 |
ミトス | ボクが許しを請うと……思っているの ?馬鹿馬鹿しい。 |
ロイド | 誰もそんなこといってない。 |
ロイド | お前がやるべきなのはもう一度やり直すことだ。信じることだ。それが償うことになるって俺は思う。 |
ミトス | ……っ ! |
ロイド | この世界でお前がやり直しても、元の世界では何も変わらないのかも知れない。 |
ロイド | でも、この世界でお前がやり直せたら今のお前の未来だって変わるだろ。 |
ミトス | ボクは……変わらない。 |
ロイド | だったら変わらなくてもいい。やり直すんだ。 |
ロイド | 俺は元の世界で勇者ミトスの話を聞いてきた。墜ちた英雄ミトス・ユグドラシルって。 |
ロイド | でもさ、墜ちたらまた飛べばいいだろ。お前がそうすると決めればまた飛べる。 |
ミトス | ……そういう綺麗事は大嫌いなんだよ !正義ごっこはうんざりだ。知ってる ?綺麗過ぎる水に魚は棲めないんだ。 |
ロイド | 忘れるなよ。俺はお前を許さないって言ってるんだ。 |
ロイド | 俺は正義なんかじゃないし正義って言葉は一番嫌いだ。第一、俺は俺自身が濁ってるって知ってる。 |
ロイド | でもそれだからお前の言う綺麗事を口にするんだ。 |
ミトス | ――平行線だね。いいよ、ならこうしよう。ボクを倒して見せてよ。どれだけ魂が薄汚いのか、ボクに見せてよね。 |
ミトス | それでお前を――お前たちを見定めてやるよ。 |
キャラクター | 2話【交わる道】 |
ミトス | ……フ……フフ……。 |
ロイド | ミトス…… ? |
ミトス | ……不思議だね。元の世界でボクたちはこんな風に――戦うのかもしれない。 |
ミトス | そしてその結果は―― |
ミトス | (……そうだ。ボクは知ってしまった。遠い故郷でボクが敗れたことを……) |
ミトス | (その後、ロイドがどう生きようとしたのかを) |
ミトス | (もし、この世界の記憶を持ってあの大地に戻れるのなら――) |
ミトス | (ああ……それでもボクは自分を曲げはしないだろう。やり直すには、あまりに遅すぎた) |
ミトス | (そしてきっとあの世界でもロイドはボクに言うんだろう。やり直せると) |
ミトス | ……お前は、ボクの影だ。 |
ロイド | え ? |
ミトス | あきらめず前を向いて馬鹿みたいにひたすら歩いていく。ボクの選ばなかった道の最果てにいる存在。 |
ロイド | だったら、ここでは選ばなかった道を選んでみろよ。 |
ロイド | 一緒に歩こうぜ。 |
ミトス | ………………はぁ。 |
ロイド | な、何だよ。 |
ミトス | ……そういうだろうと思ったよ。お前、つまらないよ。想像通りの言葉しか吐き出さない。 |
ロイド | な、何だよ ! 仕方ないだろ !俺国語苦手なんだし……。 |
ロイド | ! ! |
ミトス | 許してもらおうとは思わない。でもお前なら、メルクリアを止められるかも知れない。 |
ロイド | 一緒に飛ぶ気になったんだな。 |
ミトス | 羽根も生えてないくせに偉そうに言わないでよね。 |
ロイド | 仕方ないだろ。俺は天使じゃないんだから。 |
ミトス | ……それは、お前が母親の形見の輝石を使いこなせていないだけだよ。何かきっかけがあればきっと飛べる。 |
ミトス | ……いや、天使になんてならない方がいいのかもね。天使は裏切り者が多いから。 |
ロイド | え ? |
ミトス | ――ボクは見ているから。お前が本当に自分が信じる生き方を貫けるのか。 |
ロイド | ああ、見てろ。俺はあきらめないからな。 |
ノイシュ | ワフッ ! |
ミトス | ……ふふ。ノイシュ、お前の期待通りになった ? |
ミトス | これはお前が見せている夢だね。でも確実に訪れる現実だ。 |
ミトス | いいよ、ノイシュ。ボクも乗せられてあげる。 |
ミトス | 師匠の息子と共闘するのも悪くないかも知れないからね。 |
| これは今からほんの少し未来の物語。次元を超えて届いた【人々の想い】が未来の物語をここへ届けさせた。 |
| 願わくばこれからも、共に良い旅を―― |