キャラクター1話【鎮魂1 出会いはいつも突然に】
クレスマントの綻びは問題なさそうだ。ありがとうエレノア、助かったよ !
エレノアお役にたてたのなら私も嬉しいです。
エレノア自分で言うのもなんですが縫物は割と得意な方なんですよ。
エレノアだからいつでも言ってください。指に針を刺しながら、自分でやらなくてもいいんですからね。
クレスはは……みっともないところ見られちゃったな。
エレノアそんなことはありませんよ。他にも丁寧に繕った所が見受けられましたがご自分でされたのですか ?
クレスこれはミントだよ。小さな傷みでもすぐに気が付いて直してくれるんだ。
エレノアそうですか。とても気が利く方ですね。
クレスああ。この綻びもミントがみつけてくれてさ。後で直すから待っててくれって言われたんだけど……。
クレスベルベットやルドガーさんたちと一緒にメニューの相談で忙しそうだったからね。彼女に頼らず、自分でやろうと思って。
エレノアベルベットがみんなで食事のメニューを……。
エレノアふふっ、そうですか。
クレスなんだか嬉しそうだね。
エレノアええ。彼女がこういう穏やかな日常に身をおいているということが、私にはたまらなく嬉しいんです。
エレノア――あ、すみません。今のは危機感が足りない発言だったかもしれませんね。
エレノア穏やかな日常といっても、今のティル・ナ・ノーグの状況を喜んでいるわけではなくて……。
クレス大丈夫、わかってるよ。真面目なんだね、エレノアは。
エレノアクレスだって――
エレノアなんですか、この揺れは !
クレス地震……、まさか鏡震なんてことは……。ミリーナの所へ行ってみよう !
エレノアミリーナ、何が起こったんですか !アジトがこんなに揺れるなんて。
ミリーナ安心して。理由はわかったから。……また呼ばれちゃったみたい。
クレスそれってまさか……。
リフィルええ。揺れが大きかったから警戒したけれどまた学園都市アークに繋がったみたいね。
ルークおい、これは一体何の騒ぎだよ。
ミントみなさんお怪我はありませんか ?
クレス僕たちは大丈夫だ。二人とも、大丈夫だったかい ?
ミント私は平気ですが、夕食用に用意していた材料がひっくり返ってしまって、ルドガーさんとベルベットさんが……。
ルークああ、びっくりしたぜ。揺れたと思ったら厨房からスゲー声が聞こえてきてさ。
ミントあれはお気の毒でした。二人とも、仕込みに随分と時間をかけていたので……。
ルーク美味そうな匂いしてたのにな。もったいねえ。
ジェイドまったくワイズマンは……。突然仮想鏡界ごとアークに引っ張り込むなど、強引にもほどがありますよ。
コーキスホントだよ。鏡界を維持してるカーリャ先輩がびっくりしてるぜ。大丈夫かパイセン ?
カーリャカッ、カーリャはいつでも落ち着いてます !先輩をなめちゃいけませんよ、コーキス !
コーキスはいはい。わかってるって。鏡映点を見つけた時くらい震えてたけどな。
リフィルとりあえず、ワイズマンに話を聞きに行きましょうか。
ワイズマンみなさん、お元気そうで何よりです。ようこそアークへ。
ジェイドワイズマン……毎度のこととはいえ、もう少し静かに呼んでもらえるとありがたいのですがね。
ワイズマンご迷惑をおかけしたなら申し訳ありません。今回は少々急いでいたもので。
ミリーナ何かあったんですか ?
ワイズマンはい。今アークはあらゆる次元の死者を弔うために『戦乙女の祭』を催しています。
ワイズマン毎年、さまざまな次元から、戦乙女の役割を担う方を数名ほど選んでいるのですが、急ぎ皆さんに協力を願う運びとなったのです。
ジェイドやれやれ……またですか。アークの住民にとって、祭りがいかに大切かは理解していますが、他に適任者はいないのですか ?
ワイズマン今までの功績もありまして、あなた方は街の人間から人気があるんですよ。
ワイズマン何度もお願いするのは心苦しかったのですが今回も来て欲しいとの声が大きく……。急きょ、お呼びした次第で。
ワイズマンどうでしょう。あなた方の中から女神――戦乙女をお一人選出させてもらえませんか ?
ミリーナ……ワイズマンさんには以前、感謝祭で楽しい思いをさせてもらったしお引き受けしたいけれど……。
エレノアそうですね。私たちにできることならば是非協力すべきかと思います。
ミリーナ本当 ! ? それじゃエレノアが戦乙女になってくれるのね。ありがとう !
エレノアえ ! ? そんなつもりは……。私よりも、ミントのような人が、乙女役には合っているのではないですか ? そうですよね、クレス ?
クレスえっ ?
ミントいえ、戦乙女というくらいですし、凛々しさと美しさなら、リフィルさんの方が相応しく思えますよ。ね、クレスさん ?
リフィル私が ? ……正直、乙女という単語には少し抵抗があるわね。もういい大人だし。そう思うでしょう、クレス。
クレスいや、その、僕は……。
コーキス……あれ、もしかしなくてもこれってやべー展開なんじゃ……。
ルークしっ、コーキス。巻き込まれないように気配を消すんだよ !
ワイズマンえ~皆さん、美しく戦乙女に相応しい気高さをお持ちの方ばかりですが、この祭りではエレノアさんが良いのではないでしょうか。
エレノア私が……なぜですか ?
ワイズマン戦乙女の祭りは死者を弔うもの。見えぬ物を見る力――そちら風に言えば霊応力の高い女性が相応しいのではと。
エレノア……そうですね。そういうことでしたら、不肖、エレノア・ヒューム。戦乙女の任、全力で務めさせていただきます !
クレス……よ、よかった。穏便に決まって……。
ジェイド選んでも選ばなくてもどこかに禍根が残って面白――大変そうでしたからねぇ。
ルークお前、そうやって自分が関係ない騒ぎを喜んでると、いつかしっぺ返し食らうぞ ! ?
ジェイド喜ぶ ? 私が ? まさか ! とんでもない !
アーク住人キャアーーーー ! !
クレス今の悲鳴は ! ?
ワイズマン祭り会場の方からです !
エレノアただごとではありませんね。行きましょう !

キャラクター2話【鎮魂2 予期せぬ出来事】
ミリーナ祭り会場に魔物が ! どうしてこんな…… ?
コーキスミリーナ様、あれを ! 誰か戦ってますよ !
? ? ?あ、君たち来ちゃダメだよ ! 危ないから !
エレノア私たちも加勢します !
? ? ?大丈夫。戦乙女におまかせってね !
? ? ?――これで、終わりっと。
ルークすげえ。手助けする暇もなかったな。
? ? ?ほら、まだ魔物がいるかもしれないから君たちもどこかへ避難して。他の住民もみんな――って、あれ ?
? ? ?クレス、クレスじゃない !それにミントも。二人ともアークに呼ばれてたんだ !
ミント……え ?クレスさん、お知り合いですか ?
クレスいや、僕も知らないなぁ……。
? ? ?またまた~冗談ばっかり !それで、ミントも戦乙女やるの ?
ミントあの、すみません……。私たち本当にあなたのことを存じ上げないんです。
クレスどこで会ったか、教えてくれないかな。
? ? ?……ダオスを倒す旅、してたじゃない。城にだって一緒に……。
クレス君とダオス城に ! ? そんなはずは……。
? ? ?…………。ねえ、ワイズマン。これってどういうこと。
ワイズマンもしかしたら、ここにいるクレスさんとあなたの知るクレスさんは、別人なのかもしれません。
? ? ?それって時間のずれ ?だったら私のせいかも……。色んな時間を飛びまわってたから。
ワイズマンいいえ。お互いの存在する世界そのものが違うということです。
ワイズマンこのアークでは、あらゆる世界、あらゆる次元の魂が集います。だからこういうことも起こり得る。
クレス別の僕と旅をしてるだなんて……。でも、具現化された今の僕たちも似たようなものなのかな。
ジェイド並行世界とでも言うのでしょうね。ルドガーたちの世界にも分史世界があるそうですし。
? ? ?つまり人違いでも、時間違いでもなく今度は世界違いってこと……か。
? ? ?ここにいるクレスたちは、私と出会わなかった世界のクレス――なんだね。
ワイズマンそのようです。
ミリーナそう言えば、イアハートも似たようなこと言ってたわ。
ミリーナリッドやファラと会った時に、別の世界の人なんだって知ってちょっと寂しそうにしてた。
? ? ?そっか……私だけじゃないんだ。
? ? ?うん、仕方ないや。ならもう一度、君たちと出会えばいいだけだもんね !何度目かの自己紹介、しよっか。
ロンドリーネ私はロンドリーネ・E・エッフェンベルグ。気軽にロディって呼んでね。よろしく♪
クレスああ、よろしくロディ !
ミントよろしくおねがいしますね。ロディさん。それで、戦乙女の話ですけど……。
ロンドリーネそうそう、戦乙女 !私もここに呼ばれて、ワイズマンから役を頼まれてさ。
ロンドリーネそれで準備してたんだけど、あの塔から魔物が出てきて、後はご覧のとおりだよ。
ワイズマンあれは戦乙女の塔です。中には戦乙女の祭壇が祭られているのですがなぜ魔物など……。
エレノアともあれ、危険な魔物が再び出て来ないとは限りません。住民の安全のためにも調査の必要がありますね。
ロンドリーネいいねえ。やる気満々じゃない !
エレノアもちろんです。私も今回戦乙女を任された一人。祭りを成功させる義務があります。
ロンドリーネあ、ミントじゃなくて、君が戦乙女なんだね。んじゃよろしく !
エレノアええ。戦乙女として、共にアークの平和のために戦いましょう !
ロンドリーネおー !
ミント……なんだか、お祭りの趣旨から離れていく気がしますが大丈夫でしょうか。
ルークいいんじゃね ?ロディもなんか面白そうなやつじゃん。
クレスそうだね。並行世界の話っていうのも聞いてみたいよ。
ジェイドしかし、またもアークにいないはずの魔物が現れるとは。どうにも嫌な予感しかしませんねえ。
リフィルあら……例のセンサーが働いているのかしらね。
ジェイド……嫌なことを言いますねぇ。
リフィルそう思うのなら、人の不幸を面白がるような真似はおやめなさい。
リフィルルークにも言われたでしょう ?いつかしっぺ返しを受けるって。
ミリーナふふ、ジェイドさん。リフィル先生の言う通りですよ。
ミリーナそれじゃあ、塔へ行ってみましょう。

キャラクター3話【鎮魂2 予期せぬ出来事】
ルーク……あー、やっぱりあいつか。いい加減飽き飽きだぜ……。
ディスト来ましたね、ジェイ――
ジェイド魔鏡技 !
ディストま、待ちなさい ! 挨拶くらいさせなさい !そして目的を聞いて問い詰めなさい !
ミリーナ聞いて欲しいんですね。ええと、どうしてディストさんまでここにいるんですか ?
ディストそれはですねぇ――
ワイズマン皆さんと共に何度も召喚されたせいで一緒に呼ばれる『縁』のようなものが結ばれてしまったようですね。
ディストなるほど、つまり私のように美しく高貴な魂は呼ばずにはいられないと。
コーキスうわ、人の話聞いてねぇ。うぜー。
ディストはーっはっはっは ! 丁度良い機会です。皆さんの目の前で、この具現化装置を起動してさしあげましょう。
リフィル具現化装置ですって ! ?
ディストそうですとも。鏡士の力に頼らない新しい具現化装置です。
ディストティル・ナ・ノーグでは機能しませんでしたがここでなら動くはずです。
ディストそのために、今までこのアークを調べてきたのですからね。
ディストまあ、セッティングの途中で魔物が出現してしまいましたが、今は完璧です。安心して指をくわえて見ていなさい。
コーキスやっぱり魔物騒ぎはあんたが原因かよ……。
リフィルいい加減になさい、ディスト !意図せず魔物を具現化するような欠陥品よ。結果は目に見えているはずです。
ディストフン ! 私に説教とは生意気な !この崇高な実験を邪魔するなどあなたごとき虫ケラには許されません。
ジェイド……マジックチャージ完了。
コーキスジェイド様 ! ?
ジェイドクラックブラスト ! !
ディストんぎゃああああああ !
ルーク魔鏡技をチャージしてたのかよひでえ……。
ディストジェ、ジェイ……ド……。う。
カチン
ミリーナ……ねえ、いま音がしなかった ?
コーキスミリーナ様、ディストの手元 !何か光ってますよ。
ジェイドまさか、具現化装置が起動して――
ロンドリーネちょっ、まぶしい !
エレノア光の中に誰かいます !影のような……。
ミリーナまさか、具現化したの ! ?でも一体何を――
リフィルよく見えないけれど鎧をまとった女性が……。
リフィル――えっ ! ?
クレス影がリフィルさんに吸い込まれたぞ ! ?
リフィルあ……ああ……。
ミリーナいけない !これはキメラ結合だわ。このままじゃ…… !
ジェイドミリーナ !すぐにリフィルを装置から遠ざけ――
? ? ?見つけましたよ……。我が愛しき女神……。
ミリーナジェイドさん ! 後ろに影が !
? ? ?もらうぞ。お前の体――
ジェイドくっ……なにを……。
ルークおい、ジェイド ! どうしたんだよ !
ジェイドう……。
ミリーナしっかりしてジェイドさん !私がわかりますか ?
ジェイド……ああ、大丈夫ですよ。落ち着いてきました。彼女は無事ですか ?
ミリーナ彼女…… ? ああ、リフィル先生ですね。まだ意識が戻らなくて。
ジェイドなるほど。彼女の器たりえたのは、エルフの血を引いているからか……。だが、まだ器の意識が残っているな。
ジェイド可哀想に。そのような不完全な器に入らねばならないとは、さぞや屈辱でしょうね。
ルークジェイド、お前なに言って…… ?
レザード愛しき女神、レナス・ヴァルキュリアよ。このレザード・ヴァレスがすぐにあなたを解き放ってあげましょう !
ミリーナジェイドさんじゃない ! ?
エレノア塔の気配が……変わった ?あなた、一体何をしたのですか !
レザードこの塔を私の支配下に置きました。随分と素晴らしい力を秘めているようですからね。
ルーク綺麗なジェイドの次はいつもよりもっとキモいジェイドかよ !――おい、お前 ! ジェイドを返せ !
レザード雑魚はそこで吠えていろ。私はすぐに彼女の器たるホムンクルスを作らねばならないのだ。
ジェイドそして輸魂の呪を施せば、愛しきヴァルキュリアは永遠に私のものに……うっ、私の……。
ジェイド……私の体から……出て、行きなさい !
レザードククッ、中々に強情な器ですね。そこは素直に賞賛しましょう。……お陰で、急がねばならなくなった。
ロンドリーネ待ちなよ ! 何が目的か知らないけど、このアークで勝手されちゃ困るんだよね。私も一応、戦乙女だから !
ジェイド貴様が戦乙女だと ?ハッ、これはまた随分と安っぽい !戦乙女も格が落ちたものだ。
レザードこれ以上あなたたちに割く時間はありません。何しろ、鮮度が命ってやつでしてね。では、これにて失礼。
クレス消えた…… ! ?
リフィルう……ん ?
ミリーナ大丈夫ですか ? リフィル先生。
リフィル………リフィル、というのね。この体の持ち主は。
ミリーナ―― ! あなたは……。
レナス・F私はレナス・ヴァルキュリア。戦乙女とも、ヴァルキリーとも呼ばれている。
ロンドリーネうそ……本物の女神様 ?
レナス・Fリフィルはもうじき目覚めるはずだ。まずは詳しい状況を説明してくれないか。

キャラクター4話【鎮魂3 大いなる力】
レナス・F――そう。不完全な具現化のせいで私とリフィルはこんな状態に……。
ミリーナはい。あなたの意思でその体から離れることは可能ですか ?
レナス・Fリフィルが目覚めれば分離できるだろう。ただ……。
ワイズマン……そうですね。不完全な具現化ですから器がない限りレナスさんの意識はほどなく消えてしまうでしょう。
レナス・Fそれは構わない。だが、レザードをこのままにしておくわけにはいかない。
ミリーナ……ええ。ホムンクルスを作ると言って、目の前で消えましたから。
レナス・Fホムンクルスなど、いまだそのような冒涜的で愚かなことを考えているのか。
レナス・F……移送法陣で消えたとなると、この世界でも自由に魔術が使えるようだな。
ミリーナ器になっているジェイドさんも、かなりの力を持っています。だから不自由なく使えてしまうのかもしれませんね。
ワイズマンですが、逆によかったかもしれません。彼自身が力を使えるせいでまだ塔の魔力に手をつけた気配がない。
ロンドリーネこの塔って、そんなに大事なものなの ?
ワイズマンええ。戦乙女の塔とは、戦乙女の候補を様々な次元から探し出すための装置そのものなんです。
ワイズマンつまり塔の魔力は、あらゆる次元に干渉することが可能とも言える。
ロンドリーネそんな重要な場所なのに乗っ取られるって……かなりまずくない ?
ワイズマンええ。仰る通りです……。
レナス・Fすぐにレザードの所へ向かおう。彼をこのアークから消さなければ。
エレノアですが、レザードは塔を掌握しています。何か対策を練っていかなければ勝ち目はありませんよ。
ワイズマンそれはご心配なく。この塔は、戦乙女に選ばれた魂に大いなる力を与えますから。
ワイズマン戦乙女ヴァルキリー。あなたはもちろんエレノアさん、ロンドリーネさんもです。
エレノア大いなる力……ですか ?
ワイズマンええ。この祭りの期間だけになりますが神話に語り継がれる戦乙女そのものの力が得られます。その力で立ち向かえるかと。
ロンドリーネなら、戦乙女の私たちが鍵ってことだね。こっちには本物の女神様が一緒だし、これなら負ける気がしないよ !
ロンドリーネそれじゃ、早速急がないと……って、どこへ向かえばいいの ?
ワイズマン恐らくレザードは塔の最上階でしょう。時間稼ぎも兼ねて、ここから最も遠い場所を拠点にするでしょうから。
レナス・F……いや、待て。リフィルが目覚めた。体の持ち主が目覚めた以上この体はリフィルに戻してやらねば。
レナス・Fワイズマン。私がリフィルの中で待機しているだけでも、この塔の力はリフィルに分け与えられるだろうか ?
ワイズマンもちろんです。
レナス・Fならば、戦いの方はリフィルに任せよう。今回の件、相当腹を立てているようだ。まさに戦乙女並の働きをするだろう。
リフィルみんな、無事でよかったわ。
ミリーナリフィル先生 ! 目が覚めたんですね。驚いたでしょう ?説明は後でちゃんとしますから。
リフィルありがとう。でもレナスを通してだいたいの状況はわかっているわ。
ミリーナ意識を共有していたってことですか ?
リフィルそのようね。私たちの結合が上手くいったせいなのか、理由はよくわからないけれど。不思議な感覚よ。
ミリーナそうですか。今の状態が安定しているならば何よりです。ジェイドさんはとても苦しそうだったから……。
ルーク……ああ。あんなジェイド、みたくねえよ。
リフィル恐らく、レザードが無理やりジェイドの意識を抑え込んでいるのね。そんな状態が長引くとしたら危険だわ。
ワイズマン彼の力が弱まって、少しでもジェイドさんの体から離れれば、私が強制的に元の世界へ戻すことも可能なのですが。
ミリーナジェイドさんには悪いけれどレザードを叩くことで、キメラ結合を切り離せるかも……。
ルークいいんじゃないか。軍人なんだからちょっとやそっとじゃ死なないだろうし。
コーキスルーク様、ちょいちょいジェイド様への扱いが雑だよな……。
クレスでも、それがルークたちの間にある信頼関係なんだろうね。
リフィルふふ、そのようね。――ではレザード退治に向かいましょう。手の掛かる軍人さんを助けないと。

キャラクター5話【鎮魂4 魂の在り処】
ミントいました ! ジェイドさん……いえ、レザードです !
リフィルここはレナスに任せましょう。言いたいことがあるようだから。
レナス・F――レザード !
レザードああ、ヴァルキュリアよ。私を追ってきてくれたのですね。
レナス・Fすぐにその体から離れなさい。ここはお前がいるべき世界ではない !
レザードそれはできません。あなたの器が完成間近なのですから。ほら、御覧なさい。
レナス・Fそのようなもの、見るつもりはない。何故お前はそこまで……。
レザードまだわかりませんか ?レナス・ヴァルキュリア。全てはあなたのせいだ。
レナス・F私の…… ?
レザードええ。異世界に呼ばれてなおその輝きを失わないあなたの存在が、私は愛おしくてならないのです !
レナス・F馬鹿なことを……。
レザードククッ、相変わらずですね。ですが、そうでなければ手に入れる意味がない。
レザード魂が劣化する前に、その体を消滅させてあげましょう。そうして、私が用意した器に入るがいい !
ミントなんて酷い……。
ロンドリーネそんなふうに力でねじ伏せて相手が思い通りになると思う ?大間違いだよ !
エレノア愛する者を守るどころか追い詰めるような行いの数々。許せるものではありません !
レナス・F……リフィル。この愚か者の処置は任せる。お前ならば適切に処理してくれるだろう。
リフィル了解よ。あなたの信頼には必ず応えます。
ルークよし ! みんな !ジェイドの姿だからって遠慮するな !むしろ日頃の恨みを晴らしてやろうぜ !
コーキスよっしゃ ! 花見の時の恨みを晴らしてやる !
ミリーナごめんなさい、ジェイドさん。少し辛抱して下さいね。
クレスお前を追い払ってジェイドさんを取り戻す !
レザード……なるほど。このジェイドという男は私の中に封じられてなお顔を出そうともがいている。
レザードククッ、いいでしょう。表に出ようとするその力を利用させてもらう。
レザード私の流儀とは多少違う戦い方にはなりますが所詮は他人の器だ。郷に入っては郷に従えと言うことか。
レザード――さて、それでは始めましょうか。焼死、凍死、轢死、刺殺……。お望みの最期をお選びください。
レザード開け冥界の霊柩。すぐにこの者たちを送呈してやろう !

キャラクター6話【レザード・ヴァレス】
ロンドリーネもう、ここまでだよ !
エレノアこれ以上の抵抗は無意味です !大人しくしてください。
レザード仮初めの戦乙女がこれほどとは……少々、見誤りましたね……。
ワイズマンレザードから塔の権限を取り戻しました !
ミリーナ弱っている今なら、ジェイドさんと分離できるかもしれない。ジェイドさん、聞こえますか !
ルークおい、ジェイド !いつまでも寝てんじゃねえよ、起きろ !こら、起きろって !
レザードいや、まだだ。まだ、この程度では…… !
ジェイド――あきらめてもらいますよ。でないと、いつまでも起きろ起きろとやかましいのでね。
ルークジェイド !
ミリーナジェイドさんから影が離れていくわ !
ワイズマンレザードの魂を次元の彼方へ送り込みます !
レナス・F……さあ、戻りなさい。レザード。あなたのあるべき所へ。
レザード……お気に召して頂けない、か……。女神の気を引くのも大変だ……。
レザードですが……。私は、あきらめるつもりはありませんよ。愛しき……女神よ……。
レナス・F……いいだろう。お前が暗躍する限り、いつでも相手となろう。
レザードフッ……これだから、あなたは……。
コーキスあいつ、本当に帰ったのか…… ?あんなに執念深い奴がこれであきらめるなんて思えないけど。
ワイズマンその点は心配ないでしょう。もともと不完全な具現化で現れた影です。アークでの記憶は失っています。
ロンドリーネ……あの人、やり方はおかしいけどきっとレナスと一緒にいたかったんだね。
レナス・F……随分と優しい見方をするのだな。
ロンドリーネ私とちょっと似てるんだ。どんなに拒まれても追いかけ回してさ。
ロンドリーネ何度別の時間に飛ばされてもあの人の真実がどうしても知りたくて……。
ロンドリーネ――なんて、私の話はどうでもいいね !
ロンドリーネねえ、そっちの、えっとジェイドだっけ ?調子はどう ?
ジェイド………………。
ルークいつものジェイドに戻ってるよ……な ?
ジェイド……本当にそう思うのか ?
ルークえっ、ま、まさか……。
レナス・Fいや、ルーク。これはレザードではない。違う方向にたちが悪い男ではあるようだがな。
ジェイドバレましたか。
ルークお、おどかすなよ !そうじゃなくても、あのレザードってのと似たようなしゃべり方するんだからさ。
ジェイド心外ですね。あのような男に似ていると言われるのは。
ジェイドですが、確かに恐ろしい程強力な魔術の使い手でした。その点は素直に賞賛しておきますよ。
ルークレザードって奴と同じこと言ってる……。
ジェイド――ところでレナス。そこにあるホムンクルスですがほぼ完成しています。
ジェイド消える消えないの話は別としてまずはリフィルの体から離れてもらえますか ?
レナス・Fそうだな。うまく共存できているとはいえ負担をかけていることには違いない。
ミリーナ……今の音は ?
ディストキーーッ ! ジェイドと愚かな金魚の糞 !よくも私の可愛い具現化装置を木っ端みじんにしてくれましたね !
ミリーナいけない !ディストさんのこと忘れていたわ !
ジェイド――いやぁディスト、会いたかったですよ !
ディスト……何ですって ?
ジェイドあなたのおかげで貴重な体験をさせて頂きましたから。その報告をと思いまして。
ディストな、何だかわかりませんが、私が役に立つのは当たり前ですから大いに感謝して下さい。
ジェイドええ、私も是非お礼がしたい。焼死、凍死、轢死、刺殺……。あなたにはお望み通りの最期を選ばせてあげますよ。

キャラクター7話【薔薇のディスト】
ロンドリーネやっとお祭りが始められるね。どう、戦乙女の衣装、似合うかな ?
クレスああ、すごく似合ってるよ !
ミント凛として、とても綺麗ですよロディさん。……前から思っていたんですが、その指輪のペンダント、とても素敵ですね。
ロンドリーネああ、これ ? お気に入り、っていうのかな。彼からの……大事な贈り物だから。
ロンドリーネ……ねえクレスたちはダオスと決着つけた ?
クレスいや、その前に具現化されたんだ。だから今の僕には、元の世界の僕たちがどうなったのかはわからない。
ロンドリーネダオスも具現化されてるの ?
ミントそれも……わかりません。少なくとも私たちがティル・ナ・ノーグに来てからダオスの話を聞いたことはありませんから。
ロンドリーネそっか。でも可能性はあるんだよね。
リフィルどう、レナス ?そのホムンクルスは大丈夫 ?体は動くのかしら ?
レナス・F問題はない。不本意だがさすがというかまるで元から自分の体だったかのように馴染んでいる。それにしても……。
レナス・Fこの塔のせいだろうか。お前たちの世界、ティル・ナ・ノーグの死者の声が聞こえてくる。
レナス・Fどこにも辿り着くことができず、虚無の中で苦しむ大勢の魂の声が。
ミリーナ…………。
レナス・Fこうなったのには、訳がありそうだな。
ミリーナ……はい。
レナス・F何かしらの救済が必要だろう。私がおもむいて、力になれれば良いのだが。
ミリーナありがとうございます。でも、レナスさんにはレナスさんの世界があるんですよね。
レナス・F確かに自分の世界を放置はできない。だがティル・ナ・ノーグの有様を見過ごすにはあまりに惨い。何か方法があれば……。
ワイズマンそうですね。あなたの本体がそのままティル・ナ・ノーグへ渡るということはできません。ですが――
ワイズマン今の姿、影――シャドウとしてのあなた、ということであれば可能です。
レナス・Fそんなことが出来るのか ?
ワイズマンはい。ただし影であるゆえに、あちらではヴァルキリーとしての力を大きく制限される可能性があります。
ワイズマンそれでも構わないのならば。私が道を開きましょう。
レナス・Fミリーナ、私の力は十分ではなくなるかもしれないがそれでも構わないか ?
ミリーナもちろんです。ありがとうございます !
ロンドリーネ――待って !ねえ、ワイズマン。私もティル・ナ・ノーグに行ける ?
ロンドリーネレナスみたいにシャドウでもいいの。……やっぱダメかな。
ワイズマンあなたの強い思いがあればそれは可能です。シャドウとして、ティル・ナ・ノーグに渡った方が他にもいらっしゃいますから。
ミントサラさんたちや、春香さんもそうでしたね。
ロンドリーネだったら、そうして欲しい。
クレスロディ、いいのかい ?
ロンドリーネうん、もちろん ! こっちのクレスたちとも一緒に旅がしたくなっちゃった !
ロンドリーネだから、これからもよろしくってことで。
ミントはい、お願いします !
エレノア皆さん、まだこんなところにいたんですか !そろそろ祭壇へ向かう時間ですよ。
ミリーナきれい……。これが戦乙女の祭りなのね。静かで、優しくて、どこか悲しくて……。
コーキスとくにレナス様たちの周り、光が集まって輝いてる。これ全部、死者の魂なのか……。
ミリーナ戦乙女の祈りが死者たちを慰めているんですって。
ルーク…………。
リフィル……それにしても、何故レナスと結合したのが私だったのかしら。
ジェイド私も乗っ取られている間の記憶はおぼろげにしか覚えていないのですが、あなたの肉体構成に適合したのでは ?
ジェイドレザードの意識の欠片から、レナスの器の素材は、エルフと人間だということが判明しています。手法はおぞましい限りですが。
ジェイドそれよりも、あのポンコツ装置のせいとはいえ、何故レナスたちが具現化されたのかその理由が気になりますね。
リフィルそうね、戦乙女の祭りが関係しているのかもしれないけれど……。
リフィルアークはあらゆる次元の、あらゆる世界に通じている。その中でも自分に近しいものに引かれた、という可能性も考えられるわね。
ジェイド……なるほど。レプリカとホムンクルスか。あなたやルークに言われた通り強烈なしっぺ返しが来たようです。
リフィルあら、やけに素直ね。でも間違いは正せるのよ ?
ジェイド……ええ。人は変われるということを私は教えてもらいましたから。
ミント皆さんこちらにいらしたんですね。ワイズマンさんが食事を用意したので集まって欲しいそうです。
クレスそれと、これからも呼び出すと思いますからよろしくお願いします、とも言っていました。
ジェイド……なるほど。ワイズマンとはじっくり話す必要がありそうですね。毎回アレがついてくることも含めて。
コーキスあはは ! それじゃ、早速ワイズマンに苦情を言おうぜ !
コーキスあれ、ミリーナ様にルーク様 ?
ルークあ……うん、先に行っててくれ。俺はもう少しここにいるよ。
ルーク戦乙女みたいにはいかないけどさ、この光たちに祈りたいんだ。みんなどうか安らかにって。
ミリーナ……私も、もう少しルークと一緒にお祈りしていくわ。
ジェイド……私たちは先に行ってます。あなたたちは後からゆっくり来ればいい。
ルークこの光が、全部亡くなった人たちの魂なんだな。こんなに……たくさん。
ミリーナ……ええ。
ルークみんな、救われてほしいよな。
ミリーナええ。少しでも安らかに……。
二人……どうか、全ての魂に安寧を。

キャラクター【Cエンディング】
フレイ残念だわ、レナス。あなたの中で何かがおかしくなってしまった。壊れた歯車を修復している時間はないの !
フレイせめて私の手であなたを眠りにつかせてあげるわ。