キャラクター | 1話【アジト】 |
コレット | あっ、ミリーナたちも良かったら一緒にどうかな ? |
エステル | 丁度、みなさんと一緒にお茶会を始めるところだったんです。 |
ミリーナ | そうだったのね。それなら、私も参加させてもらおうかしら。 |
エステル | シャーリィたちがいっぱいパンを用意してくれたんです。 |
ロイド | まだ他の人の分も作るから、俺たちが先に焼きたてを食べてていいってよ ! |
ミリーナ | だから食堂からいい匂いがしていたのね。 |
カーリャ | では早速、カーリャも頂いちゃいますね ! |
コーキス | じゃあ俺もカーリャ先輩と一緒にひとくち……。 |
? ? ? | ――見つけたわよ、ロイド ! |
ロイド | げっ、その声は……。 |
リフィル | ロイド ! あなた、私が出した自由研究の課題を、まだ提出していないのではなくて ?もう期限はとっくに過ぎているわよ。 |
ロイド | わっ、わかったよ先生 !食べ終わったらちゃんと残ってる課題も全部やるからさ ! |
リフィル | そうやって後回しにするのがいけないのよ。お茶会はまた今度にしなさい。 |
ロイド | そんなぁ~、なぁリフィル先生 !頼むからちょっとだけ待って――。 |
ロイド | うわっ ! なんだ急に ! ? |
ミリーナ | この揺れは……もしかしてまた ! |
エステル | ……収まりましたね。飲み物を淹れる前で良かったです……。 |
リフィル | これは、どうやらまた学園都市アークに連れてこられてしまったのかもしれないわね。 |
コーキス | またかよ……。今回もまたお祭りを手伝わされるのかな。 |
ロイド | そうだ ! リフィル先生 !アークの祭りについてまとめたものを自由研究にするっていうのはどうだ ? |
コレット | あっ、じゃあ私もロイドと一緒に行って祭りに参加してお手伝いします。 |
エステル | それなら、私も皆さんとご一緒したいです !きっとリタも興味津々だと思うんです。ダメでしょうか ? |
リフィル | そうね……リタも一緒に行ってくれるのならロイドも色々な知識に目を向けてくれるかもしれないわね。 |
リフィル | わかったわ。その代わり出発前に学園都市アークがどういったものなのか私と一緒に復習しておきましょう。 |
リフィル | まず、学園都市アークとは私たちがいる世界ティル・ナ・ノーグとはまったく違う次元にある世界だったわね。 |
リフィル | アークはあらゆる次元の全ての記録を保管する次元図書館で、アーキタイプと呼ばれる住民たちが暮らしているの。 |
ミリーナ | そして、アーキタイプの長としてアークを護るのがワイズマンさんですね。 |
リフィル | その通りよ、ミリーナ。 |
リフィル | アークはあらゆる次元を観測できる場所。だからあらゆる世界に存在する争いの影響を受けて、住人が疲弊しているの。 |
リフィル | ワイズマンは、そんな疲弊した住人のために疲れを癒やす目的で―― |
ロイド | はい ! はい ! 先生 ! ワイズマンはアーキタイプを楽しませるために祭りをたくさん開催してるんだよな。 |
ロイド | 楽しいことをすると疲れが吹っ飛ぶなんてアーキタイプも俺たちと一緒なんだな。 |
リフィル | ふふ、復習するまでもなかったかしら。 |
リフィル | おそらく私たちは、また祭りのゲストとして呼ばれたのでしょう。でも今回はしっかり取材をしてくるのよ、ロイド。 |
ワイズマン | 皆様、今回もアークにお越し頂きありがとうございます。 |
リタ | ちょっとワイズマン ! あんたのせいで大事な研究サンプルを壊しそうになったんだからね ! |
エステル | リタ……、誘う前に一緒に行きたいって言ってくれたのはこういうことだったんですね……。 |
ユーリ | こりゃ、お目付け役がいないと何しでかすかわかったもんじゃねぇな。 |
ワイズマン | 申し訳ございません、リタさん。ですが、そんなリタさんにもぜひ今回の祭りに参加して頂きたいのです。 |
ワイズマン | もちろんリタさんだけではなく、皆さんにも一緒にご参加頂ければありがたいです。 |
ワイズマン | 今回体験して頂くのは私たちが創造した『遊戯空間』で行う祭りとなります。 |
コーキス | ゆっ、遊戯空間 ! ?――って、なんだ ? |
ミリーナ | それって、私たちがアジトにしている仮想鏡界みたいなものなのかしら ? |
ワイズマン | いえ、遊戯空間は一時的な空間の創造です。とある次元では『VR技術』等と名付けられ多くの人々が娯楽に利用しています。 |
ワイズマン | そして、遊戯空間を創造するためには大切な『核』となるものが必要なのです。 |
? ? ? | そこで、私たちに声がかかって協力したんだよ。 |
カノンノ・E | ミリーナたちより少し前に私たちだけ主催のお手伝いってことで先に呼ばれてたんだ。 |
エステル | お祭りの主催者側……です ? |
P・カノンノ | うん。遊戯空間に必要な『核』となる『物語』を、私たち二人でつくったの。 |
カノンノ・E | 実は、この前アークに来た時にワイズマンさんに頼まれて、絵本を渡したんだ。 |
カノンノ・E | その絵本を読んで、ワイズマンさんが私たちにお話作りを依頼してくれたの。今回の絵本はパスカと二人で考えたんだよ。 |
カノンノ・E | タイトルは……『カノンノクエスト―宝島大冒険―』 ! |
コレット | わぁ、すっごく可愛い表紙だね。 |
ミリーナ | 前に貰った絵本も素敵だったから期待しちゃうわね。 |
カノンノ・E | うん、今回も私たちの自信作だよ !でも、読んでもらうより先に『体験』してもらうことになるかな。 |
ユーリ | ……なるほど。そいつはまたとんでもねーことをしたもんだな。 |
ロイド | ん ? どういうことだ ? |
リタ | 要するに、カノンノたちが考えた『物語』をワイズマンが遊戯空間で再現するってこと。 |
リタ | 分かりやすく言うと絵本の中にあたしたちが入るって感覚。そういうことでしょ ? |
ワイズマン | さすがはリタさん。まさにその通りです。 |
ワイズマン | すでにアーキタイプたちにも体験してもらったのですが評判は上々でした。新作を待ち望む声も多いのですよ。 |
コーキス | やべー ! そんなに面白いんだったら早く俺もその遊戯空間ってとこに連れてってくれよ ! |
ミリーナ | 私もぜひカノンノたちの作った絵本の世界に行ってみたいわ。 |
エステル | わたしもワクワクしてきました。ねぇ、リタ ? |
リタ | あ、あたしの興味は学術的なものよ。言っとくけど、まだ研究の邪魔されたことを許したわけじゃないんだからね。 |
P・カノンノ | そう、なの…… ? |
ユーリ | 安心していいぞ。これでも楽しみで仕方ねーって思ってるからな。 |
リタ | ちょ、何言ってんの、あんた ! ? |
ユーリ | 良いじゃねーか、研究の息抜きってことで。おっと、ロイドは自由研究を提出するためだったっけ ? |
ロイド | うっ、そういえばそうだった……。面白そうでつい自由研究のことを忘れちまってたぜ。 |
コレット | じゃ、これからみんなで仲良く冒険に出発……ってことでいいよね ! |
カノンノ・E | そうだよ ! 私たちが考えたお話は仲間たちと数々の困難を乗り越え――。 |
ワイズマン | カノンノ様、その先はぜひ皆さんに遊戯空間で体験してもらいましょう。皆さんも、準備はよろしいですか ? |
コーキス | おうっ、いつでもいいぜ ! ワイズマン ! |
ワイズマン | それでは、アーク主催のお祭りイベント。『カノンノクエスト―宝島大冒険―』を開催させていただきます ! |
キャラクター | 1話【アジト】 |
コーキス | おっ ! すげー ! ?一瞬で違う場所に来ちまった ! |
コーキス | へー、ここがワイズマンが造った遊戯空間ってとこなのか……って !ミリーナ様 ! その恰好どうしたんですか ! ? |
ミリーナ | 恰好って…… ? えっ ! ?私、いつの間にこんな衣装に…… ? |
コーキス | それに、コレット様やリタ様まで ! |
コレット | ホントだ、私たちの服も違ってるね ? |
リタ | ……どうなってんのよ。気づいたらこんなのまで持ってたし。 |
コーキス | リタ様、それ何なんだ ? |
リタ | こっちが聞きたいわよ。でもこの構造の複雑さ…かなりの技術よ。きっと何か特別な用途があるはず……。 |
コレット | あっ、私は剣がついてたよ ?えへへ、なんだかロイドみたい。 |
ミリーナ | もしかして、これもパスカとイアハートが用意した衣装なのかしら ? |
コーキス | そういやワイズマンが、遊戯空間に転移したら一度連絡するって言ってましたよね ? |
ミリーナ | 通信はきてないわよね ? |
リタ | あれ ! ? エステルたちがいない ! |
ミリーナ | そういえば、ユーリさんたちの姿も見当たらないわね。 |
リタ | ちょっと、誰かこっち向かって来てる。あれ見て。 |
コレット | あっ、ほんとだ。もしかしてロイドたちかも。 |
? ? ? | えっ ! どうして、ユウキと同じ……。 |
コレット | ユウキ ? |
キリト | スグやシノンの格好まで……。どういう事だ ? |
ミリーナ | あの、もしかしてアークの方ですか ?私たちもワイズマンさんに転移してもらってここに来たんですが……。 |
アスナ | アーク ? ワイズマン ?もしかしてあなたたちここがどこなのか知っているの ! ? |
? ? ? | そのワイズマンってやつがこのゲームのGMなのか ? |
コーキス | なっ、なんだ ! ? |
ミリーナ | 魔物 ! ? |
| グルルルルッアアアア ! ! |
ミリーナ | コレット ! あぶないっ ! |
? ? ? | キリト君っ ! |
? ? ? | はあああっ ! |
| グルルルッアアアア ! ! |
? ? ? | 大丈夫 ! ? |
コレット | えっ、うっ、うん……。 |
? ? ? | ……キリト君。敵のHPゲージは ? |
キリト | ……表示されない。俺たちのメニュー・ウインドウもやっぱり機能しないままだ。 |
? ? ? | ALOの魔法も使えない。それなのに《ソードスキル》はちゃんと発動する……。 |
? ? ? | やっぱり、わたしたちは……。 |
? ? ? | いや、そんなわけ……。 |
| ガアアアアアアッ ! |
リタ | ちょ、ちょっと !どうすんのよこいつ ! |
? ? ? | キリト君、ここは一旦退きましょう !このモンスターがフロアボスならわたしたちを追ってこないはず ! |
? ? ? | ……それに、この人たちともちゃんと話がしたいわ。 |
? ? ? | ああ、それが賢明だな。 |
? ? ? | おい、あんたたち !こいつは俺たちが引き付けておくからすぐにここから脱出してくれっ ! |
コレット | そんな ! 危ないよ ! |
? ? ? | 大丈夫よ、わたしたちもすぐに行くから。 |
コーキス | ミリーナ様 ! 早くこっちに ! |
? ? ? | ……よし。退くぞ、アスナ ! |
? ? ? | ええ ! |
キャラクター | 1話【アジト】 |
コーキス | ここまでは魔物が追いかけてこないみたいだな。 |
ミリーナ | あの……ありがとうございました。えっと……。 |
? ? ? | そっか。まだ名前も言ってなかったわね。 |
アスナ | わたしはアスナ。そして、こっちがキリト君。 |
ミリーナ | アスナさんに、キリトさんね。 |
アスナ | そんなに畏まらなくていいわ。わたしのことはアスナって呼んでくれていいし、キリト君も気にしないわよね ? |
キリト | ああ、好きなように呼んでくれ。 |
ミリーナ | それじゃあ、アスナ、キリト。二人は、ワイズマンさんのことを知らないみたいだったけれど……。 |
ミリーナ | もしかして、アークとは違う世界からここへ来たの ? |
キリト | そのことで、俺たちも聞きたいことがあるんだ。 |
キリト | あんたたち、どうしてその恰好のアバターを使っているんだ ? |
コーキス | あばたー ? |
リタ | この服装の話 ? 知らないわよ。気付いたらこうなってた。 |
キリト | スグ……リーファやシノン。それに、ユウキっていう名前に心当たりは ? |
ミリーナ | ……ごめんなさい。知らない名前だわ。 |
アスナ | …………。 |
コレット | えっと……アスナ ? どうしたの ? |
アスナ | ううんっ ! なんでもないの !えっと、あなた、名前は ? |
コレット | あ、自己紹介が遅れてごめんなさい。私はコレット。コレット・ブルーネル。それにお友達のコーキスとミリーナとリタ。 |
アスナ | そう、コレットっていうのね。あなたたちはギルドメンバーなの ? |
リタ | ギルドってわけじゃないけどまぁ、似たようなもんよ。今はこの子たちと一緒に行動しているわ。 |
ミリーナ | 確かイアハートも元の世界ではギルドでお世話になったって言ってたわね ? |
コーキス | ってことは、やっぱりここはカノンノ様たちが用意した遊戯空間ってことですか ? |
リタ | でも、あの子たちが考えたにしちゃあ魔物が随分と物騒な気がしない ? |
キリト | 一体どうなって……ん ? |
コーキス | ちょ、なんだこれ !まぶしっ…… ! |
? ? ? | パパっ ! ママっ ! |
ミリーナ | 鏡精 ! ? |
コーキス | 姿はカーリャ先輩みたいだけど……。パパ ? ママ ? |
キリト | ユイ ! 俺たちがここにいるのが分かったのか ! ? |
ユイ | はい、パパたちのログイン履歴はあるのにALOサーバー内での活動が確認できなくて……。 |
ユイ | 心配になってパパとママのデータの形跡を辿ったところ、ここに辿り着くことができました。 |
アスナ | じゃあ、やっぱりここはALO……。《アルヴヘイム・オンライン》と同じ電脳世界ってこと ? |
ユイ | それは……。 |
ミリーナ | えっと、キリトやアスナも私と同じ鏡士の力を持っているの ? |
アスナ | かがみし…… ? |
リタ | ……どうやら違うみたいよ。つまり、こいつら、春香やレナスと同じタイプなんじゃない ? |
リタ | ユイだっけ ?あんたが一番事情を理解してるみたいだしあたしたちにも説明してくれる ? |
アスナ | ユイちゃん。お願いできるかな ? |
ユイ | はい、ママ。わたしが解析できたこの世界について皆さんにお伝えします。 |
ユイ | わたしたちがいるこの空間はパパとママがいたALOの世界と皆さんの世界の構造が交じっています。 |
ユイ | そのせいで、この空間はかなり特殊な環境になっているのです。 |
リタ | じゃあ、ここはワイズマンの遊戯空間でありキリトたちの世界でもあるってこと ? |
ユイ | パパとママは《アミュスフィア》という装置を介してこの空間に来ていますが皆さんは肉体のまま存在していて……。 |
ユイ | なので、皆さんはもちろんのことパパたちに何かあった場合も……。 |
キリト | 俺たちもここでゲームオーバーになったらどうなるかわからないってことか。 |
アスナ | わたしたちは魔法が使えないけどミリーナたちが魔法を使えることもこの特殊な空間が関係しているのかしら ? |
キリト | いや、それは俺たちのモデルデータもALOじゃなくSAOに近いものになってるって考えたほうがしっくりくる。 |
キリト | ご丁寧に、服装まであのときと同じだしな。 |
ユイ | ミリーナさんたちの衣装がリーファさんたちの衣装に変わったことも、わたしたちの世界の認識が影響した結果かと……。 |
コレット | えっと、ごめんね。難しいことはよくわかんないんだけど……。 |
コレット | 私たちもキリトたちも、この場所で迷子になっちゃってるってこと ? |
コーキス | コレット様のその言い方緊張感ねーなー……。 |
リタ | 迷子っていうより閉じ込められてるって言ったほうが正しいかもね。 |
ユイ | 現段階で一番効果的な解決策はこの空間で生まれたフロアボスを攻略することです。 |
ユイ | フロアボスを形成している大量のデータを解析できれば、なんとかパパたちのメニュー機能を復旧できるかも知れません。 |
キリト | そしたら、ログアウトも可能になるってわけか……。 |
コレット | それじゃあ、私たちもアスナたちのお手伝いをすればいいってことだねっ ! |
アスナ | えっ ! ? |
ミリーナ | そうね。さっき助けてもらった借りがあるし私たちもワイズマンさんと連絡を取る手段が見つかるかもしれないわ。 |
コレット | うん、こういうときこそみんなで協力してがんばろうよ ! |
アスナ | コレット……。 |
コレット | これから宜しくね、アスナ ! |
キリト | …………。 |
コーキス | よしっ、そうと決まればあのでっけえ魔物を倒しにいくぞ ! |
アスナ | ……ありがとう、みんな。それじゃあ、しっかりと作戦を立ててフロアボスの攻略にかかりましょう。 |
キャラクター | 2話【vsグザファン】 |
アスナ | ありがとう、ミリーナ。あなたのサポートのお蔭で助かったわ。 |
ミリーナ | びっくりしたわ。キリトもアスナもこんなに強かったのね。 |
リタ | なんか、こういう修羅場は慣れてるって感じね。 |
コレット | うん、二人ともカッコ良かったよ~。 |
コーキス | なぁ、キリト ! お前の剣術すげーな ! |
コーキス | 俺たちの仲間にもクレス様やアスベル様ってすげぇ剣術の使い手がいるけどきっといい勝負になると思うぜ ! |
コーキス | それにアスナとの連携も凄かったよな ! ?息もぴったりだったし、掛け声もなんか気合い入ってたし ! |
アスナ | ああ、《スイッチ》のことね。わたしたちの世界ではよく使う連携なの。 |
コーキス | へえー ! 俺もそのスイッチでキリトと連携攻撃やってみてーな ! |
キリト | ……いや。俺はアスナとしかスイッチはしない。 |
コーキス | なんでだよ ?俺とキリトは同じ前衛なんだから連携とれたほうがいいんじゃねーの ? |
キリト | ……中途半端に連携をとるくらいなら別々に攻撃したほうがいい。 |
キリト | これは俺たちにとって遊びじゃないんだ。……邪魔はしないでくれ。 |
コーキス | ……はぁ ! ? 邪魔って何なんだよ !何もそんな言い方することねーだろっ ! ? |
ミリーナ | コーキス。ちょっと落ち着きましょう ? |
コレット | キリトも、何かごめんね。私たちあんまり上手くサポートできてなくて……。 |
リタ | ま、でも別にいいんじゃない。お互いよく知ってる相手のほうが動きも合わせやすいし。 |
リタ | そんなことで意見ぶつけてたらキリがないわよ。 |
コーキス | ……わかったよ。 |
リタ | そうだ、キリト、アスナ。この子のことで聞きたいことがあるから歩きながら教えてくれない ? |
キリト | ヘカートⅡのことか ? |
リタ | へぇ、この子、ヘカートⅡっていうのね。いい名前じゃない。 |
リタ | それと、データを集めてくれてるユイの分析結果も聞いてたら道中は退屈しなさそうね。 |
アスナ | ねぇ、キリト君。わたしは……。 |
キリト | アスナ……俺たちはまだこの世界のことをほとんどわかっちゃいないんだ。 |
キリト | 今の段階なら、コーキスたちと連携を取らなくてもフロアボスを攻略できる。 |
キリト | ……それだけで十分だ。 |
アスナ | キリト君……。 |
キリト | 行こう、アスナ。 |
ミリーナ | コーキス。きっとキリトたちにも事情があるんだと思うの。今はキリトたちの考えを優先しましょう。 |
コーキス | ミリーナ様がそう言うなら……俺はミリーナ様に従います。 |
ミリーナ | ありがとう。ごめんなさいね、我慢させて。私はコーキスのこと頼りにしてるからね。 |
コーキス | ……はいっ ! |
キャラクター | 3話【vsエンシェントライガ】 |
コレット | そっか……。さっきのところにロイドたちはいなかったんだね。 |
ユイ | はい……。パパたちがフロアボスを倒したので、あの階層のデータマップは全て把握できたのですが……。 |
ユイ | あそこにはパパやコレットさんたち以外の反応は確認できませんでした。 |
コレット | うん……。ありがとう、ユイちゃん。 |
リタ | だっ、大丈夫よ !あたしたちが一緒にいるみたいにあっちにはユーリたちが一緒にいるわよ。 |
リタ | だから……。エステルだって、きっと無事なはず……。 |
アスナ | ミリーナたちの仲間も早く見つかるといいんだけど……。 |
キリト | ユイ、リーファやシノンたちがここに来てるってことはないのか ? |
ユイ | それは大丈夫だと思います。わたしがここに来る前に、ALOでお二人にお会いしてますから。 |
ミリーナ | リーファって、今の私たちの服装をしているキリトたちの仲間なのよね ? |
ミリーナ | 私たちのことを見たときにその子たちの名前を呼んでたでしょ ? |
アスナ | ええ、リーファはキリト君の妹でシノンはわたしたちの友達よ。 |
アスナ | 今のミリーナの服装がリーファ。それにリタの姿がシノンの服装なの。 |
アスナ | 最初にみんなの恰好をみたときはちょっと驚いちゃった。 |
コレット | それじゃあ、私の服装もアスナの仲間のものなんだね。 |
アスナ | ……えっと、それは。 |
コレット | えっと、たしかユウキって言ってたよね ? |
キリト | ……ああ、ユウキは俺たちの大切な仲間だ。 |
アスナ | ……ええ、ユウキもコレットみたいに明るくて、とってもいい子なのよ ? |
キリト | 剣の腕はコレットと比べ物にならないくらい凄かったけどな。 |
アスナ | もう……キリト君ってば。コレット、わたしで良かったら剣の扱いを教えてあげられるわよ ? |
コレット | ホント ! ありがとうアスナ !私が剣を使えるようになったらロイド驚くだろうな…… ! |
リタ | じゃ、あたしはキリトにヘカートⅡの扱いをもっと詳しく教えてもらおうかしら ? |
キリト | さっきも言ったが、あいにく俺はライフルの知識は殆ど持ってないんだよ。 |
リタ | だから、自分で解体してみて大体の構造は理解済み。あとはどうやってこれを使いこなすかなんだけど……。 |
リタ | そのシノンって子がどういう風に使ってたのか、大体でいいから教えなさい。後は勝手に試行錯誤しとくから。 |
キリト | それなら、まぁ……。っていうか、解体して調べるって本格的すぎるだろ。 |
ユイ | パパ、わたしもお手伝いしますよ。 |
ミリーナ | ねぇ、ユイちゃん。ずっと気になっていたんだけれど、キリトたちのことをパパとママって呼んでるでしょう ? |
ミリーナ | キリトとアスナはユイちゃんのお父さんとお母さんってことなの ? |
二人 | えっと、それは……。 |
ユイ | はい。わたしはパパとママの子供なんです。一緒に三人で暮らしたこともあるんですよ。 |
ユイ | 今は《ナビゲーション・ピクシー》なので身体が小さくなっていますけどパパにだっこしてもらったこともあります。 |
ミリーナ | もしかしたら、アスベルたちとソフィの関係に似てるのかしら ? |
コーキス | あー。確かに似てますね。アスベル様たちとソフィ様も仲がいいですし。 |
コレット | ユイちゃんはキリトとアスナのことが大好きなんだね。 |
ユイ | はい。パパもママも大好きです ! |
アスナ | もう、ユイちゃんったら……。 |
コレット | ねぇアスナ。キリトやユイちゃんのこと私たちにも教えてくれないかな ? |
コレット | 私、アスナたちがどういう旅をしてきたのか知りたくなっちゃって。 |
アスナ | それは別に構わないけれど……。 |
ミリーナ | そうね、私も興味があるしぜひアスナの話を聞かせて欲しいわ。 |
アスナ | わかったわ。ちょっと長くなっちゃうけどわたしとキリトくんが出会ったのは――。 |
コーキス | …………。 |
リタ | どうしたのよ、コーキス ? |
コーキス | いや、ミリーナ様がああして笑ってくれてるのがなんか嬉しくてさ……。 |
コーキス | 俺、マスターからミリーナ様のこと任せられたのに、ちゃんと守れてるかなってずっと考えてたから―― |
コーキス | ……って、痛ってぇ ! ?なんでチョップするんだよリタ様っ ! |
リタ | あんたが弱音みたいなこと吐くからでしょ ?そんな心配する暇があるならちゃっちゃとこのフロアの敵も倒すわよ。 |
リタ | それに、一人で抱え込まないでちゃんとあたしたちのこと頼りなさい。 |
コーキス | リタ様 ? |
リタ | はい、この話はおしまいっ !じゃ、コーキス。あんたはヘカートⅡの実験台になりなさい。 |
コーキス | 実験台 ! ? |
リタ | ……冗談に決まってんでしょ。 |
リタ | さて、コーキスはともかくキリトにはこれからたっぷりレクチャーしてもらうからね。 |
リタ | 別に、あっちの会話に入りたかったら止めはしないけど。 |
キリト | ……あっちはアスナに任せたほうが良さそうだな。 |
キリト | わかったよ。俺で良ければあんたに付き合うぜ。 |
キャラクター | 4話【vsタルロウXX】 |
キリト | このフロアは主街区もあるのか。ますますアインクラッドみたいだな。 |
アスナ | なんか、変な形したロボットが歩き回ってるけど、敵エネミーってわけじゃなさそうね。 |
キリト | NPCってことでいいんだろうが……。 |
アスナ | どうしちゃったの、コーキス ? |
コーキス | アークに来たときに覚悟はしてたけど…………はぁ。 |
リタ | まさか、この遊戯空間の中にまで影響を与えるとはね…………はぁ。 |
ミリーナ | ディストさん……。いつもジェイドさんに相手にされないばっかりに…………はぁ。 |
キリト | なんか急に疲れだしたな、ミリーナたち。 |
アスナ | 嫌なことでもあったのかしら ? |
コレット | えへへ、ちょっと……色々あって。 |
アスナ | とにかく、フロアボスを倒すにはこの主街区を抜ければいいわけね。 |
アスナ | さぁ、みんな、行きましょう。 |
三人 | …………。 |
キリト | なぁコレット。そのディストってやつはどんなやつなんだ ? |
コレット | えっとね、面白い人、かな ? |
コレット | 自分のこと「薔薇のディスト」って名乗ったり、空飛ぶ椅子に座ってたり……。 |
アスナ | ……ありがとう、コレット。あんまり関わらないほうがいい人っていうのはわかったわ。 |
キリト | 技術的には俺たちの世界とはまた違うメカニズムで動いてる機械ってことか。 |
キリト | ここの世界ではデータだとしてもコーキスたちの世界では実在している。 |
キリト | となると、これは自動走行型AIのロボットって考えたら……。 |
コーキス | ん ? どうしちまったんだキリトの奴 ? |
アスナ | ごめんね、集中すると周りが見えなくなることがあって……。 |
アスナ | こっちから話しかけても全然気づいてくれないときもあるのよ。 |
リタ | もしかしてキリトって何かの研究者だったりする ? |
アスナ | ううん。でも……そうね。キリト君はそっちの道も考えてるかもしれないわね。 |
コレット | キリトって、強いだけじゃなくて勉強もできるんだ。 |
リタ | 造ってるものは趣味悪いけど確かにタルロウXXの構造は気になるわよね。これは色々調べられるチャンスかも……。 |
リタ | よし、コーキス。タルロウXXを捕まえに行くわよ。 |
コーキス | ちょ、リタ様、待てよ ! |
コレット | あっ、私も手伝うよ~。 |
リタ | それじゃあ、キリト。あんたもせっかくだから一緒に来なさい。人手は多いほうが捗るし。 |
キリト | えっ ? あっ、ちょ、引っ張るなよ。 |
アスナ | ……。 |
ミリーナ | アスナ、どうかしたの ? |
アスナ | うん、ちょっとね。キリト君ってわたしよりずっと前を歩いているときがあって……。 |
アスナ | わたしも必死で追いかけるんだけどいつかわたしの知らない場所に行っちゃうんじゃないかって不安になるの。 |
ミリーナ | アスナ……。 |
アスナ | あっ、ごめんねミリーナ。わたし、変なこと言っちゃったよね ? |
ミリーナ | ううん。私も、アスナの気持ち凄くわかるなって思っちゃった。 |
アスナ | もしかして、ミリーナにもいるの ?その、大切な人が…… ? |
ミリーナ | うん。だけど、私はアスナのように強くなかったから……。 |
アスナ | ミリーナ、それって……。 |
ミリーナ | でもね、私には今、沢山の人たちが一緒にいてくれて、力を貸してくれてるの。 |
ミリーナ | だから、私は諦めない。たとえ、どんなに遠くに行ったとしても必ず私が迎えに行くって決めたから。 |
アスナ | そっか……。なんだか、わたしとミリーナって似たもの同士なのかもね。 |
ミリーナ | アスナと似ているなんてとっても嬉しいわ。 |
ミリーナ | 私、アスナのこともっと好きになっちゃったかも。 |
アスナ | ちょ、ちょっとミリーナ ! ? |
ミリーナ | ふふっ、照れてるアスナも可愛いんだから。 |
アスナ | もう、からかわないでよね。 |
キャラクター | 5話【vsシャドウガイスト】 |
ミリーナ | このフロアはちょっと風景がおどろおどろしいわね。 |
コーキス | それに、さっきから同じ道をぐるぐる回ってる気がするんだよなー。 |
キリト | もしかして、この街を出てフロアボスのところまで行くためには、なにか特殊な条件をクリアしなくちゃいけないのか ? |
アスナ | キキキキッ、キリト君っ ! |
キリト | わっ、どうしたんだよ、アスナ ! ? |
アスナ | こっ、このフロアは凄く危険な感じがするわっ !早く次のフロアに行く道を探しましょう ! |
リタ | きっ、奇遇ねアスナっ !あたしも同じことを考えていたのよ ! |
コーキス | ん、リタ様もアスナもどうしたんだよ ?そんなに顔真っ青にして ? |
キリト | あー、アスナ。そういえばアインクラッドのときも……。 |
アスナ | キリト君ッ ! それ以上は言わないで ! |
キリト | おっ、おう……。 |
コレット | でも、ここのフロアの動物はちょっと変わってたね。何だか身体が透けてるように見えたし。 |
アスナ | からだが……すけてた…… ! ? |
コーキス | ああ、それ俺も見たけど面白かったよな ! |
リタ | なにが面白いのよ ! !いい加減なこと言わないでっ ! ! |
コーキス | えっ、わっ、悪い。 |
コーキス | でも、今だってリタ様とアスナの後ろに……。 |
二人 | ……えっ ? |
コレット | なんだか二人に懐いてるみたい ! |
二人 | いやああああああああああああっっっっ ! ! |
コレット | えっ ? ええ ! ?二人とも急に走ったら危ないよ ! ? |
キリト | ……アスナの希望通りここは早く突破したほうがいいな。 |
コーキス | ……みたいだな。 |
ミリーナ | ふふっ、二人の反応とっても可愛かったわね。 |
ユイ | 『パパ ! ママの心拍数が急激に上昇しましたが、何かありましたか ! ?』 |
キリト | 心配ないよ、ユイ。解析で忙しいところ悪いんだが、こっちに戻ってきてアスナとしばらく一緒にいてくれないか ? |
ユイ | 『はい、分かりました』 |
ユイ | ママ、大丈夫ですか ? |
アスナ | ううっ、ユイちゃん……。 |
コレット | リタはもっと奥に行っちゃったのかな ?私、リタのこと捜してくるね ? |
アスナ | わっ、わたしも一緒に行くわ。ユイちゃんもいるなら大丈夫……。多分だけど……。 |
ユイ | ママ、無理はしないでくださいね ? |
ミリーナ | ……ユイちゃんって、本当に鏡精の姿にそっくりよね。 |
キリト | データの解析中は駄目らしいが俺やアスナが呼んだら今の姿でこっちに来られるみたいだ。 |
キリト | ……。 |
キリト | コーキス、ミリーナ。お前たちに頼みがある。 |
ミリーナ | どうしたの、キリト ? |
キリト | ここのフロアでは、おそらくアスナは本来の動きができないと思う。 |
キリト | リタもあの調子じゃアスナと同じだろうし俺以外はコレットも含めて後方の防御を強化してくれ。 |
キリト | アスナには俺から後ろに下がるように伝えておく。 |
コーキス | おい、キリト。それじゃあ前衛で戦ってるお前が……。 |
キリト | ……話はこれで終わりだ。ちょうど、アスナたちも戻って来たしな。 |
コーキス | ……キリト。 |
アスナ | キリト君、こっちに隠し通路があったわ ! |
コレット | リタを追っているときに途中で転んじゃったんだけど……。 |
アスナ | コレットが転んでぶつかった壁が崩れたの ! |
リタ | 念のため、別の行き止まりの壁も壊そうとしたけど、駄目だったわよ ! |
ミリーナ | じゃあ、コレットがたまたま転んだ場所だけ壁が壊れるようになっていたってことね。 |
アスナ | 他の道と比べて、街灯も明るくて雰囲気も違う感じだし、もしかしたら……。 |
キリト | おそらくだが、その隠し通路がフロアボスへの道のりだ。大手柄だぜ、コレット。 |
リタ | あっ、あたしたちのおかげなんだからちゃんと感謝しなさい !それで、さっさとこのフロアから出るわよ ! |
コーキス | いや、リタ様のおかげってわけじゃない気がするけど……まぁ良いや !これで先に進めるぜ ! |
ミリーナ | コレットの幸運を呼ぶドジはここでも大活躍ね。 |
キャラクター | 6話【vsザ・グリームアイズ】 |
コーキス | ミリーナ様……。このフロア、今までと雰囲気が……。 |
ミリーナ | ええ、分かっているわ、コーキス。 |
ユイ | 『パパ、解析結果が出ました。この第五層が最上階のようです』 |
キリト | ってことは、ここのフロアボスを倒せば晴れてゲームクリアってわけか。 |
ユイ | 『はい、パパとママのログアウト機能を復旧させて、ミリーナさんたちの世界とも通信が可能になるように働きかけます』 |
キリト | よし、アスナ。今まで通り俺が前に出るからアスナは援護しつつ敵の体力を削ってくれ。 |
コーキス | ちょ、ちょっと待ってくれキリト ! |
コーキス | その……今の戦い方で正しいのか ?キリトだけがこのまま一人で前に出て戦うってのは違うんじゃないかって……。 |
キリト | ……別に、それでコーキスたちに負担をかけてるわけじゃないだろ ? |
リタ | そうね。むしろこっちが楽させてもらってるくらい。 |
リタ | でもね、ずっとあんたが敵の注意を引き付けるってことは、一歩間違えればあんたの命が危険ってことじゃないの ? |
キリト | それは……。 |
コーキス | だから、今のままじゃ駄目だって気がするんだ。 |
キリト | コーキス……。 |
コレット | アスナは、どう思うの ? |
アスナ | ……えっ、わたし ? |
コレット | うん……だって、アスナはキリトと一緒にずっと戦ってきたんだよね ? |
コレット | そのアスナが、キリトの今の姿をみて感じることがあるのなら、ちゃんと伝えなきゃ。 |
アスナ | コレット……。 |
ミリーナ | キリト、私もね、キリトみたいな人がずっと近くにいてくれたの。 |
ミリーナ | 私はその人に守られてばかりいたんだなって離れ離れになってようやく気付くことができた。 |
ミリーナ | 私がその人を守っているつもりだったのに。 |
ミリーナ | だから、キリトがアスナのことを大切にしている気持ちも分かるの !それに……私たちのことだって……。 |
リタ | そうよ。さっきコーキスにも言ったことだけど、一人で抱え込んでもろくな結果が出ないわ。 |
リタ | あんただって、別にあたしらのこと信用してないってわけじゃないみたいだし。 |
リタ | それに、あんたに心配されるほどヤワじゃないわよ、あたしらは。もう十分、証明したでしょ。 |
アスナ | ……キリト君。わたしもミリーナたちの意見に賛成よ。 |
アスナ | 今のキリト君を見てるとね……。昔のキリト君を見ているみたいで……。 |
アスナ | ……わたしはっ ! !わたしが隣にいなかったときのキリト君に戻ってほしくないの……。 |
アスナ | だから、わたしだけじゃなくてコーキスたちとも一緒に戦うことはできないかしら ? |
キリト | アスナ……俺は……。 |
コーキス | っ ! ! きたか ! ! |
ザ・グリームアイズ | グルルルッアアアア ! ! ! ! |
アスナ | えっ……このフロアボスは ! ? |
キリト | まさか、お前までこっちの世界に来ていたとはな……。 |
コーキス | ……キリト ? |
キリト | コーキス。こいつは俺たちの世界のフロアボスだ。戦闘パターンも嫌ってほど覚えちまってる……。 |
キリト | こいつの相手は……俺だ ! |
コーキス | キリト ! ? ああっ、もう !結局一人でやろうとするのかよ ! ?だったらこっちも勝手にフォローするぞ ! |
ミリーナ | そうね。短い時間だったけれどキリトたちの呼吸はつかめている筈だもの。強引に肩を並べさせて貰いましょう ! |
キャラクター | 7話【vsザ・グリームアイズ】 |
アスナ | まさか、SAOのフロアボスまでこっちに現れるなんて……。 |
コレット | でも、これでアスナたちも元の世界に戻れるんだね。 |
キリト | どうだ、ユイ。データの解析は ?……ユイ ? |
キリト | ! ? みんな、伏せろ ! |
ザ・グリームアイズ | グルルルッアアアア ! ! |
アスナ | ミリーナ ! コレット ! |
キリト | アスナッ ! |
アスナ | だっ、大丈夫よ、これくらい……。うっ…… ! ? |
コレット | 動いちゃ駄目だよ、アスナ ! |
ミリーナ | 待ってて ! すぐに私が ! |
キリト | くそっ ! SAOではこんな仕様なかったっていうのに……。 |
ザ・グリームアイズ | グッ ! ! グルルルッアアアア ! ! |
キリト | しまっ…… ! |
コーキス | キリトッ ! |
コーキス | しっかりしろ、キリトッ !アスナは必ずミリーナ様が助けてくれる !だから、俺たちであいつを倒すぞ ! |
コーキス | 俺には……大事な想いを託してくれたマスターがいるんだ !だから、ここで倒れるわけにはいかない ! |
コーキス | キリトだって同じじゃないのか ! ?大切な人を守るために戦ってここまで強くなったんだろ ? |
コーキス | 俺はたとえどんなことがあってもミリーナ様を守る !それが俺とマスターの約束だからっ ! |
コーキス | 大切な人を守りたいって気持ちは俺も同じだっ ! ! |
リタ | それだけ元気なら大丈夫そうね、コーキス !援護はあたしに任せなさい。コレットはアスナたちのことを頼むわよ。 |
コレット | うん、私も頑張るから !だからキリト、アスナのことは任せて !私たちは仲間でしょ ? |
キリト | リタ……、コレット……。 |
コーキス | キリト。“後ろにはちゃんと俺がいる”だから、思いっきりいけっ ! |
キリト | ! !いいぜ、そういうことなら……。 |
キリト | 全力でいくぞっ ! |
| グルルルッアアアア ! ! グッ ! グアッ ! |
リタ | おっと、あたしの持ってる『切り札』を忘れてもらっちゃ困るわね。 |
アスナ | ミリーナ、ありがとう。わたしも、キリト君と一緒に戦わなきゃ。 |
ミリーナ | アスナ……でも。 |
アスナ | ミリーナも守られるだけじゃ嫌なんでしょ ?わたしだって同じなんだから。 |
ミリーナ | ……ええ、そうよね。サポートは任せて、アスナ ! |
ミリーナ | 今度は私がみんなを守る !――鏡に光を ! ルミナスレイズ ! |
アスナ | 傷がどんどん治っていく……。よし、これならっ ! |
コレット | アスナ、私もっ ! |
アスナ | ええ、行くわよコレット !はあああっ ! |
二人 | マザーズ・ロザリオ ! ! |
アスナ | キリト君っ、今よ ! |
キリト | サンキュー、アスナ、コレット !これで最後だっ ! |
キリト | スターバースト・ストリィィィム ! ! |
ザ・グリームアイズ | グッ ! グッアアッ ! !グルルルッアアアア ! ! |
コレット | 駄目 ! まだ倒れないよ !このままじゃキリトが ! |
ミリーナ | 大丈夫よ ! だって―― |
キリト | “後ろにちゃんといる”んだろ ?コーキス ! |
コーキス | ああ ! ここからは任せろ ! |
二人 | 《スイッチ》 ! ! |
コーキス | はあああああっ ! !煌叢鏡裂閃 ! ! |
ザ・グリームアイズ | ゴァァァアアアアアアアア ! ! |
リタ | よしっ。今度こそ、ちゃんと倒せたようね。 |
コーキス | ふぅ、最後はヒヤッとしたな。キリトたちがいなかったらマジでやばかったぜ。 |
キリト | それはお互い様かもな。 |
アスナ | そうよ。みんながいなかったらわたしたちだって……えっ、ミリーナ ! ?それにみんなも ! ? |
コーキス | うわっ、俺たちの身体が急に光り出したぞ ! ? |
ユイ | 『パパ ! ママ ! 聞こえますか ! ?』 |
キリト | ユイ ! 良かった、さっきは通信が切れてたみたいだが、大丈夫だったか ? |
ユイ | 『はい、大丈夫です。パパたちがフロアボスを倒してくれたおかげで阻害されていた通信機能が復旧しました』 |
ユイ | 『ただ、パパたちの強制ログアウトもすぐに実行されるようで、コーキスさんたちはおそらく元の世界への転送が……』 |
ミリーナ | そんな ! ? まだアスナたちにちゃんとお礼が言えてないのに……。 |
アスナ | お礼なんて良いのよミリーナ。その代わり、またどこかで会った時今度はゆっくりお話しましょう。 |
ミリーナ | ……ええ、もちろんよ。アスナたちともう一度会える日を楽しみにしてるわね。 |
キリト | じゃあな、コーキス。お前の最後のスイッチなかなか様になってたぜ。 |
コーキス | キリト…… !あっ、当たり前だろ !俺はマスターの鏡精だからな ! |
コーキス | へへっ、キリトたちと一緒に戦うのすげー楽しかったぜ ! |
コーキス | キリト、アスナ ! 絶対また会おうな ! |
キャラクター | 7話【vsザ・グリームアイズ】 |
コーキス | うわっ ! いっ、いってー ! |
ワイズマン | 皆さん ! ご無事でしたかどうやら、ちゃんとこちらからの強制転移は成功したようですね。 |
コレット | ロイド ! 良かった…… !無事だったんだね !ずっと捜してたんだよ。 |
ロイド | あのなぁ、コレット……。それはこっちの台詞だからな……。 |
エステル | リタ、良かったです !すっごく心配してたんですよ ! ? |
リタ | ちょ、エステル ! やめなさいよ !ミリーナたちがいる前なんだから。 |
ユーリ | 許してやれよ、リタ。これでもさっきよりは落ち着いてんだぜ ? |
ミリーナ | もしかして、他のみんなはあの空間に転移したわけじゃないの ? |
カノンノ・E | うん、ロイドたちはちゃんとワイズマンさんが造った遊戯空間に転移したんだけど……。 |
ユーリ | いつまで待ってもミリーナたちが来ねえから、エステルがずっとお前らのこと心配しちまってよ。 |
P・カノンノ | はじめはワイズマンさんも転移位置がずれただけだと思って創造した遊戯空間内を捜してたの。 |
P・カノンノ | だけど、ワイズマンさんが創造したものとは全く別の空間にミリーナたちが飛ばされちゃってることがわかって……。 |
ロイド | 俺たちもさっき知ったばっかりで急いでこっちに帰ってきたんだぜ。 |
ワイズマン | 別の世界の干渉が影響して私の意図しない空間へとミリーナさんたちが転送されてしまったようなのです。 |
ミリーナ | ワイズマンさん。その別の世界のことについてわかることってないかしら ? |
コーキス | そうだ ! 俺たち、キリトたちがちゃんと元の世界に戻れたのか知りたいんだ ! |
ロイド | ん ? キリト……って誰だ ? |
コレット | えっとね、私たちと一緒に戦ってくれた人たちなんだけど……。 |
ワイズマン | そのことに関して、私からも皆さんにご報告しなければならないことがあるのですが……。 |
アスナ | ……あれ、ここは ? |
ミリーナ | キリト ! ? アスナ ! ? |
コーキス | なっ、なんで二人ともここに ! ? |
キリト | まさか、俺たちはまだ完全にログアウトできてないってことなのか ? |
ワイズマン | ご安心ください。あなたたちは“シャドウ”としてこのアークに私が招待いたしました。 |
アスナ | “シャドウ” ? |
リタ | ってことは、春香のときと同じように本人は元の世界に戻ってるってことよね ? |
ワイズマン | はい、シャドウはあくまでも姿形と記憶をそのままに別次元に投射した存在――。 |
ワイズマン | キリトさんにアスナさん。私がコーキスさんたちを強制転移する際あなたたちの存在も感知致しました。 |
ワイズマン | 今回は想定外なことに、かなり特殊な空間が生まれてしまいましたので、私が対処して空間のデータを回収し分析しましたが……。 |
ワイズマン | お二人に「コーキスさんたちと、もう一度会いたい」という想いが残っていましたので“シャドウ”としてお呼びしたのです。 |
ワイズマン | なので、ミリーナさんたちと一緒にいたお二人は無事、元の世界へ帰還されているはずですよ。 |
キリト | ってことは、元の世界に戻ったほうの俺は今頃スグに質問攻めされてるってことか。 |
アスナ | わたしもリズに色々聞かれちゃってるかも。 |
キリト | まぁ、今の俺たちがどういう存在かってのはなんとなく理解できたよ。これからやっていくことも決まってるしな。 |
コーキス | キリト、それって……。 |
アスナ | ねぇミリーナ。わたしもあなたたちの力になれないかしら ?勿論、キリト君も一緒に。 |
キリト | この世界にいることになるなら俺はアスナの判断に任せるよ。 |
キリト | それに、コーキスたちのところには腕に自信があるやつらが集まってるみたいだしな。 |
キリト | これなら、暫くは退屈せずに済みそうだ。 |
コレット | じゃ、これからもアスナたちと一緒にいられるんだね ! |
リタ | あんたたちの世界もかなり興味深かったし色々と話を聞かせてもらうわよ。 |
アスナ | ええ、またよろしくね、みんな。 |
コーキス | よし、キリト !――じゃないや、ミリーナ様の仲間ならキリト様、だな。うん。 |
コーキス | なぁ、キリト様 !早速俺にあのすげぇ技教えてくれよ !最後にやったスターなんとかってやつ ! |
キリト | 今更呼び方が変わるのかよ。 |
コーキス | いいだろ。鏡精のたしなみだからな !そうじゃない奴もいるみたいだけど……。とにかく、キリト様とアスナ様って呼ぶぞ。 |
コーキス | で、どうなんだよ ?教えてくれるのか ? |
キリト | ……いいぜ。その代わり、俺に勝ったらだけどな。 |
コーキス | げっ ! マジかよ……。 |
ロイド | おっ、なんか面白そうだな !よーし、コーキスの次の相手は俺が引き受けるぜ ! |
コレット | あっ、でもロイドは帰ったら先にリフィル先生から出された自由研究を終わらせなきゃだね。 |
ロイド | ああっ、すっかり忘れちまってたぜ ! |
ユーリ | まぁ、こういうやつらの集まりってことでよろしく頼むぜ、お二人さん。 |
アスナ | ふふっ、これから大変ね、キリト君。 |
キリト | まぁ、こういうのも悪くないさ。 |