キャラクター | 1話【夏祭り1 ホワイトかめにん】 |
ミリーナ | 二人とも。疲れたでしょう ?今日はそろそろ終わりにしましょう。 |
コーキス | はぁ……はぁ……そうですね。さすがにクタクタだ。スレイ様、やっぱり強いな。 |
スレイ | コーキスもね。剣の修行、付き合ってくれてありがとう。よければまた頼める ? |
コーキス | ああ、もちろん。俺だってもっと強くなりたいからな。 |
ミリーナ | ……あら。そういえばミクリオさんは ? |
エドナ | 戻ってきたみたいよ。 |
ミクリオ | 終わったみたいだね。 |
スレイ | ちょうどね。ミクリオもだろ ? |
ミクリオ | さあ。何のことだい ? |
エドナ | ミボのくせに強がりね。手に持ってるの、浄玻璃鏡でしょう ? |
ミクリオ | い、いや。これは……。 |
スレイ | ……ミクリオ。 |
エドナ | 主神であるライラがいないのだから浄玻璃鏡があろうと神依化は不可能。そう説明されたわよね ? |
ミクリオ | わかってる。セシリィから聞いた。 |
ミリーナ | それにもし仮にライラさんが具現化されていても導師と天族という複数の力が混ざり合う形の複雑な力がこの世界で再現されることは―― |
スレイ | ――奇跡……って話だよね。 |
ミクリオ | ……。 |
スレイ | エドナ。ライラは何て言うだろう。 |
エドナ | さあね。けどアナタたちが焦っているとはライラも思うんじゃないかしら。 |
スレイ | 結論を急ぐことはないって、自分でもわかってるんだけどね……。 |
エドナ | 気分転換も大切よ。 |
コーキス | ちょうど今頃だと夏祭りをやっている村が多いってマスターが言ってたな。 |
ミリーナ | この先の街でもやっていたはずだけど……あら、あそこにちょうどお祭りの資材を持った行商人がいるわね。 |
スレイ | ベルベットとマギルゥもいる。行商人から何か買ってるのかな。 |
ベルベット | それじゃあ交渉成立ね。 |
ホワイトかめにん | うわ~ん ! もってけ泥棒 !この世界でも赤字覚悟の大サービスっす ! ! |
スレイ | かめにんじゃないか。久しぶりだな。それにベルベットたちとも知り合いだったのか。 |
エドナ | 待ちなさい。あれはホワイトかめにん。お兄ちゃんたちの時間軸から具現化されたかめにんよ。 |
ミクリオ | ホワイトって……。まぁいいか。つまり僕たちとは面識のない別のかめにんなんだな。 |
コーキス | あの……かめにんって何なんだ ?人間 ? それともカメなのか ? |
ミリーナ | 元世界での記憶があるってことは鏡映点……なのかしら…… ? |
ホワイトかめにん | かめにんはかめにんっすよ~~ ! !これ以上の追求も値切りも勘弁して欲しいっす~~ ! ! |
ベルベット | あら。あんたたち。朗報よ、不足していた物資をようやく手に入れたわ。 |
マギルゥ | かめ屋のことは心配無用じゃ。儂らはお得意様じゃからな。 |
コーキス | うわぁ。二人ともすげぇ悪い顔してる。 |
マギルゥ | 何を今更。儂らは極悪人じゃぞ。 |
ホワイトかめにん | 別にいいんす……。値切るか値切られるか。商売は戦いっすから。 |
ビエンフー | まぁ、裏ルートでの値段としては格安でフが毎度のごとく正規ルートでの通常価格分は最低限払ってまフからね。 |
マギルゥ | それに『お客様の笑顔がモットー』がこやつの信条じゃからな。 |
ベルベット | というわけで、マギルゥ。お客様の笑顔をあげといて。 |
マギルゥ | 儂はもう過去にプレゼント済みじゃ。嬢よ、頼めるかえ ? |
エドナ | イヤよ。 |
ホワイトかめにん | とうとう笑顔すらもらえないっすか ! ?あんまりっすよ ! ! |
マギルゥ | ではベルベットよ。後は物資をアジトに届けるだけじゃ。頑張るのじゃぞ。 |
ベルベット | マギルゥ ! 待ちなさい !あんたも手伝いなさいよ ! |
ホワイトかめにん | …………。 |
ミリーナ | か、かめにんさん ? 大丈夫 ? |
ホワイトかめにん | もういいっす ! おいらは帰ってライラ様に慰めてもらうっす ! ! |
スレイ | ライラ ! ? いまライラって……ちょっと待って、かめにん ! |
ミクリオ | スレイ、追いかけるぞ ! |
スレイ | ああ ! 行くぞ ! ! |
キャラクター | 2話【夏祭り1 ホワイトかめにん】 |
コーキス | かめにん様、見失っちまったな。こんな山奥の街まで追いかけてきたのに。 |
ミクリオ | それにしても不思議な街だ。お祭りの飾り付けはしてあるが誰もいないのか。 |
ミリーナ | あら。あそこにノルミンたちが集まってるわよ。かめにんさんと……他にも中心に一人いるみたいだけど。 |
スレイ | ライラじゃないか ! |
ライラ | スレイさん ! ? |
ノルミン | なぁなぁ、ライラはん。肩叩き券、用意したったで。これ受け取ってや~ ! |
ホワイトかめにん | ライラ様 ! 肩叩き券よりかめ屋商品券 !受け取って欲しいっす ! ! |
ライラ | かめにんさんもノルミンさんもありがとうございます。 |
ライラ | ですが私は行かなくてはならないので通させてもらいます。 |
ノルミン | あっ ! ライラはん !待ってぇな ! |
スレイ | すっげ……ライラが群がるノルミンの間をすり抜けて、猛スピードでこっちに向かってきてる ! |
ミクリオ | ライラ……やるときはやるな。 |
コーキス | えっと、スレイ様が前に話してくれたけど、ライラ様って、スレイ様の世界の都で伝えられていた天族なんだよな ? |
ミリーナ | きっととても立派な方なんでしょうね。ノルミンさんたちやかめにんさんに好かれているのも関係があるの ? |
エドナ | あのノル人気は訳ありなだけよ。なぜかめ屋がべったりなのかはよくわからないけど。 |
ライラ | 皆さん ! またお目にかかれて嬉しいですわ ! |
スレイ | オレもだよ。ライラも無事みたいでよかった。 |
ライラ | スレイさんたちもお元気そうで。私も色々と巻き込まれてしまいましたがこのとおりですわ。 |
ミクリオ | 色々 ? さっきのノルミンたちやかめにんのことか ? |
ライラ | それについては後でお話ししますわ。 |
ライラ | ところで、ミクリオさんもエドナさんもいるということは……もしかしてロゼさんたちも ? |
ミクリオ | ああ。デゼルもアリーシャもいる。 |
ライラ | まぁ ! 勢揃いではありませんか ! |
エドナ | ザビーダもひょっこり現れるかもね。 |
スレイ | ああ。そうだね。オレ、ザビーダにも会いたいな。今度はゆっくり落ち着いて話がしたい。 |
ライラ | そうですね、叶うといいですわ。 |
ライラ | それと……スレイさん、そちらのお二人は ? |
ミリーナ | お初にお目にかかります。私は鏡士ミリーナ・ヴァイスと申します。こちらは鏡精のコーキスです。 |
ライラ | …………。 |
コーキス | ライラ様、どうしたんだ ?何だか固まってるけど。 |
ライラ | ……私の声が聞こえている ?まさか姿も……。 |
ミリーナ | あっ……普通、人間は天族を認識できないんでしたよね。驚かせてしまってごめんなさい。 |
スレイ | ライラ、この世界では霊応力に関わらず誰でも天族が見えるし声も聞こえるんだよ。 |
ライラ | 誰でも…… ! ? |
ライラ | やはり、ここは別の世界でしたか。ミリーナさん、この世界について詳しく説明して頂けますか ? |
ミリーナ | ええ。もちろんです。 |
エドナ | ライラ。ワタシからも話しておくことがあるわ。 |
ライラ | ……わかりました。ではお茶でもしながら。皆さん、こちらにどうぞ。 |
キャラクター | 3話【夏祭り2 ノルミン・タウン】 |
ライラ | ……ええ。この世界ティル・ナ・ノーグ、具現化、今までにあったこと。だいたい理解しましたわ。 |
ライラ | 穢れによる悪影響もなく、人間と天族、災禍の顕主とすらも皆が共に暮らせる世界なのですね……。 |
エドナ | ……ざっくり言うとそんなとこ。 |
ライラ | ……わかりましたわ。 |
スレイ | ……ライラ。 |
ミリーナ | ライラさん。他に質問はありますか ? |
ライラ | いいえ。今のところはありませんわ。それよりも、まずは自己紹介ですわね。 |
ライラ | ミリーナさん、コーキスさん。改めまして火の天族ライラと申します。ふつつか者ですがよろしくお願いしますね。 |
ミリーナ | こちらこそよろしくお願いします。それと、ライラさんにも浄玻璃鏡をお渡ししておきますね。 |
ライラ | ありがとうございます。 |
ライラ | ルドガーさんという方の先例に鑑みて私も神依化についてセシリィさんと今一度考えることにしますわ。 |
ライラ | ……鏡だけに。 |
コーキス | ……えっ ? 何の話だ ? |
ミリーナ | \"鏡\"だけに\"鑑み\"て……ですよね ? |
ライラ | その通りですわ ! |
コーキス | ただのダジャレかよ ! |
ミクリオ | ライラのダジャレ好きも相変わらずみたいだな。 |
エドナ | 別の世界に来てまでよくやるわね。 |
ライラ | お恥ずかしい限りですわ。 |
ミリーナ | ふふっ。私はライラさんの親しみやすい一面が知られて嬉しいですよ。 |
ライラ | ミリーナさん ! 笑ってくださいますのね ! |
スレイ | ライラ、よかったね。楽しんでくれる人が増えて。 |
コーキス | 「湖の乙女」っていうからもっと固苦しい人かと思ったけど案外そんなことなかったですね。 |
ミリーナ | 綺麗で落ち着いているのに親しみやすくて私、ライラさんのようなお姉さん本当に素敵だと思うわ。尊敬しちゃいます。 |
ライラ | ふふっ、ありがとうございます。ですが私にはかしこまらず普通に接してくださいね。 |
ライラ | 気軽にライラと呼んでください。これから一緒に行動をする仲間なのですから。 |
ミリーナ | ありがとう。それじゃあ私からも改めて。よろしくね、ライラ。 |
ライラ | はい。こちらこそ♪ |
スレイ | そういえば、ライラはこの街、ノルミン・タウンに具現化されてからずっとここで暮らしていたんだよね。 |
ミクリオ | ノルミンたちが暮らす秘密の街、ノルミン・タウンだったか ? |
ライラ | はい。ノルミンさんたちがこの世界でどうしていいかわからず戸惑っていたので廃墟の改装など諸々相談にのっていました。 |
コーキス | ライラ様、優しいんだな。 |
ミクリオ | だが、それがきっかけで今まで以上に懐かれたわけか。 |
ライラ | ……はい。 |
ミリーナ | かめにんさんとは何があったの ? |
ライラ | 買い物しただけなのですが……。 |
ライラ | 『言い値で買い物をしてくれるなんてあなたのようなお客様こそ神様っす ! !もう注文の品、全部無料でいいっす ! ! 』 |
ライラ | と言われ、断ったのですがそれでもということだったので受け取ったのです。 |
ライラ | 以降、ノルミン・タウンによく来るようになってお仕事の愚痴を聞いていたら…… |
スレイ | それでかめにんにも懐かれたのか。 |
ライラ | ……はい。 |
ライラ | このお祭りもノルミンさんたちが私を楽しませようと準備しているものなのです。 |
ミリーナ | それじゃあ、ここから離れられないわよね。 |
ライラ | いえ。スレイさんたちと再会した以上、もうここにずっといるつもりはありませんわ。 |
スレイ | ライラ……。 |
ライラ | ですが……その……。 |
エドナ | ノル共とかめ屋なら別にいいでしょ。無視して行っちゃえば。 |
ライラ | そういうわけにもいかないのです。このお祭りではあれをやることになっているので。 |
エドナ | まさか……ノルミン盆踊り ! ? |
ライラ | ……はい ! |
ミクリオ | ノルミン盆踊り ? なんだそれは ? |
ライラ | エドナさん、ミクリオさん。お二人も一緒にやってくださいますわよね ? |
ミクリオ | 僕たちも ? 嫌というわけではないが……ノルミン盆踊りって何だ ?ノルミンダンスみたいなものか ? |
エドナ | ……ミボ。知ってしまったからにはもうやるしかないわよ。 |
ミクリオ | エドナが二つ返事だと ! ?ちょっと待て、まずはノルミン盆踊りについて説明を―― |
ライラ | スレイさんたちはここでしばらくお待ちください。 |
スレイ | うん。よくわからないけど三人とも頑張って。 |
ミクリオ | それよりノルミン盆踊りって何だっ ! ?やっぱり踊るのか ! ? |
ライラ | エドナさん、ミクリオさんはこちらに。もう時間がありませんわ。急ぎますわよ。 |
エドナ | ミボ。行くわよ。えい、えい。 |
ミクリオ | ちょ、傘で突っつくな ! ! |
ミリーナ | あの様子だと少なくともお祭りでノルミン盆踊りが終わるまではここにいる必要がありそうね。 |
コーキス | せっかくだし、祭りを楽しみませんか ! ?他のみんなにも声をかけて。ここならミリーナ様も安全じゃないかと思うし。 |
ミリーナ | ふふ……そうね。 |
スレイ | 二人とも、ライラたちを待っている間に他に用事ってある ? |
コーキス | いや。祭りの開催までまだ時間がかかるみたいだし特にないけど……。 |
スレイ | それじゃあちょっと頼みたいことがあるんだけど。 |
ミリーナ | スレイさんが珍しいわね。どうかしたの ? |
スレイ | えっと、実は―― |
キャラクター | 4話【夏祭り3 お披露目】 |
ライラ | お待たせしました。 |
エドナ | 着てみた。 |
ミクリオ | どうだ ? |
ミリーナ | 三人とも似合ってるわ。 |
コーキス | 涼しげでいいな。お祭りの雰囲気にもあってる。 |
ミクリオ | この浴衣、スレイがデザインしたのか ? |
スレイ | まあな。 |
ライラ | そうだったのですね。スレイさん、ありがとうございます。私、この浴衣の意匠がとても好きですわ。 |
エドナ | ……ありがと。 |
スレイ | よ、よかったぁ。二人が気に入ってくれたみたいでオレも嬉しいよ。 |
ミクリオ | 確かに、スレイにしてはなかなか、と言ったところかな。 |
スレイ | うっせ。 |
ミクリオ | 褒めてるんだけどな。 |
ライラ | ですが、スレイさん。どうしてわざわざ浴衣を ? |
スレイ | ビフレスト様式のお祭りでは浴衣を着て踊る風習があるってイクスから教わったんだ。 |
ミクリオ | 文化の違いについて三人で盛り上がったな。僕たちは聖剣祭のことを話した。 |
スレイ | だからせっかくだしと思ってさ。 |
スレイ | それに、元の世界ではライラたちにすごく助けてもらっただろ。だから、何かお礼がしたかったんだ。 |
ライラ | ……スレイさん。 |
スレイ | ミリーナとコーキスも手伝ってくれてありがとう。オレだけじゃ完成しなかったよ。 |
コーキス | いいって。俺は資料集めをちょっと協力しただけだし。 |
ミリーナ | 役に立てたのなら私も嬉しいわ。 |
エレノア | 皆さん、ここにいたのですね。探しましたよ。 |
スレイ | アリーシャにエレノアじゃないか。 |
エドナ | 早かったわね。二人だけ ? |
エレノア | 私とアリーシャは街の巡回がちょうど終わったところだったので一足早く来ましたが、他の方々もじきに到着しますよ。 |
アリーシャ | ライラ様 ! お久しぶりです !私です、アリーシャです !覚えていらっしゃいますか ! ? |
ライラ | アリーシャさん !もちろん覚えていますよ !お元気でしたか ! ? |
アリーシャ | おかげさまで。ライラ様もご健在のようで何よりです。 |
アリーシャ | それにしても素敵なお召し物ですね。ライラ様もエドナ様もミクリオ様もとてもお似合いです。 |
エドナ | 当然でしょ。こうして素敵な浴衣姿を拝めることに感謝なさい。 |
エレノア | 感謝って。また滅茶苦茶な……。 |
アリーシャ | いや、エドナ様の仰るとおりだ。ただお姿を拝見できるだけでもありがたいのだからな。 |
エレノア | この世界では天族は誰しも認識可能なのですからあなたも慣れてはどうですか。 |
ライラ | アリーシャさんらしいといえばそうなのですが。 |
エレノア | …… ? |
ライラ | ……あの、何か ? |
エレノア | あっ、いえ……。どこかで会った気がしたのですがたぶん気のせいです。 |
ライラ | エレノアさんですよね。はじめまして。ライラです、よろしくお願いします。 |
エレノア | ええ、こちらこそ。 |
? ? ? | ノルミン・タウンってここのことよね……。 |
スレイ | この声……。 |
エレノア | ベルベットたちも来たみたいですね。 |
ライラ | …………。 |
ベルベット | えっ……。 |
キャラクター | 5話【夏祭り4 合流】 |
ライラ | …………。 |
ベルベット | …………。 |
ライフィセット | ベルベット、どうしたの ? |
ベルベット | セリカ姉さん……。 |
エレノア | ベルベット ? 何か言いましたか ? |
ベルベット | い、いや……何でもないわ。 |
ライラ | 具合でも悪いのですか ? |
ベルベット | …………大丈夫よ。あんたは ? |
ライラ | 火の天族、ライラです。 |
ベルベット | ……火の。 |
ライラ | これからあなたたちと言葉を交わすこともあるでしょう。どうかよろしくお願いします。 |
ベルベット | …………。 |
ライフィセット | ベルベット、顔色がよくないけど本当に大丈夫 ?無理してお祭りに付き合うことないよ。 |
ベルベット | 平気よ。気にしないで。すぐよくなるわ。 |
ライフィセット | ……わかった。けど、具合悪くなったらすぐ言ってね。 |
ライラ | …………。 |
ライフィセット | ごめん、自己紹介がまだだったね。こっちがベルベットで、僕はライフィセット。 |
ライラ | …… ! |
スレイ | ……ライラ ? |
ライラ | あなたが……。 |
ライフィセット | もしかして、僕のこと……知ってるの ? |
ライラ | ……それは。 |
エドナ | ワタシたちの間の取り決めのこと忘れたのかしら。 |
ライフィセット | ……ご、ごめん。そうだった。 |
ライラ | いいえ。 |
エドナ | これだからお子様は。お祭りだからって舞い上がり過ぎ。 |
ライラ | ベルベットさんと一緒にお祭りをまわるのが楽しみなのですよね。 |
ライフィセット | そ、それは……って、なんでそうなるの ! |
ライラ | ……ふふっ。男の子ですわね。 |
ライフィセット | 男の子じゃなくて、僕は男だよ。 |
ライラ | はい。そうでしたね。 |
ライラ | ……楽しいひとときを過ごせるよう私も祈っていますわ。 |
ロゼ | おっ、いたいた。 |
ライラ | ロゼさん、デゼルさん。 |
デゼル | 主神が一番遅い合流かよ。 |
ロゼ | まぁ、いいじゃないの。ライラ、元気してた ? |
ライラ | はい。ロゼさんはご機嫌のようですね。 |
ロゼ | まあね ! さっきちょいと一儲けしてきたところでさ !もう気分最高って感じ ! |
ライラ | ふふっ、ロゼさんは相変わらず元気に\"現金\"ですわね♪ |
ロゼ | でたー。ライラの親父ギャグ。さっぶーい。 |
ベルベット | そこも……似てるのね……。 |
ライフィセット | ……ベルベット ? |
ベルベット | ……何でもないわ。 |
デゼル | …………。 |
コーキス | デゼル様、いまほんの少しだけ笑ってなかったか。 |
デゼル | …………何のことだ。言いがかりはよせ。 |
マギルゥ | よ、ようやく……到着した……。 |
エレノア | マギルゥ ? ボロボロじゃないですか。 |
ベルベット | 荷物運びをサボったバチがあたったみたいね。 |
マギルゥ | うっさいわい。ここに来る途中、アイゼンと合流したら落雷、落石、落とし穴……酷い目にあったわ。 |
ビエンフー | 久しぶりに死ぬかと思ったでフよ。 |
ライフィセット | 大変だったんだね。アイゼンは大丈夫なの ? |
マギルゥ | もうすぐ来るはずじゃぞー。 |
ライラ | ……そうでしたね。ここの世界ではエドナさんのお兄さんも……。 |
エドナ | ……話した通りよ。 |
デゼル | ……ふっ。来たみたいだぜ。 |
ライフィセット | デゼル、よくわかるね。 |
デゼル | 風が読めるからな。エドナ、この先にいるぞ。 |
エドナ | ……あっそう。 |
スレイ | ちょうどお祭りが始まる時間だね。 |
エドナ | ……わかってるわよ。それじゃあ、また後で。 |
ライラ | エドナさん、行ってらっしゃい。 |
コーキス | それじゃあ俺たちも祭りを見てまわろうぜ ! |
キャラクター | 6話【夏祭り5 夜店めぐり】 |
コーキス | すごいな。色々な屋台が出てるぞ ! |
ライラ | 皆さん ! このあんず飴を見てください !なんて見事な丸まり具合でしょう ! |
スレイ | ホント、ライラは丸いものが好きだよね。冷凍ミカンの次はあんず飴か。 |
ミリーナ | ふふっ。気に入ったみたいね。それならそのあんず飴は私からライラへプレゼントさせてちょうだい。 |
ライラ | よろしいのですか ! ?この見事な赤い丸まりを私に ! ? |
ミリーナ | もちろん。はい、どうぞ。 |
ライラ | ミリーナさん、何て優しいのでしょう !ありがとうございます ! |
ホワイトかめにん | ちょーっと待つっす ! ! |
ミクリオ | かめにん ! ? 何の用だ ! ? |
ホワイトかめにん | ライラ様、プレゼントを持ってきたっすよ !遠慮せず受け取って欲しいです。 |
ライラ | え、えっと。これは何でしょう ? |
ホワイトかめにん | お祭りの出店、すべて無料チケットっす ! |
ホワイトかめにん | さきほどノルミンたちからこのお祭りすべての出店の権利を買い取ってやったっす。 |
ロゼ | うえぇ。同じ商人としては考えられない金の使い方。どぶに捨ててるようなもんじゃん。 |
デゼル | ノルミンとの抗争で金勘定も碌にできない精神状態になってしまったんだろうな。 |
ライラ | さ、さすがにすべて無料は申し訳ないのでこのチケットは遠慮しておきますわ。 |
ホワイトかめにん | そんなこと言わずに ! さぁ ! さぁ !ノルミンたちの肩叩き券よりずっと役に立つっすから ! ! |
ベルベット | ちょっと待ちなさい。 |
ホワイトかめにん | げぇ ! ! あ、あんたたちは ! ?どうしてここに ! ? |
ベルベット | 出店の商品、高すぎない ? |
ホワイトかめにん | ……と言われましてもお祭りの出店はこれぐらいが相場っすから。こっちもこれが精一杯っすし―― |
ライラ | それでしたらよけいこの無料チケットは受け取れませんわ。 |
ホワイトかめにん | い、いやいや !ライラ様はいいんっすよ ! |
マギルゥ | これ、かめ屋。それはどういう了見じゃ。儂らもお客様、お主にとっての神様じゃろ。 |
エレノア | それに気になることがあります。あのクジ屋ですが本当に当たりは入っているのですか ? |
ホワイトかめにん | ギクッ ! ! |
ライフィセット | かめにん……。 |
ベルベット | コーキス。お客様の笑顔、あらかじめあげといて。 |
コーキス | ど、ドンマイ ! かめにん様 ! |
ホワイトかめにん | うわ~ん ! 許して欲しいっす~ ! ! |
ベルベット | 待ちなさい ! 逃がさないわよ ! ! |
ミリーナ | 何だか騒々しくなってきたわね。 |
ライラ | エドナさんたちはのんびりしているといいのですが。 |
アイゼン | こうしてお前と二人きりで話すのは久しぶりだな。この世界では、ずっと同じところにいたのに。 |
エドナ | ……そうね。 |
アイゼン | ……何か欲しいものはあるか ? |
エドナ | さっき綿アメ買ってくれたじゃない。別にいいわよ。 |
アイゼン | そうか。 |
エドナ | お兄ちゃん。 |
アイゼン | どうした。 |
エドナ | 浴衣、どう ? |
アイゼン | 可憐だ。お前によく似合っている。 |
エドナ | …………うん。 |
アイゼン | すまんな。他に言葉がみつからない。 |
エドナ | ううん。嬉しい。 |
アイゼン | ……お前に話しておくことがある。 |
エドナ | わかってる。言わなくても。 |
アイゼン | ……気づいていたか。 |
エドナ | 何年お兄ちゃんの妹をやってると思ってるのかしら。 |
アイゼン | そうだったな。許せ。 |
エドナ | お兄ちゃん。 |
エドナ | ありがとう。 |
アイゼン | ……エドナ。 |
エドナ | 約束したでしょ。 |
アイゼン | 今度は笑顔で……だったな。俺も約束を守ろう。 |
アイゼン | ありがとう、エドナ。 |
エドナ | どういたしまして。 |
アイゼン | そろそろノルミン盆踊りの時間か。時が過ぎるのは早いな。 |
エドナ | 戻りましょう。スレイたちが待ってる。 |
アイゼン | そうだな。行くとしよう。 |
キャラクター | 7話【夏祭り7 ノルミン盆踊り】 |
ライラ | ミクリオさん、エドナさん。ノルミン盆踊りの始まりですわよ。 |
エドナ | 仕方ないわね。 |
ミクリオ | ああ。練習の成果をみせてやる。 |
ロゼ | あれがノルミン盆踊りか。ライラとエドナ、ミクリオ、それにノルミンたちも楽しそうだね。 |
アリーシャ | 見事な舞だな。 |
スレイ | ああ。ずっと見ていたくなる。 |
ロゼ | あっ ! ! |
スレイ | な、何 ! ? いきなり大きな声だして ? |
ロゼ | そういえばあたしたち三人が揃うのって久しぶりだよね。 |
スレイ | あれ……言われてみればそうか。最近ずっと別行動だったよね。 |
アリーシャ | ロゼは色々と仕事を掛け持ちしすぎじゃないか。 |
ロゼ | 何かやってないと落ち着かなくてさ。ってか、あたしだけじゃなくアリーシャも相当でしょ。 |
アリーシャ | そうだろうか。 |
スレイ | ははっ。二人とも別の世界に来ても何だかんだでやってることはそこまで変わらないよな。 |
ライラ | けど、スレイさんもですわよね ? |
スレイ | ……ライラ。 |
ロゼ | 抜けてきたの ? |
ライラ | 少し休憩です。皆さんとお話もしたかったので。 |
スレイ | ライラは……今後、どうするの ? |
ライラ | 心配してくださってありがとうございます。 |
ライラ | ですが、それよりもまずはスレイさんがどうしたいかですわ。 |
スレイ | ……オレが。 |
ロゼ | まぁ、ぶっちゃけていうと導師の使命とかこの世界には関係ないからね。 |
ロゼ | おまけに導師の力もほぼ使えないしもはや契約してる意味あるのか……とか色々と思うところはあるよね。 |
アリーシャ | そうか……スレイにロゼ、それにライラ様も……。 |
ライラ | ですが、さっき話していたように変わらないこともありますわ。 |
ライラ | その核となる想いを大切にしてくださいね。私も私なりに答えを見つけますから。 |
スレイ | 核となる想いか……。 |
ライラ | はい。 |
スレイ | ライラ、ありがとう。 |
ライラ | 答えを急ぐ必要はありませんわ。 |
スレイ | うん。けど少なくとも、いま……。 |
スレイ | オレとロゼ、アリーシャ……オレたちが久しぶりに会ったのに、会わなかった時間を感じなかった理由が何となくわかったよ。 |
ロゼ | 核の部分ってことだね。 |
アリーシャ | ああ、そうだな。 |
ライラ | では休憩はそろそろ終わりです。皆さん、よければ一緒に踊りませんか ? |
ロゼ | あたしたちも ? |
アリーシャ | ご一緒してよろしいのですか ! ? |
スレイ | よし。それじゃあ行くか。 |
デゼル | 待て。ノルミン盆踊りはいったん中止だ。 |
ロゼ | デゼル、何かあったの ? |
デゼル | かめにんの様子がおかしいらしい。 |
スレイ | かめにんの ? |
ロゼ | なんじゃそりゃ。 |
アリーシャ | ……うん ?何か、聞こえるな。 |
ライラ | ……これは歌でしょうか ? |
コーキス | ごめん、待たせたな。 |
ミクリオ | まったく。何事だ。 |
ライラ | 全員揃ったみたいですね。 |
スレイ | よし、行ってみよう。 |
キャラクター | 8話【夏祭り9 ダークかめにん】 |
? ? ? | も~しもし~♪ ト~タ~ス♪か~めにん~♪ ト~タ~ス♪ |
スレイ | この歌は…… ? |
? ? ? | トータス ! トータス !かめにん一族に伝わる古い歌っす。 |
コーキス | そうなのか ? ユリウス様が口ずさんでた歌に似てた気がするけど。 |
? ? ? | そこには触れないで欲しいっす。 |
コーキス | わ、悪い。じゃあどんな歌なんだ ? |
? ? ? | カメのダークなノロイを込めた歌っす……が本当に小憎らしいヤツらの仲間どもと心優しいライラ様が来たっすね。 |
エドナ | ライラは特別扱いなのね。 |
ミリーナ | あなた……もしかしてベルベットに散々値切られてたホワイトかめにんさん ? |
ミクリオ | そうなのか ! ?真っ黒になってるじゃないか ! |
ロゼ | もはやホワイトじゃなくてダークかめにんじゃん。いったい何があったの ? |
ダークかめにん | カメだけに首が回らなくなったんすよ。あんたたちの仲間に値切られまくったせいで……。 |
ロゼ | いや。ノルミン・タウンの出店を買い占めてたりとか半分ぐらい自業自得でしょ。 |
ダークかめにん | うるさいっす !とにかく、お前らのせいで借金のカタにスッポン屋に売り飛ばされたんすよ ! |
ミクリオ | スッポン屋 ? |
エドナ | ミボ、黙ってなさい。ツッコミは厳禁よ。 |
ミクリオ | そ、そうなのか。よくわからないが。 |
ダークかめにん | 丁寧な仕事で下ごしらえされ、大人のご馳走として仕上げられかかったっす……。 |
スレイ | 大変だったんだな。 |
ダークかめにん | ……取り戻したいっす。ホワイトだった清らかな心を……。 |
ダークかめにん | だから……ライラ様はこの俺がいただいていくっす ! |
スレイ | なんだと ? |
ライラ | あ、あの……話が見えないのですが ? |
ダークかめにん | この俺をまともに扱ってくれるのはライラ様だけだったっす ! |
ダークかめにん | ――理由はそれだけで十分っす ! ! |
ライラ | きゃっ ! ! |
スレイ | くっ……ライラ ! ? |
デゼル | あっちだ ! 追いかけるぞ ! ! |
キャラクター | 10話【夏祭り10 導師として】 |
ダークかめにん | ぐぅ……体が……甘辛い……。 |
ライラ | かめにんさん。ごめんなさい。私はあなたと一緒には行けませんわ。 |
ダークかめにん | ……そうっすか。 |
ビエンフー | ノルミン・タウンからも出ていくんでフよね ?ノルミンたちが寂しがってたでフが。 |
ライラ | はい。悲しませることになってしまいますが私には共に歩むべき人がいますから。 |
スレイ | ……ライラ。 |
ロゼ | スレイ。 |
スレイ | そうだね。ライラ、言っておくことがあるんだ。 |
ライラ | 何でしょう ? |
スレイ | この世界では導師の使命は果たせない。契約をしていても力は制限されていて神依も使えない。 |
スレイ | それに……ライラも元の世界での目的を果たすことはできない。 |
ライラ | ……そうですわね。 |
スレイ | けど、ティル・ナ・ノーグは……穢れの影響もなく、人と天族、それに災禍の顕主も共に生きることができる―― |
スレイ | ある意味、オレたちが目指している世界、その一部とも見ることができると思うんだ。 |
スレイ | オレは……いや、オレもミリーナたちと同じようにティル・ナ・ノーグを救いたい。 |
スレイ | そして……人と天族の共存、その一端をオレに見せてくれた人、イクスのことも助けたいんだ。 |
スレイ | これから更に戦いが激しくなる。きっとオレだけの力じゃ乗り越えられない瞬間もでてくる。 |
スレイ | だから、ライラ。一緒に来て欲しい。導師の使命や力を失ってしまったけど導師としてのオレはここにいるから。 |
ライラ | スレイさん……わかりましたわ。 |
ライラ | 私は、この世界でもあなたと共に歩み続けます。 |
ライラ | 今度こそ最後まで添い遂げる。それが、いまの私にとっての核となる想いですから。 |
スレイ | ……ライラ。 |
ライラ | それに、仲間ですもの。仲間は支え合うもの……ですわよね。 |
スレイ | ライラ、ありがとう。 |
ミクリオ | わかっただろ。だから、僕たちにも野暮なこと聞くなよ。 |
スレイ | ああ。わかってる。 |
エドナ | 改めて契約成立ってわけね。 |
ロゼ | だね。 |
デゼル | ふんっ。 |
アリーシャ | ライラ様……よかったです。 |
コーキス | ミリーナ様。スレイ様って熱くて、すげーいい奴ですよね。 |
ミリーナ | そうね。それに、スレイさんがああ言ってくれたんだもの。イクスも世界も救わないと……ね。 |
ロゼ | よし、あとは―― |
ダークかめにん | ふっ……。けど俺、そしてノルミンたちはライラ様がいない寂しさをどう埋めていけばいいっすか ! |
ロゼ | こいつをどうするかだけど……。 |
エドナ | ニャバクラでも行ってきたら。 |
ダークかめにん | ニャバクラ…… !た、確かに……その手があったっす ! |
ノルミン | こういうときはニャバクラに限りますわぁ。 |
ダークかめにん | けど、俺にはもう1ガルドも……。 |
ノルミン | 同じ悲しみを抱える者どうし。今回はおごらせてもらいますわ。 |
ダークかめにん | ノ、ノルミン ! ! |
コーキス | よくわからないけど……一件落着 ? |
スレイ | それに……ニャバクラって何だ ? |
ライラ | スレイさん ! いけませんわ !興味を持つことさえも ! |
スレイ | そ、そうなの ? |
ミクリオ | そう言われると余計に気になるが……。 |
フェニックス | 汝ら ! ? ここにいたか ! ? |
ライラ | フェニックスさん ?どうしました、そんなに慌てて。 |
フェニックス | 一刻を争う事態だ、手を貸して欲しい。我が不死鳥の加護でしのいではいるがこれ以上はもう抑えられぬ。 |
コーキス | フェニックス様、何があったんだ ? |
フェニックス | ノルミン・タウンに危機が迫っている。 |