キャラクター1話【異変1 思いがけない出会い】
コーキスミリーナ様、こっちの屋台の補強終わりました !それにしても、風がどんどん強くなってきてますね。
ミリーナええ、まさか、かめにんさんを追いかけている間にノルミン・タウンにこんな強い風が襲ってくるなんて……。
コーキスノルミン様たちのことも心配ですね……。
コンウェイコーキスくん、ミリーナさん。この近くは見て回ったけど、ノルミンたちは無事、避難してくれてるみたいだね。
イリアあー、もうほんっと、どうなってんのよ !せっかくお祭りがあるから来たのに急にこんな天候になっちゃうしさ !
イリアそのせいでお祭りは一時中断 !楽しみにしてた屋台巡りも全然できなかったわ。
コンウェイさっきスレイくんに会って話を聞いたんだけどこの天候は精霊が影響している可能性があるんだってね。
コーキスああ、俺たちを呼びにきてくれたフェニックス様の話を聞いて、ロゼ様がウンディーネ様のときと似てるって言ってさ。
コーキス確かにあのときも、穏やかだった海が急に荒れて渦潮ができたりしたんだよな。
ミリーナ魔鏡通信でクラースさんにも状況を話したんだけれどもしかしたら、風の精霊“シルフ”が関係しているかもしれないみたいなの。
コーキスだから、クラース様やキール様がこっちに来てくれるんだけど、シング様とコハク様も応援に駆けつけてくれるらしいんだ。
イリアちょっと、コハクも一緒って大丈夫なの ?あの子、心核を取り戻して目が覚めたばっかりじゃない。
ミリーナ私も心配だったんだけど早く私たちの力になりたいってコハクに言われちゃって。
コンウェイまあ、シングくんも一緒なら問題ないんじゃないかな ?
ミリーナそうですね。精霊との契約の試練がありますしシングたちの手を借りられるのはとても助かります。
イリアん ? 誰かこっちに向かって歩いてきてない ?噂をすればなんとやらってやつ ?
コンウェイいや、人影は一人しか見えない……。あれは……。
? ? ?くそっ ! こんな急に天気が荒れるなんて聞いてねぇぞ ! さっきまでは普通だったっていうのによ !
ノルミンそんなんウチに聞かれても知らんよ。
ノルミン……あっ、ミリーナはんたちやないか !おーい、ミリーナは~ん、コーキスは~ん。
? ? ?おい、お前ら、こいつと知り合いなのか ?
イリアそうだけど。あんた、人にものを尋ねるときはまず自分が名乗ってからが礼儀じゃない ?
ノルミンあー、この人はヒスイはんって言うねん。うちが魔物に襲われそうになったところを助けてくれた命の恩人やねんで。
ヒスイお前、言い方がいちいち大袈裟なんだよ。俺が魔物を見かけて、蹴散らしてやったらたまたまお前が襲われてただけだっつうの。
ノルミンでも、そのあともウチがまた魔物に襲われへんか心配やって、ここまで付いてきてくれたやん。
ヒスイバカッ ! 余計なこと言うんじゃねぇ !
コーキスなるほど。つまり、めちゃめちゃ良い人ってことだな !
イリアなんか、口は悪いくせに義理を通すところがあいつにそっくりね。
コンウェイスパーダくんのことかい ?だとしたら、コーキスくんの言う通り良い人なんだろうね、きっと。
ヒスイ俺のことは別にいいんだよ。それよりお前ら、こいつの仲間のことも知ってんだろ ?どこにいるんだ ?
ミリーナノルミンさんたちは、私たちの仲間が避難させて建物の中に集まっています。
ヒスイそうか。んじゃ、こいつはお前らに任せていいか ?俺はさっさと退散するからよ。
ノルミンええー、なんでぇなん。ヒスイはんも一緒に祭り楽しんでいってえな~。うちもヒスイはんに恩返ししたいし。
ヒスイこんな天候の中で祭りなんてできるわけねぇだろ。それに、お前たちもさっさと逃げたほうが良いぞ。
コンウェイん ? ヒスイ……。そうか、この人が……。
コーキスどうしたんだ、コンウェイ様。
コンウェイいや、ちょっと気になったことがあってね。ねぇ、ヒスイくん。その腕に付けている籠手はどこで手に入れたんだい ?
コンウェイボクにはとても珍しいものに見えるんだけど ?
ヒスイなんだよ、急に……。まぁこの世界にはソーマがないから珍しく見えるのかもしんねぇが。
三人ソーマ ! ?
コーキスそれって、シング様やコハク様が持ってる武具と同じやつだよな ?
ヒスイなっ ! コハクだと ! ?おい、いまお前コハクって言ったか ! ?それに、シングの名前も……。
コンウェイどうやら、シングくんたちと関わりのある人物みたいだね。
イリアつまり、あたしたちと同じ鏡映点ってことね。
ヒスイなぁ、何でお前らがコハクたちのことを知ってんだ ! ?まさか、コハクやシングもここにいるのか ! ?
ミリーナはい、二人とも今は私たちと一緒に……。
ヒスイだったら早く会わせてくれ !どこにいる ! ?
イリアちょ、落ち着きなさいよ。そんなんじゃ、こっちが話したくても話せないじゃない !
ヒスイ落ち着いてられっかよ !コハクは、俺の唯一の家族なんだぞ。それに、シングの野郎だって…… !
ヒスイとにかく、事情を知ってんなら全部教えてくれ !

キャラクター2話【異変2 精霊を探して】
ヒスイ……つまり、ここは別の世界で俺やコハクたちは元の世界から具現化された人間ってことなんだな。
ミリーナはい、シングたちも私たちに協力してくれて、今は一緒に行動をしています。
ヒスイ世界を救うために具現化された、なんて聞けばあいつらが協力しねぇわけねーからな。
ノルミン良かったなぁ、ヒスイはんも仲間の人たちと会えるんやな。
コーキスミリーナ様、先にヒスイ様のことを魔鏡通信でシング様たちに伝えたほうが良いんじゃないですか ?
コンウェイいや、コーキスくん、ミリーナさん。どうやらその必要はないみたいだよ。
コハクえっ、おにい……ちゃん ! ?
ヒスイコハク ! おい、本当にコハクなのか ! ?
シングヒスイ !ヒスイもこっちの世界に来てたんだね !
ヒスイああ、コハク !すまねぇ、もっと早くお前を見つけてやりたかった。
コハクお兄ちゃん、わたしは大丈夫だよ。シングがずっと一緒にいてくれたしそれに、ミリーナたちも助けてくれたんだよ。
ヒスイそうか。お前が無事で、本当に良かった……。
クラースミリーナ、彼はいったい……。
ミリーナヒスイさんは、コハクのお兄さんで偶然ここで私たちと出会ったんです。
クラースとなると、彼も鏡映点ということだな。精霊のことがなければ、コハクたちともゆっくり話す時間を設けられたのだが……。
イリアあっ、そうだ精霊 !あんたたち、そのシルフっていう精霊は見つけられたの ?
キールいや、残念ながら明鏡四水に反応はない。シルフは別の場所にいるようだ。
コンウェイでも、精霊の影響なのは間違いないってことだよね ?
クラースああ、無事シルフを見つけて契約できればこの風も収まるはずだ。
コーキスそれなら、俺たちはいつものようにクラース様たちと一緒に行けばいいんだな。
コンウェイじゃあ、ボクとイリアさんはスレイくんたちの手伝いのために、この街に残ってもいいかな ?
コンウェイまだ補強が終わっていない屋台もいくつか残っているみたいだからね。
ミリーナそうね。まだ風が強くなることもあるかもしれないし、二人にはこのまま街の様子を見てもらってもいいかしら ?
イリアオッケー、任せて !屋台巡りのためにもバッチリ守ってやるわ。
イリアそれに、ライラだけじゃ避難誘導が大変そうだしあたしもノルミンたちの面倒見とくわ。
イリアそれに、今のうちに恩を売っとけば祭りが再開されたとき代金割引させるいい交渉材料になるかも♪
コンウェイ……最後の部分は聞かなかったことにするよイリアさん。
ヒスイコハク、お前はどうするんだ ?
コハクわたしは、クラースさんやミリーナに付いていくつもりだよ。
ヒスイだったら、俺も同行させてもらうぜ。コハクを守るのが俺の役目だからな。
ミリーナありがとうございます、ヒスイさん。ソーマ使いの方が一緒だと心強いです。
シングうん、それじゃあみんなで精霊を探しに、ガンドコ行こう !

キャラクター3話【異変5 森へ入り】
ヒスイコハク、ミリーナから聞いたが本当に身体はもう大丈夫なのか ?
コハクもう、お兄ちゃんもシングたちと同じこと言うんだから。
コハク大丈夫だよ。むしろ身体を動かさないと身体が鈍っちゃうよ。
シングねぇ、ヒスイ。コハクのことなんだけど……。
ヒスイああ、全部ミリーナから聞いたぜ。コハクの意識がなかったのは心核っていうやつを抜かれてたからなんだろ ?
ミリーナごめんなさい、シング。ヒスイさんはコハクのお兄さんだから知っておいたほうがいいと思って。
シング謝ることないよ、オレもちゃんとヒスイには話そうと思ってたから。
シングその……ごめん、ヒスイ。
ヒスイ……シング、おめぇがついていながら一体どういうことなんだ ?
シングうん……。オレが側にいたのにコハクを危険な目に遭わせちゃった……。
シングヒスイ、オレのこと殴っていいよ。
コハクお兄ちゃん、シングを責めないで !シングだってわたしを助けるために帝国軍に幽閉されたり、辛い目に遭ってたんだよ。
ヒスイ……まぁ、殴ってやりたい気持ちはあるがその相手はシングじゃねぇ。
シングえっ…… ?
ヒスイんだよ、そのすっとぼけた顔は ?
シングいや、だって……。前にコハクのスピリアが砕けたときと全然反応が違うから。
ヒスイそりゃあ、あのときはお前のせいでコハクの感情がなくなっちまったと思ったからな。
コーキス感情が、なくなる ?
コハクえっとね、わたし、一度自分のスピルーンが世界中に散らばって、優しさ以外の感情を失ってしまったの。
ミリーナスピルーンっていうのは、感情の欠片のようなものなのよね ?それを失うなんて、きっと怖かったわよね。
コハクでも、シングやお兄ちゃんたちのおかげで全てのスピルーンを取り戻すことができたんだ。
ヒスイあの頃よりはお前のこと認めてやってんだよ。まぁ、今回はシングなりに努力したんだろうがどうにもならなかったってことだろ。
ヒスイ敵に騙されたシングに腹も立つけどよ、知らない世界でコハクを助けるために必死だったのはわかるぜ。それに、一番の悪は心核を抜いた帝国軍の奴らだ。
ヒスイだから俺が殴るべき相手はシングじゃねぇ、メルクリアとか言う奴だ !
シングヒスイ…… !
コハクお兄ちゃん…… !
ヒスイだが、勘違いするなよ !認めてやってはいるが、コハクにむやみやたらに近づいていいってわけじゃねーからな !
シングええっ、いま怒る雰囲気じゃなかったのになんで ! ?
ヒスイうるせぇ ! よくよく考えたらお前らしばらくは二人きりだったってことじゃねーか !俺のいない間にコハクに変なことしてねぇだろうな ! ?
キール……全く、賑やかな連中だ。
クラースまるでアーチェとチェスターの言い争いを聞いているみたいだな。見ているこっちは微笑ましいものなんだが。
ミリーナええ、きっとシングとヒスイさんも仲良しだってことだと思います。
コーキス喧嘩するほど仲が良い、ってやつですね。
ヒスイまぁ、お前たちに何かあったのかはまた詳しく聞くからな。
コハクねぇ、お兄ちゃんはどうだったの ?わたしたちと会うまでは一人で行動してたの ?
ヒスイああ、この世界の情報を集めるために色んな街を訪ねてたんだ。
ヒスイんで、次の街にいく道中であいつを見つけたからお前たちに会えたってわけだ。あの、小っこいヘンテコな……。
キールああ、ノルミンのことだな。
ミリーナノルミンが無事に仲間のところに帰れたのもヒスイさんのおかげですもんね。護衛まで引き受けてましたし。
ヒスイだから、別に大したことじゃねぇって。成り行きで仲間がいるっつー街まで付いて行っただけだ。
クラースなるほど、魔物から助けただけでなくちゃんと最後まで見送ってやるとは感心だな。
ミリーナ優しいところはやっぱりコハクのお兄さんって感じね。
ヒスイクソッ、なんかやりにくいな……。
コハクふふっ、お兄ちゃんってば別に照れなくても良いのに。
ヒスイだぁー ! もう、俺の話は良いだろ !おい、シルフって精霊はまだ見つかんねぇのか !
キール明鏡四水の反応も徐々に強くなってきている。シルフがいる場所もそう遠くはないはずだ。
クラース風が強くなってきているのもシルフを中心に風のアニマが暴走している結果かもしれんな。
ヒスイだったら、さっさと終わらせるぞ !
ミリーナええ、精霊との契約を無事終わらせて街にいるノルミンたちを安心させてあげましょう。

キャラクター4話【異変9 VSシルフ】
クラース森を抜けた先は渓谷だったのか……。しかしこれはっ !
ヒスイとんでもねぇ風だぞ !
キールこれ以上、風が強くなったら前に進むのも一苦労だ。
コーキスミリーナ様、気を付けてください。なんとか踏ん張りますので、飛ばされそうになったら俺の身体に捕まってください。
ミリーナありがとう、コーキス。助かるわ。
コハクこれじゃあ、立っているのもやっとだね……。
シングコハク ! オレの近くに !
ヒスイおいこらっ、シング !何ちゃっかりコハクを呼んでんだよ !コハクを守るのは俺だ !
ヒスイコハク、シングじゃなくて兄ちゃんがお前をこの風から守ってやるから近くに来い !
シング何だよ、ヒスイ !オレだってコハクを守れるよ !
キールあー ! こんな状況で言い争うな !いいか、そうやって注意散漫になって油断してるときが一番危ない――。
コーキスキール様 ! ? 上ッ !
クラース伏せろ ! キール !
コハク危ない ! ?
コハクはあああああっ ! !
コーキスすっ、すげー。キール様の上に落ちてきた大木を蹴り飛ばした……。
クラースこの風で折れてしまった大木がそのまま私たちのところに落ちてきたのか。
コハクキール、大丈夫 ! ?
キールあっ、ああ。大丈夫だ。すまない、助けてもらって……。
コハクううん、気にしないで。
コハクシングもお兄ちゃんも、わたしは大丈夫だから先に進もう。
シングうっ、うん……。
クラースどうやら、君の妹は見た目によらずなかなか武闘派のようだな……。
ヒスイまぁ、コハクは小せえ頃から強くなるためにずっと武術を磨いてたからな。
キールファラと気が合いそうだ……。
ミリーナコハクの強さの秘訣は幼いころからの努力の積み重ねってことね。
キール……ん ? 待ってくれ、みんな !これは…… !
クラース明鏡四水の輝きが一段と強くなった ! ?ということは……。
シルフ……なんだ、やっと来たと思ったらダーナの巫女じゃないのか。
シルフでも、鏡士だけじゃなくて別の世界の僕と契約していた人間がいるみたいだね。
シングへぇー、これが精霊なんだ。
クラースシルフよ。この風の影響は封印の力が弱まっていることが原因ということで良いんだな。
シルフなんだ。ある程度の事情は他の精霊から聞いているみたいだね。だったら、もう試練のことは知ってるよね ?
ミリーナはい、クラースさんの召喚士としての力だけじゃなく私たちの実力も試されるということですよね ?
ヒスイ要するに俺たちがてめぇに勝ちゃあいいってことだろ ?そんなら、さっさと始めちまおうぜ !
コハクうん、わたしも負けないよ !
シルフ良いよ、まとめて僕が相手してあげる !

キャラクター5話【異変9 VSシルフ】
シルフ……思ったよりやるじゃん。これなら問題なさそうだね。
クラースでは、契約に応じてくれるということで良いんだな。
シルフうん、契約に必要なルーンリングもあるみたいだしやり方は言わなくても分かるよね ?
クラースもちろんだ。では早速、契約の儀式を……。
クラース我、今、風の精に願い奉る指輪の盟約のもと我に精霊を従わせたまえ……。
クラース我が名はクラース……。
コーキスよしっ、これで無事解決だな !
ミリーナノルミン・タウンもこれで安心ね。
シルフノルミン・タウン ?もしかして、そこでお祭りとかやってたりしない ?
コーキスああ、ノルミン様たちが開催してくれたんだ。
キールちょっと待て。どうしてシルフが祭りのことを知ってるんだ ?
シルフいや、風に乗ってこっちまで音が聞こえてきてたからさ……。その、ちょっと楽しそうだなーって。
コーキスもしかして、シルフ様もお祭りに興味があるのか ?
シルフべっ、別に興味なんかないけど……。どうしてもっていうなら僕も一緒に参加してもいいよ。
ヒスイなんだよ、素直に行きてぇって言えばいいじゃねーか。
シングじゃあ、シルフもお祭りに行ってみようよ !絶対楽しいからさ !
コハクうん、みんなでお祭りに参加しよう !

キャラクター5話【異変9 VSシルフ】
ルカねえ、イリア。まだ何か買うの ? 僕もう持てないよ……。
イリアなーに言ってんの、ルカ !まだぜんっぜん足りないわよ。
イリアそれに、あんたが来るまであたしたち手伝いで大変だったんだから荷物持ちくらいつべこべ言わずにやるの !
ルカそんなぁ……。僕は関係ないじゃないか……。
コンウェイルカくんもボクたちと一緒に来てればミリーナさんが君の分の浴衣も用意してくれただろうにね。
イリアあっ、そうだ、ルカ。
イリアどう、あたしの浴衣姿 ?
ルカえっ ! ? うっ、うん、その、とっても似合ってて……かわ――。
シングあっ、おーい、みんなー。
コハクイリアたち、ここにいたんだね。
イリアあっ、シングにコハク。あんたたちも戻ってきてたのね。
シングうん、オレたちも屋台を回ってるとこなんだけど、せっかくだからヒスイのことをみんなに紹介してるんだ。
コンウェイじゃあ、ヒスイくんもミリーナさんたちに協力するってことなんだね ?
ヒスイああ、そのつもりだが、たとえ仲間だろうが俺はコハクに近づく男は許さねーからな。そのことはきっちり覚えておいてもらうぜ。
イリアはー、すごい妹バカね……。大丈夫、ここにいる二人はそういうタイプの人間じゃないわよ。
イリア……っていうか、ルカ ?なんであんたさっきから黙ってんの ?
ルカ……なんでもないよ、イリア。
コンウェイ浴衣のこと言いそびれちゃったね、ルカくん。まだ機会はあるだろうしそのときにちゃんと伝えるといいよ。
ルカありがとう、コンウェイ……。僕、頑張るよ。
ヒスイしかし、いきなり祭りに参加しろって言われてもなにやっていいか分かんねぇぞ。
コンウェイこういうときは、ゆっくりと羽を伸ばして楽しめばいいんじゃないかな ?
コンウェイヒスイくんも、こっちの世界に具現化されてからゆっくりできなかっただろうしね。
イリアそうそう、あたしたちもよく分かんないまま帝国軍って連中に捕まってホント大変だったんだから !
ルカその、ヒスイさんは帝国軍に追われたりとかしなかったんですか ?
ヒスイああ、そのことはシングたちにも聞かれたが別にそんなことはなかったぞ。
ヒスイまぁ、日雇いの傭兵を頼まれて蹴散らした連中にその帝国軍の関係者がいたのかもしれねぇがな。
コハクお兄ちゃん、傭兵もやってたの ?
ヒスイなにせ、宿屋に泊まる金も持ってなかったからな。傭兵の知識はガラドのおっさんがたまに話してくれたことが役に立ったぜ。
コンウェイガラド…… ? その人は、ヒスイくんの知り合いなのかい ?
シングうん、ガラドも元の世界で一緒に旅をしてた仲間だよ。初めて会ったとき、オレたちを助けてくれた人なんだ。
ルカそのガラドさんって人、とても頼りになる人なんだね。そういえば、僕たちもコンウェイと初めて会ったとき助けてもらったよね。不思議な偶然だね。
コンウェイガラド……そんな人物は……。もしや、キュキュと同じように彼らはシングくんたちの世界に干渉を……。
コンウェイいや、ボクの知っている時間軸とは違うという可能性もあるから、干渉があったと断言はできないが……。
ルカえっと……どうしたの、コンウェイ ?
コンウェイ……ああ、ごめん、ルカくん。何でもないよ。それよりイリアさん、さっきコハクさんに教えたいことがあったんじゃなかったかな ?
イリアあっ、そうだ、コハク。さっきあんたの好きそうな食べ物があったわよ。冷やしキュウリのミソ漬けってやつ。
コハク本当 ! ? イリア、その屋台どこにあるの ! ?
イリアちょっとわかりにくい場所だったから案内したげる。ほら、ルカ。あんたも行くわよ。
ルカわっ、分かったから引っ張らないでよ。
コンウェイボクも一緒に行くよ。ルカくんの味方もいないとかわいそうだ。
シングヒスイ、オレたちも行こうよ !
ヒスイちょっと待て、シング !その、話があるんだが……。
シングん ? なに、改まって ?
ヒスイお前……この世界でもコハクを助けてくれたんだよな……。コハクのスピリアが砕けちまったときみてぇに。
ヒスイその……お前には何度も助けられた。こっちでも、ずっとコハクの傍にいてくれて……ありがとよ。
シングヒスイ…… !当たり前じゃないか。オレはコハクの為ならどんな状況でも助けるって決めてるんだから !
シングそれに、ミリーナたちの世界、ティル・ナ・ノーグを救うためにオレたちはここに呼ばれたんだ。だったら、ソーマ使いとしてやることは決まってるさ。
ヒスイお前はそういうところはホント変わんねぇよな。
ヒスイだが、それがお前なんだよな、シング。
シングへへっ、オレもヒスイのこと頼りにしてるよ !二人でコハクとティル・ナ・ノーグを守ろう !
ヒスイへっ、仕方ねぇ。お前たちに付きあってやるか。