キャラクター | 1話【お月見1 街で見かけたあの人は】 |
カノンノ・E | ティル・ナ・ノーグにはお月見っていう風習があるんだね。 |
P・カノンノ | 素敵ね……。私、自分の世界……パスカの月も好きだけどティル・ナ・ノーグの月も好きよ。 |
ミリーナ | 二人が興味を持ってくれたみたいで私も嬉しいわ。 |
ミリーナ | この季節は気候などの環境要因によって月がいつもより明るくみえるの。 |
ミリーナ | そして、一年で最も明るくなるのが次の満月。この世界では\"中秋の名月\"と呼ばれているのよ。 |
カノンノ・E | 名前までついてるんだね ! |
P・カノンノ | 見てみたいなぁ。 |
ミリーナ | 中秋の名月の夜には秋祭りも開催されるのよ。よければ二人も、お祭りに参加してみたらどうかしら ? |
カノンノ・E | うわぁ~楽しそう !どこで開催されるの ? |
ミリーナ | 秋祭りはあちこちの街でやっているけど一番盛り上がるのは……神殿のあるあの街かしら。いまコーキスがお使いに行っている場所よ。 |
P・カノンノ | その街なら私たちも行ったことがあるよ。神殿も少し覗いてきたんだけど歴史ある鏡を祀っているのよね ? |
ミリーナ | ええ。そうらしいわね。確か大昔、神様からの言葉を聞くために使っていたものらしいわ。 |
ミリーナ | イクスならもっと色々詳しい由来を知ってると思うんだけれど……。 |
コーキス | ミリーナ様、お使い終わりました……って、あれ ? パスカ様とイアハート様 ?二人ともアジトにいたんですか ? |
カノンノ・E | うん。そうだけど、どうかしたの ? |
コーキス | おっかしいな……。パスカ様でもイアハート様でもないとすると街で見かけたあの人は……。 |
P・カノンノ | あっ ! もしかして、私たちによく似た姿の女の子を見かけたの ? |
コーキス | ああ。一瞬だけだったんでよく見えなかったんだけどな。 |
カノンノ・E | パスカ、その女の子って……。 |
P・カノンノ | グラスバレーかもしれない ! |
ミリーナ | 二人の知り合いかもしれないのね ? |
コーキス | それなら捜しに行こうぜ。俺も手伝うよ。 |
イクス | 『イアハートたちに似てる子ならまだ、さっきの場所にいるみたいだぞ』 |
コーキス | 二人にそっくりの人がまださっきの場所にいるみたいだ見かけた場所まで案内する。 |
P・カノンノ | 二人……じゃなくて三人ともありがとう。 |
カノンノ・E | よし、それじゃあ急ごう ! |
キャラクター | 2話【お月見1 街で見かけたあの人は】 |
P・カノンノ | 何件か目撃情報はあったけど……グラスバレー、みつからないね。イアハートの方は何かわかった ? |
カノンノ・E | ……こっちもダメだったよ。街の外にいるミリーナから連絡がないってことはきっとまだ街の中にいると思うんだけど。 |
カノンノ・E | コーキスが何か手がかりを掴んでいてくれると嬉しいな……。 |
P・カノンノ | 待って、あそこにいるのって―― |
カノンノ・G | すみません、よければチラシを受け取ってください。 |
カノンノ・E | グラスバレー ! ? |
カノンノ・G | イアハート ! ? それにパスカじゃない ! ?二人もこの世界に飛ばされていたのね ! ? |
カノンノ・E | 飛ばされて……というより具現化されて、が正しいんだけどね。 |
コーキス | パスカ様 ! イアハート様 !何か、手がかり……は…………。 |
P・カノンノ | コーキス。見つけたよ。彼女がグラスバレー。 |
カノンノ・G | はじめまして。パスカたちの知り合いの人 ? |
P・カノンノ | この世界で一緒に行動してる仲間だよ。 |
コーキス | …………。 |
カノンノ・E | コーキス ? ぼうっとしてどうしたの ? |
コーキス | いや、三人とも似てるなって思ったら誰が誰だか混乱しちゃって。 |
カノンノ・E | あははっカイルだったら知恵熱で倒れちゃうかもね。私たち二人だけでもこんがらがっていたもん。 |
P・カノンノ | ジューダスが必死に見分け方を教えてたよね。 |
カノンノ・G | えっ、この世界にはカイルとジューダスもいるの ! ?もしかして他の人たちも ! ? |
P・カノンノ | うん。だけどグラスバレーの知らないカイルたちだよ。私たちと具現化された世界が違うの。 |
カノンノ・G | そうなの ? よくわからないけど……そもそも具現化って何 ? |
イクス | 『そうか。ちゃんと説明しないとな。えっと――』 |
コーキス | あー、マスター。それは俺には無理だわ。 |
コーキス | 説明はミリーナ様にしてもらおう。みんな、一緒に来てくれ。 |
ミリーナ | ……と、いうわけなの。 |
カノンノ・G | そうだったんだ。てっきりニアタの力かハロルドさんの実験か何かで飛ばされてきたのかと思ったよ。 |
P・カノンノ | グラスバレーは今後どうするの ? |
ミリーナ | 私たちの都合は気にせずまず、グラスバレーさんの考えを聞かせて ? |
カノンノ・G | 私もミリーナたちのお手伝いをさせてほしいな。協力させてもらってもいい ? |
カノンノ・G | あと、名前も普通にグラスバレーって呼んでくれると嬉しいな。 |
ミリーナ | ええ、ありがとう。これからよろしく、グラスバレー。 |
コーキス | それじゃあアジトに戻りますか ? |
カノンノ・G | あ、ちょっと待ってもらってもいい ?あと少しだからこのチラシを配っていきたいの。 |
P・カノンノ | さっき配ってたチラシよね ? |
カノンノ・E | なになに…「バンドメンバー募集」 ! ?グラスバレー、バンドはじめるつもりなの ! ? |
カノンノ・G | 秋祭りのお月見ライブにエントリーしたいの。具現化されてからお世話になった人が運営に関わっているんだ。 |
カノンノ・G | けど、今年は出場バンドが例年より少ないらしくて。だから私もエントリーして少しでもお月見ライブを盛り上げたいなと思ってるの。 |
カノンノ・G | ただ、あと二人……メンバーが足りないんだ……。 |
カノンノ・E | それなら私が手伝うよ ! |
P・カノンノ | 私も参加させて。 |
カノンノ・G | 二人とも、いいの ?まだ衣装や歌詞も決まってないから本番まですっごく忙しくなると思うよ ? |
カノンノ・E | 任せて ! グラスバレーがやりたいなら私も応援したいんだ。練習だって頑張るよ。 |
P・カノンノ | できることがあれば何でもするよ。気軽に言ってね。 |
カノンノ・G | ……二人ともありがとう ! |
コーキス | 力仕事だったら任せてくれ。頭使うのは苦手だけど、体を動かすことなら自信があるからさ ! |
ミリーナ | 私も協力するわ。目立つことはできないけど裏方のお仕事とか力になれそうなことがあれば言ってね。 |
カノンノ・G | ミリーナ、衣装を作れるの ? |
ミリーナ | 具現化すればすぐにできるわよ。デザインは決めてもらう必要があるけどね。 |
カノンノ・G | 本当に ! ?パスカ、イアハート。それならまず衣装のデザイン考えよう ! |
カノンノ・E | 賛成 ! ライブ衣装は大事だもんね ! |
P・カノンノ | どんなのがいいだろう。 |
ミリーナ | ふふっ。それじゃあアジトで決めましょう。 |
キャラクター | 3話【お月見2 衣装デザイン】 |
カノンノ・E | ステージの上で演奏するんだからやっぱり衣装は動きやすいのがいいと思うの。 |
カノンノ・G | 季節にあった落ち着いたデザインもいいと思うな。ビフレスト様式の服を今風にアレンジしたり。 |
P・カノンノ | フリルがついてる可愛いのがいいな。もちろん、二人の案も良いと思うけど。 |
カノンノ・G | ……なかなか意見がまとまらないね。どうしよう、歌詞についても話し合いたいのに。 |
コーキス | てっきりグラスバレー様たちならすぐに決まると思ってたけど意外と時間がかかってますね。 |
ミリーナ | 姉妹のように仲良しだけどそれぞれ少しずつ趣味が違うのよね。そこもまた可愛いんだけれど……。 |
カノンノ・G | コーキスとミリーナはどういう衣装がいいと思う ?あ、もちろんイクスも ! |
イクス | 『羽根とか十字架とかつけたら可愛いんじゃないか ? 』 |
コーキス | マスターがなんか言ってる……。 |
ミリーナ | ふふ。きっと羽根とか十字架でしょう ?それも最高に素敵だと思うけど今回は三人のバンドだもの。 |
ミリーナ | 時間がかかっても三人が互いに良いと思うデザインを考えた方がいいと思うわ。 |
P・カノンノ | 確かに……それはそうだね。 |
カノンノ・E | けど、色んな案がありすぎて頭がこんがらがってきたよ。 |
カノンノ・G | 一度整理しよっか。ちょっと待ってて。 |
コーキス | ……グラスバレー様 ?スケッチブックを取り出して何してるんだ ? |
カノンノ・G | 今まででてきた案をベースにいくつかデザインを描きだしてみようと思って。ラフだけどパパッと描いてみるね。 |
ミリーナ | グラスバレー、絵が描けるのね。それにとっても上手だわ。 |
カノンノ・G | そんなことないよ。普段は風景画がほとんどだから服のデザインは緊張しちゃう。 |
コーキス | けど、さらさら描いててすげぇよ。しかもどのデザインもいい感じじゃん。 |
カノンノ・G | そうかな ? ありがとう。……よし。こんなものかな。 |
カノンノ・E | ありがとう ! グラスバレー !見せて見せて ! |
P・カノンノ | わぁ……どの衣装も頭の中でイメージしていたのよりずっといいものばかりだよ。 |
カノンノ・G | それならよかった……。じゃあ二人とも、このデザインの中から1つ良いと思うものを選んで。 |
カノンノ・E | 私はこれ。 |
P・カノンノ | どちらかというと、私はこっちかな。 |
カノンノ・G | そっかぁ……私は一番右のやつが気に入ってるんだけど。 |
コーキス | やっぱりなかなかまとまらないな……。 |
カノンノ・G | 他にもデザイン考えてみるね。昔描いた月の風景画が参考になりそう……確かこのあたりに描いたはず―― |
ミリーナ | ……グラスバレー、ちょっと待って。もう少し前のページの風景画、よければ見せてもらえる ? |
カノンノ・G | これのこと……かな ? |
ミリーナ | ありがとう。珍しく人物も描かれていたから気になったの。他の絵もいいけど、これは特に素敵ね。 |
カノンノ・G | そ、そうかな……。なんだか恥ずかしいよ……。 |
コーキス | その絵の人ってグラスバレー様の知り合いか ? |
カノンノ・G | この人はルミナシア――私の世界のディセンダー。 |
コーキス | ディセンダー ? |
カノンノ・G | 世界の危機に世界樹から遣わされ世界を救世する者のことよ。 |
コーキス | グラスバレー様の世界の救世主みたいな人なのか。どうりで優しそうな人だなと思った。 |
カノンノ・G | うん。とっても素敵な人なの……。もしこっちの世界に具現化されてるのなら会いたい……ステージも見てもらいたいな。 |
カノンノ・E | グラスバレーの気持ち、私にもわかるなぁ。 |
コーキス | イアハート様も ? |
カノンノ・E | 私の世界にもディセンダーがいたんだ。あの人も……とっても素敵な人だったから……。 |
P・カノンノ | 私も……テレジアのディセンダーに見て欲しい。自分の世界だけじゃなく、私の世界までも救ってくれた……すごく素敵な人なの……。 |
ミリーナ | 三人とも、そんなに大切に想う人がいたのね。 |
コーキス | ならデザインの方向性は決まったようなもんだな。 |
カノンノ・G | ……あの人が可愛いって言ってくれるような衣装 ! |
カノンノ・E | それだよ ! 可愛いって言ってくれて頭を撫でてくれるような ! |
P・カノンノ | あの人の手……あったかいんだよね。 |
P・カノンノ | あ……でも私たちが思い浮かべたディセンダーはそれぞれ違うかもしれないね。大丈夫かな ? |
コーキス | そうか ? どのディセンダーもすっげぇ素敵な人なんだろうなって伝わってきたぞ。 |
ミリーナ | そういう人はみんな同じような目をしてるものじゃないかしら。 |
三人 | ……たくさんの人に希望を与える目。 |
ミリーナ | ふふっ。もう大丈夫そうね。デザインが決まったら声をかけて。楽しみに待っているわ。 |
キャラクター | 4話【お月見3 一番】 |
カノンノ・G | ……でき、ちゃった。こんなにすぐまとまるなんて……。 |
P・カノンノ | ふふふ、 あの人のことを思ったら衣装のデザインも歌詞もあっという間に決まっちゃった ! |
カノンノ・E | あの人はどこにいても私たちを助けてくれるんだなぁ。 |
ミリーナ | 三人とも本当にディセンダーさんが好きなのね。どんな人なのか私も気になってきたわ。 |
カノンノ・E | とーっても、素敵な人だよ。強くって、優しくて誰とでも仲良くなれちゃうんだ。 |
カノンノ・G | うん、私の世界のディセンダーもね、お父さんみたいなあったかい眼差しで、笑顔がすごく素敵なんだ。 |
P・カノンノ | あの人は……戦いの強さだけじゃなく本当の心の強さを教えてくれた……大事な人だよ。 |
カノンノ・G | うまく説明できないけど、不思議な魅力のある人なんだよね。ミリーナも実際に会ったらきっと好きになると思うな。 |
ミリーナ | ええ。私もそんな感じがするわ。 |
コーキス | それでも、ミリーナ様の一番は絶対に揺るぎませんけどね。 |
カノンノ・G | ミリーナにとっての一番 ? |
ミリーナ | ふふっ、そうね。私はイクスが一番よ。 |
イクス | 『 ! ! ! ! ! 』 |
コーキス | へへっ♪ |
P・カノンノ | 私たちにとってのディセンダーがミリーナにとってのイクスなんだね。 |
カノンノ・G | そこまでハッキリ一番って言えるのはすごいなぁ。それだけイクスのこと想ってるってことだもん。すごく素敵だね。 |
ミリーナ | そうねぇ…………。 |
ミリーナ | ふふっ。どれだけ想ってるかは話すとすごく長くなりそうよ。 |
カノンノ・E | 私は大丈夫だよ !すごく興味があるもの。もっともっと二人の話が聞きたいな。 |
カノンノ・G | 私も ! |
ミリーナ | けど……コーキスを通じてイクスに聞かれちゃうからコーキスのいないところで話しましょうね。 |
イクス | 『……恥ずかしいから、俺もそうして欲しい』 |
カノンノ・G | そうだね。それに今はライブの準備もあるし……。 |
P・カノンノ | 今度落ち着いたら話を聞かせてくれる ? |
ミリーナ | ええ、もちろんよ。 |
カノンノ・E | やった ! 約束だよ !楽しみにしてるね ! |
カーリャ | 皆様~♪ 演奏練習に必要な機材が届いたみたいですよ ! |
ミリーナ | ありがとう、カーリャ。それじゃあ取りに行きましょうか。 |
P・カノンノ | ありがとう、カーリャ !これで楽器の練習もはじめられるね ! |
カノンノ・E | そうだ。これから本番に向けてもっと忙しくなるし、今のうちにライブの成功を祈って神殿にお参りに行かない ? |
カノンノ・G | いいね。私たちのディセンダーへの想い……気持ちがたくさんこもった演奏で大勢の人を盛り上げられますようにってお祈りしよう。 |
カノンノ・E | ミリーナとコーキスも一緒に行かない ? |
ミリーナ | 私たちも ? |
P・カノンノ | みんなでお参りしたいよね。ミリーナがよければ来てほしいな。 |
ミリーナ | ありがとう。そう言ってもらえて嬉しいけどもちろん私もライブの成功をお祈りしたいけど神殿には人がいるだろうし……。 |
コーキス | この時間帯なら大丈夫ですって。秋祭りの準備で人は街に集まってますし神殿の人たちも出払ってるらしいですよ。 |
コーキス | 俺は後でいいですから、ミリーナ様たちがお参りしてる間、外で見張りをしてます。ササッとすませれば誰にも気付かれませんよ。 |
ミリーナ | ……そうね。いざとなったら魔鏡術で姿を隠せばいいのよね。私も一緒に行かせてもらうことにするわ。 |
カノンノ・G | ありがとう ! それじゃあさっそく行こうよ ! |
カーリャ | コーキスゥ ? わかっていますねぇぇぇ ? |
コーキス | あ、圧がつえぇな、パイセン。わかってるよ。お土産のお菓子だろ。言われなくても、買い忘れたりしないって。 |
カーリャ | だいぶ後輩力が上がってきましたね。カーリャの教育のたまものです。 |
コーキス | はいはい。 |
ミリーナ | それじゃあ行ってくるわね。みんな、ゲートを開くわよ。 |
キャラクター | 5話【お月見4 お参り】 |
ミリーナ | ……神殿の中は、大丈夫そうね。コーキスが見張りをしてくれている間にお参りをすませてしまいましょう。 |
カノンノ・G | 祭壇の上に鏡が置かれてる。これがこの神殿に伝わる古い鏡 ? |
P・カノンノ | 本当だ。かなり古いものみたい。よく見るとひび割れてる。 |
ミリーナ | ……微かに魔鏡術の力を感じる。これも昔は鏡士の魔鏡だったようね。いまは壊れて力を失っているみたいだけど。 |
カノンノ・E | きっと昔はすごい力のある鏡だったんだろうねだから今もこうして祀られてるんだわ。 |
ミリーナ | ええ。けど、この鏡……どこかで……。何だったかしら……。 |
カノンノ・E | 何か気になるの ? |
ミリーナ | いえ、何か思い出しかけたんだけれど……。時間もないし、お祈りしてしまいましょう。 |
カノンノ・G | それじゃあ、みんな。いくよ ? せーのっ―― |
四人 | (お月見ライブがうまくいきますように) |
カノンノ・E | お祈りも完了 ! これでバッチリだね ! |
カノンノ・G | 私たちの想いをたくさん込めて作る曲だから会場の人たちが好きになってくれたら嬉しいね。 |
P・カノンノ | そうだね、大勢の人に、あったかくて楽しい気持ちになって欲しい。 |
ミリーナ | パスカたちなら大丈夫よ。私もちゃんとお祈りしたわ。 |
コーキス | ……ミリーナ様 ? 終わりました ? |
ミリーナ | コーキス、待たせてごめんなさい。私はもうすんだわよ。交代しましょう。 |
コーキス | はい、わかりました……って、あれ ? |
ミリーナ | どうかした ? |
コーキス | ミリーナ様 ! 後ろ、鏡が光って―― ! ! |
ミリーナ | ―― ! ? |
カノンノ・G | ――な、なにっ ! ? |
ゲフィオン | 出力を最大に。照準を定めよ。 |
セールンド兵士 | 準備完了です。 |
カノンノ・G | (こ、ここは……どこ ? ) |
カノンノ・E | (あれってゲフィオンよね ! ?ビフレストと戦争中なの ! ? ) |
P・カノンノ | (つまりこれって……ミリーナの過去) |
ゲフィオン | カレイドスコープ、放て。 |
ビフレスト兵 | う、うわぁぁぁぁ ! ! ! ! |
ビフレスト兵 | やめろっ ! ! やめてくれぇぇ ! ! |
ビフレスト兵 | しっ、死にたくない ! ! 死にたくな――― |
セールンド兵士 | 目標ビフレスト兵団、ほぼ消滅。 |
ゲフィオン | まだ止めるな。敵兵は一人残らず殲滅せよ。 |
セールンド兵士 | 強制徴兵されたと思われる少年兵の集団、衛生兵のキャンプもカレイドスコープ照射範囲内となりますが。 |
ゲフィオン | ……敵であることに変わりはない。相手は民間人すらも手にかけた国だ。 |
ビフレスト兵 | いやだぁぁあああああ ! ! ! ! |
カノンノ・G | ……終わった ? |
P・カノンノ | いまのは……鏡の影響 ? |
カノンノ・E | そ、そうだ。ミリーナは……。 |
コーキス | ミリーナ様 ! ? しっかりしてください ! ? |
ミリーナ | だい、じょうぶ……よ。 |
カノンノ・E | ミリーナ ! ? どうしたの ! ? |
コーキス | わからない…… ! いきなり鏡が光り出して光が収まったらミリーナ様が倒れてて―― |
イクス | 『あの古い鏡のせいでアニマ酔いをおこしたのかも知れない』 |
イクス | 『それにイアハートたちがずっと光る鏡を見つめてたけど何か見たのかな……』 |
コーキス | アニマ酔いかもって、マスターが。それに三人とも何か見たのかって。 |
P・カノンノ | ――それは……。今はとにかくアジトに戻ろう。グラスバレー、ミリーナの容態は ? |
カノンノ・G | 大変 ! 不整脈を起こしてる…… ! |
コーキス | グラスバレー様、魔鏡通信でジュード様に連絡を頼む !ミリーナ様は俺が運ぶ ! |
カノンノ・G | うん ! 急ごう ! |
キャラクター | 6話【お月見7 アジトに帰還3】 |
ジェイド | ……なるほど。神殿でそのようなことが。 |
カノンノ・G | それで、ミリーナは大丈夫ですか ?もう何日も寝込んでますけど……。 |
ジェイド | もうじき目を覚まします。後遺症も心配ありません。まぁ、ジュードによると運び込まれた際はアニマ酔いが酷い状態で肝が冷えたそうですけど。 |
P・カノンノ | 危なかったんだね……。助かって本当によかった。 |
カノンノ・E | それにしても……どうしてこんなことになったの ?祭壇に置かれてた鏡が原因 ? |
ジェイド | そのようですね。古い資料によるとあの鏡は「神鏡」と呼ばれており浄玻璃鏡と似たような性質を持つそうです。 |
ジェイド | 浄玻璃鏡は、持ち主の過去もしくは未来に起こりえる可能性を映し出す鏡です。力を失っていた神鏡がミリーナの鏡士の力に反応してしまったのでしょう。 |
ジェイド | もしかしたら、直前にミリーナがゲフィオンの記憶を思い出すようなきっかけがあったのかも知れません。 |
三人 | …… ! ! |
カノンノ・E | もしかしてイクスとのことを聞こうとしたから…… ? |
ジェイド | おや、心当たりがありそうですね。単なる事故ですから、気にすることはないとは思いますが……。 |
三人 | ………………。 |
ジェイド | やれやれ、善人というのも不便ですねぇ。ならば、見てしまったものについてミリーナと話すのが一番だと思いますよ。 |
カノンノ・G | 私、ちゃんと謝ろうと思う。原因はどうあれ、勝手に過去を見ちゃったんだから……。 |
P・カノンノ | うん、黙っててもきっとミリーナは私たちの反応で気付く人だもの。私も、そうしようと思うよ。 |
カノンノ・E | だけど……。謝った後に、何て言えばいいんだろうね。 |
カノンノ・G | だれかを好きだって思う気持ちってもっと胸がドキドキして嬉しくて、切なくて、温かいものだと思ってた。 |
カノンノ・G | だけど……あんなふうに苦しい『好き』もこの世の中にはあるんだね。 |
コーキス | みんな ! ここにいたのか ! |
P・カノンノ | コーキス ? どうかしたの ? |
コーキス | ミリーナ様が目を覚ました。 |
キャラクター | 7話【お月見8 ゲフィオンの記憶】 |
ミリーナ | ……そんな。パスカたちが謝ることないわよ。私の方こそあの鏡が神鏡だって気付いていれば……。油断しちゃったわ。 |
ミリーナ | みんなには怖い思いをさせてしまったわね。本当にごめんなさい……。 |
イクス | 『………………』 |
P・カノンノ | ミリーナこそ謝る必要なんてないよ。 |
コーキス | そうですよ。ミリーナ様もパスカ様たちもどっちも悪くないです。 |
ミリーナ | そうね……。今回の件はこれでおしまいにしましょう ?本当に気にしてないから心配しないで。私はもうすっかり元気よ。 |
カノンノ・G | けど……。――うん……わかった……。 |
ミリーナ | それより、私が寝込んでいる間に秋祭りの前日になっていたのね。明日のライブは大丈夫そう ? |
カノンノ・E | 一応毎日練習はしていたんだ。演奏もだいぶ上達したんじゃないかと思う。 |
P・カノンノ | 衣装を着てステージの上で演奏するの、はじめは想像するだけで緊張していたけどミリーナも目を覚ましたし、今は待ち遠しいくらい。 |
カノンノ・G | 二人も来てくれるよね ? |
コーキス | ああ。もちろん行くぜ。 |
ミリーナ | 私は街の外の丘から見ているわ。そこなら演奏の音も届くから。三人のステージ、今からすごく楽しみよ。 |
ミリーナ | あの衣装も歌詞も、三人の想いが詰まってて私、すごく好きなの。 |
カノンノ・E | ……えっ、それ本当に ? |
ミリーナ | 本当よ。どうして ? |
カノンノ・G | ……ミリーナの記憶をみて思ったんだ。好きっていう気持ちにも色々な側面があるんだって。 |
カノンノ・G | あの歌は私たちにとっての好きって想いが詰まった歌でしょう ? |
カノンノ・G | 私たちの気持ちを勝手に押しつけてたんじゃないかって心配だったの……。 |
ミリーナ | ……確かに、好きっていう気持ちには色々な側面があって、人それぞれ違うのだと思うわ。 |
ミリーナ | けど、三人が想っている好きという気持ち、たとえば、歌にある温かい想いの一面……それも私の胸の中にはちゃんとあるわ。 |
ミリーナ | あの歌を聴いていると温かい気持ちになれるの。私は本当にあの歌が大好きよ。もちろんグラスバレーたちのことも。 |
カノンノ・G | …… ! ! |
ミリーナ | 受け取り方は人それぞれかもしれないけれど三人ならちゃんと想いを届けられる。少なくとも私はそう信じてるわ。 |
カノンノ・G | ……ありがとう。何だかまた、自分や私たちの歌に自信をもてるようになった気がする。 |
カノンノ・E | いつもの私たちらしく自信を持って演奏すればいい、ただそれだけだよね !ありがとう、ミリーナ ! 私も大好きだよ ! |
ミリーナ | ふふっ。どういたしまして。 |
カノンノ・E | よーし ! ミリーナから元気もらったし今からもう一度練習しよう ! |
カノンノ・G | うん ! 最後の追い込みだね !明日の本番に向けて、最後まで頑張ろう ! |
P・カノンノ | …………。 |
コーキス | パスカ様 ? どうかしました ? |
P・カノンノ | あっ……うん。 |
P・カノンノ | あ、あのね……ミリーナ、私は―――― |
ミリーナ | …… ? |
P・カノンノ | ……ごめん、やっぱり何でもない。明日のステージ、ミリーナが感動して泣いちゃうくらい頑張るから、見ててね ! |
ミリーナ | ええ。とっても楽しみにしてるわ。私も応援しているわね。 |
ミリーナ | ……パスカ、何だかいつもと様子が違ったわね。 |
コーキス | ミリーナ様が目覚めるまで随分心配してたみたいですし少し疲れが出たんじゃないですか ? |
ミリーナ | そうなのかしら……。 |
キャラクター | 8話【お月見9 トラブル】 |
カノンノ・G | もうすぐ本番だね。人もたくさん集まって来てるみたい。はやく演奏したいなぁ、楽しみだよ。 |
P・カノンノ | …………。 |
カノンノ・G | ……パスカ、大丈夫 ?もしかして具合でも悪い ? |
P・カノンノ | あっ……ううん。会場を眺めてただけだよ。 |
カノンノ・G | やっぱり緊張してる ?楽しみだけど、ドキドキするよね。 |
P・カノンノ | うん……でも恥ずかしいとか失敗が怖いっていう緊張とはちょっと違うの。 |
P・カノンノ | 会場を見たら気がついたんだ。家族で来ている人、恋人同士で来ている人、本当に色んな人が来ているんだって。 |
P・カノンノ | どの人たちもそれぞれ違ってる。いろんな想いや考えがあって、いろんな愛を持ってる。 |
P・カノンノ | 私たちの想いがちゃんと届けられるよう精一杯頑張らなくちゃと思って。 |
カノンノ・G | ……パスカ、聞いて。私、ミリーナと話してて思ったことがあるんだ。 |
P・カノンノ | ……えっ ? |
カノンノ・G | 人と人って……完全にはわからないかもしれないけどわかり合えないわけじゃないんだって。 |
カノンノ・G | きっと大切なのは、まず向き合うことだよ。 |
P・カノンノ | ……向き合うこと。 |
カノンノ・G | パスカはもう真剣にやってる。だからパスカなら絶対に大丈夫、私が保証するよ。 |
P・カノンノ | ……グラスバレー。 |
カノンノ・G | みんなで一緒に盛り上げよう ! |
P・カノンノ | うん、ありがとう !私たちで最高のライブにしようね ! |
カノンノ・G | よし、それじゃあ三人で円陣を……って、あれ ?イアハートは…… ? |
カノンノ・E | あー、もうっ。どうして動かないの。 |
カノンノ・G | イアハート、どうかしたの ?機材の調子でも悪い ? |
カノンノ・E | うん。さっきから突然動かなくなっちゃったの。コーキス、ちょっと見てくれる ? |
コーキス | わかった……ちょっと待っててくれ。 |
コーキス | たぶん、このあたりが原因だな……。 |
カノンノ・E | どうかな ? |
コーキス | 何だよ ! 部品が壊れてるじゃん ! |
三人 | ええぇぇっ ! ? |
カノンノ・E | どうしよう。他の機材はもう余ってないよ。 |
カノンノ・G | 代えの部品はないの ? |
コーキス | 部品もないみたいで……いや、待て。部品だけならミリーナ様に具現化してもらえば何とか……。 |
P・カノンノ | ミリーナは街の外の丘だよね ?私、行ってくるよ。 |
カノンノ・E | パスカ、間に合うの ?もう時間がないよ。 |
P・カノンノ | 走れば間に合うと思う。それに私、ライブの前にどうしてもミリーナに話しておきたいことがあるの。 |
カノンノ・E | ……話しておきたいこと ? |
カノンノ・G | きっとパスカにとって大切なことなんだよね ? |
P・カノンノ | うん……。 |
カノンノ・G | わかった。それじゃあパスカを信じる。 |
カノンノ・E | そうだね。パスカならきっと大丈夫。私たち、待ってるからね。 |
コーキス | 司会の人には俺から事情を説明しとく。こっちもできるだけ時間稼ぐからな。 |
P・カノンノ | みんな、ありがとう !それじゃあ行ってくる ! |
キャラクター | 9話【お月見10 ライブ開始!】 |
ミリーナ | パスカ ! ここよ ! ! |
P・カノンノ | はぁはぁ……ミリーナ、よかった。近くまで来てくれてたんだね。 |
ミリーナ | 魔鏡通信で事情は聞いたわ。部品を貸して。 |
P・カノンノ | これだよ。お願い。 |
ミリーナ | ―― ! |
ミリーナ | ……はい。代えの部品よ。ちゃんと破損も修復してあるわ。 |
P・カノンノ | すごい……あっという間に。ミリーナ、ありがとう。 |
ミリーナ | これくらいお安いご用よ。気にせず行って。 |
P・カノンノ | 待って。その前に、少しだけ話したいことがあるの。昨日はコーキスがいたから言えなかったけど……。 |
ミリーナ | ……話 ? |
P・カノンノ | ……私にはミリーナの気持ち、わかるからね。 |
ミリーナ | えっ…… ? |
P・カノンノ | もちろん……完璧にはわからないかもしれない。だけど、ちゃんとわかりあえる部分もある。 |
P・カノンノ | 私も……世界を滅ぼした過去があるから。 |
ミリーナ | ……パスカが ? そう、なの ? |
P・カノンノ | 私はパスカという世界のディセンダーだったの。けど、パスカの人間はマナを湯水のように使い、争いばかりを起こしていて……私は絶望したわ。 |
P・カノンノ | だから私はもう一度、パスカを平和な状態に戻すためディセンダーの力を使って世界を滅ぼした。 |
P・カノンノ | そして、パスカの再生に必要なマナ確保の為に無関係な他の世界もいくつも滅ぼしてきた。ウィダーシンの指示だけど……自分の意志でもあった。 |
ミリーナ | ……それだけ、パスカの世界が好きだったのね。 |
P・カノンノ | ……うん。 |
P・カノンノ | その後、記憶を失ってからは普通の女の子としてテレジアのディセンダーと一緒に旅をしたわ。そしてテレジアのことも好きになったの。 |
P・カノンノ | けど、記憶が戻ったときパスカのためテレジアを滅ぼさなくてはならないことも思い出したんだ。 |
P・カノンノ | 辛かったし苦しかったけどいまさらもう後には引けなくて……。 |
ミリーナ | テレジアのディセンダーとも戦ったのね。 |
P・カノンノ | ……私は敗れた。これでもう終わりだと思ったわ。だけど、あの人は……私を受け入れてくれたの。テレジアもパスカも、みんなで一緒に救おうって。 |
ミリーナ | 本当に素敵な人なのね。テレジアのディセンダーさん。 |
P・カノンノ | そうなの ! だから、今度は私の番 !ミリーナも一人じゃないわ !辛い事を分かり合える人もいること忘れないでね ! |
ミリーナ | ……話してくれてありがとう。とても励まされたわ。 |
P・カノンノ | うん――それじゃあ会場に戻るね。 |
ミリーナ | ええ。行ってらっしゃい。少し離れた場所にいるけど私はちゃんと聴いてるわ。 |
P・カノンノ | うん !私たちは世界中に届けるつもりで演奏する !楽しみにしててね ! |
キャラクター | 10話【お月見10 ライブ開始!】 |
コーキス | よっしゃ ! 機材が直ったぞ !さすがミリーナ様だ ! |
カノンノ・E | パスカ、はやく着替えて。着付け手伝ってあげるね。 |
カノンノ・G | 髪のセットも同時にしちゃうね。 |
P・カノンノ | い、急がなきゃっ。 |
司会 | あの……まだでしょうか ?これ以上かかるようなら出演はキャンセルにさせてもらいますが……。 |
コーキス | す、すいません。本当にあと少しなんで……。 |
コーキス | おーいっ ! まだか ! ?さすがにもう時間は延ばせないぞ ! ? |
三人 | ……準備できたよ ! ! |
三人 | 会場の皆さん ! お待たせしました ! |
カノンノ・E | 二人とも、いよいよ本番だね。天候にも恵まれてよかったよ。 |
カノンノ・G | それに、こんなに大勢の人が観に来てくれたのもすごく嬉しいね。 |
P・カノンノ | ……。 |
カノンノ・E | パスカ、ぼうっとしてどうしたの ? |
P・カノンノ | 二人とも、見て。お月様、すごく綺麗だよ。 |
カノンノ・E | ……ホントだ ! とっても明るくてキレイ…… !楽屋からだとよく見えなかったからビックリしたよ ! |
カノンノ・G | これが中秋の名月なんだね。夜なのに月明かりだけでライトアップがいらないくらい明るい。 |
P・カノンノ | ……うん。パスカの月とは違うけどティル・ナ・ノーグの月もやっぱり好きだな。 |
カノンノ・E | またあの人に見せたいものが増えちゃったね ! |
カノンノ・G | あの人にも私たちの想いが届くように精一杯歌おうよ。 |
P・カノンノ | そうだね。世界中だけじゃなく世界を越えて届けられるぐらいに。 |
カノンノ・E | ……って、あぁ !会場の皆さん、ごめんなさい !つい私たちだけ盛り上がっちゃって ! |
P・カノンノ | 皆さんも楽しんでいってくださいね。 |
カノンノ・G | それじゃあみんな、準備はいい ? |
二人 | うん ! |
カノンノ・G | いくよ……せーのっ―― |
三人 | ミュージック・スタート ! ! |